夏の猪苗代湖
7/1/2024/MON
江戸当世図上旅行、金沢文庫、横浜市金沢区
小田薬局 称名寺 金沢八景の鳥瞰図 鳥瞰図の拡大、千代本の文字

週末は横浜の実家に帰っていた。土曜日は母を連れて出かけた。

まず金沢文庫の古物買取店へ。祖母の着物を見せたところ、買取はできないと言われた。古い着物の需要はないらしい。かなりの高級品でないと値がつかないという。残念。

お昼はすずらん通り、小田薬局(小田和正の実家)の前にある市場食堂。魚屋が経営する定食屋。マグロぶつ切り定食を食べた。母は穴子天丼を食べていた。

駅前でタクシーに乗り、称名寺へ。目当ては金沢文庫で開催している江戸の古地図展。

古地図に加えて、江戸時代の関所手形や旅日記なども展示されていた。武士にとって旅人はほぼ参勤交代しかなかった。一方、庶民にとって旅は、さまざまな制約がありつつも、参詣と湯治は許されていてかなり盛んだったらしい。そのあたりの話は『ブラタモリ』の伊勢編や箱根編でも見た。

1827年に作成された地元、金沢八景の鳥瞰図には平成まで続いていた料亭、千代本が書き込まれていて驚いた。千代本には、一度だけ祖母の法事のときに行ったことがある。豪華というよりは、出される料理の量がとにかく多かったことを覚えている。

帰りは運よくバスに乗れた。上大岡へ出て焼き鳥を買って帰り、二人で食べた。


さくいん:横浜小田和正伊勢志摩『ブラタモリ』


7/2/2024/TUE
マンゴーパフェ
マンゴーパフェ

日曜日。京急沿線に住んでいる娘が上大岡まで来てくれて母と三世代ランチをした。

娘は母にとって初孫なので、目に入れても痛くないくらいかわいい。私が海外出張しているあいだ、何度も実家(妻にとっては義実家)で過ごしていたので思い出も多い。

その日も、ベビーカーに乗せてウィーンやブリュッセルの街を一緒に歩いたことや、夕食がなかなか出てこないので、オレンジジュースを飲んだだけで、テーブルの下で眠ってしまったことなど、いつも繰り返す思い出話を母は繰り返していた。

奈良へも一緒に旅行したし、御殿場の保養所にも何度も行った。娘を若くして亡くしている母にとって、初孫である私の娘が特別な存在であることは間違いない。

娘の方も、母の衰えを理解していて、辛抱強く話を聴いてくれるのでとてもありがたい。心優しい人に育ってくれてうれしい。

ランチのあとはフルーツパーラーへ。母はブルーベリーヨーグルト、娘はフルーツパフェ、そして私は大好きなマンゴーのパフェを頼んだ。

完熟のマンゴーはとてもおいしかった。

母もうれしそうな顔をしていたし、満足の日曜日だった。吉祥寺でうなぎを買って帰った。


さくいん:ウィーンブリュッセル奈良御殿場


7/3/2024/WED
都知事選

昨日の夕方、期日前投票へ行ってきた。

間違えないようにひらがなで名前を書いた。

この一票が政権交代の一助になるように願いながら投票用紙を箱に入れた。

今日は政治参加の権利を行使したので呑んでいい日にした。

追記。

私が投票した候補は落選した。現職は密かに刺客を雇ったのではないか。現職批判の票を分散させることに成功したのだから、意図していなかったとしてもそう見える。


さくいん:東京


7/4/2024/THU
新しいTシャツ
Tシャツ

先週の日曜日。実家から帰る途中で横浜で下車して夏のセールをのぞいた。

今年は誕生日にポロシャツを買ったので、ショップのポイントが少しある。ちょうど手頃なTシャツがあったので購入した。

Tシャツはたくさん持っているけど、最近、どれもくたびれてきてパジャマに格下げされるものが多い。昼間はちゃんと襟の伸びていないシャツを着たい。

マリンストライプのTシャツはすでに持っている。あちらはお出かけ用。船に乗ったときに着た。今回買ったシャツは普段着で在宅勤務日にも着る予定。

いま、ほかに欲しいのはジーンズとスニーカー。クローゼットには通勤していたときに着ていたYシャツがたくさん掛かっていて、靴箱には革靴がいくつも置いてある。どちらも、使う機会が減ってしまった。その代わりに出番が多いのがジーンズとスニーカー。こちらはあまり持っていない。

ここのところ金欠なのですぐには買えない。下見を楽しんでゆっくり選ぶ。


7/5/2024/FRI
うつ病の再発?それとも気象病?

