§.狩猟民族国家アメリカの本性
(United States of Hunting people, America)

-- 2004.02.01 エルニーニョ深沢(ElNino Fukazawa)
2004.02.04 改訂

 ■はじめに - 足るを知らない大国
 ブッシュJr. のアメリカのイラク侵略の唯一の大義名分であった”イラクの大量破壊兵器”という虚構が今や崩れ去ろうとして居ます。「2004年・年頭所感」に書いた様に、旧ソ連の崩壊で対抗する強国が居なく成って、”地球上に敵無し”の状態に成ったアメリカはそれでも未だ”足るを知らず”(※1)、自らの欲望の矛先を新たな獲物に向け襲い掛かって居ます、世界一”満ち足りた”大国がです。島国日本がGDPの指標上でのみ経済大国と呼ばれるのとは異なり、日本の25倍の国土面積豊富な資源を有するアメリカは、例えGDPが下がろうとも掛値無しの大国である、にも拘わらずです。
 これはガキ大将が自らの強さを誇示する為に、わざと人前で弱い者苛めして居る様なもので、見方に依っては子供染みて居ます。しかもこのガキ大将は喧嘩が強く頭も良いので遂には”お山の大将”ですが、周りの連中は表立っては何も言えません。どうやら21世紀は、「自由」の名の下に本性(ほんしょう)(※2、△1のp176~186)を現したかに見えるアメリカの「利己的な一国覇権主義(Egoistic Unitarian Hegemonism)」という「新たな弁証法の開始」で幕を開けた様です。この「一国覇権主義」は「利己的自由主義」を捻じ曲げた形態で、一昔前の「帝国主義」に通じますので「要注意」です。
 そんな状況下で、幾らアメリカに後ろから頭を小突かれたとは言え、一番悪いタイミングに自衛隊をイラクに派遣したニッポン。そして国会では相変わらず枝葉末節の議論に終始して居るニッポン。これでニッポンは完全に
  世界の三流国(The Third Class Nation)
の仲間入りです。何故三流国家なのか?、それをこれから述べましょう。

 ■イラク派兵国は三流国ばかり
 先ずデータをご覧に入れましょう。下の表をご覧下さい。

    <2004年1月31日現在のイラク派兵国の一覧>
    太字:経済的先進国(=1人当たりのGDPが高い国)

  アングロサクソン同盟国(※3) --- 4ヶ国
      アメリカ
      イギリス
      オーストラリア
      ニュージーランド
  中米 ---------------- 4
      ホンジュラス
      エルサルバドル
      ドミニカ共和国
      ニカラグア
  西欧 ---------------- 4
      スペイン
      ポルトガル
      イタリア
      オランダ
  北欧 ---------------- 2
      デンマーク
      ノルウェー
  中・東欧 -------------- 9
      ポーランド
      チェコ
      スロヴァキア
      ルーマニア
      ブルガリア
      ハンガリー
      アルバニア
      クロアチア
      マケドニア
  旧ソ連領(CIS) --------- 7
      ウクライナ
      リトアニア
      エストニア
      カザフスタン
      アゼルバイジャン
      モルドバ
      グルジア
  西アジア -------------- 1
      トルコ
  東南アジア ------------- 2
      フィリピン
      タイ
  内陸・東アジア ----------- 3
      モンゴル
      韓国
      日本
  -------------------------
      計              36ヶ国
        参考:全国連加盟国 = 191ヶ国

