泣く娘。怒鳴る嫁。

娘・R(1才)は赤ん坊だからよく泣く。

それは生まれたときから変わってないが、嫁がちょっと
変わってきた。おそらく虫の居所が悪い時なのだろうが、時々

「うるさいのよ!もう!」

Rを叱ることがでてきた。以前嫁の父がウチに来た時に、
人見知りして泣くRに向かってやはり

「うるさい!」

詩吟で鍛えた張りのある声で怒鳴ることがよくあった。

「こんな小さな子に怒鳴ってもしょうがないじゃないの」

と嫁もそれを嫌っていたはずなのだが…と、そんなことを
夜の寝床で話し合っていたら

「あら。それはいけないわ。反省しなくては…」

「おお、分かってくれたか」

嫁は理解したようだった。ハレルヤ。

「でも、実際のところRの泣き声はうるさいでしょう?」
 
「いやー…僕は泣き声ですらカワイイと思うぞ。君はRと一日中顔を
 付き合わせているからウンザリすることもあろうが…」

「そうかなあ」

などとボソボソと語り合っていたところ

「あばー!」

隣で寝ていたRがいきなり起きて立ち上がってしまった。

「うわ!今の話聞いてたのかもしれないぞ」

嫁はRをにっこりと抱きしめ

「泣きじゃくるRちゃんもカワイイってお話してたのよ~」

「お前は言ってねー!」

「いえ、私もそういう結論に持ってこうと思ってたのよ」

「調子いいんだなあ」

僕も嫁に甘えてくなったので

「ママー。ママー」

と嫁に寄りかかってみたら

「あなた、うるさい!」

今度は僕が怒鳴られてしまった。

僕に怒鳴る分にはいくらでも怒鳴っていいのよ…。
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