−− 2008.11.20 エルニーニョ深沢(ElNino Fukazawa)
2009.03.26 改訂
■はじめに − 試練を経て
04年はパ・リーグの大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブの利己的な合併構想に端を発し、9月18日(土)と19日(日)に史上初のストライキが決行され2試合が中止されるなど、日本のプロ野球界にとって大変な試練の年でした。メディアは例に依って事態の現象面ばかりを報道し騒ぎの拡大に一役買いました −メディアは騒ぎが大きく成る程儲かる仕組み!− が、その「問題の本質」が明らかにされたとは言えません。実は「問題の本質」はマスメディアの体質の中に潜んで居るからです。それについては
「オリックスの”球団転がし”を糾弾する」
を参照して下さい、この論考はスト騒動の最中に書きました。
その結果、04年秋に大阪近鉄バファローズが消滅してオリックスに吸収されオリックス・バファローズとして再出発、楽天(株)がパ・リーグの新球団を保有することに成り東北楽天ゴールデンイーグルス(本拠地:仙台)が誕生し、更に福岡ダイエーの親会社が替わり福岡ソフトバンク・ホークスと名称変更されたことも「その後」の情報でお伝えしました。
もうあれから丸4年余り経ちました。「雨降って地固まる」と言いますが、その時の経営側と選手会側との交渉の中で様々な改革案 −多分に”その場凌ぎ的”ではありましたが− が提出され幾つかが実行に移されて居ます。その主なものを挙げると
[1].セパ交流戦(又は交流試合)
05年から毎年(シーズン中)
[2].アジアシリーズ
05年から毎年(ポストシーズン(※1)、日本一球団が出場)
[3].クライマックス・シリーズ(CS、Climax Series)
(プレーオフ(※2)の一形態)
既に導入済みのパ・リーグのプレーオフと統合し、
07年から両リーグで毎年(ポストシーズン、日本シリーズ前)
です。更に、これは日本の球団合併騒動とは無関係にアメリカの[当初は可なり一方的な]提案に拠る
[4].ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)
06年・09年の後は4年に1回、プレシーズン(※1−1)
も実施され、今現在来年春に行われるWBCの監督問題で揉めて居ます、いやはや。
尚、以下で必要に応じて▼下の参照ページ▼をご覧下さい。
資料−日本プロ野球の用語集(Glossary of J-pro-baseball)
■あれから4年 − お騒がせの”ぽっと出”新興虚業連中
あれから4年、その4年を振り返って見ましょう。尚、この章のデータは『フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)』を参照して居ます。
旧(株)ライブドアは04年の大阪近鉄買収騒ぎの後も、05年にニッポン放送株買収騒ぎに続き社長のホリエモン(本名:堀江貴文)は「無所属」乍ら小泉首相一派の応援を得て広島から亀井静香の刺客として立候補(→しかし落選)したりと相変わらずの”お騒がせタレント”振りを発揮しましたが、極め付きは翌06年1月23日の「証券取引法違反容疑」 −買収工作の際に会社を優良企業に見せる為の風説の流布や偽計取引の容疑− での自分自身の逮捕でした。そもそもラ社は表向きはインターネット関連の所謂一つのIT企業ですが、村上ファンドとのインサイダー取引疑惑(※3、※3−1)などでお判りの様に、実態は限り無く金融業に近いITバブル企業(※4) −【脚注】に記した様にITバブル企業は世界的にもモラルに問題が有った− でした。その後ホリエモンはラ社を手放し現在の(株)ライブドアは旧ラ社とは別物です。
そして話に出た村上ファンド(=「M&Aコンサルティング」)ですが、05年秋に阪神タイガースの株買い占めに動いて”物言う株主”として一躍表舞台に登場、阪神電鉄は企業防衛の目的で阪急電鉄 −嘗て阪急ブレーブスを保有したが88年にオリエント・リース(株)(=現オリックス(株))に譲渡した− に救済を求めた結果、現在の阪急阪神ホールディングス(阪急阪神HD)が06年6月に誕生したという訳で、下町の阪神に対し山の手の阪急というイメージ的に”不釣り合いな縁組”でした。その迸(とばっち)りで阪神球団は阪神電鉄から阪急阪神HDに管理が移り「球団保有者変更に伴う追加加盟料=30億円」が課される話が浮上しました(→改訂版「野球協約」を参照)が、そこを1億に値切って難を逃れました。しかしその後、村上ファンドの総帥・村上世彰(よしあき)はニッポン放送株を巡るインサイダー取引の「証券取引法違反容疑」で06年6月5日に逮捕されホリエモンと共倒れしました。これに関しては掲示板の「おちゃらけ議論」でも触れています。
[ちょっと一言] 阪神タイガース・ファンの私は、村上世彰が逮捕され牙を抜かれた今は阪急阪神HDを解消し元に戻して欲しいですね。阪急には保有球団を手放した”前科”が有り、何時「阪急タイガース」にされるか判らんのです。
村上の逮捕にビビッたのはオリックス会長 −オリックスは元々物品のリースから出発した金融会社− の宮内義彦です。何故ならオリックスは村上ファンドに出資し役員迄出し宮内は村上を陰で操って居たからで、ヤバイと感じた宮内 −この人は強(したた)かです!− は社長に指示し村上逮捕1ヶ月前の5月12日に村上ファンドとの提携解消を決定させたばかりでした。序でに言えば、後に日銀総裁に成り「ノーパンしゃぶしゃぶ」で名を馳せる福井俊彦も個人で出資して居ました。