 ニッポンの皆さん、上の表を冷静に見詰めて下さい。私はこの表を単に地理的にでは無く、人種と過去の政治的繋がりを重視して、上の様に分類しました。こうすると後述する様に、どの国がどういう利害関係或いは”柵(しがらみ)=腐れ縁”で派兵して居るのか、が透けて見えて来ます。
 派兵国は僅か36ヶ国です。これは全国連加盟国中の18.8%です。太字で示した経済先進国は日本を含め僅か8ヶ国です。この内アメリカの”親兄弟国家”であるアングロサクソン同盟国(=血の同盟)と日本を除くと僅か4ヶ国に成ります、それもイタリア、オランダ、デンマーク、ノルウェーで、どう見ても主要国ではありません。主要国はアメリカとイギリスのみ、即ちイラク戦争を仕掛けた国のみなのです。つまり世界の主要国は、アメリカの戦争理由に正当性を認めて居ないのです。
 [ちょっと一言]方向指示(次) ここで私がアングロサクソン同盟国と呼んで居るのは、その建国の歴史を見れば明かでしょう。イギリスからアメリカ大陸やオーストラリア大陸に渡ったアングロサクソンが先住民を追い出して作った国が、アメリカ、カナダ(非派兵)、オーストラリア、ニュージーランドなのです。つまりこれらの殖民国家はイギリスを父とする”兄弟国家”であり、私が「血の同盟」と呼ぶのはそういう意味からなのです。

 こういう場合、本来なら”父”たるイギリスが一国覇権主義(unitarian hegemonism)に暴走する”長男”アメリカの「驕りと思い上がり」を諭すべきなのですが、如何せんこの「老いたる紳士」イギリスは昔の様に世界の海を股に掛けてブイブイ言わせた頃の生活能力は失われ、ドラ息子のアメリカに食わせて貰っている状態なので、それが出来ません。
 そういう状況の中でイラク派兵に駆り出されて居る国を表で見ると圧倒的に、中・東欧(=9ヶ国)と旧ソ連に併合された国(7ヶ国)で、派兵36ヶ国中16ヶ国(=44.4%)を占めます。しかもこれらの国々は何れも嘗ての共産主義国で生活水準は低く、旧ソ連であるロシアの影響力を逃れ更に経済的援助が欲しい為に、アメリカに媚びを売っている国ばかりなのです。この構図はモンゴルも同じで中国の影響力から逃れる為なのです。つまりこれらの国は”乞食国家”なんですよ!、国内の”口減らし”の為に派兵して居る観さえ有ります。
 これに対しトルコやアジアのフィリピンやタイや韓国は、米軍基地が国内に在り軍事的・情報的に”被占領”状態に在ります。他人事では無く日本も前大戦後のGHQ占領以来ずっと”被占領”状態に在る訳です。つまり日本を含めたこれらの国は”飼い犬国家”なのです!
 他は1990年頃迄自国が内戦状態で今でも最貧国、とてもイラクに民主主義を教えて遣る程自国の民主主義が育って居ない中米の”麻薬国家”諸国です、まぁ、中米も赤道直下ですからイラクの熱さには強いのかも知れませんが。
 更にヨーロッパで派兵して居る国を分析するとスペイン、ポルトガル、イタリア(=ローマ帝国の末裔)、オランダは”嘗ての植民地主義国家(=略奪趣味)”であり(そういう意味ではイギリスも同類です)、デンマーク、ノルウェーは嘗ての”ヴァイキング国家(=海賊国家)”だという点は大いに留意すべきです。
 これでお解りの様に、戦争を仕掛けた当事者の”親兄弟国家”を除くと三流国ばかり、それも”乞食国家”と”飼い犬国家”と”麻薬国家”が殆で、ヨーロッパに於いても”嘗ての植民地主義国家”と”ヴァイキング国家”なのです。これらの国家がアメリカとの関係に於いて、どの様な”柵(しがらみ)”や”腐れ縁”や”利害関係”や”目論み”で派兵して居るのかは凡そ想像が付くというものです、中には「見え見え」の国も有りますね。だからこそこれに参加することは、世界に向けて自ら三流国であることを表明することに等しい行為なのですよ!!!

