県立中央病院 登録医
     えびな脳神経クリニック 蛯名 国彦院長 

 
この度は、小院紹介の機会を賜り、光栄に存じます。以下、これまでの当院の経緯に触れながら、目指すもの、特色・特徴について記したいと思います。 
 私のかけがえのない宝であります青森県立中央病院をはじめ、多くの医療機関の諸先生やスタッフに支え続けられ、開院して20年、経験させていただいた症例は、のべ患者数70万余名、脳ドック受診者数 8000余名、脳動脈瘤 1400例、脳梗塞 6900例、脳腫瘍 492例、認知症 473例になりました。脳神経外科学会専門医、脳卒中学会専門医、頭痛学会専門医として、古稀を迎えし、今も医療人として活き活き生きていられることに感謝せずにはいられません。高2の春、父が40歳、3度目のくも膜下出血で急逝された時、東北大学では
故 鈴木 二郎教授により外科内に脳研グループを立ち上げ、脳神経外科が産声を上げたばかりで、父が命をかけて、歩むべき道へ導いてくれたようにひしと思うこの頃です。

 故 岩淵 隆教授に師事、以来45年、脳外科医として研鑽を続けることができ、脳動脈瘤治療法、脳内出血・脳腫瘍治療法として定位的神経内視鏡システムの開発などに関し、第1回、6回、12回中村賞、第2回鈴木二郎賞などを拝受されましたこと、あらためて感謝するばかりです。
 しかし脳卒中を学べば学ぶほどに、脳外科医の、なし得ることの小さきことに、思い知らされる日々でした。脳卒中を発症して時点で、何故に、いつ、どこに、どれほどの、如何なる脳卒中が発生したかによって、おおかたの予後が決せられる現実に愕然とさせられました。かくして、《脳卒中治療の根幹はその予防に有り》と信じ、《脳ドックの華》を手に開院し、皆様やスタッフに背中を押され、運命ともいうべき新型1.5T MRI装置との出会いにより、今後の10年に向けた新たなスタートラインに立ったような気が致します。
 開院の時の夢であります、脳卒中の予防へのゴールは、遥かに遠く、未だ道は、見えてきませんが、脳卒中医療を天職とし、《脳ドックの華》を美しく大きく咲かせて行くことで、登録医の抱負とさせていただきます。今後ともよろしくお願いします。
 


開院18周年を迎えられたこと御礼申し上げます。


神経内視鏡手術はこうして始まった
   11月、東京スカイツリーが目の前に見える、浅草ビューホテルにて、第21回日本神経内視鏡学会に『神経内視鏡手術はこうして始まった一神経内視鏡手術ことはじめ』と題して、日本の神経内視鏡の先駆けとして特別講演の栄に浴する機会がありました。四半世紀前にわずか数名で始めた同好会が、今では学会員1500名を数える巨木にそだち、たくさんの実がなり、その根の広がりは感動的でありました。定位手術装置やneuronavigatorとの組み合わせなどにより、開頭手術では到達不可能と思われていた脳深部などの病変やpoor riskの患者に対しても、低侵襲性のもと、より的確な、より安全な手術を成し遂げたいとの共通のゴールのもと研鑽を積んでいるのです。
 小生の場合、1980年アメリカ留学の時、脳腫瘍のsuction biopsyの際に深刻な出血性トラブルを目撃したことが、blind surgeryの怖さとless invasive surgeryを安全に行うためには、手術操作部位を直視下に把握しうる神経内視鏡システムの開発必須であると痛感し、帰国後、開発研究に着手したことでした。顕微鏡手術の死角に対し、より広い視界を提供する内視鏡は、脳動脈瘤、水頭症、血腫や腫瘍など、適応を広げてゆくたびに、更にその先に幾多の困難な壁に阻まれ、自分の持つ内視鏡システムの特性と限界を知らされ、その悔しさが神経内視鏡手術の更なる進化への原動力となりました。若き医師たちの真剣なまなざしがとても心に残りました。
 4月に『脳ドックガイドライン 2014 改訂第4版』が新しく作成され、脳卒中予防の切り札として始まった脳ドックも黎明期から充実発展期に入り、更なる高性能のMRI/MRA装置はもちろんのこと、高次脳機能検査のためのソフトと、脳ドック専用診療録、専用控え室を備え、検査事項の質の向上と、異常が発見された場合の科学的な根拠に基づいた方針が示されてきました。
 過ぎし67年を振り返りますれば、今もこうして医療人として活き活き生きていられることに感謝せずにはいられません。『学びて思わざれば則ちくらし、思いて学ばざれば則ちあやうし』かくして《脳卒中治療の根幹はその予防に有り》と信じ、日々、皆様やスタッフに支えられ、開院して18年、『脳卒中の予防は脳ドックに有り』と確信し、スタッフ一同、あるべき脳ドックの姿・質と普及に努めて参りました。この間、脳卒中は疾患別死因として第3位から4位に改善するなど確実に成果がみられておりました。しかし開設の時の夢であります、脳卒中の予防へのゴールはいまだ遥かに遠く、脳卒中の予防を天職とし、ひたすら坂の上に輝く一朶の白い雲のみをみつめて、坂道を一歩一歩、のぼってゆきたいと思います。




