1)クモ膜下出血(MRI)と破裂脳動脈瘤(MRA) | |||||
頭痛外来 | |||||
61才 男性 最近のMRIではCT以上に、クモ膜下出血の拡がりの状況が詳細に描出できる。動脈瘤がフローボイドとして、黒く見える。 |
頭痛外来 3015例の時点で クモ膜下出血は頭痛の原因の0.2%位でそれ程多いものではない。脳卒中の10%程度、10万人に7〜8人程度に認められる。 |
MRAで明らかな前交通動脈瘤を認めた。 | |||
2)未破裂脳動脈瘤について | |||||
41才 男性 最近のMRAでは、動脈瘤は数々の工夫により、直径2mm位まで認められるようになった。 |
破裂しやすい動脈瘤には瘤の一部に小さなコブ(bleb)が認められる。 | ||||
これまでの知見から上記の如く、動脈瘤の形態的特徴や全身状態から、ある程度の治療方針がたつようになった。当院では未破裂動脈瘤の20−25%程度が手術施行され、現在のところ十分その目的を達していると思われる。 | 脳ドック1125名の時点での調査では、脳動脈瘤の発生率に関与する因子として、家族にクモ膜下出血をきたしている人が2倍多かった。 |
脳ドック2925例の集計では4.3%に未破裂脳動脈瘤を認めた。 しかし全てが手術治療を必要とするわけでなく、個々に慎重に検討すると、20〜30%位が手術を勧められ、破裂脳動脈瘤に比し、術後経過は現在のところ良好である。 手術を施行していない残りの8割の方は5年経過しているが、現時点において血圧のコントロールをきちんとしておれば、クモ膜下出血をきたした例はない。 |