神々の黄昏。

実家の母に「フラワーパーク」に連れて行かれた。

「ここにね、世界一大きい藤の木があるの。
 今ちょうど花が咲いているところなの。行こうよ」

あまり興味はなかったが、その、藤フラワーパークに行く途中には
僕にとって非常に重要なものがあるので(後で書く)
行くことにした。

僕・母・嫁・娘R(8ヶ月)の4人で車に乗って到着。

そこには確かに藤棚がトンネルになっていてその中を人が通るという、
とんでもなく馬鹿でかい藤の木があった。
しかし全体的にはオバサン園芸趣味の藤フラワーパークであり

「ほら、よく見なさい!ホントに大きいわねえ!」

母は感動していたが

「ホントにホントにホントにホントに…藤〜サファリパーク」

僕は退屈であった。

嫁は「名物藤まんじゅう」を「名物豚まんじゅう」と
読み間違えていたし。

そんな感じで帰り道。嫁が車の窓から通り過ぎる市街地を指し

「あ、キリスト」

「あ、ここにもキリスト」

といちいち僕に伝えてきた。「キリスト」とは



この看板のことである。

この街道沿いには他にも「死後裁きに会う」とか
「悔い改めよ」といった、聖書の言葉が書かれた
おどろおどろしい看板が多く貼られており、
冒頭で「藤より重要」と書いたのはコレのことである。

僕はこの看板が大好きなのだ。何故好きなのかと言われても困るが…。

以前から僕はこれらの看板を写真に撮ってコレクションしている。
嫁もそれを覚えていたのだ。

嫁、分かっておる。これのためにわざわざ母に付き合ったのだ。

しかし…娘・Rが「ふええええ」と、グズり出していた。
こうなると一刻も早く家に帰り、授乳したりおむつを
取り替えなければならない。この状態だと

「ちょっと止めて写真撮らせて!」

などとはとても言えない…嫁に怒られるであろう。
神の教えより娘のオシメである。

母も母で、以前の時は「オウムにでも入ったんじゃ…」とか
変な目で見てたしなあ…。

今回は涙を飲んで撮影を断念することにした。
ごめんね、キリスト様。それまで撤去されないで下さい。

キリスト御免。
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