2014年7月吉日
えびな脳神経クリニック
院長  蛯名 国彦
暁美
スタッフ一同

開院18周年祝華に囲まれて
二人して歩んできた登り坂、皆様の支えがあったからこそ
ここまで登ってこれました。感謝、感謝です。
       
   
開院18周年記念
新型高性能MRI更新をなしとげ、スタッフ一同
坂の上に輝く一朶の白い雲のみをみつめて坂道を
一歩一歩登ってゆきたいと思います。
開院18周年記念
皆様のおかげでここまで坂を登ってくる
ことができました。
開院18周年記念
新型MRI装置を手に脳卒中医療に夢とロマンと
情熱にスタッフ一同意気に燃えております

開院18周年記念
脳卒中治療の根幹はその予防に有り、スタッフ一同チームプレーで頑張ります。
              

院長  蛯名 国彦

青森県生まれ。1972年 弘前大学医学部卒業、同年脳神経外科学教授 岩淵 隆教授に師事、1980年 ジョージア州アトランタ エモリー大学脳神経外科学教授 G.T. Tindall先生のもとで脳腫瘍学、経蝶形骨洞下垂体腺腫摘出術、脊椎脊髄学について師事、神経病理学教授武井義雄先生に神経病理学について師事、弘前大学医学部助手、講師をつとめた後、1987年 青森市民病院脳神経外科初代部長、1994年弘前大学医学部脳神経外科助教授を経て、1996年青森市にえびな脳神経クリニックを開設、県内初の本格的な脳ドックを併設、脳卒中予防に夢とロマンをかける。
   
専門医資格

日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会専門医
日本頭痛学会専門医

主な学会活動

日本脳神経外科学会評議員、日本脳卒中学会評議員
日本小児神経外科学会、日本脳ドック学会、日本神経学会、
日本脳神経CI学会、日本脊髄外科学会、日本頭痛学会

主な受賞

1980年  第1回東北脳血管障害懇話会賞
1985年  第6回東北脳血管障害懇話会賞
1991年  第12回東北脳血管障害懇話会賞
1994年  第2回鈴木二郎賞(脳卒中の外科学会賞)


           主な業績

論文(脳卒中関連のみ)

1. K.Ebina,T.Iwabuchi and S.Suzuki
   Histological change in permanently clipped or ligated cerebral arterial wall. Part T.An experimental study in dogs.
   Acta Neurochirurgica (Wien),65:253-276,1982 第1回中村 隆賞(東北脳血管障害懇話会賞)

2. K.Ebina,T.Iwabuchi and S.Suzuki
   Histological change in permanently clipped or ligated cerebral arterial wall. Part U.Autopsy cases of aneurysmal
   neck clipping  Acta Neurochirurgica (Wien),66:23-42,1982 第1回中村 隆賞(東北脳血管障害懇話会賞)