 ■国会でのクダラナイ議論批判とアメリッポン体制批判
 公式には9ヶ月以上も前に戦争は”終結”して居る筈の地域の安全性がどうのこうのと、実にクダラナイ議論をしてますね。戦後復興と言ってもこれは戦争なんですよ、戦地と言うのは危険が当然、安全な戦地など在り得ません。又この際自衛隊員の生命などどうでも良いのです、”軍人は死んで何ぼ”、”兵隊は消耗品”なんですよ。凡そ戦争たるもの、軍人は「死ぬ気」で戦地に赴かなければ勝てやしません。戦争”終結”地域への派兵でこんな議論してたら、ホンマの戦争に成ったらどないするんでっか?
 日米安保条約(※4)を「是」とする限り、アメリカの戦争に駆り出されることは論理的に当然の帰結なのです。単純な人工衛星の打ち上げに失敗して居る嘗ての敗戦国と、火星に探査衛星を飛ばし遠隔操作で地質調査出来る戦勝大国との”同盟”など最初から欺瞞の産物で、日米安保条約の実態は「アメリカ=主人」「ニッポン=飼い犬」を扱き使う為に繋ぎ止めて置く”主従関係”を規定した「首輪と鎖」ということに、今からでは遅いのですが、それでも気付かないよりは気付いた方が良いですよ、ニッポンの皆さん。更に戦争経費で再び双子の赤字を抱えたアメリカ経済を立て直す為に、これから貴方(貴女)方は”ご主人様”の為に貧乏を甘受し働き続けなければ為らないのですよ、ニッポンの皆さん!!!
 この鎖に繋がれた状態、即ち「アメリカが嚏(くしゃみ)をすればニッポンは風邪を引く」状態を「アメリッポン(Amerippon)」(※5)と呼ぶのです。この言葉は【脚注】に在る様な「日米の連帯関係」などでは無く、日米安保条約が規定した「米主日従」の”主従関係”を体裁良く表現した言葉なのです。日本はこれを「国際的」と”勘違い”し、嘗て日本がアジアの殖民支配を目論み「大東亜共栄圏」(※6)と呼んだのと同じく、アメリカが日本の経済支配 -今更殖民支配は無理- を目論み「アメリッポン共栄圏」をちらつかせた二国間関係(=「米主日従」の”主従関係”)をアメリカ人が得意のジョークで言った言葉を、支配される側の日本人が勝手に「国際的」と拡大解釈して21世紀のお題目に据えるという「忠誠心の精神病理構造」こそが、正に「アメ嚏、日風邪」でありアメリッポン的です。私は既に別稿で日本は”勘違い国家”と指摘しましたが、”勘違い”もここ迄来ると呆れます。
 それ故に私は日本が現在の”被占領”状態(=アメリッポン体制)を脱しない限りロシアの北方領土返還は有り得ないと予測して居ます。何故ならば、この儘で北方領土の内の一島でも返したら日本の傀儡政権を飛び越えてアメリカがミサイルを配備する確率が極めて高く、そう成ればロシアは喉元に匕首(あいくち)を突き付けられたも同然です。そんな馬鹿な真似はしませんよ。つまり
  ロシアにとっての北方領土 = アメリカ合衆国にとってのキューバ
という地政学(※5-2、△2のp29、p267~282)を日本の皆さんは理解して無いですね。嘗てのキューバ危機(※7)が何故、どの様にして起きたのか、当時の新聞記事を調べてみて下さい。アメリッポン体制の儘で北方領土返還を要求するのは大人に成れない”甘ったれ”の発想なのです。
                (>v<)

 序でに言うと、先日の2004年1月19日にアメリカ航空宇宙局(NASA)はこの火星探査機が調査した火星の岩に「サシミ」とか「スシ」と命名しましたが、これは日本の小泉内閣がイラク派兵を決めたことへの、アメリカ側からの”お褒めのシグナル”だったのです、つまり飼い主に頭を撫でられた訳ですね。
 そこで、私から前向きな提案を致しましょう。ブッシュもブレアも戦地に足を下ろした訳ですから、ニッポンもイラクへ派遣する要員は自衛隊以前に、クダラナイ議論で暇を潰して居る国会のセンセイ方に行って貰った方が良いのでは?!、それで現地で”名誉の死”などを遂げて戴いたら尚結構ですな、グワッハッハッハッハ!

