この日なら いいよと君が言ったから 師走7日は美少女記念日。

些細な出来事があった日をいちいち記念日と称して

「今日は何の日だ〜?」

などとニタニタ確認して来、知らぬと答えようものなら
鬼女の如く怒り狂ういわゆる「記念日女」が往々にしている。

僕はこれを「阿仁場沙里奈さん(あにば・さりな)」と名付けて
忌み嫌う。しかし嫌いだからで済まされる訳がないのが男女の仲。
僕の嫁はそこまでひどくはないが、とりあえず怖いので入籍した日と
嫁の誕生日ぐらいは抑えている。

そんな記念日嫌いの僕が敢えて記念日と指定するのが今日、
12月7日である。

忘れもしない去年のこの日、僕はずーっと片想いし続けていた
美少女Rちゃんと再会した。

Rちゃんは17才の頃から近所のゲーセンに勤めていた女の子で、
ゲーセン常連だった僕は深夜毎晩のように遊びに行き、おまけに
文通などもしたりして、僕は誠に清く美しいオヤジ純愛を育んでいた。

それがゲーセンを止めてから連絡が取りづらくなり、やがて
半年ほど音信普通が続いた後、突然Rちゃんから連絡が来て
再会できたのである。

嫁と産まれて4ヶ月目だった娘・Rとも対面してもらい

「娘の名は君のをそのまんまもらったよ」

「それって変だよ!」

などと嫁に遠慮しいしい言っていたのが昨日のことのように
思い浮かぶことが出来る。

しかし再会した日は同時に最後にあった日になってしまった。
あれからまたプッツリと連絡が途絶えてしまっている。
何故かは分からない。僕が嫌われてしまったからだろうか。
それならそうと言ってくれれば僕も諦めがつくのにさ…。

あれから1年。Rちゃんと同じ名前の娘は無事に成長して
僕と同じ布団に寝ている。出来ればRちゃんともこうして…
ええい、筆が滑った。ともあれ、机に飾ってある写真スタンドの、
Rを抱いたRちゃんの写真を見るたびにこの記念日のことを
ゆめゆめ忘れるまいぞと胸に刻み付けるのである。

…ふと。

テレビの上にも写真スタンドが飾ってある。それに目が留まった。
僕と嫁の結婚披露宴の写真だ。僕らは7月7日に籍を入れ、
その約半年後に披露宴を行った。

これは確か12月1日のことであり…ヒイイイイイ!

籍を入れた日は覚えていても披露宴した日はすっかり忘れていた!

もう6日も過ぎているではないか。豪快にスルーしてしまった。
…最近嫁の機嫌がよくなさげに見えたのはこのことか?

言うのは止めておこう。来年まで気付かぬフリを通すのだ。

結婚披露宴の記念日を言ってみたところで「何を今更」と
血痕疲労怨になるだけである。怖くて話せない…。
.

Trackbacks

< ハイヨーシルバーな人々。|TOP|抱かれてくれたら、いいのに♪ >