3/1/2021/MON
2月のアクセス解析
「メビウスの輪としての言葉」が突然、ダントツで一位になっている。調べてみたけれども理由はまったくわからない。どこかで紹介された様子もない。
10位から20位までに『親と死別した子どもたちへ』、『行人』、『「聴く」ことの力』の感想が入っている。
しばらく上位にいた『教養主義の没落』は急に20位以下に下がった。
「メビウスの輪としての言葉」が突然、ダントツで一位になっている。調べてみたけれども理由はまったくわからない。どこかで紹介された様子もない。
10位から20位までに『親と死別した子どもたちへ』、『行人』、『「聴く」ことの力』の感想が入っている。
しばらく上位にいた『教養主義の没落』は急に20位以下に下がった。
日曜日。小金井公園まで歩いた。
梅林は満開。サンシュユも咲いていた。
SLの前の寒桜はまだ咲いていなかった。代わりに遊歩道で河津桜を見つけた。
帰りも歩いた。20,000歩以上。
途中、珍しい鶏肉のハンバーガーを昼食に食べた。牛肉のような肉汁がない代わりにトマトソースがたっぷりかかっていて美味しかった。
季節の移り変わりを感じる一日だった。
さくいん:小金井公園
会社の就業規則が変わる。より働きやすい方向へ変わる。
1回目の説明会で「この変更は契約社員にも適用されるか」と質問した際、返答は「正社員のみ」だった。
ところが、変更内容の説明をイントラネットで確認すると、対象は全従業員になっていた。人事担当者の勘違いだったらしい。
新しい制度とはコアタイムなしのフレックスタイム。1日のうち、いつ働いてもいい。週の労働時間が基準に達するなら、極端に働く日とほとんど働かない日を設けてもいいらしい。もっとも、事前に上長と計画の合意が必要だし、週休3日にすることはできない。
保育園の送り迎えなど「中抜け」したい人には、都合のよい制度だろう。実家に帰る日は早く切り上げたい私にもメリットがある。
すでに有給休暇を1時間単位で取得できる制度もあるので、今働いている会社はかなり働きやすい所と言える。
福利厚生も改善されて手当が増えるので、実質、月給が3,500円増える。スポーツクラブも割安で利用できるようになる。
たかだか3,500円といっても増収は増収。ありがたい。この5年、一度も昇給がなかったのだから。
注目は非常事態宣言解除後の在宅勤務の扱い。
私の場合、上長は別の事業所にいるので、相談事は必ず電話かネット会議になる。会社に毎日行く意味はない。
基本は在宅勤務、用事があるときだけ出社、という形が常態になってほしい。
さくいん:労働
今、主な業務は毎月の業績報告書の作成。加えてデータの抽出や加工も依頼される。
驚くのはピボットテーブルやグラフの作成を依頼してくる人がいること。
40代以下の人は学生時代からエクセルに慣れているものと思っていた。基本的な関数さえ知らない人が思いのほか多い。
そのおかげで私には居場所がある。知らない人から見ると、何か特殊な技を駆使しているように見えるらしい。
覚えてしまえば、たいしたことではない。それは語学も同じ。できない人からできる人を見ると神業のようにみえる。
スタートアップで売上の計画から予測、報告書の作成までやったことが役に立っている。
とても辛い体験をした人が同じような体験をした人をサポートしている話をよく聞く。
自分にはとても真似できない。
まだ自分のなかで整理ができていないからだろうか。それとも、まだうつ病が治っていないからだろうか。そもそも人を助けることができない、自分のことしか頭にない人間なのかもしれない。
いずれにしても、まだ私は自分のことで手一杯。ほかの人の話を聴いたり、手助けをする余裕はない。
だから、いわゆるPTGを得て、同じような辛い体験をした人を助けている人の話を見聞きすると、40年経っても一歩も前進していない我が身の弱さが情けなくなってくる。
それでいて「強くなりたい」とも思っていない。このまま、「この世界の片隅で」少しずつ朽ち果てていきたい。
辻邦生が1990年から亡くなる1999年まで毎週、新聞に書いていたコラム集。