 ■世界一の大量破壊兵器所有国は何処の何奴か?
 さて、次にアメリカがイラク侵略の唯一の理由に挙げた”大量破壊兵器”の問題について指摘して置きましょう。
 ニッポンの皆さん、「世界一の大量破壊兵器所有国」とは一体誰だとお思いですか?!、唯一の核被爆国とは誰なのでしょうか?!、そして唯一の核被爆国に殺戮目的で原爆を投下した唯一の核投下国は何処の何奴なのでしょうか?!、更に今日のイラク派兵の様にマスメディアに煽動され付和雷同し動員された歴史が日本の過去に無かったでしょうか?!
 今ニッポンの皆さんに必要な事はキンキン声で喋るテレビのニュースを見ることでは無く、前大戦に総動員されて行く直前の昭和15(1940)年頃の様子を、過去の新聞記事や書物で確かめてみることです。善良な市民である筈の名も無き大衆がどの様に”烏合の衆”に変貌して行ったか、を冷静に振り返ることです。「大衆とメディアの逆説的関係」を理解し、冷静に見れば、1941年の「12.7」(真珠湾攻撃、日本時間では8日未明)と2001年の「9.11」(※8)との類似性も垣間見えて来るでしょう。
 [ちょっと一言]方向指示(次) 日本では第二次世界大戦以後を「戦後」と呼びますが、アメリカに「戦後」は無いのです。アメリカは第二次世界大戦以降も1年も休まず絶えず本国以外の何処かで政治に干渉し戦争を起こして来ました。先の大戦後にアメリカが介入した大きな戦争だけでも朝鮮戦争、キューバ封鎖、ベトナム戦争、数次に亘る中東戦争、イラン・イラク戦争、アフリカ地域での戦争、湾岸戦争、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦争、...etcです。
 そして2001年の9.11に於いて、前大戦終了間際の日本に依る風船爆弾(※9)という”屁の様な攻撃”以来のアメリカ本土攻撃が為された、という事態に至った訳ですが、この攻撃が日本の「特攻」(※8-1、※8-2)を手本にして居ることは皮肉ですね。アメリカはこれを世論誘導に最大限利用し「100%被害者」の顔を装って、アフガニスタンとイラクを攻撃・占領しましたが、前述の様に前大戦以後アメリカに攻撃された国は数多く、死者の数は計り知れません。
 更に、ベトナムで使用した枯葉剤(※10)の様に、未だに「奇形児」の後遺症を齎して居ます(△3)。今、日本では9.11だけが強調されて居ますが、これはマスメディアがその”部分”だけを切り取って見せ付けているからで、これに単純に条件反射的に反応することは正に「片手落ち」の付和雷同です。前大戦以後に”「戦後」が無いアメリカ”が殺した死者の数に比べれば9.11での代償は”微々たる物”でしか無いのです。


 ブッシュJr. は9.11を受けてイラン/イラク/北朝鮮を「悪の枢軸」(※11、※11-1)と呼んで錦の御旗を掲げ、「スター・トレック」の宇宙艦隊司令官を気取ったのでしたが、【脚注】に在る様に「枢軸」「枢軸国」とは嘗て日独伊のファッショ三国同盟を指した言葉(※11-2)でした。

