クリスマスプレゼントはセーラー服を。

娘・R(1才)へのクリスマスプレゼントは
何がいいだろうと迷っていた。

どうせ贈るのなら何年経った後でも

「1才の時はこんなものを贈ったね」

と思い出せるような素敵なものにしたい。
どんなものがいいかと嫁に助け舟を求めてみたら

「別になんでもいいよ」

めちゃくちゃ醒めた答えが返ってきた。昔はメルヘンな
クリスマスを過ごしたがっていた癖に、Rを産んだ途端に
ただひたすら現実生活主義な嫁である。

が、嫁はふと思い出したように付け加えた。

「セーラー服にすれば?」

「それだ!」

僕はセーラー服が大好きであり、それをRに着せる事が
無上の喜びである。しかし夏服しか買っていなかったので
しばらくRのセーラー服姿を愛でることが出来なかったのだ。
セーラー服がRへのプレゼントとなり、着た姿を見せてくれる事が
僕へのプレゼントともなろう。

「でも…セーラー服を探すあなたって、怪しく思われない?」

「ば、馬鹿な!」

1才4ヶ月の目に入れても痛くない娘のために、可愛いおべべを
探す父親…大義名分は立派にある。いくら鼻の下を伸ばしまくって
服を物色しようともこれを罰する法律は存在しない!

アイムノットギルティー!と、大見得を切って嫁に留守番を任せ、
池袋愛撫百貨店(仮名)子供服売場に来たものの、やはり女の子服を
手に取る事には照れがある。そのギクシャクさが店員に挙動不審として
映ってはいまいか。いや違う。僕は娘想いの良き父親なのだ。

「へへ…怪しいもんじゃないよ。おいらベロってんだ…」

自分にそう言い聞かせてセーラー服(正確にはセーラー服風の
ベビー服)を探してみたが、見つからない。
さ迷っている内にいつしかベビー服ではなく、もっと年齢が上、
というかギャル服の売り場に入り込んでしまった。

そこで見たものは…女子中高の制服!

いや、本物の制服ではなかった。学園もののエロスゲームに
出てきそうな、制服以上に制服っぽいブレザーやセーターや
スカート達あった。

セーラー服が大好きな僕は、無論そういった制服の類も大好きである。
子供服よりやはりこういう方が良い…15年後ぐらいにRに贈ってあげたい
なあ…と、それらの服の前で金縛りにあったように佇んでいたら、

店員が怪しげな視線で見ていたのでトンズラした。
嫁の予言どおりに怪しまれてしまった。あな口惜しや。
このような罠があったとは。

それもこれもこの百貨店が広大なのがネックであり、自力で探すことに
限界を感じた僕は「店員に聞くしかない」と決意した。
ベビー服売り場のエリアに戻り、その辺の姉ちゃん店員を捕まえて

「服を探しているのですが…」

「はい、どのようなものをお探しで?」

「えと、セ…」

「はい?」

どうしても「セーラー服」と口に出すことが出来ない。
「何だ制服フェチか」と思われるのでは、と恐れてしまい
戸惑ってしまい、遂には

「ま、マドロス風な…」

などという訳の分からないことを口走ってしまった。
しかし幸運なことにその店員は

「あの…ポパイみたいな感じでしょうか」

と、当意即妙に答えてくれ、

「そそそそそうです!それの冬もの!」

店員は僕の言葉を受け、見事に僕が欲しかったセーラー服
(風ベビー服)を持ってきてくれたのであった。

かくしてRのプレゼントを手に入れることが出来た。
あとは夜、枕元に置くだけである。

そしてその後の着せたり脱がせたりは僕の
お楽しみということで…。

ちなみに僕へのプレゼントはというと

「あなた、適当にお金あげるから好きなもの
 自分で買ってきて」

ということだった。そんなのプレゼントじゃないやい!
.

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