中華人民今日も書く。

休日出勤でひとり電車に乗る悲しさよ。

携帯を広げ、娘・R(10ヶ月)の画像を眺めながら
心を慰めていたら、隣から腕がにゅっと出てきて
携帯画面を指差した。

振り向くと、テイトウワのようなメガネをかけた青年が
ニカッと笑い、フヤンフヤンと中華人民系の言語で
話かけてきたのであった。

おおそうか。この青年もRの画像を見てときめいたのか。
僕の娘の可愛さは東洋共通なのだ…と思いきや、
中華青年はノートと鉛筆を取り出し、

「携帯。機種。SO505@」

実際は中国の漢字なので若干違うが、大体こんな感じの
漢字を書いて僕に見せ、

「ジスタイプ、ハウマッチ?」

と、僕に問いかけたのだった。青年はRの画像ではなく
この機種のケータイそのものが欲しかったのだ。ちぇー。
まあいいけどさ…。

さて、答えてやろうにも僕は中国語を知らん。
なので日本語と英語のチャンポン、それに加えて自分なりに
中国っぽいアレンジをして答えることにした。

「僕が買った時は20サウザンド円だった大三元。
 バット今はニュータイプが出てるからもっとチープだ回鍋肉」

青年はふんふんと頷く。あらやだ通じちゃったよ。
再び青年はノートに筆を走らせる。今度は

「携帯機械。中古SHOP。DO YOU KNOW?」

と書かれており

「アイム・フォリナー。アイ・キャント・バイ・アット携帯SHOP」

と尋ねるのであった。外国人は携帯買えないんだっけか?
僕は疑問に思ったが、この青年はハードそのものが欲しい
ようなので、通話出来る出来ないは関係ないのだろう。

しかし、携帯の中古店なんてものは僕は知らなかった。
秋葉原に行けばそういうジャンク屋があるのかもしれないが…。

「アイドンノウ。ごめんね北京五輪」

こう答えるしかなかった。電車は間もなく僕の職場の駅に到着し、

「サヨナラ食在広東」

と、青年に別れを告げた。残念だ。仕事でなければ
秋葉原に行って一緒に探してもよいと思ったのに。
実は、Rが僕のケータイをいじるのが大好きなのだ。
R用にひとつジャンク品を買ってやるのも妙案である。

また、中国青年のお眼鏡にかなうケータイジャンク屋を
見つけることが出来れば

「ありが豆板醤」

「どういたしまし天安門」

日中友好の素敵な会話をすることができた…わけないか。ポコペン。
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