先月から調子が悪い。

何もかもうまくいっていない。正確に書けば、うまくいっていることもあるのに、何もかもうまくいっていない気がしている。

心も身体も、仕事も、人間関係も、金のやりくりも、趣味も、読書も。

久しぶりに、頭がぬるま湯に浸かったようなぼんやりしている。

どこかに消えてしまいたい気持ちにもときどきなる。「死にたい」とは違う。これも正確に書けば、消えてしまいたいのではなく、消えてしまいそう。「君住む街へ」(小田和正)にある「都会の闇へ消えそうな時」という言葉が近い。こんなことは本当に久しぶり。

ずっと調子がよかったのに、一気に10年前に逆戻りした気がする。

辛うじて、酒には溺れていない。営業職をしていた頃は、虚無感を紛らすために酒を呑み、さらに虚しい気持ちになり、眠りも浅くなるという悪循環に陥っていた。

過去に書いた6月と7月の文章を読み返したら、ますます気分が落ち込んでしまった。

毎年、この時期に調子が悪いということは、最近よく耳にする気象病だろうか。

いまは待つしかない。嵐が過ぎ去るまで、じっと耐えるしかない。こういうときは無理に動かないほうがいい。

週末の小旅行が気分転換になることを期待している。


さくいん:うつ病小田和正


7/6/2024/SAT
元祖ヤングケアラー

今年89歳になる母は、元祖ヤングケアラーだった。

戦後、縁故疎開していた静岡県の岡部から浦和へ戻ってきたとき、母は12歳、小学六年生だった。

父は長期出張、母は高血圧、兄は受験生、弟は入院。12歳の母は家事を一手に引き受けていた。七輪で夕飯を作り、かまどで飯を炊いたという。

家事が片付いて勉強をしようとすると眠くてもうできなかったと折に触れて話す。

それでも、進学校の浦和第一女子高校へ進学し、短大へも行き、丸の内でOLもした。

朝ドラ『虎に翼』では、主人公、寅子の兄嫁である花江が、二人の自分の子どもに加えて寅子とその娘、寅子の弟の世話もしている。料理は七輪でしていて、朝夕の食事の支度に苦労していることがわかる。

映像で見て、初めて母の苦労を知ったような気がする。


さくいん:HOME(家族)NHKテレビ


7/7/2024/SUN
図説世界の七不思議(Great Wonders of the World, 2000), Russell Ash、吉岡晶子訳、東京書籍、2001
図説 世界の七不思議

前からブクログの読みたい本リストにあった図鑑。図書館で借りられた。

前半は紀元前5世紀、ヘロドトスが指した「七不思議」。主に巨大建造物。おそらく庶民は掘立小屋のように住んでいただろうから、巨大な建造物は不思議な存在だっただろう。

本書はこうした建造物の構造から建築方法までを詳しく図解している。

  • ギザのピラミッド
  • オリュンピアのゼウス像
  • ハリカルナッソスのマウソロスの霊廟
  • バビロンの空中庭園
  • ロードス島のヘリオス像
  • アレキサンドリアのファロスの灯台
  • エフェソスのアルテミス神殿

私の考える七不思議。投入堂のほかはすべて行ったことがある。何のために、どうやって、こんな建造物を建てたのか。間近で見て不思議に思った場所。

エンパイアステートビルの高さは地震がなく、固い地盤の上に立っているので理解できる。ランドマークタワーは地震の多い地域で埋立地の上に立っている。よくそんなことができたと感心する。その建築方法が正しかったかどうかは、首都直下型地震が起きたときにわかる。


さくいん:中国ニューヨークシンガポール横浜奈良鳥取


7/8/2024/MON
母の熱中症と高額リフォーム

先週の木曜日、緊急の用事ができて出社した。夕方、帰宅する途中、携帯に知らない番号から着信があった。無視していると留守電が録音された。再生すると母が熱中症で倒れたという病院からの知らせだった。しかもふだん母が出かけない場所にある病院からだった。