一方、仙台に05年から東北楽天ゴールデンイーグルスを保有した楽天(株)の三木谷浩史社長はと言うと、こちらも05年10月に東京放送(=TBS)の株買い占め騒動を起こしてましたが、TBSは既に横浜ベイスターズを保有して居り、楽天がTBSを買収すると東北楽天との「複数球団の保有」と成り野球協約に違反するので、又合併か?、今度はリーグを跨った合併か?、と大騒ぎに成りました。これに対し三木谷は、事も有ろうに横浜ベイスターズの売り飛ばしを仄めかしました。楽天もインターネット仮想市場の運営で広く知られIT企業と思われて居ますが、楽天証券ホールディングス、楽天クレジットを擁するなど経営実態は金融業で、面白いのは村上世彰も同時期にTBS株を数%買い占めTBSに横浜の売却を進言し援護した事ですが、これもインサイダーの臭いがしますね。
そして横浜の売却先と噂に上ったのが有線通信会社の(株)USEN(現在の社長は2代目の宇野康秀) −前身は(株)大阪有線放送社で創業者の父(=宇野元忠)の時代は有線ケーブルを張る為の電柱の”無断無料使用”で知られた− で、その理由は当時USENは楽天と合弁でネット映像配信事業を手掛けて居り、又スト騒動の04年秋には旧福岡ダイエー・ホークスの買収を検討して居たからです。しかし結局、旧福岡ダイエーは Yahoo! JAPAN や携帯電話で御馴染みの孫正義社長率いるソフトバンク(株)が04年末に買収し、05年から福岡ソフトバンク・ホークスに成った事は「はじめに」の章に記しました。
因みに、村上世彰と宇野康秀は中国系で生家は共に大阪ミナミの繁華街、孫正義は韓国系(←遠祖は中国系らしい)で同じく九州出身のホリエモンの高校の先輩です。又、宮内義彦と三木谷浩史の2人は兵庫県出身で抜け目無さという点で同じ体臭がしますが、特に宮内は”寝業師”ですね。こうして”同じ穴の狢(むじな)”共は地下で芋蔓式に連んでる訳で、正にバブリーな「闇の紳士たち」の共演(或いは競演か)です。私はこれらの「闇の紳士たち」が暗躍した時期が、「強い者は何をしても良い」とアメリカのブッシュJr. が一国覇権主義を振り回した時期と重なる事に注目して居て、太平洋を隔てた2つの異なった事象は実は連動してると考えて居ます。即ちブッシュJr. が”跳ね上がった気分”の「虚勢の時代」を齎したのです。
それにしても「類は友を呼ぶ」と言った昔の人の慧眼には脱帽です。今は犬が”伏せ”をした様に大人しくして居る「闇の紳士たち」ですが、熱(ほとぼり)が冷めたら何をするか判りませんゾ(→「その後」の章を参照)。
(>O<)
スト騒動から4年の間に上記の様な色々な事件が起こりました。日本のプロ野球は管理機構や野球協約が曖昧な上に遣り方に依っては或る程度の集客が見込まれるので”売名”の餌食として狙われ易いのです。この4年間のお騒がせの”売名企業”は何れも実態は金融業(→特にファンドは金融市場を食い荒らす博打屋)、何れも「濡れ手で粟」を狙う”ぽっと出”の虚業連中(※5)です。私が前掲の04年の論考で「新規参入障壁」の引き下げに反対した理由は、この様な軽々しく跳ね上がった虚業家の出現を充分に予測した、即ちホリエモン流に言うと「想定の範囲内」だったからです!!
■実施されたプロ野球改革の吟味 − 私の提案が一部反映された形
この章では、04年のスト騒動以後に実施されたプロ野球改革(←「はじめに」の章で[1]〜[4]として提示)について一つ一つ吟味し乍ら述べて行きましょう。
先ず[1]のセ・パ交流戦は、チーム成績・個人成績共にシーズンの公式記録に全て反映され、交流戦での勝敗は所属リーグのチーム成績、即ちペナントレースに反映されます。そもそも04年の騒動の発端はパ・リーグ2球団のシーズン中の合併構想でしたが、その「問題の本質」は「マスメディアの”巨人偏重体質”の中で、巨人(正式名称:読売ジャイアンツ)と対戦しないパ・リーグは放映・放送や報道の「機会」に恵まれず何処迄行っても日の当たらない”裏リーグ”であり、パ・リーグの各球団は慢性的経営危機状態に在る。」という事で、既に04年の前掲論考の中で指摘しました。だから「パ・リーグ改革私案」で提唱した様にスト騒動以前から私は1リーグ制論者なのです。それ故に交流戦は部分的に1リーグ制の考えを採り入れたものでパ・リーグ救済策として歓迎して居ます。普段セ・リーグのテレビ放映しか見ない人もパ・リーグのダルビッシュ投手の気迫溢れるピッチングや「お替り君」こと中村剛也の豪快なホームランなどを見れれば視野を広げられる筈です、大いに視野を広めて下さい。大体に於いて日本のプロ野球ファンは視野が狭過ぎる!、その事は後述します。
[2]のアジアシリーズも、私が「パ・リーグ改革私案」の中で提唱した「アジア選手権」構想と全く同じ趣旨なので全面的に賛成です。私案の中で私は更に「日本もアジアの最先進国として、アジア諸国から「目標にされる国」を目指すべきですね、ここは一つアジアに胸を貸す気構えが欲しいものです。」と言ってるので、私の意見の方がスケールが大きく奥が深いのです。その意味で東京ドームで行われたアジアシリーズをテレビで全く放映して無いなど、支援体制に問題が有ります。このページの表題である「日本プロ野球の国際的役割」(後で詳述)を機構側もメディアも全く理解して無いことの表れです。
尚、日本が「目標にされる国」を目指すべきこと、については既に03年初頭の論考
デフレ論議に疑問を呈す(Is our DEFLATION true ?)
