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ドロシーと レオンが はしる(OZ)


レオンさんレオンさんと足元から名を呼ばれ、男はそちらへ視線を向ければ少女が一人一生懸命彼を見上げていた。現在彼が間借りしている家の持ち主兄妹の妹のほうである。おおどうしたよと尋ねれば、お話聞いて欲しいんですと必死な表情で見上げられた。元来子供好きな彼が二つ返事でもちろんと答え、少女の目線にあわせるべくその場にしゃがみこめば、強くなるにはどうすればいいと思いますかっと勢い込んだ台詞をぶつけられた。

は?なんつった今?強くなるだ?



こう見えて、彼女は先日ふわりとワンピースを風にふくませ可愛らしいバスケットを振り回し暴れ牛を退治した実力の持ち主である。そんなに威力があるようには思えないその2,3撃で崩れ落ちたその巨体を思い出す。そのバスケットが勢いあまってぶつかって砕け散っていた大木の幹を思い出す。何製なんだよそのカゴは。レクスか、レクスなのか。

お前は十分過ぎるほど強いので大丈夫だろうと彼は言いかけたが、そのあまりに真剣なまなざしに言葉をなくす。子供と算数とご飯にとことん彼は弱かった。
わたし、皆さんに迷惑かけないように強くなりたいんです!アルミラさんに聞いてみたら、レオンさんのほうが適任だって言われたんですと言う言葉に、彼はこの場にいない相棒を恨んだ。なんという責任転嫁。しかし彼は悲しいかなかの女傑、冷徹なるカテナにも弱かった。


子供と算数とご飯とついでにもう一人にとことん弱い彼はその真剣なまなざしに答えるべく、そうさなぁと腕を組み、自分がこれまでどうしてきたかを考える。…喧嘩したり喧嘩したり喧嘩したりの毎日だった。これはさすがに言えない。とりあえず喧嘩吹っかけてあとは実践でなんて教えた日にはフィールとアルミラの協力攻撃を食らうことになるだろう。あいつら俺いなくってもオーバージーニス出しそうな時あるしな。


言葉に言葉を選び、レオンは口を開いた。
答えるほうも真剣な表情。


「とりあえず体力つけるのが一番じゃねえか?」


ほら、言うだろ。体力作りの基本は走り込みだとかよ。











ねえ、アルミラ。あの二人すさまじい勢いでなにやってるんだろう。


土煙を上げてそこらじゅうを駆け回る男と少女を呆然と見やり、井戸水を汲みながら青年が問う。軽々と薪を割りながら女は答えた。




特訓だそうだ。

…なんの?









レオンとドロシーは同じくらいの精神年齢だといいですね!(笑顔で)
なんにせよドロシーの強さは半端ないですね!(怯えながら)

ビッグバードさんリクエストありがとうございました!

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Dramatic Irony