辻邦生というと純文学の作家というイメージがある。エッセイなどを読むと文化や芸術だけでなく政治への関心も若い頃から持っていたことがわかる。
本書でも、話題は山荘のあった軽井沢の話題から社会問題や憲法論議まで、幅広い話題について書いている。
辻邦生は、非常に政治的な作家と私は評価している。デモに行くわけでもないし、何かのアピールを積極的にしているわけでもない。
それでも、こうして毎週、世の中の隅々にまで目を配り、批判精神を込めて現代社会を活写している。連載小説の締切を抱えながらこういう仕事をするのは簡単なことではないだろう。あとがきで佐保子夫人がその苦労を書き残している。
非政治的な表現がかえって政治や社会の肝に突き刺さる、ということがあると思う。それは言うまでもなく、本業でしっかりと地に足がついているからできること。
知られている名前を政治に利用することとは違う。
さくいん:辻邦生
綾瀬はるか「マーガレット」(2010)。
— 碧岡烏兎 (@uto_midori) March 5, 2021
彼女によく似合ってるなと思ったら、歌詞に出てくる江ノ電があとで出演することになる鎌倉を舞台にした『海街diary』(2015)と重なるからと気づいた。
綾瀬はるかと江ノ電の関係。
松本隆は気づいていたのだろうか。
たぶん、これまでのツィートで一番「いいね!」が多かったのでそのまま掲載しておく。
「気づいていたか」というよりも「見通していたか」の方が正しいか。
何となく美術館へ行くだけでなく、少し歴史や技法について知識を増やしたいと思っていたところ、とてもわかりやすい入門書を見つけた。
わかりやすいのは一問一答形式になっているから。例えば、
Q: バロックの特徴を教えて。
A: 強烈な明暗対比です。
簡にして要を得る。今まで何となく知ってると思っていたことも、一問一答形式のおかげで頭の中で整理ができる。
そごう美術館で院展を観た。いわゆる名画を国公立の美術館で見るのも楽しいが、いま、活動している画家の作品を見るのも面白い。
さまざまな画風の作品を同時に見られるのがいい。ここでもやはり青や緑、碧に注目してしまう。構図は写真を撮るときの参考になる。
写真は左上から「音階」(岸野香)、「冬の渓流」(村田林蔵)、「道」(早川圭子)、「煌」(小林希光)。とくに印象に残ったのは岸野香「音階」。タイのバザールで並ぶ民族衣装。青と白やピンクとのコントラストが美しい。
前に書いたことをもう一度書いておく。
逆に元気をもらった
この言葉が気になる。一言で言えば、嫌い。
誰だって憐れみの目では見られたくはない。
「さあ、慰めてあげますよ」と顔に書いてあるような人に対しては「何のこれしき」とカラ元気を振り絞って笑顔を見せているのではないか。
それに気づかない人は、頑張っている人が隠している本当の気持ちがわかっていない。
だから、軽々しく「元気をもらった」などと言える。
この言葉だけは言うまい、といつも思っている。
相変わらず人からの口撃をよけるのが下手すぎる。
逆ギレされるのが怖くて反撃もできず、ただ黙って言葉の銃弾を受けている。
防御力も弱いまま。攻撃されるとすぐ疲れる。ストレス耐性が低すぎる。
さすがに今回は言われてばかりで癪にさわったので、何とか、"やんわり"と、抵抗の姿勢を表してみた。
攻撃が止んだので、反撃には一定の効果があったとみえる。
在宅勤務が続き、単調な生活が続いている。一人が好きな私でも気分がうつむきがち。
ある晩、夜中に目が覚めて眠れなくなった。するとよくない考えばかりが浮かんでくる。
Twitterやめようかな。『庭』も終わりにしようかな
翌日、これではマズイと思い、昼休みに外へ出た。鉄棒にぶら下がり、少し歩いて図書館に行き、雑誌を数冊借りてきた。
買えるはずもない服やクルマの記事を読んで、しばし現実を忘れる。
気分が変わって、元気を取り戻した。
ストレス・コーピング。少しは上手になったか。
日曜日、散髪のあと、電車を乗り継いで「行きつけ」の博物館へ。昨年の11月以来。
清帝国、最盛期の皇帝、乾隆帝は5ヶ国語を操れたという。
