お股行進曲

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夜中、腹が減って夜泣きした息子・タク(4ヶ月)に、嫁が乳を与え、おむつを交換していた。

それを眺めている僕に向けて放たれた股間の真ん中には、小さなイナリワン。すなわち玉袋。

「おお、寒いから縮まって小さくなってるぞ」

小さくてもちゃんと機能していることに感動を覚えたが、嫁は

「こっちも小さいわよ…」

タクの男性自身本体を見て心配そうに言った。僕はそうは思わないが、嫁はタクが生まれた時から「小さ過ぎる」と気にしているのである。お前は今までどんな立派なお宝と遭遇してきたのだ、と男性自身なだけにツッコミを入れたくなるのだが、改めて見ると、同年代の子と比べて人並みか馬並みかどうかは別にして確かに可愛い。僕の小指の第一間接から先よりも小ぶりで、これが将来凶暴化してモザイクをかけなければならなくなるなんて考えられない。思わず指でくるくる回して「安藤美姫の4回転チンコウ」などと弄びたくなる。

しかしそれはセクハラであり父子ショタホモという変態の3冠になってしまうため自粛した。ところが嫁は僕の考えの斜め上を行っていた。

「コレをマッサージし続ければ大きくなるかしら?」

「そんなことすんじゃねえ!風俗嬢かお前は!」

男性自身はマッサージされれば一時的に大きく固くなってしまうものである。嫁は勿論この意味の「大きくなる」ではなく、サイズ自体を大きくしたいと考えての事だろうが、僕は断固として男性自身なだけに精子…いや静止した。その理由はこうだ。

「そのマッサージが気持ちよかったりして、タクが癖になって『ママやって〜』とかサカリがついちゃったらどうする!将来彼女とムフーンなことをしても『…ママのとは違う』とか真顔で彼女に言っちゃったらどうする」

タクが究極のマザコンにってしまうかもしれない。このことであった。嫁は唸りながらタクの股間を眺めていた。嫁の顔は母の顔になっていた。

僕もこうして母親におむつを換えられていたことを思うと、男というものは母親には絶対敵わないものなのだと感じた。こうして1日に何度も無防備な股間を見られているのだから、息子がグレたとしても

「私はあんたのお股がポークビッツより小さい頃から見てきてんのよ!」

と啖呵を切られればぐうの音も出ない。僕だったら「母ちゃんごめん」と更生してしまうだろう。尤もこれまでの会話を聞いてしまったらグレるのを通り越して出家してしまいそうであるが。

一方で僕はこの手を娘・R(2才)に使えるだろうか?

「パパはなあ、お前が産まれた時からずっとお股を…ぐっふっふ」

「パパのドエロー!」

…父親とは損な役割である。

親として、子供のお股からも考えさせられることは多い。色々考え、悩んだ今宵のひととき。

これを股ニティブルーといいます。
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