の中で詳述して居ますので参照して下さい。この論考は主に経済について論じたもので経済一辺倒からの脱却として掲げたものですが、日本の野球も勝敗一辺倒から脱却すべき段階に来て居ると思われます(→その理由は後で詳述します)。
[3]のクライマックス・シリーズ(CS)、これも掲示板の議論「ブラボー!、乱闘試合」の中で語り尽くして居ます。要はプレーオフ制度(※2)ですからペナントレースの価値と意味を損ねるので私は大反対です。即ち長丁場のペナントレースを”チンタラ”遣っても3位以内に入れば最後に優勝する可能性が有る訳で、それはペナントレースの矮小化と言わざるを得ません。にも拘わらず何故遣るのか?、それはカネ(金)です。
CSとは、先ず2位と3位が2位チームの本拠地球場(=フランチャイズ)で最大3試合戦い、勝ったチームが1位チームの本拠地で最大6試合戦ってリーグ優勝チームを決する方式で、上位チームに一定のアドバンテージ(=有利な権利)が与えられます。ここでカネ(金)に注目すると、本拠地で開催した球団に興行収入 −チケット売上及びメディアの放映権料− が入る仕組みですので、1位球団に6試合分、2位球団に3試合分の興行収入が”臨時収入”として入る訳です(→但し3位球団は収入無し)。通常の興行収入が低迷してるパ・リーグ球団やセ・リーグの低人気球団が”筋を曲げて”迄も蟻の如くに砂糖に群がったのがCSの実態なのです(←人気球団の巨人のナベツネ(本名:渡辺恒雄)はプレーオフに反対してました)。
野球に限った事では無く、「食の偽装」の様に日本人はカネ(金)にさえ成れば筋の通らない事を平気でする人種に堕落して仕舞ったのでしょうか?!
[4]のワールド・ベースボール・クラシック(WBC) −この「クラシック」(※6)とは競馬のクラシックレース(※6−1)と同じで「最高水準の」「由緒有る」「権威有る」という意味− も私が「球界の構造改革」に関連して提唱した「太平洋選手権」構想に近いので一応は賛成です。この中で私は「4年に1回位はアジアの覇者と米国のワールドシリーズの覇者との太平洋選手権を遣る方向で、どんどん構造改革すべきです。」と述べて居ます。尚、私が「太平洋」という語を冠したのは野球というスポーツはアメリカで生まれ環太平洋諸国で盛んですが、その他の地域には未だ余り普及して無いからです。又、ここで「一応」と言った意味は、発想が受け身的で商業主義的色彩が強く意義が曖昧で全面賛成は出来ないからです。
以上の様にスト騒動の試練を経て翌05年以後から実施された[1]〜[4]の各イベントは、[3]のCS以外は私が提唱した内容に近いので概ね「改革の成果」と見做すことが出来ます。点数を付ければ[1]が90点、[2]は80点、[3]は0点、[4]は50点位です。[3]を除外した平均は73.3点、[3]を加えると55点、”辛うじて合格”という所ですね。
■WBC監督問題で無能を露呈した新コミッショナー
今年(08年)6月に駐米大使を退任して7月に日本プロフェッショナル野球組織(日本プロ野球組織とも、略称:NPB)の新コミッショナーに就任した加藤良三氏は”野球好き”との事ですので、情報収集したら川上哲治氏 −元巨人の選手で巨人9連覇時の監督− のサインバットを持ってたりして”巨人教”の信者みたいですからミーハーの可能性が高いですね。そのミーハーな無能振りを早速発揮したのが次期WBC監督決定騒動でした。
◆次期WBC監督選定騒動の経緯とその顛末
そもそも来年のWBC監督は今年の北京オリンピック代表監督の星野仙一氏を横滑りさせる事が前コミッショナー時からの”既定の方針”でした。ところが全員プロの一軍から選手を選出し「金以外は要らない」と豪語して居た星野ジャパンは、オリンピックの原則である選手村(←選手村では2人/1部屋)に宿泊せずに全員北京市内の超豪華ホテルに泊まるという”天狗の大名行列”を敢行しましたが、試合ではコテンパンに負けメダルを逃し「審判のストライクゾーンがその都度違う」と弁解、それにも拘わらず機構側(=日本プロ野球組織(NPB))が帰国直後の8月23日に星野氏に水面下で来年のWBC監督就任を打診した事実 −当然、機構の下っ端が勝手に打診する筈は無く加藤コミッショナーの意向で動いたのは明白− が明るみに出て星野反対の世論が高まりました。これに対し巨人のナベツネが「星野氏しか居ない」と横槍を入れて騒ぎが大きく成った8月26日に加藤コミッショナーがWBC監督には「威光の有る人を選びたい」と語ったのです。それに対し全日本アマチュア野球連盟の松田昌士会長は28日に「ストライクゾーンは相手も同じ条件。負けても卑怯な日本人に成って貰っては困る。」と暗に機構側の星野擁立論に釘を刺しました、真っ当な見識です。