 ■アメリカの本性 - その原型は”狩り”
 ここで最初に提示した問題について考えてみましょう。即ち、世界一”満ち足りた”大国アメリカは何故足るを知らないのか?
 実はこの問題については半月程前に発表した「民族占い」の「考察」の章で、「民族心理学」の応用問題として論じているので重複部分が多いですが、ここでアメリカの本性(ほんしょう)を明確に把握する必要が有るので再び解剖結果を述べます。
 狩猟民族国家アメリカは絶えず”狩り”の獲物を探し、”狩り”をしたいという本能的欲求を抑えることが出来ません。獲物や理由は何でも良いのです、”狩り”に理由など不要です。「そこに獲物が居るから撃つ」だけのことなのです。”狩り”で捕獲した肉を食い、穀物や野菜は農耕民族から略奪して食います、これは消費活動です。
 狩猟民族は飢えている時は「食う為」に狩りをし、満腹の時は「腹ご熟(ごな)し」に狩りをします。”狩り”は生活手段だけで無くゲームでありスポーツなのです。彼等が満ち足りても”狩り”を止められない理由はここに在るのです、否、満ち足りて”狩り”をすることこそ最高の悦楽なのです。ここが農耕民族との大きな違いで、誰もスポーツとして”田植え”をする人は居ません。
 近代戦争は”狩り”が進化した形態で、窮極の消費活動です。”狩り”の獲物が偶々ベトナムでありアフガニスタンでありイラクであったということです。彼等が唯一「生産」に悦びを感じるのは武器を作る時だけです。武器作りが進化した形態が軍部と巨大軍需産業を包含する軍産複合体(Military Industry Conglomerate)であり、これはアメリカ経済の根幹(※12)です。「戦争は文明の母」エルニーニョの中定理ですが、今やアメリカは本土の軍産複合体を永続化させる為に「本土以外の地域での戦争」を恒常化させて居るかの様です。そして狩人が獲物を捕獲する為に獣道(けものみち)の案内人や猟犬や穀物を提供し泊めて呉れる民家などを必要として居る様に、アメリカの指揮下で下働きや犬の代わりを勤める”イラク派兵国”を必要として居るのです。
 [ちょっと一言]方向指示(次) 例えば作曲家ショパンを生んだ”乞食国家”ポーランド -因みにアメリッポンの提唱者もポーランド人(※5-1)- がイラクに派兵した最大の理由は、アメリカの経済援助を得る為という第一義的目的と、もう一つはEUの中で兎角埋没し勝ちなポーランドの立場を”アメリカの威光”を借りて存在感を示す為という第二義的目的が有ったと考えられます。しかし、結果的には経済援助は僅かで逆にアメリカの”中古”の防衛システムを買わされる破目に陥り、更にイラクに派兵しなかったフランスやドイツがビザ無しでアメリカに入国出来るのに対し、ポーランドはビザ取得が必要且つ指紋検査も必要という”第三国扱い”です。
 この辺が強(したた)かな狩猟民族国家アメリカとアホな”乞食国家”の違い、即ち「力の差」なのです。結局ポーランドは真っ先にイラク派兵したにも拘わらず相変わらず「我が暮らしもメンツも立たず」の状態で、嘸(さぞ)かし墓場ではショパンが泣いて居ることでしょう。


 ポーランドの例を見る迄も無く、飽く迄アメリカが”主人”で日本は”飼い犬”だよ、とジョークで言ったのが前述のアメリッポンだった訳です。ニッポンも日米安保条約を”対等な同盟関係”と宣まうなら、「民族心理学」でも勉強して条約締結相手の本性を見抜く必要が有りますよ!

 ■イラクでの日本の役割
 それにしても、前大戦での敗戦を転機に

        1945年の原爆&占領
           ↓
  鬼畜米英 →180度の転換→ アメリカの飼い犬(=アメリッポン)

という図式で表される180度の転換をして被植民地的な”飼い犬国家”に成り下がったというのは、余りにも無節操で破廉恥です。この尻軽で無節操なケツ振り(=大きな振幅)は偏に哲学の欠如 -軽いのは尻だけでは無く”頭も軽い”という事- に起因し、その軽さをGHQのマッカーサーは大人が子供を見下す態度で「日本人は12歳の少年」と評しましたが、前述した様に”甘ったれ”た発想の「大人に成れない日本人」は未だに日本の課題です。
 ”飼い犬”三流国家日本のイラクでの役割について、日本のメディアも世論も大きな”勘違い”をして居ますね。日本がイラクで出来ること、それは「被占領先輩国」としてイラクに「最もおトクな占領のされ方」や「痛く無い小突かれ方」、つまり「正しい”飼い犬”道」を伝授することしか有りません!!!

 ■目を世界に転じよ!
 最後に私が今一番懸念して居る問題はイラクでは無く、パレスティナ問題(※13、※13-1)です。ブッシュのイラク侵攻とイスラエルのパレスティナ侵攻は連動して居るのです、これがイラク戦争の”もう一つの本質”です。日本のメディアがイラクに目を奪われパレスティナが聾(つんぼ)桟敷に置かれて居る中で、ラビン元首相をテロで暗殺した血の上に成り上がったシャロン政権の「ユダヤの横暴」が進行して居ます。
 目を「世界」に転じ”勘違い”を正さねば為りません。決して
  「アメリカ」=「世界」では無い、断じて無い
のです!!

