真夜中は別の顔の父娘。

朝から娘・R(1才)の熱烈なラブコールを受ける。
目覚めた時からニンマリと笑い、絵本を片っ端から
引っ張り出して「読め」と僕や嫁に催促する。

読んでやるとこちらと絵本を交互に見ながら「あだ」とか
「たぅー」とか
声を上げてとても楽しそうだ。

ああ、何て可愛い娘。

絵本に飽きたかと思ったら今度は両手を広げて
ダッコしてえ〜、もしくは手を繋いで〜、というジェスチャー。

抱いてやると上機嫌だし、両手を繋いでやると
キャアアアと雄たけびを上げて部屋中を歩き回る。

ああ、何て可愛い娘。古事記風にいえば、あなにやし、えおとめを。

しかし朝の時間というのは出勤で忙しいものである。
絵本を読んで〜と言われても着替えなきゃならないし
ダッコしてえ〜と催促されても歯を磨かなきゃならないし、
それでも無視するわけにはいかないので

「ちょっと待ってね」

しかし少しでも間を置いてしまうと、Rは差し出した本を床に叩きつけるわ
伸ばした手を広げたまま大泣きするわで収集がつかなくなるのだ。

メロメロなってしまうほどの甘えっぷりである一方、
夜になるとRの態度はがらりと変わる。

夜泣きでぎゃんぎゃん暴れだすので僕が抱いてあやそうとするのだが
全く僕を受け入れてくれず、全力で僕から逃げようとする。
もうかれこれ何ヶ月もこの状態である。

いったい何が違うのであろう。
Rなりの本能で夜の僕、すなわちミッドナイトファザーはかなり
エロスで危険であるということを察知しているのであろうか。
…フフフ。

昼間は淑女のように、夜は娼婦のように。

僕はRをこのように育てようと思っているのだが、今のところ

昼間は甘えん坊、夜は暴れん坊。

このようになってしまっている。…まあ、いいか。ちなみに父は

昼間も夜も甘えん坊の後、暴れん坊である。

しかし嫁にこの手は通用しなくなってきてしまったのではあるが…。
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