この様な状況の中で機構側(=NPB)は9月1日にコミッショナー事務局で各球団の意見を聴く実行委員会を開くことを決め、その前日に中日の西川社長は明確なルール作りが必要として日本一を制覇した監督を提案すると公表しました、極めて真っ当で私と同意見です。実行委員会後、加藤コミッショナーは「勝てる強いチーム作りをする」為に「有識者・関係者から意見を聴き、可及的速やかに人選を進める」考えを述べ結論は先送りされました。先の「威光の有る人」やこの「勝てる強いチーム」という表現の中に後にイチローに批判される「五輪のリベンジ(雪辱)」という考え方が在り在りと窺えます。又、WBC監督の下馬評で”賛否雑論”喧しい世論もリベンジという思いは共通でした(←このリベンジという”暗黙の合意形成”に[イチローとは別の立場から]9月12日に私は反対意見(後出)を表明して居ます)。
そんな中で9月8日に星野氏が自身のブログでWBC監督を要請されても辞退する旨を公表したらナベツネは今年限りで福岡ソフトバンクの監督を勇退する王貞治氏を推薦し「土下座してでもワンちゃんに」と言い出し、しかし王氏は健康上の理由から「遣りたくても出来ない」と答え混迷を深めました。
然う斯うする内に無為に1ヶ月が経ち、漸く加藤コミッショナーは10月15日に第1回の「WBC体制検討会議」を開きました、先の発言の”有識者”ですね。会議のメンバーは加藤良三コミッショナー、王貞治コミッショナー特別顧問、野村克也(楽天監督)、高田繁(東京ヤクルト監督)、星野仙一(北京五輪日本代表監督)、野村謙二郎(元広島の野球解説者)の6人です。会議では「現役の監督が大事な時期にチームを離れるのは厳しい」という意見が支配的で10月末の第2回会合で監督を決定するとしました。
この現役監督除外論、王氏は無理、という状況から星野擁立論が再び何処からとも無く”幽霊”の様に再浮上し「検討会議」も済し崩し的に星野氏に収斂しようとした矢先に、アメリカに居るイチロー −断って置きますがイチローは現役選手であり本来は知恵を出すべき立場には無く、知恵を出すべきは「検討会議」の面々です!− が日本時間の10月19日に日本のWBC監督問題に初めて触れ、現役監督除外論に苦言を呈し同時に「五輪のリベンジ」論を強く批判しました。するとどうでしょう、王特別顧問が10月20日に第1回「検討会議」で星野氏を推薦した事を白状し「イチロー君の発言は良く分かる」と仰いました。そして10月27日の第2回「検討会議」に於いて急転直下、イチローの一言で恥も外聞も無く現役監督除外の前言を撤回し、13ゲーム差を逆転しセ・リーグ優勝に導いた巨人の原辰徳監督への要請を決議し、翌日原監督が快諾しやっと決定したという為体(ていたらく)でした。正に”擦った揉んだ”のドタバタ三文喜劇でした。尚、今年(08年)の原監督の野球の分析はココを参照して下さい(→09年WBCの結果は「その後」の章を参照)。
◆WBC監督選定のルール無しは再び揉める元
9月1日にコミッショナー自ら「可及的速やかに」と宣ってから50日費やして確固たる方針を打ち出せず、イチローの一言から1週間で格好だけ付けたとは加藤コミッショナーの無能を露呈しました、先が思い遣られます。王特別顧問以下の「検討会議」のメンバーも”御大層な肩書き”を引っ提げて集まりましたが雁首並べてイチローの一言に屈服では、会議で”茶飲み話”でもしてたんでっか?、と言いたく成ります。
そして私が一番残念且つ不満に思うのは、来年のWBC監督を決めただけでルール作りが出来なかった事で、ルール作りをして押し付けて来るアメリカ(後出)と大違いです。これでは4年後に又揉めることに成り兼ねません。どうして小学生でも分かる様な「知恵」が出なかったのか不思議ですね、唯呆れるばかりです。
[ちょっと一言] 特別顧問の王さんはもう少し見識が有る人だと思って居ましたが耄碌(もうろく)した感じですね、もう余り生きない気がします。そして「検討会議」のメンバー個々の意見がスポ新等で”横漏れ”して来ましたが、チビ野村(=野村謙二郎)の声はデカ野村(=野村克也)に掻き消されて居たので、私はチビ野村の意見を知りたいですな、オッホッホ!
■日本プロ野球の国際貢献は勝つ事では無い
WBC監督選定過程でお解りかと思いますが、日本は野球の国際試合に”しゃかりき”に成って勝つ事を第1目標にして居ますが、私は必ずしも勝たなくても良いと思って居ます。スポーツですから勿論「勝つ方が良い」に決まってますし選手や監督(=現場)が勝ちを第1目標に戦うのは当然ですが、「機構の上に立つ人」は勝つ事は第2目標で良いのです。では何を第1目標にすべきか?