 ■結び - 言う言葉無し
 結びの言葉、...「言う言葉無し」ですね。敢えて言えば、イラクへ派遣された方々は精々”バカの壁”(△4)を高く築いて、ご主人様であるアメリカのご機嫌を取り、ご主人様に頭を撫でて貰って下さい。日本人の大きな”勘違い”に呆れた後は、もうウンコボーイに登場して貰うしか無いですな、アッハッハ!
 それでは、これにてケツ礼、いや失礼!!
                ウンコボーイです、こんな格好で失礼します。

--- 完 ---

【脚注】
※1:「足るを知る」即ち知足(ちそく)とは、[老子第三十三章「知足者富」]現状を満ち足りたものと理解し、不満を持たないこと。
 「足るを知らず」とはその逆で、何処迄も際限無く欲望に捕り憑かれること、又はその状態を言う。

※2:本性(ほんしょう、true character)とは、(古くはホンジョウとも)[1].生れ付きの性質。本来の性格。天性。源氏物語真木柱「―はいと静かに心よくこめき給へる人の」。「―を現す」。
 [2].本心。正気(しょうき)。義経記7「程なく酒気(さかけ)には―をただすものなれば」。日葡辞書「ホンシャウヲウシナウ」。

※3:アングロサクソン/アングロ・サクソン(Anglo-Saxon)は、5世紀半ば以降、ドイツの西北部からイギリスに渡って諸王国を建てたゲルマン民族の一部。今日のイギリス国民の根幹を成す。頭髪は主としてブロンド。又、イギリス国民乃至イギリス系の国民の意にも用いる。イギリス史で5世紀からノルマン征服(1066年)迄をアングロサクソン時代と呼ぶ。又、北米大陸に渡ったアングロサクソン系を最近はアングロアメリカン(Anglo American)と呼ぶ。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>

※4:日米安全保障条約(にちべいあんぜんほしょうじょうやく、the U.S.-Japan Security Treaty)とは、日米二国間の安全保障を規定した条約の通称。
 [1].1951年9月サンフランシスコに於ける「対日講和条約」調印と同時に日米間に締結された条約(正式名:「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約」)。講和後も米軍が安全保障の為に日本に駐留基地を設定すること、外国の教唆・干渉に因る内乱時の出動条項を定めた。1960年に一旦失効。
 [2].1960年に新たに新条約(正式名:「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」)を調印・発効。正式名に「相互協力及び」が付加された様に軍事行動に関して両国の事前協議制等を追加、逆に出動条項を削除。1970年から自動延長。ソ連崩壊を受けて1996年の「日米安保共同宣言」では「ソ連の軍事的脅威」に替わって「アジア・太平洋の平和と安定」を掲げ、内容を一部修正。
 略称、安保条約又は日米安保条約。通常1960年以前は[1]を、以降は[2]を指す。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
 補足すると、1960年の「相互協力」云々を以て日米の同盟関係と解釈する立場が日本では支配的です。この条約の中で「駐留基地の設定」を明文化して居ますが、日本のみならず世界各地に展開されて居る米軍基地こそがアメリカの世界支配の根幹です。[2]の新条約調印時の1960年と自動延長の70年には激しい安保闘争 -安保条約反対の国会包囲デモなど- が起きました。
※4-1:対日講和条約(たいにちこうわじょうやく、Treaty of Peace with Japan)とは、1951年(昭和26)9月サンフランシスコで日本と48の連合国との間に調印された第二次世界大戦の講和条約(正式名:「日本国との平和条約」)。中国は招請されず(台湾の国民政府が参加)、インドなど3か国は不参加ソ連など4か国は調印を拒否。この結果日本は独立し国際的地位が規定されたが、領土の帰属アメリカ軍の駐留など多くの問題が残された。日本全権は吉田茂首相。対日平和条約、サンフランシスコ講和条約、サンフランシスコ平和条約<出典:「学研新世紀ビジュアル百科辞典」>
 補足すると、対日講和条約に言う日本独立は名目に過ぎず、同時に締結された「日米安保条約」で実体的には米軍に依る被占領体制が維持された儘現在に至って居ます。