驚いて急ぎ病院へ急行した。応急措置の担当医からの説明によると、道端で座り込んでいるところを通行人が救急車を呼んでくれたらしい。容態は軽症のようだった。

関係者にお礼を言い会計を済ませ、タクシーで最寄駅へ出た。下着を買い着替えてもらい、そば屋に落ち着いた。なぜ、ここにいたのか、訊いてみても何か要領を得ないことを返す。

聞き込んでわかったことは、私の知らない高額リフォームを契約していて、その代金を振り込むために相手方の銀行を探して、慣れないところへ出かけてきたということだった。高額リフォームに知らないところへ外出。二重にショックだった。

帰宅してすぐ業者に電話した。すると、工事はすでに手をつけていて、金曜日に完了すると言ってきた。しかも、さらに高額な、外壁の塗り直しも予定しているという。まだ契約が完了していないそちらの工事はすぐに断った。

家に着くと、母は落ち着きを取り戻して、ビールを呑みたいと言い出した。熱中症になったことを半分忘れたらしい。今夜は水しか飲んではいけないと言いふくめ、私も水を飲んだ。

翌日、工事の様子をみると工事そのものは手抜きではなかった。ただ売り込み方は完全にサギだった。認知の弱くなった高齢者の危機感をあおり、少額の工事からはじめて段階的に高額な工事を契約させようとしていた。毎日首都圏ニュース「STOP、サギ被害、私たちはだまされない」を見ているのに一番身近なところで被害を受けてしまった。

ATMからの振り込みでは、銀行側が二重三重にサギ防止策をとっていることがわかった。でも、正式に契約してしまい、工事も完了しているものは支払わなければならない。

今回の反省点は多い。母には大きな買い物は一人で決めないで必ず相談するように何度も伝えたけれど、今回のような手の込んだ売り込みを断れるのか、はなはだ怪しい。

なかなか難しい状況になってきた。


7/10/2024/WED
消え去らない強迫観念

会津に旅行へ行ったとき、ふと気づくと、携帯のメールを見ていた。

これは、営業職をしていたときの習慣の名残り。週末でも、外出中も定期的にメールが来ていないか、確認することが普通だった。

営業職を辞めて、もう10年になる。それでもまだ「メールを見なきゃ」という強迫観念は消えてない。福島には会社の携帯は持って行ってないのに、仕事の電話がかかってくる不安もあった。まだあの頃の苦しみから逃れられていない。恐ろしい。

金曜日と月曜日を休んだあと、火曜日の朝にメールを開くときにもかなり緊張した。

トラブルは起きていないか、ミスを指摘されていないか

月曜のうちに、メールの表題だけでも見ておこうかとも考えた。それでは休んだことにならないので、結局は見ないことにした。

いまの仕事は二日くらい私が休んでも何の支障もない。それでもまだ、有給休暇の日も落ち着かない。


7/11/2024/THU
会社の新PC

会社支給のPCが新しくなった。画面のベゼルは細くなったけれども、全体がコンパクトになったせいで画面はやや小さくなった。

昔は、パソコンやスマホを買い換えるとそれだけで楽しい気持ちになったもの。今回は、機械を新品にしただけという感覚で少しも興奮しなかった。

新しい製品や技術に心を動かされる感性が衰えているのかもしれない。

理由は目に見えるような進化が少ないからだろう。2009年製のMacBookを2015年にMacBook Proに買い換えたときには軽さと薄さに感激した。スマホも、iPhone 3GSから4へ買い換えたときには豊富な新機能と安定した動作に感動した。

ああいうわかりやすい進化は、少なくともPCとスマホでは、この先むずかしくなるのではないか。必要な機能はすべて搭載されている気がする。

そうした思い込みを覆すのがイノベーションかもしれない。誰も気づいていない、でも潜在的に感じている不便さを具現化する。そういう進化はこれからもあるのかもしれない。

今回の新しいPCでうれしかった新機能が一つある。指紋認証。自宅のiMacにはすでに搭載されていた。会社支給のPCでは初めて。これで、複雑なパスワードを数十分おきに入力する手間から解放される。


