頭痛の臨床経過

	片頭痛			・クモ膜下出血 ・脳内出血
前兆に続いて頭痛発作がみられる			突発する頭痛発作
	群発性頭痛			・慢性硬膜下血腫 ・髄膜炎 ・副鼻腔炎
頭痛発作が群発期と間歇期交互に来るもの			比較的急な発症をみるもの （ぐんぐん強くなる）
	・頚椎症 ・労作性頭痛 ・脳腫瘍 ・低髄液圧性頭痛			・脳腫瘍 ・頚椎症 ・低髄液圧性頭痛
比較的急な頭痛発作が反復性にみられる （日内変動がある）			徐々に進行性に増悪する頭痛 （ゆっくり出現）
頭痛時の行動様式 のたうち回る 群発性頭痛 じっと動かずに耐える 片頭痛 横になっている方が楽 低髄液圧性頭痛 起きてしばらくして痛みが強くなる 体を起こしている方が楽 脳腫瘍 朝、寝ているときに強い 頚（首）を動かしたがらない 髄膜炎 下を向くと苦しい、だるい 頚椎症、ヘルニア
頭痛を考える上で重要なこと １）　脳自体は痛みは感じない。 　　　静脈洞、硬膜、血管の一部にセンサーがあり、この部位に圧迫が及んだときに痛みとなる。 ２）　脳出血でも、痛みを感じないことも少なくない。 ３）　脳卒中の７−８割を占める脳梗塞はほとんど痛みがない。 ４）　突然、経験したことのない、激烈な痛みが、嘔吐を伴い、２４時間以上続く時は、くも膜下出血を疑うこと ５）　後頭神経痛、筋緊張性頭痛、労作性頭痛、慢性頭痛などの中には頚椎症、頚椎ヘルニアなど、頚の変形や負担が背景になっている 　　　ことが少なくない。 ６）　頭痛の原因を理解する為には、痛みの性質、発症状況、経時的変化、随伴症状などを全体的に把握、判断すること 　　 が肝要

６１才　男性　高血圧性右側頭葉内出血 脳内に限局した大きな血腫でも、ほとんど頭痛を訴えない。左片マヒ、ふらつきと頭重感のみ。		４３才　女性　右側脳室内髄膜腫 脳室内にみられる巨大な脳腫瘍でも、頭痛はなく、ボーっとした感じと一過性の複視のみ。 　脳腫瘍でも必ずしも頭痛を認めるわけではない。

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