※5:アメリッポン(Amerippon)とは、アメリカのブレジンスキー教授の言う「アメリカとニッポンの間の新しい連帯関係」のこと。意味は
  Amerippon = America + Nippon
で、21世紀に掛けての国際的な秩序と安定を約束する中枢的な地政学的戦略関係。<出典:「現代用語の基礎知識(1999年版)」>
 補足すると、1988年の氏の論文で初めて使われ、「新しい連帯関係」の実態は日米安保条約が規定する日米二国間の”主従関係”、即ち「米主日従」をより具体的に述べたもので「軍事大国アメリカが世界戦略を主導するので経済大国日本は経済で貢献し軍事費を負担せよ」という内容です。つまり「アメリッポン」とは「日本人は貧乏を甘受しアメリカ人の為に働け!」ジョークで表現した言葉です。
※5-1:ズビグニュー・ブレジンスキー(Zbigniew Kazimierz Brzezinski)は、英語発音。ズビグネフ(又はズビグニェフ)・ブジェジニスキ。ポーランド出身の政治学者・戦略家(1928~ )。コロンビア大学教授として、共産主義圏の政治・外交の研究に従事すると共に民主党のアドバイザー。米カーター政権時の国家安全保障担当大統領補佐官
※5-2:地政学(ちせいがく、Geopolitik[独], geopolitics[英])とは、政治現象と地理的条件との関係を研究する学問。ドイツの学者ラッツェル(F.Ratzel1844~1904)の政治地理学に基づいてスウェーデンの学者チェーレン(R.Kjell n1864~1922)が首唱、主にドイツに於いて第一次大戦後の政治的関心と結び付き、ハウスホーファー(K.Haushofer1869~1946)に依って発展、ナチスがこれを支持。地理政治学、地政治学。

※6:大東亜共栄圏(だいとうあきょうえいけん)とは、太平洋戦争期に日本が掲げたアジア支配正当化の為のスローガン。欧米勢力を排除して、日本を盟主とする満州・中国及び東南アジア諸民族の共存共栄を説く。1940年、外相松岡洋右の談話に由来。

※7:キューバ危機(―きき、Cuba Crisis)とは、1962年、ソ連のキューバへのミサイル搬入を巡って生じた米ソ間の対立。ソ連がミサイル撤去に同意し解決。核戦争の危機を招いたが、米ソ関係改善の契機とも成った。

※8:「9.11」とは、2001年9月11日に国際テロ組織のアルカイダのメンバーがハイジャックした旅客機でニューヨークの貿易センタービルや国防総省ペンタゴンなど、同時に複数の標的に”特攻”を掛け、その後のアメリカのアフガニスタン攻撃やイラク攻撃など国際的緊張の端緒と成った事件。
※8-1:特攻(とっこう)とは、特攻隊に依る攻撃のこと。
※8-2:特攻隊(とっこうたい)とは、特別攻撃隊の略。特に第二次世界大戦末期、日本陸海軍の航空機・人間魚雷などに依るアメリカ艦艇への体当たり攻撃の為に編成された部隊。「神風―」。<出典:「学研新世紀ビジュアル百科辞典」>

※9:風船爆弾(ふうせんばくだん、balloon bomb)は、太平洋戦争末期に日本陸軍がアメリカ本土攻撃の為に開発・使用した風船利用の爆弾。東日本の太平洋沿岸から偏西風に乗せて運んだが、オレゴン州で6人が爆死した以外は効果は無かった。
 補足すると、元々は関東軍(=満州に駐屯した日本陸軍部隊)が研究に着手し、本土陸軍が敗色濃厚に成った1944年秋から米国本土に向け約9300個を飛ばし、内約1000個が米国本土に落下したとされ、戦果はオレゴン州でピクニック中の家族が誤って木に引っ掛かっていた爆弾に触れ女性1人と子供5人が爆死したのみです。しかし、これが第二次大戦中に”米国本土で人的被害”を与えた唯一の事例であり、風船爆弾は世界初の”大陸間飛行兵器”でもありました。オレゴン州には大戦後に記念碑も建てられて居ますが、2001年の9.11はその記録を塗り替えた訳です。