さくいん:Apple


7/12/2024/FRI
Pen、2024年8月号[特集:新しい空の旅を徹底研究 エアライン最新案内]、CCCメディアハウス、2024

楽天マガジンで流し読み。

最後に飛行機に乗ったのは2019年秋の台北旅行。アメリカや欧州となると、10年以上前のことになる。飛行機旅行が好きなのに、チャンスはほとんどなくなった。

一番頻繁に乗っていたのは20代後半。1997年から200年まで。3ヶ月に一度以上、ロサンゼルスへ飛んでいた。普通運賃のビジネスクラスという贅沢な出張だった。

おかげでマイルが溜まり、両親をウィーンとブリュッセルへ連れて行くこともできた。

でも、当時はビジネスクラスでも座席はフルフラットにならなかった。

ファーストクラスに乗ったのも、この頃のこと。当時、自分では気づいてなかったけれど、まだ30歳にもなっていない私は、CAから見たら場違いな若造に見えただろう。

機体機内食、空港航空旅行という文化が好き。だから本誌はすみずみまで楽しめた。

機体も食事も空港も、私が常客だった頃に比べると、ずっと進歩している。乗ってみたい。食べてみたい。行ってみたい。

果たして再びの航空旅行はあるか。


さくいん:台湾ロサンゼルスウィーンブリュッセル


7/13/2024/SAT
レンズが撮らえた幕末明治の女たち、小沢健志監修、山川出版社、2012
レンズが撮らえた幕末明治の女たち

会津旅行で幕末史の一端に触れたので、もう少し知りたくなった。このところ文字を読む気力が薄いので、図書館で図鑑や写真集を探してみた。

本書はタイトル通り、女性に焦点をあてた写真集。大河ドラマ『八重の桜』の放送直前に出版されたこともあり、新島八重が巻頭で特集されている。他の女性が一人一枚のところ、多数の写真とともに小伝も書かれている。

大河ドラマを通年見たときにも思ったけれど、あらためて彼女の生涯は波瀾万丈だったと思う。戦乱を経て、幕末から大正まで生き抜いたから、「一身にして二生」どころか、三つも四つもの時代を生き抜いたことになる。

エネルギー量が多い人は確かにいる。作家、芸人、起業家、政治家。彼らはときに真逆に方向転換(転向)するけれど、エネルギー量自体は変わらない。その最たるものが迫害する側から伝道する側になったパウロ。書簡を読んでもそのエネルギー量に圧倒される。

私に一番欠けているのが、このエネルギー。いろいろなことに手を出してみたけれども、どこでも早々に燃え尽きた。隠れて生きている今がお似合いと思っている。

新島八重とある意味で対照的なのが、表紙写真になっている陸奥宗光の妻、亮子。彼女もまた波乱の人生を生きた。写真を見ると、説明文のとおり、日本でも米国でも社交界の華であったことが想像できる。美貌は大きな武器になる時代だったのだろう。


さくいん:明治新島八重パウロ


7/14/2024/SUN
友情の片想い

恋愛に片想いがあるように、友情にも片想いがある。

片方がすべてを信頼できる親友と思っていても、もう片方にとっては、ただの遊び友だちということはありうる。

すべての友情は片想い、という見方もできる。まったく同じ熱量で思い合う人間関係というのは極めて稀。むしろ、アンバンランスであることが通常だろう。

すべての友情は片想い、とも思う。言葉を換えれば、友情はGive & Takeではない。友情はGive & Give。友だちでいたい方が友だちでいたいと態度を示すことで友情は続く。相手がどう思おうが構わない。それが友情。恋愛もそうだろう。やがて、Giveし合う関係になっていくにしても、見返りを求めない、与えたい気持ちが結果的に相対するのであって、見返りを求め合う関係では長くは続かない。

片想いが長続きすると、どうしても耐えられなくなる。信頼して与えた分だけ、求めるのが人情というもの。

そういうときはそっと離れるしかない。捨て台詞など吐かない。一方的に与えてきたのはこちらの勝手で、向こうが求めてきたものではないのだから。

こういうことを繰り返していると、どんどん友だちは減っていく。でも、仕方がない。

50歳を過ぎて、信頼のおけない相手をとりあえずの友人としてキープしておくのは、互いにとって不幸であるし、時間の無駄でもある。

いや、世の中にはたくさんの浅い付き合いを楽しみにしている人もいる。私は違う。どれほど少なくとも信頼できる人だけを友だちにしておきたい。浅い付き合いや片想いはとても疲れる。