それについては実は08年9月12日の掲示板の議論 −第1回の「WBC体制検討会議」の1ヶ月前− の中で私の考えを披露して居ます。この議論は未だホームページに定着させて無いので、以下に保存データからその部分の議論をその儘引用します。
2008/09/12 (Fri) 19:24:08
<...前半略...>
WBCね、こんなモン必死に勝つ必要は有りまへん。日本は勝ちに拘泥り過ぎてますが、勝つ事よりもっと大事な事は「野球という文化」を広め定着させる為に日本が遣るべき事が有るということです。WBCのルールや日程でも、一方的にアメリカが決めてますが、日本はアメリカに次いで野球が定着して居る国として、例えばWBCを春では無く秋のシーズンオフに移す提案などをして、「野球という文化」を共有することに貢献すべきですね。そうすればWBC監督は日本一監督で何ら支障は無い訳です。
だから、勿論勝つ野球をするのは当然ですが、それ以上に文化的貢献をすべきですよ。つまり野球先進国として兄貴分としての発言とか野球文化での貢献が大切です。しゃかりきに成って勝ちに拘泥るのは見苦しい態度ですな。そういう意味で「WBC監督には威光が必要」などと言って居る加藤コミッショナーも度量が小さい人間です。
<...後半略...>
◆WBCの日程問題について
この意見の中でWBCの日程に触れて居ますので少し補足して置きます。日本のプロ野球は3月末〜4月初めに開幕しますが、当然選手は開幕に照準を合わせ年明け早々から自主トレーニングをし、球団の冬季キャンプに参加し、オープン戦を熟(こな)して、体作りと全てのコンディションを整えます。ところが現在の様にWBCが3月に組み込まれると、それに参加する選手は1ヶ月早く仕上げなければ為らず当然の事乍ら負担として圧(の)し掛かります。のみならず、3月という時期は約半年間に亘る長い闘い(=ペナントレース)を乗り切る為の準備期間として一番大事な時期で、この時期の成否がシーズン中の成績に直結します。下手をするとWBCに出た為にシーズンを棒に振ったという事態も”無きにしも非ず”なのです。
前回の06年にWBCが初めて開催された折には、この日程問題は日本では可なり大きな問題に成り当初は3月開催に反対してた筈ですが、例に依って一時的に付和雷同して空騒ぎした後はケロッと忘れて居ますね。まぁ、誰かに”無きにしも非ず”の事態が起これば又騒ぐんでしょうが。
本来はこの日程問題もきちんと議論して妥当性の有る結論を出して置くべきですが、どうも視線が興行収入の方にばかり行ってる様ですな。
◆「機構の上に立つ人」が問題
さて、私は上の掲示板の意見の中ではWBCについてしか述べて無いですがアジアシリーズに於いても全く同じで、特にアジアシリーズに於いては「兄貴分としての発言や貢献」が大事です。
例を挙げるならば、星野氏が世論の反感を買う引き金に成った「ストライクゾーンがその都度違う」発言や、先日のアジアシリーズ初戦で埼玉西武ライオンズが負け台湾人審判のミスジャッジに「彼らは昔の若手時代から技術的進歩が無い」と渡辺久信監督(通称:ナベQ) −彼は嘗て台湾プロ球界に在籍した− が怒りをブチまけた事です。結局は西武が優勝しましたが単にミスジャッジに怒るだけで終わっては駄目なのです。現場のナベQがミスジャッジに怒るのは当然ですが、問題なのは「機構の上に立つ人」に大所高所からの知恵と見識が無い事です。そこで次章に於いて私の”猫知恵”(←私は猫族なのです)を絞り出してみましょう。
■私の主張 − 日本は野球文化の普及・向上に貢献せよ
現在アジアの中で野球の技術が一番高いのは太平洋を越えて真っ先に野球が普及した日本なのですから、日本は兄貴分として近隣諸国に技術供与しアジア全般の技術向上に貢献すれば良いのです。その一つとして、外国の審判のジャッジや技術に不満が有るなら研修機関や学校を作り教育すれば良いのです。又、野球が普及して無いタイやベトナムやインドに出掛けて野球の普及活動を行いアジアシリーズへの参加を呼び掛ければ良いのです。”ばら撒き”に比べれば、この様な投資は微々たるものです。
現にアメリカは北京オリンピックにメジャーリーグから選手を出さなかったし、WBCでも枠組み作りやルール作りを真っ先に行い日本で開催し自国が勝つ事よりも韓国やキューバにも参加を呼び掛け後進の指導を手掛けて居るではないですか?!
日本は何時迄も幼児の様にアメリカのオッパイを吸って居ては行けません。立派な大人に成った筈の日本は後輩たちに「胸を貸す」番なのです、そうしてこそ初めて日本が近隣諸国から「目標にされる国」として尊敬されるのです。つまり
勝つ事よりも「野球という文化」で貢献する事こそ、
これからの「日本プロ野球の国際的役割」
である、という共通認識を持つことですね。特にコミッショナーを筆頭とする「機構の上に立つ人」は大所高所からの見識と哲学に基づいた大きな構想を持ち、それを実践する心構えが必要です。
◆野球でも「心技体」が重要
現在、本場アメリカの大リーグは”カネ本位制の拝金主義”に陥りドーピング(※7)が蔓延し年俸上昇に反比例して選手の実力とモラルが低落して居ますが、日本はそうした「悪しき風潮」に流されては為りません。私は日本の相撲の基本理念を援用し、「今や「日本の文化」の一部と成った日本の「野球」は「心技体」をモットーとすべきである」という持論を04年に展開しましたが、次の段階として野球に於ける「心技体」を日本から文化発信することを提案します。その為には日本人が身を以て模範を示すことが大切で、イチローこそは「心技体」の模範です。
[ちょっと一言] 「心技体」の”本家”である大相撲界が現在混迷に窮している真の原因は偏に「範を垂れる日本人力士の不在」という”日本人問題”に在ります。それを朝青龍問題とか外国人力士の大麻問題だと思い込んでる人は節穴眼(ふしあなまなこ)の明き盲ですが、この病気は眼医者では治りませんゾ!