※10:枯葉剤(かれはざい、defoliant)は、除草剤の一種。アメリカ軍がベトナム戦争で化学兵器として使用したダイオキシンを含むものは、特に毒性が強く、散布地域に癌・先天性異常・流産・死産などが多発。

※11:枢軸(すうじく)とは、(戸の枢(くるる)と車の心棒。運転の中軸の意)
 [1].(axis, central point)活動の中心となる肝要の箇所。枢要。特に、政治機関の中心。
 [2].(the Axis) 第二次大戦前から戦時中に掛けて、連合国に対立し、日本ドイツイタリア3国及びその同盟国相互間に結ばれた友好・協同の関係。1936年10月のローマ・ベルリン枢軸の呼称に始まる。
※11-1:枢軸国(すうじくこく、the Axis powers)とは、第二次大戦時、日本・ドイツ・イタリア三国同盟(日独伊三国同盟)の側に属した諸国。
※11-2:日独伊三国同盟(にちどくいさんごくどうめい)とは、1940年9月、第二次大戦中の枢軸国であった日本・ドイツ・イタリア三国が締結した軍事同盟日独伊防共協定を発展させたもの。米英との対立激化を招き、太平洋戦争の一要因。三国の敗戦に因り解消。

※12:アメリカの軍産複合体(Military Industry Conglomerate)が単なる巨大軍需産業では無いのは、一見軍需産業には見えない”便利な”日常的技術をも包含して居る点に在ります。例えば今、皆さんに見て戴いて居るこのホームページのインターネット技術は、1969年アメリカ国防総省が軍事目的でARPAネット(ARPANET)を構築したのが起源で、その後1983年にARPANETプロトコルにTCP/IPを採用することを決め、これを改良し1986年アメリカNSF(全米科学財団)がNSFネット(NSFNET)を構築し民間に移行しました。

※13:パレスティナ/パレスチナ(Palestine, Palestina[ラ])とは、西アジアの地中海南東岸の地方カナンとも称し、聖書に見える物語の舞台。第一次大戦後、オスマン帝国からイギリス委任統治領。以後、シオニズムに拠るユダヤ移民が進展。1948年イスラエル独立と共にイスラエルとヨルダンとに分割されたが、67年イスラエルはヨルダン川西岸地域とガザ地区を占領。パレスティナ人に依る国家建設運動も盛ん。
※13-1:パレスティナ問題(―もんだい、Palestinian problem)とは、パレスティナは旧オスマン帝国領で、第一次世界大戦後イギリスの信託統治に付されて居たが、イギリスはバルフォア宣言でシオニズム運動に支持を与えて居た。その後、ヒトラーのユダヤ人迫害に因り同地への移民が急増。国連決議を経て1948年この地にイスラエルが建国すると、一挙に矛盾が爆発、今日迄5次に及ぶ中東戦争と成った。この結果、イスラエルは占領地を広げて大量のパレスティナ難民を生み、パレスティナ人は1964年にパレスティナ解放機構(PLO)を組織して闘争を強化した。<出典:「学研新世紀ビジュアル百科辞典」>

    (以上、出典は主に広辞苑です)

【参考文献】
△1:『アメリカ国粋主義(ジキルとハイドの論理を読め)』(日高義樹著、光文社)。

△2:『悪の論理 - 地政学とは何か』(倉前盛通著、角川文庫)。

△3:『母は枯葉剤を浴びた』(中村梧郎著、新潮文庫)。

△4:『バカの壁』(養老猛司著、新潮新書)。

●関連リンク
参照ページ(Reference-Page):ウンコボーイとは▼
ウンコボーイ(Unko-boy)
補完ページ(Complementary):一国覇権主義の発生機構や
「大衆とメディアの関係」の分析▼
理性と感性の数学的考察(Mathematics of Reason and Sense)
補完ページ(Complementary):民族心理学と今日的文明の”在り様”▼
民族占い(Comparative Ethnologic approach)
補完ページ(Complementary):おちゃらけアメリッポン論▼
アメリッポン、ちゃちゃちゃ!(Amerippon clapping)
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