友だちが減った先にはあるのは孤独、正確に言えば孤立。それも仕方ない。自分で選んだ生き方だから。

何だか上手く書けていないけど、書き散らかしたままにしておく。


さくいん:孤独


7/15/2024/MON
MEN'S EX Summer 2024:夏を最高に楽しむためのスタイル術すべて、世界文化社、2024

会津旅行へ持っていくために東京駅で買った雑誌。新幹線でも宿でもパラパラめくるだけで熟読はしなかった。

ファッション雑誌を取り巻く状況は厳しいのだろう。本誌も月刊から季刊になり、広告も少なくてとても薄い。80年代のMEN'S CLUBとは大違い。

皆、情報はSNSやYouTubeから得るのだろう。私もお気に入りのショップの情報はウェブサイトから直接入手している。そういう状況にあって、ファッション誌に期待されるものは何だろう。

ずっと前に、「雑誌は夢を見せるもの」と書いたことがある。いつか買いたい、行きたい、そういう欲求を雑誌の情報は「こういうものがあるよ、こういう場所があるよ」と具体化して教えてくれる。

その考えはいまも変わらない。にしても、本誌に掲載されている商品は高額なものばかり。世の中にはそんなにたくさん裕福な中年男性がいるのか。

3000万円のクルマや1000万円の腕時計はいくら何でもやりすぎ。現実生活とのギャップから興味よりも気持ちが引いてしまう。

もう少しがんばれば手がとどくくらいの夢を提示してほしい。それとも、そういう実用的な情報がネットにあふれているから、こうして極端な夢の世界を見せるしか雑誌にはできないのだろうか。

ファッション雑誌を見るのが好きだから楽しく読んだけど、参考になるコーディネートは残念ながらほとんどなかった。

妻も、年齢と趣味と生活感覚に合ったファッション誌がないと言っている。ちょうどいい雑誌がない。中年男女に共通する悩みではないか。


7/16/2024/TUE
診察バーガー
Village Vanguard Diner チーズバーガー

土曜日は診察日だった。先月の診察日、とても混んでいたので、待機時間に読み直そうと『旧約聖書がわかる本』を持っていったら、待合室には誰もいなかった。

本を用意して病院へ行くと空いている。本を忘れると待合室は混み合っている。この法則はかなりの確度で正しい。

今回は、S先生に特に相談事はなかった。熱帯夜が続いたときにはよく眠れなかったけど、エアコンを長めに動かすことでよく眠れるようになった。

例年通り、6月は苦しかったのに7月に入り落ち着きを取り戻している。過ぎてしまえば、医師に泣きつく必要もない。「6月は辛い」という自己暗示がよくないのかもしれない。そう一人合点している。

病院のあと、薬局で薬をもらい、ハンバーガーショップまで歩いた。この店は私のハンバーガー遍歴の出発点。最近は新しい店を開拓することに精を出していたので、ここへ来るのは、ずいぶん久しぶりの気がする。今回も、豪勢にダブルパティを食べた。

ランチのあとはカラオケ。昼過ぎから4時まで歌った。歌っていたら、6月の重い気持ちが戻ってきたので、中島みゆきをたくさん歌って憂さを晴らした。

連休は実家で過ごした。高額リフォームと熱中症の一件以来、母の衰えが加速していようで気になる。悪徳業者に引っかからないように高額の買い物は一人で決めないよう、もう一度念押しをした。