■進歩無しの機構側、そして日本人
「私の主張」の章に引用した掲示板での私の意見の中で、私が国際的視野に立ち日本の果たすべき役割を堂々と述べて居るのに対し、加藤コミッショナーは度量が小さいだけで無く、元外交官にも拘わらず国際的視野が全く欠如して居ることが解ります(→更なる度量の小ささは「その後」の章を参照)。
WBC監督は正に”現場監督”ですから機構側を代表するコミッショナーや事務局は現場の監督が遣り易い様に枠組み作りやルール作りなどの環境整備をする事が本来の仕事です。それ故に私は、日本がWBC監督選定のルール作りを怠った事が返す返すも残念です。”有識者”である筈の「WBC体制検討会議」メンバーの脳味噌の半分は”糞(くそ)”ですね、幼稚園児以下です。4年前にあれだけの騒動を経験し、その後形だけは”機構改革”したと聞き及んで居ましたが、にも拘らず今年も”擦った揉んだ”の挙句に「大山鳴動して鼠の知恵も出せず」では”屁の突っ張り”にも成らず「内実は何も進歩無し」と断じざるを得ません。
こんな「検討会議」は即刻解散しろ、王貞治は特別顧問を辞任しろ!!
(>v<)
加藤良三氏の様な無能な人を事務局側は何の理由でコミッショナーに据えたのか?、はっきり言って疑問ですが、一つだけ思い当たる理由が有ります。それは、今後はWBCなどの”国際的”な試合の重要性が増すので、元”駐米大使”という世間的に聞こえの良い肩書きを持ち”英語”が喋れて”野球好き”の人なら適任と考えた、という私の「下衆の勘繰り」です。しかし何時も思いますが、
国際 → 英語
という図式は日本人が嵌まり易い短絡思考であり”履き違い”ですね。そもそも「日本の文化を理解せず日本の事を”日本語”で説明出来ない人」が、アングロサクソン(※8)の「植民地政策に依り世界に広まった”英語”」をぺらぺら喋っても決して国際貢献は出来ません。こんな幼稚園児的発想だから”駅前留学”に騙されるのです。そう言えば、敗戦後GHQのマッカーサーに「日本人は12歳の少年」と評されましたが、未だに12歳から「進歩無し」、否寧ろ12歳から更に幼稚園児化しましたね!
[ちょっと一言] ”駅前留学”をキャッチフレーズに全国に英会話教室を展開 −他にテレビ電話を利用した自宅レッスンの”お茶の間留学”も展開− して急成長した会社が、ウソの勧誘と強引な契約で多数の受講者とトラブルを起こし、07年に特定商取引法違反で業務停止から倒産、08年に創業者社長が業務上横領罪で逮捕されました。教師への給料未払いや授業料未返還は社会問題に成りました。
■結び − 成熟社会の日本の国際的役割
私が主張する文化的貢献という考えは何も野球に限った事では有りません。経済に於いても日本は外国に「物を売る国」から「文化を売る国」へ早く転換すべきです。それが「日本の国際的役割」を果たし真に国際貢献する第1歩です。繰り返しますが”英語”をぺらぺら喋る事でも無ければ、カネ(金)をばら撒く事でも無いのです。
既に成熟社会に達した日本は物を売って高度成長する段階を疾っくに過ぎて居ます、成人した人間は背丈が伸びないのと同じです。しかし背丈が伸びないから成人したら成長しないなんて事は無いのと同じで、国家としても内面的な充実、即ち「心の豊かさ」に目標設定し「文化の発信」をして行くべきです。この「文化の発信」に関しては別稿で詳細に論じますが、既に03年の論考「デフレ論議に疑問を呈す」に於いて日本が成熟社会である事を指摘し日本が向かうべき進路を提示して居ますので是非ご覧下さい。
以上、新任コミッショナーの無能を扱き下ろし、「WBC体制検討会議」メンバーの脳味噌を”糞”呼ばわりし、幼稚園児化した日本人を窘(たしな)め、と[八つ当たり]シリーズに相応しく八方滅多斬りしましたので、最後はウンコボーイに登場して貰いましょう。それでは皆さん、拍手でお迎え下さい。
無能振りを発揮したコミッショナーには、ウンコボーイの尻を舐めて反省且つ精進して貰いたいですな。では、これにてケツ礼、いや失礼!!
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>>>■その後
●やはり”小者”の加藤コミッショナー
私は中国貴州省から09年2月2日に帰国し、自分の主宰する会や坐禅や知人の演奏会などで忙しかった日々を脱し漸く一段落の思いでネットでニュースを拾い読みして居たら、2月9日に「15秒ルール」とやらに遭遇しました。何やねん?、と思いつつ記事を読むと「投手が無走者時に捕手からの返球を受けた後、15秒以内に投球動作へ入らないとボールを宣告される」という新ルールが今季から導入されるとのこと。何でも試合時間短縮が狙いとか。これに対し日本ハム・ファイターズのダルビッシュ投手が「野球にならない。あんなん考えられない。ボールを捕ってから15秒...、いや話にならない。3回、首振ったらボール。ボール半個、ストライクゾーンを広げた方がよっぽど(試合進行が)早い。」と怒りをブチ撒けたそうです。私も全くダル投手に同感ですな。
加藤コミッショナーが陣頭指揮で積極的にこれを推進してる様で、このオッサンの無能は本文で指摘済みですが、ほんまにどう仕様も無く無能ですな、そして絵に描いた様な”小者”(←これも度量が小さいと指摘済み)。私が「機構の上に立つ人」は大所高所からの見識と哲学に基づいた大きな構想を持てと主張したのとは反対ですね、しかも現場を無視した機械的・事務的・近視眼的な発想には呆れます。しかし、この時間短縮という考えは金払って球場に見に行く観客からは余り出て来ないですね、私は時々行きますが。寧ろ金払わんで只でテレビ観戦してる連中とか特にテレビ局の製作側及び広告主側の発想 −ラジオは試合終了迄中継するので余り枠に拘らない− です。つまり、ナイターで言えば午後7時〜9時のテレビの放映時間の枠内に納めろ、という商業主義優先のエゴに基づく発想です。そこでは現場の選手など所詮は”猿芝居の猿”としか考えられて無いという訳です。
ところで、球審がストップウォッチ持って15秒などに気を取られて居たらストライク/ボールの判定に狂いが生じまっせ。どうせ遣るなら試合時間短縮係りの専任審判を置いて貰いたいですな、オッホッホ!