3. K.Ebina,T.Iwabuchi and S.Suzuki
   A clinico-experimental study on various wrapping materials of cerebral aneurysm.
   Acta Neurochirurgica (Wien),72:61-71,1984  1985.12 第6回中村 隆賞(東北脳血管障害懇話会賞)

4. K.Ebina,H.Ohkuma and T.Iwabuchi
   An angiographic study of incidence and morphology of infundibular dilatation of posterior communicating artery.
   Neuroradiology,28:23-29,1986

5. Kunihiko Ebina,Akira Andoh,Toshio Takahashi and Takashi Iwabuichi
   Development and clinical usefulness of a new neuroendoscope system for CT-guided stereotactic brain surgery.
   Neurologia medico-chirurgica,30(6):401-407,1990   1991,12 第12回中村 隆賞(東北脳血管障害懇話会賞)

6. K.Ebina,T.Shimizu,M.Sohma and T.Iwabuchi
   Clinico-statistical study on morphological risk factors of middle cerebral artery aneurysms.
   Acta Neurochirurgica (Wien),106:153-159,1990

7. 蛯名国彦、大熊洋揮、岡部慎一、岩渕 隆
   脳梗塞患者におけるNicergolineの経時的血小板凝集脳抑制効果並びに他の凝固系に及ぼす影響について
   新薬と臨床 41(9):44-53,1992

8. 蛯名国彦、清水俊夫、大熊洋揮、鈴木重晴、岩渕 隆
   Neck clippingの困難な”小”脳動脈瘤の治療法 脳卒中の外科21:133-140,1993
   1994.3.8 第2回鈴木二郎賞(日本脳卒中の外科研究会賞)

9. Kunihiko Ebina,Takashi Iwabuichi
   Preliminary experimental study on a newly-developed coating material (Liquid cellulose) for cerebral aneurysms
   Acta Neurochir.,125:161-168,1993

10.蛯名国彦、金 奉均、鈴木重晴、岩渕 隆
   脳内血腫除去術における定位的手術用内視鏡システムの開発と臨床応用 脳卒中の外科 23:109-115,1995

11.蛯名国彦、鈴木重晴
   超音波吸引装置のNeuroendoscopic Surgery  神経内視鏡の基礎的知識と手術手技、三輪書店、東京pp96-100,1996

12.Kunihiko Ebina,Seiko Shibata,Kenichiroh Asano,Katsuhiro Itoh and Shigeharu Suzuki
   Clinical Usefulness of an Original Stereotactic Neuroendoscopic Surgical System and an Ultrasonic Surgical
   Aspirator for Removal of Intracerebral Hematoma Brain Hemorrhage ’95 Volume 1.
   Proceeding of the 1st Annual Meeting Intracerebral Hemorrhage NEURON Pub.Co.Tokyo pp137-148, 1995

13.蛯名国彦
   MRAによる脳梗塞の治療指針と評価   臨床のあゆみ 39:30-33, 1999.1 CURRENT TOPICS

14.蛯名国彦、
   患者のライフスタイル改善と脳ドック   新医療  30:150-153,2003.7.

学会発表(脳卒中関連のみ) 

1) 蛯名国彦
   長期クリッピング、結紮による頭蓋内血管壁の経時的組織学的変化 第一報、第二報 中村賞授賞記念特別講演
   第3回東北脳血管障害懇話会  1980.12.6. 仙台

2) Kunihiko Ebina and T.Iwabuchi
   Experimental study on dissolution of intracranial hematoma 8th international congress of neurological surgery
   1985.7.7-13.Toronto

3) Kunihiko Ebina,T.Iwabuchi and S.Suzuki
   A clinico-experimental study on various wrapping materials of cerebral aneurysms 第8回東北脳血管障害懇話会
   1985.12.7. 仙台   中村賞授賞記念特別講演

