▼真宵ちゃんが なるほどくんに たくす(逆転裁判)
「そうだ、検事に聞きたいことがあったんですよ」
「む、なんだろうか」
「弁護士バッジ持ってれば、誰でも弁護士なんですか?」
「…君のその唐突な物言いに成歩堂ほど慣れていなくてすまないが、もう一度言ってもらえるだろうか」
「いや、弁護士バッジつけていれば誰でも弁護できるのかなあと思って」
「……。…真宵くん、この国には法律と言うものがあってだ」
「やー御剣検事、弁護してくれたんでしょ?話聞いてますよ!」
「ぐ!な、どこから!なんのこと、いや」
「ヤッパリさんが言ってましたよ」
「あの男、いつか始末をつけなくてはならないな…」
「いやあそれにしても男前ですねえ御剣検事!橋からまっさかさまで風邪引いたなるほどくんのために法律でさえ敵に回すとは!」
「ぐ、ぐ!!」
「熱い友情ですね!」
「…もう、それぐらいで勘弁してもらえないだろうか」
「あれ、検事どうしたんですか。顔色がなんか灰赤紫ですよ」
「そ、それはともかく、聞きたいことと言うのはそれだけか?」
「あ、そうそう。私も一度こうビシっと指を刺して異議あり!とやってみたくてですね。なるほどくんからバッジ借りちゃおうかなあと思って」
「よしたまえ」
「じゃあ、こういうのはどうですか、交代制」
「は?」
「なるほどくんは、わたしにバッジを渡す。で、わたしはなるほどくんにこの勾玉を託す。役割交代。ね、どうです?」
「……ど、どうですとはなんだろうか。私に意見を求めているのか!?」
「どうせなら御剣検事もいれてシャッフルしちゃいましょうか!あはは凄く面白そう!検事にお姉ちゃん降りたらどうなるんだろ!」
あっそうだ今度一緒に検事も修行します?凍えるような寒さの夜に骨まで凍るような水を一晩浴びるんですよ!もうありがたくってありがたくって悟り開きまくりですよ!
笑顔で両手を合わせて肯く弁護士助手をこの世のものとは思えぬといった表情で見ていた検事は、ああ、と天を仰いだ。警察側は警察側であのうっかり代表イトノコが主任だったりする時点で大分相手にハンデを与えていると思っていたがそうではない。この突拍子もない少女がいる限り、かの頭のとんがった弁護人の調査も進むに進まないであろう。五分五分であったのか。
しかし君はなんというか…どこからそんなにぽんぽんとわけのわから…独創的なアイディアが出るんだと思わず問いかければ、まあほら、私みたいなのが一人いることで行き詰ったときにもしかすると役に立つかもしれないでしょう?お金がないときにいざと言うときにたたんで靴底に入れてるお金みたいな存在だと思ってもらえれば!
こんなことを言われたのだが、と何の前置きもなく突然言われた弁護人その人は驚くより何より、真っ先に目の前の友人に同情をした。真宵ちゃんはまあいつもあんな感じだよ、御剣。そのうち慣れる。
あ、そうだこの間借りてた飲み物代、と靴底から1000円札を取り出した弁護人に、ああ、お前も同類だと検事は頭を抱えつつそれを受け取った。彼女が毒されたのか彼女が毒したのかそれは深く考えないほうが賢明であろう。
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お互い相乗効果で悪影響に1票。
みつるぎくんはいつもいつも被害者であるといいですね(笑顔で)
リクエストありがとうございました!
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