呆れて怒る気にも成らん。
{この段は09年2月10日に追加}
●熱(ほとぼり)を冷まし動き出した”寝業師”宮内
本文で04年のプロ野球の大騒動からの4年の歳月を振り返った最後に、”ぽっと出”新興虚業の「闇の紳士たち」が「熱(ほとぼり)が冷めたら何をするか判らない」と指摘して置きましたが、09年2月に成って”寝業師”宮内義彦率いるオリックス・グループ傘下のオリックス不動産に日本郵政(株)の「かんぽの宿」(※9)計79施設を約109億円で一括譲渡する契約の契約過程が”不透明”だ、として所轄官庁の総務省(と言うより鳩山邦夫総務相) −2001年に旧郵政省は旧総務庁・旧自治省と共に総務省に統合された(※9−1)− から厳しく糾弾され、遂に2月16日に解約に追い込まれました。世界的恐慌の中で不動産価格が暴落して居る最中の109億円は誰が見てもベラボウ(便乱坊)で、私などベランメエと叫びたく成りました。
ご存知の様に郵政事業民営化は小泉首相時代の規制緩和の”目玉”で、その結果して07年に日本郵政公社が解散され日本郵政(株)が誕生しましたが、宮内義彦はその”規制改革会議の議長”を務め規制緩和を推進した人物で、当然規制緩和の各法律が施行されれば「何を遣れば儲かるか」を事前にインサイダーな情報(※3、※3−1)として取得出来た立場に在り、新生の日本郵政(株)上層部ともコネが有った筈という訳ですね、”不透明”とは其処を指します。
故に解約は当然で、この様な手口の宮内の”寝技”には今後も注視する必要性を感じます。
{この段は09年2月20日に追加}
●09年のWBCに日本が優勝、しかし...
擦った揉んだしましたが、09年のWBCは結局日本が優勝し2連覇を遂げました。日本のメディアや世論は”勝つ事”にのみ執心し優勝に沸いて居ましたが、私は相変わらず他人(=アメリカ)が設定した目標に盲目的に進んでるだけではないか、と思って世間を見て居ました。
その点アメリカは立派です。何処が立派かと言うと、これもWBC大会が始まる前に掲示板で指摘してますので、前と同様に保存データからその部分を引用します。
2009/03/14 (Sat) 16:54:34
<...前半略...>
WBCについては「日本プロ野球の国際的役割」の中で述べ尽くして居ます。この中で私は『勝つ事よりも「野球という文化」で貢献する事こそ、これからの「日本プロ野球の国際的役割」』とし、例としてWBCの枠組み作りを真っ先に遣って野球文化の普及に貢献してるアメリカの態度を見習うべきものとして挙げて居ます。
今年の大会も日程表を見たら
A組:日本、中国、台湾、韓国
B組:南アフリカ、キューバ、メキシコ、オーストラリア
C組:アメリカ、カナダ、ベネズエラ、イタリア
D組:ドミニカ共和国、プエルトリコ、パナマ、オランダ
を参加させて居ます。これが枠組みというものです。特に南アフリカやプエルトリコやパナマなど日本人のテレビに”洗脳”された頭からは出て来ないですよ。日本のテレビでこれらの国が話題に成る事は殆ど無いですから。
これらの野球が盛んとも思えない国々を参加させ、A組の第1ラウンドを日本で遣らせるアメリカのグローバルな視点と組織力は大したものです。
日本はアメリカが拵えた枠組みの中で「勝った負けた」と騒いでるに過ぎません。勿論監督や選手やファンはそれでも良いのですが、「機構の上に立つ人」はもっと大きな構想を持つべきです。そういう事を私はこの論考の中で言って居ます。具体的に日本プロ野球が何をすべきかについても幾つか挙げて居ますよ、もう忘れましたが。
<...後半略...>
この中に言い尽くしてますね。結局アメリカが自分の掌の上で日本や韓国を踊らせ、収益はアメリカに落とすという筋書き通りに事が運んだ訳です。その結果、日本と韓国が5回も対戦しました。何でも1次予選と2次予選にダブルエリミネート方式(double eliminate) −一種の敗者復活制− が採用された為です。
日本プロ野球が何をすべきか?、「もう忘れましたが」と言ってますが、枠組み作りやルール作りや後進の指導などを本文で挙げて居ます。こういう事を遣って行かないと、高が2連覇位では「目標にされる国」(=掌を貸す国)には成れません。現に今回の優勝で「日本を目標に頑張る」と言った国が出現しましたか?
結局、戦勝ムードで騒いでるのは日本国内だけなのです。これは先の大戦中に大本営発表に沸いて日の丸の小旗振ってた連中と変わらんということ、つまり原爆2発食らって半世紀が過ぎたら「元の木阿弥」、何の学習効果も無く何も進歩しとらんっちゅうことですな、オッホッホ!
