こどもの城はこどもの好きにしろ。

「晴れてればなあ…海に行くのに」

空を見つめる嫁はアンニュイ。

「せっかく遠出して海に行っても、こんな天気じゃ
 哀しさ倍増だよ」

海に行くのが僕にはメンドイ。

しかし娘・R(もうすぐ2才)を遊ばせてやりたい。では
雨が降っても大丈夫なところにしようということになり、
青山こどもの城に行った。どういうところかというと、
500円の入場料を取られる分、それなりに立派な児童館
である。

「ここはね、愛子さまも来てるんだよ!」

嫁がそんなことを言うので、除霊でもしに来てんのか?と
思ったら宜保愛子のことではなくて、御所にお住まいの
高貴なお子様のことらしい(あたりまえだ)

僕ららが行った時には当然やんどころなき姫君はおらず、
ちょうどシステムキッチンのミニチュアセットが空いて
いたを見つけたRは、早速せっせとおままごとに励んで
いたところ、見知らぬ女の子がやって来て

「あのね、ここ私が遊んでたの。ここは私の場所なの。
 だからどいてくれないかなあ」

メチャクチャ自己中なことを言い出した。かわいくねー!
やんごとなき姫君どころか仁義なき女童(めのわらわ)

「んー?ここは皆で遊ぶところだから一緒に遊ぼうよ」

怒りを抑え、努めて良いオトナを演じるべく、ひろみち
お兄さんの口調を真似て優しく諭したのだが、その女童
はしかめっ面をしてどこかに行ってしまった。

一方でRに視線を移すとケーキや野菜などの食材のおもちゃを
バクバク食べている真似をしていた。

「お腹減ったのかしら」

「昼飯食おうぜ」

一旦子供の城を出て、向かいのロイヤルホストに入った。
愛子さまにあやかり名前だけはロイヤル。王家のもてなし。
ファミレスだけど。

ところがこの店がまずかった。注文してもなかなか料理が
出て来ず、Rが飽きてしまいぐずり始めてしまった。気分
転換にとRを抱いて店の外に出たのだが

「うわーん!うわーん!」

Rはこどもの城を指差して余計に泣き出してしまった。
あっちでもっと遊びたい!という意思表示だろう。

「はいはい。もうすぐだからね」

などと言っても泣き止むわけがない。ようやく運ばれて来た
時にはRは泣き叫びの絶頂期に達し、結局僕が抱いたまま嫁を
早く食わせてこどもの城に戻ったのだった。

後から僕が自分のぶんを食べて嫁と合流した時には

「あれからすぐに寝ちゃった」

泣いて無駄に体力を使い果たしてしまったRはベビーカーの中で
眠っていたのであった。可哀相に。おのれロイヤルホスト。
ロイヤルとは名ばかりである。

王家なんだから、パンがなかったらケーキを持ってこいやー!
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