武将であり、政治家であり、文人でもある、皇帝という人間のスケールの大きさに驚く。
写真は左上から、満洲文字、四庫全書「南巡盛典」、李鴻章の書「鳶飛魚躍」、アヘンの吸引器。
アヘンの吸引器は初めて見た。こういうものを見ると歴史を生々しく感じとれる。
ランチは附設のレストランで、小海老とジェノベーゼ・クリームのパスタ。メニューには「マテオ・リッチ・セット」と名前が付いている。
モリソン書庫で静かな時間を過ごすこともできたし、殿試策(科挙の答案)も久しぶりに見ることができて大満足の一日だった。
今回は図録も買った。薄い冊子の中に、清王朝の歴史を展示物を通して簡潔に解説する、簡にして要を得た、非常に有益な冊子。
午後は神保町に出て古書店街を散歩。新宿三丁目に移動して、百貨店で近々買うつもりの新しいメガネの下見。
一日中、外に出ていていい気分転換になった。
さくいん:東洋文庫ミュージアム
会社のDXが加速している。データ化できる間接部門の業務は世界でどんどん一元化されている。
当然、そういう部署が置かれるのは人件費が安い場所。
ここ数ヶ月でいくつか間接部門が海外に移転し、部署ごとリストラされている。
以前いた会社では、北米の顧客への受注や出荷連絡を顧客とやりとりするカスタマーサービス部門が東欧にあった。時差の関係で業務は毎日夜勤。それでも、米系企業は報酬がいいので人気があると聞いた。
同じ会社で、日本を含めたアジアの顧客への対応は深圳でしていた。各地の言葉ができる人を一ヶ所に集めて雇った方が各地で人を雇うより効率もよく費用も安いという話だった。
製造部門も直接モノを扱う部門は残るにしても、モノを作るための情報を扱う部門は外へ出すことができる。
いずれ東京は、実際に顧客に応対する営業部門だけになるのではないか。
昨日は久しぶりに朝、散歩をした。コブシとアンズがきれいに咲いていた。
さくいん:労働
在宅勤務開始から一年が経つ。会社は感染症対策以上のメリットを見つけた。
それはオフィススペースも通勤交通費も"カットできるコスト"ということ。
社員を半分ずつ出社させるようにすればオフィス賃料は従来の半分にできる。週2回までの出社として交通費を実費支給にすれば、定期券代を節約できる。
最近の会社の動きを見ていると、そういう意図をもっているようにしか見えない。
ニュースでも、都内のオフィスで空き室栗が高まっていると報道している。
今や賃金労働者(無産階級)は働く場所さえ、自分で確保しなければならなくなった。
さくいん:労働
木曜日、19時。
不注意からミスをして、あちこちに迷惑をかけて責められている。
データ入力の業務は注意しながらやっているつもりでも、時々、入力間違いをしてしまう。現在の業務フローのなかでは誰もダブルチェックをしてくれない。
それを責められている。こういうときにパニックになってしまう。
解決しようと躍起になって必要のないメールを出したり、必要な措置を取れなかったり。
過去の失敗と叱責を思い出す。
ダメだ、ダメだ
そういう言葉ばかり頭の中をぐるぐる回り出す。
たかが仕事の一つのミスじゃないか、誰だってミスはある
こういうときに、そう受け流すことができればいいのだけれど、それができない。
金曜日、朝5時半。
ふと目が覚めたので会社のパソコンを開くと、システム担当者が依頼した修正を5時にしてくれていた。なぜ、こんな時間に働いているのか、訝しながらも、感謝のメールを返信。
トラブルで迷惑をかけた人にも解決のメール。不注意だの、遅いだの、言われても受け流すこと。
そういえばシリコンバレーと仕事をしていたときは、頻繁に深夜や早朝に連絡をしていた。そういうことも、労働時間の長さとは別に心身を壊す重圧になっていた。こうして違う環境に身を置いて初めてわかる。
問題を早く解決できるという(心配事を早く解消できる)というメリットもないわけではない。家に会社のパソコンがあるのも良し悪し。
さくいん:労働
心理療法、いわゆるカウンセリングには、治療的・共感的な傾聴と診断的・侵襲的傾聴があるという。診察者としては後者の方がより難しいらしい。
診断的・侵襲的傾聴は受ける方にとっても難しい。心の奥底を覗き込まれるような気がして苦しくなるときがある。
