汁汁満ちる。

風邪を引いた娘・R(1才)が鼻汁タレ子のままである。
咳もひどい。タンが絡むようでノドがゴロゴロ音を
立てている。

そして僕も咳がゲホゲホと止まらず、Rと同様にタンが絡む。
ふたり揃って粘液が出て止まらない汁親子になってしまった。
僕はともかくRの具合が心配だったので、また嫁にRを
小児科まで連れて行ってもらうことにした。

「新しい薬をもらってきたよ…。今年はね、咳が止まらない
 風邪が流行ってるんだって」

会社から帰ってきた僕に嫁が教えてくれた。

「僕も咳が止まらないぞ。ということはRと同じ風邪か…。
 ムフフ…Rと同じ…娘と同じ苦しみを共有…ドゥフフ…」

「なに喜んでるのよ!あなたはあなたでチャンと薬飲んで
 とっとと治しなさいよーッ!」

などと嫁に怒られてからしばらく、

「ふやああん。げほげほ」

Rが起き出して来た。やはりノドや鼻が苦しいようだ。
一発くしゃみをしたかと思うとその勢いで鼻汁がどばっと
溢れ出し、ぐずって泣き出す始末。

「これは…吸うしかないな」

僕は赤ちゃん鼻汁用のストローを持ち、Rの鼻穴に突っ込む。
Rはギャアギャア叫んで抵抗するが嫁に押さえててもらい、
ジルジルと音を立てて吸い出した。

吸い取ったものはストローの途中にある容器に溜まるのだが、
見てみると結構な量であった。これだけの鼻汁が溜まっていた
のだから辛かったに違いない。

僕がストローを離した後、Rはスッキリしたのだろう、機嫌が良くなった。
しかし寝るどころかオモチャで遊び始めたり、寝ている嫁に抱きついて

「ふにゃあん」

などと甘えてしまっている。このままでは再びグズり出すことは
必至であるので

「ほーら、みんなねんねしちゃうよー」

僕も嫁も布団に入って寝る体制に入ったのであった。
とは言っても僕は寝ているフリをしているだけである。
何故ならば、僕は僕でなんというか、その、下半身のほうに
汁が溜まっており、Rが鼻汁を出してスッキリして寝た後は
後は僕も下汁を出してスッキリしたいと考えておったのだ。

しかしRは一向に眠ろうとせぬ。せめて前哨戦として乳でも揉んで
ちょっかい出そうとしたが、Rが嫁に覆いかぶさってじゃれているので
それも叶わぬ。そのうち眠気が襲ってきて僕は寝てしまった…。
翌朝目覚めた時の口惜しさといったらなかった。

僕ら家族の中で唯一風邪を引いてなく、鼻汁もタンも
下汁も溜まってない嫁。それならばおっちゃんのテクニークを
用いて嫁の奥深き箇所から汁を溢れさせてやろうぞと意気込んで
いたのに。

そうすればみんなで汁家族。

汁マニアファミリー。
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