4) 蛯名国彦、大熊洋揮、森山隆志、岩渕 隆
   成人型脳動脈瘤の成因に関する検討  −臨床並びに実験組織学的検討から−  第11回日本脳卒中学会総会
   1986.4.7-8. 福岡

5) 蛯名国彦、安藤 彰、岩渕 隆
   中大脳動脈瘤の予後因子に関する再検討   第13回日本脳卒中学会総会  1988.3.29 東京

6) Kunihiko Ebina,Akira Andoh and Toshio Takahashi
   Development and clinical usefulness of a new neuroendoscope system for CT-guided stereotaxic brain surgery.
   第14回東北脳血管障害懇話会  1991.12.7. 仙台 中村賞授賞記念特別講演

7) 蛯名国彦、清水俊夫、鈴木重晴、岩渕 隆
   NECK CLIPPINGの困難な小脳動脈瘤の治療法  −特にWRAPPING,COATING 材質についての開発・検討−
   第21回日本脳卒中の外科研究会  1992.3.3 名古屋

8) 蛯名国彦
   Nicergolineの経時的血小板凝集抑制効果並びに他の凝固系に及ぼす影響について
   第17回日本脳卒中学会総会  1992.3.6. 名古屋

9) Kunihiko Ebina,Bongkyun Kim and Takashi Iwabuchi
   Development and clinical evaluation of a new neuroendscope system for CT-guided stereotactic brain surgery
   The second Korean and Japanese freinds ship Conference on Surgery for Cerebral Stroke (1992.10.16) Tokyo

10)Kunihiko Ebina,T.Shimizu and T.Iwabuchi
   Development and clinical usefulness of Bemsheets and liquid cellulose for unclippable cerebral aneurysms
   x th International congress of neurological surgery,1993.10.17-22  Acapulco,Mexico

11)Kunihiko Ebina,T.Iwabuchi,S.Suzuki and B.Kim
   Development and clinical usefulness of a new neuro-endoscopic system for stereotactic endoneurosurgery
   x th International congress of neurological surgery,1993.10.17-22  Acapulco,Mexico

12)蛯名国彦、浅野研一郎、嶋村則人、鈴木重晴
   Stereotactic neuroendoscopic surgeryによるminimally invasive surgery −多チャンネル型定位的脳手術用内視鏡
   システムの開発−  第16回日本脳神経外科コングレス  1996.4.11-13 松江

13)蛯名国彦
   神経内視鏡手術  その基本手技  第56回日本脳神経外科学会総会 モーニングセミナー   1997.10 大阪

14)蛯名国彦
   指定発言  橋出血・合併症  第2回脳出血研究会 山口 ICH’97

15)蛯名国彦
   神経内視鏡手術における超音波メスの有用性  第17回日本脳神経超音波学会  指定ビデオシンポ 1998.6 神戸

16)蛯名国彦、畠山 隆、田中輝彦、鈴木重晴
   脳ドック受診者の母集団構成員の差異と異常発見率の効率  第8回日本脳ドック学会総会 シンポジュウム
   脳ドックと人間ドック  1999.6.24 大阪

17)蛯名国彦
   脳卒中−脳梗塞のMRAによる診断と治療のstrategy  一関市医師会学術講演会 1999.11.18 一関

18)蛯名国彦、鈴木重晴
   脳梗塞のMRAによる診断と治療のstrategy  第26回脳卒中学会総会 2001.3.15 大阪

19)蛯名国彦、鈴木重晴
   脳卒中の予防は可能か? −ライフスタイル改善に向けたMRAによる診断と治療のstrategy
   第10回 脳ドック学会総会  シンポジュウム 脳ドック受診後のライフスタイルの指導  2001.6.22 東京

20)蛯名国彦、鈴木重晴
   脳卒中の予防は可能か? −特に切迫脳卒中とMRA− 第25回日本脳神経CI学会総会 シンポジュウム
   虚血性脳血管障害の原因検索におけるneuroimagingの役割  2002.2.7 東京

                                                       ほか多数



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