素直に全部さらけ出せればいいけれど、たいてい問題になっているところは「隠したい」と思っているところ。心の中の秘密の小部屋。
傾聴者と波長が合わないと土足で踏み込まれたような気になる。
さくいん:秘密
熱狂的というわけではないけれど、大滝詠一は好きなアーティストの一人。早すぎる別れを悲しく思った。あれからもう7年も経つとは、近頃、時の経つのが本当に早い。
今年は名盤『A Long Vacation』が発売40周年の記念の年という。各誌で特集が組まれている。
このアルバムは定期的に聴いている。とくに最近、「君は天然色」をよく聴いている。
きっかけは「君は天然色」が挽歌と知ったこと。確かに「いま夢枕に君に会うときめきを願う」と歌っているのに、気づかなかった。ずっと失恋の歌と思っていた。
前に、松本隆の歌詞世界を「湿っぽくない未練」と書いたことがある。
「君は天然色」にも、いわゆる悲嘆の雰囲気はない。メロディも軽快でアレンジも華やか。それでもよく聴いてみると、確かに「悼み/痛み」を込めた歌であることがわかる。
『Pen』のインタビューで松本隆が振り返る。「書けない」と大滝に電話で伝えたところ、「(松本が)書けるまで、いつまでも延ばすから」と大滝は返したという。
松本曰く、「そういう意志は固いんだよ、あの人は」。
「湿っぽくない未練」に込めた悲しみを汲みつつ、ポップな「挽歌」を作った大滝詠一の才覚と思いやりに感じ入る。
こんな悲しみ方もあると教えられた。今はこの曲を聴きながら大瀧詠一を悼む。
『Pen』では著名人がお気に入りの3曲をあげている。私のお気に入りは「君は天然色」を別にすれば次の3曲。
在宅勤務の終業後、ふと洋服ダンスの上に置いてあったギターのケースを下ろした。
左手人差し指の爪が伸びていてCのコードすら押えられない。
ギターは中学生の時に覚えた。あの頃、練習していた曲。
スリーフィンガーも三連符のアルペジオも、結局、上手にはならなかった。
もともと、音楽のセンスがなくて、単純なコード進行さえ、覚えることができなかった。その代わりに、弾けない曲でも歌詞だけは最後まで覚えていることがあった。
古いギターを手にして弾いてみたのはオフコース「忘れ雪」。
作詞が松本隆、作曲は筒美京平、歌唱は小田和正と鈴木康博のコーラス。
これ以上ない取り合わせ。
下手な3連符でも、ひとり弾き語りはそれなりに楽しい。
これも在宅勤務中の手遊びになるか。それとも緊急事態宣言解除で在宅勤務も終了か。
さくいん:さだまさし、松山千春、長渕剛、オフコース、中嶋みゆき、かぐや姫、松本隆、筒美京平
朝の散歩。天気もよくて咲きはじめた桜の写真がきれいに撮れた。
バス通りの桜並木はまだ三分咲き程度。今週末が見頃だろう。
今年は例年よりずっと早く開花した。3月の扉写真も杏の花から早咲きの桜に変えた。
公園まで行ってみると大きな桜がほとんど満開に咲いていた。
いよいよ春が来た。特別な予定は何もないのに心が躍る。
一番好きな季節が近づいている。
在宅勤務が継続しているなか、週に一回程度、税関や顧客に提出する文書類に事業部印を押印するために出社している。
出社するときはダブルカフスのシャツにスーツを着ていく。そういうときくらいしか着るときがないから。
会社でスーツを着ている人はほとんどいない。ほとんどがビジネスカジュアル。
スーツやネクタイの専門メーカーは苦労していることだろう。スーツを着る回数が減ると、クリーニング屋も困るに違いない。
在宅勤務のときはラグビージャージにフリース、スェットパンツ。
フリースは辞めた会社でもらったロゴ入り。気にせず着ている。
古いものでは20年前に働いていた会社のポロシャツもまだ着ている。
外出するときの格好は意識するけれど、家の中ではあるものを着ている。
ちゃんとした格好をしないと仕事をしている感じが出ないという意見もあるだろう。
たいした仕事もしていないので、在宅勤務中はリラックスした服装をしている。
ありがたいことに会議は音声だけで、カメラを強制されることがないのが幸い。