戦後の経済に於いて日本は先進国(特にアメリカ)をモデルに追い付く所迄は出来たのに、先進国に成って先行モデルが無く自ら目標設定すべき段に成って右往左往して居ますが、野球に於いてもアメリカに勝った後の目標設定が出来るかどうかが正念場です。何度も口が酸っぱく成る迄言ってますが、「野球という文化」に視線を向け、後発の南アフリカやオランダなどに野球伝道に行き日本の文化を広めたら直ぐに尊敬されるんですがねえ、大して金も掛からんし。そこに気付いて欲しいですね。
{この段は09年3月26日に追加}
【脚注】
※1:ポストシーズン(postseason)は、シーズン後、即ち1年間の公式戦終了後。
※1−1:プレシーズン(preseason)は、シーズン前、即ち1年間の公式戦開始前。
※2:プレーオフ(play-off)とは、優勝決定戦。
[1].ゴルフで同スコア同士のプレーヤーに依る優勝決定戦。
[2].野球などで勝利数や勝率が同じ時などに行う優勝決定試合。
<出典:「学研新世紀ビジュアル百科辞典」>
※3:インサイダー(insider)とは、内部に居る人。局内者。←→アウトサイダー。
※3−1:インサイダー取引(―とりひき、insider trading)とは、有価証券を発行する会社の役員や大株主などが、一般には未公開の内部情報を利用して行う証券取引。不公正取引として規制されている。内部者取引。
※4:ITバブル(IT bubble)とは、1995年のインターネット普及に始まる情報通信の大衆化に伴い、IT関連企業の急成長(←機に乗じた新興企業が多かった)に依ってITブームが起きバブル経済化したが、強引な過剰設備投資で過剰在庫を抱え、2001年末のエンロン社、02年夏のワードコム社の倒産で敢え無く崩壊。ブーム最中は「ITの進化は際限無き経済成長を可能にする」という能天気なニューエコノミー論が持て囃されたが、甘い幻想に終わった。<出典:一部「現代用語の基礎知識(2004年版)」より>
補足すると、破綻したITバブル企業は総じて”虚業”的体質が強く、経営も傲慢で粉飾決算や株価操作などが目立ち、モラルに問題有りでした。
※5:虚業(きょぎょう、lie business)とは、(「実業」を捩った語)堅実で無い事業。実を伴わない事業。又、大衆を騙す様な危ない事業。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
※6:クラシック(classic)とは、(元は「第一級の」「最上階級の」の意)
[1].第一級の、一流の、最高水準の。典雅な、高尚な。由緒の有る、権威の有る。「―レース」。
[2].ギリシャ・ローマ的。古典的。古雅な様。「―カー」。
[3].一流の作品。古典。古典的な名作。
[4].西洋の古典音楽(classical music)。
<出典:一部「研究社 新英和・和英中辞典」より>
※6−1:クラシックレース(classic races)とは、
[1].英国で最も権威有る五大競馬を指す。五大競馬とは、2千マイル・ギニー(Two Thousand Guineas)、千マイル・ギニー(One Thousand Guineas)、ダービー(Derby)、オークス(Oaks)
、セント・レーガー(St. Leger)。<出典:「研究社 新英和・和英中辞典」>
[2].日本もこれに倣って、中央競馬のサラブレッド4歳馬に依る五大重賞レースを言う。即ち、桜花賞・皐月賞・オークス・日本ダービー・菊花賞のこと。
※7:ドーピング(doping)は、スポーツ選手が運動能力を高める為、筋肉増強剤・興奮剤・覚醒剤・鎮静剤など薬物を使用する不正行為。
※8:アングロサクソン/アングロ・サクソン(Anglo-Saxon)は、5世紀半ば以降、ドイツの西北部からイギリスに渡って諸王国を建てたゲルマン民族の一部。今日のイギリス国民の根幹を成す。頭髪は主としてブロンド。又、イギリス国民乃至イギリス系の国民の意にも用いる。イギリス史で5世紀からノルマン征服(1066年)迄をアングロサクソン時代と呼ぶ。又、北米大陸に渡ったアングロサクソン系を最近はアングロアメリカン(Anglo American)と呼ぶ。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
※9:「かんぽ」とは、「簡保」のことで簡易生命保険の略。
※9−1:簡易生命保険(かんいせいめいほけん、post-office life insurance)とは、郵政省簡易保険局 −2001年に郵政省は総務庁・自治省と共に総務省に統合− が行う国営の生命保険。加入に当り医師の身体診査を行わず、保険料は月掛・集金に依る払込みを原則とする。全国の郵便局で取り扱い、終身・定期・養老・家族・財形貯蓄・終身年金・定期年金・夫婦年金の8種が在る。
(以上、出典は主に広辞苑です)
●関連リンク
@参照ページ(Reference-Page):日本プロ野球の専門用語について▼
資料−日本プロ野球の用語集(Glossary of J-pro-baseball)
@参照ページ(Reference-Page):ウンコボーイとは▼
ウンコボーイ(Unko-boy)
@補完ページ(Reference-Page):「目標にされる国」に成る意義▼
デフレ論議に疑問を呈す(Is our DEFLATION true ?)
04年のプロ野球の騒動についてのリアルタイムの掲示板議論▼
(太平洋選手権を提唱、”巨人教”、村上ファンドにも言及)
赤パンツ野球の成れの果て(Red pants caused baseball to quake)
村上ファンドや「ノーパンしゃぶしゃぶ」事件について▼
戦後日本の世相史(Shallow history of Japan after World War II)
ブッシュJr. が齎した「虚勢の時代」▼
狩猟民族国家アメリカの本性(United States of Hunting people, America)
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