中学三年生の冬。高校受験が終わってから、まだ合格発表の前なのに、ねだってラジカセを買ってもらった。
型名はビクターPC-55。松田優作がCMやカタログに出ていた。
オートリバース、メタルテープ対応、セパレート型スピーカー、液晶画面、イコライザー、ソフトタッチスイッチ。当時としては最高のスペック。7万円くらいしたと思う。
二十歳すぎまでは持っていたはず。大学生協で安いCDプレーヤーを買ってつないで使っていたから。
それまでは姉が使っていたソニーのZILBOP、CF6500を使っていた。
高校受験の勉強中は、もっぱらFM東京を聴いていた。塾には行かず、通信添削で勉強していたからラジオを聴く時間も長かった。
その頃、FM東京の「サントリー・サウンドマーケット」で、Cyndi LauperやJOURNEYを手始めに 洋楽を覚えた。大学受験の時は横浜FMが開局したばかりで、毎日、帆足由美の声を聴いていた。
ポータブルプレーヤーは、高校時代ずっとAIWAのカセットボーイを使っていた。これには録音機能が付いていたから予備校の講義を録音して帰りの電車で復習していた。
姉が使っていた部屋を譲ってもらったのは、中学三年になり受験期に入ってからだろうか。冬になると、新しいラジカセを買ってもらったときの興奮を思い出す。
ZILBOPもPC-55も、いつの間にか、捨ててしまった。もったいないことをした。思い出の品をどうして次々捨ててしまったのか。
あの頃は、早く忘れたいと思っていたのかもしれない。
井の頭公園。立錐の余地もない人出。
卒業式へ行った。
4年間、よくがんばった。サポートする人もよくがんばった。
気分も新たに来週、同じ場所で入学式。
ふと気づいた。来年も、再来年もここへ来て卒業式を見届ける。
この場所は30年前に私が、60年前に父が卒業式を迎えた場所でもある。
この学校には何かと縁がある。
『Pen』に続いて大滝詠一を特集した雑誌を買った。目当ては、松永良平の『A Long Vacation』全曲解説。『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』を読んで気になり出した作家。
思っていた以上に濃密で深い解説だった。一曲一曲にこれだけのエピソードがあり、聴きどころがある。読書には精読というものがある。音楽にも精聴というものがあるのかもしれない。ここまで細かく深く音楽を聴いたことはなかった。
メロディと歌詞についてはもちろん、アレンジや参加ミュージシャンの顔ぶれ、それまでに発表した作品からの発展、バージョン違いやカバーの紹介など、解説は丁寧に聴きどころを紹介してくれる。
松永をはじめ寄稿している人たちが口を揃えて言うのは、『ロンバケ』は古くて新しい、ということ。大滝が慣れ親しんだ60年代の音楽を下敷きしにしながら、同時に新しい、究極のポップ・ミュージックを目指した、と。
確かに『ロンバケ』を聴いていると懐かしい感じと新しい感じが混じり合っている。そしていま聴いても色褪せない。"Evergreen"という賛辞にもうなずく。
特集以外の記事も皆どれも、濃い。音楽を聴いて楽しむだけでなく、読んで楽しみ、書いて楽しんでいる。
私にはここまで深くハマっている趣味はない。毎月、必ず読む雑誌というものもない。私の関心は広くて浅い。そして、どれに対しても中途半端な関わりしかない。
いま活躍するプロデューサー、4人(武部聡志、亀田誠治、本間昭光、松尾 潔)が選ぶ筒美京平ベストソング。
— 碧岡烏兎 (@uto_midori) March 28, 2021
卒業、さらば恋人、木綿のハンカチーフ、綺麗ア・ラ・モード。
4曲中3曲が松本隆作品。
二人のコンビは歌手の良さを最大限に引き出すと、4人は口を揃える。
最強コンビ。
日曜日の午後、筒美京平の特集番組を見た。
何気なく投稿したツィートがたくさん読まれた。松本隆先生のRTのおかげ。
「曲の譜面にアレンジに必須な構成要素が含まれていた」「アーティストが最高のパフォーマンスをできるように作る」「アーティストは、まず5年間、育てるつもりでプロデュースに取り組む」など、貴重な語録も聞けた。