さくいん:S医院中島みゆき


7/17/2024/WED
九十歳。何がめでたい、佐藤愛子原作、前田哲監督、草笛光子、唐沢寿明ほか出演、松竹、2024
九十歳。何がめでたい

日曜日に母を連れて観に行った。

原作者の佐藤愛子と主演の草笛光子、二人のバイタリティが掛け合わされて、力のみなぎる作品だった。

老いに負けない生命力はどこから湧いてくるのだろう。頭脳か、体力か、胃腸の強さか。

母も89歳にしては元気な方ではあるけど、草笛光子には敵わない。表情も生き生きとしているし、滑舌もいいので、驚かされる。

キャストも豪華で、とにかくにぎやかな作品。

医療関係の仕事をしている友人が50代に筋力を鍛えておくと元気な老後が送れると話していた。フレイルの予防が何より大事ということ。

残念だったのは、喜んでもらえると思っていた母が途中で眠っていたこと。こちらは、バイタリティが衰えているのが明らかなのでさびしい。


7/18/2024/THU
健康診断、速報

1年ぶりの健康診断。

体重とBMIはとりあえずの目標値に到達。腹囲は前回からほぼ変わらず。

メタボ予備軍であることに変わりはない。

血圧も117/77で問題なし。

血液検査の結果など、詳細がわかるのは1ヶ月後。


7/19/2024/FRI
レンズが撮らえた オックスフォード大学所蔵幕末明治の日本、Philip Grover、山川出版社、2017
レンズが撮らえた オックスフォード大学所蔵幕末明治の日本

まとめて借りてきた幕末明治の古写真集、2冊目。福沢諭吉など、著名人のほか、一般人の写真も多い。人物以外に風景写真も多数。

先日、江戸から明治の宿場町の雰囲気が残る大川宿へ行った。電柱のない空が広かった。本書に掲載された町並みも、当然、電柱はなく、広々している。広く感じるのは、自動車がいないせいもある。信号もガードレールもないので街道が広々している。

奈良県明日香村の奇石、酒船石や亀石、石舞台などの写真もある。幕末明治の人たちは、こうした奇石や古墳をどんなふうに見ていたのだろう。写真を撮った外国人には、どう映っていたのか。

考古学という学問がなかった江戸時代、人々は古墳や中世の城跡をどんな風に見ていたのだろうか。過去の人々にとっての過去。興味が尽きない。


さくいん:明治


7/20/2024/SAT
秘蔵古写真 幕末、日本カメラ博物館監修、山川出版社、2019
秘蔵古写真 江戸、日本カメラ博物館監修、山川出版社、2019
秘蔵古写真 紀行、日本カメラ博物館監修、山川出版社、2019
秘蔵古写真 幕末 秘蔵古写真 江戸 秘蔵古写真 紀行

最新の幕末明治の古写真集。歴史の教科書で見たことのある写真もあれば、本書で初めて公開された写真も含まれている。掲載されている写真の数が膨大。本書を広げて眺めているあいだ、どっぷり150年前にタイムスリップできる。

江戸周辺と各地の風景写真を集めた「江戸」と「紀行」が面白い。現在の金沢区は横浜の外国人居留地から近いために格好のリゾートだった。富岡や八景の写真が掲載されている。

焼失前の金閣寺の写真も貴重。

明治時代、宿場町や外国人向けの保養地として栄えた場所は、必ずしも今もにぎわっているわけではない。金沢区がそうであるように、東京周辺はベッドタウンとなり、新幹線沿線は金太郎飴のように同じ顔をした地方都市になり、新幹線が通っていない街はかつてのようには栄えていない。

京都から東京へ遷都した明治には政府機関が一斉に建てられた。東京への一極集中はこの時代に始まったことがわかる。

大企業と政府、新幹線がもたらした東京への一極集中は、地方都市がそれぞれ持っていた個性を壊してしまった。

もっとも、掲載されている名所には行ったことのないところが多い。独自の雰囲気を保っている場所もまだあるだろう。ゆっくり国内各地を旅するような暮らしがしたい。


さくいん:明治横浜東京


7/21/2024/SUN
森有正と「定義」とアランと、対談:辻邦生、所雄章、定義集(Définitions, 1953)、Alain、森有正訳、みすゞ書房、2019
定義集

森有正が訳した『定義集』(アラン)の新装版を図書館で見つけた。本文のあとに編集した所雄章と辻邦生の対談が掲載されている。これが非常に面白い。本文は少し難しく、いまの体調ではなかなか読み進められなかったけど、この対談は興味深く通読した。

所が森の「定義」概念に対する疑問を提示し、それに辻が答える形で対談は進む。この辻邦生の言葉が、森思想のコンパクトでわかりやすい解説になっている。

「自分の到達したもの」とは、ヨーロッパ文化全般に対する経験的な把握のことです。それは「名」を打ちこわすという役割を果し、ある意味で「名」のない混沌とした、しかし確実に経験された知的実体というべきものです。それを忍耐づよく持ちこたえることによって、それに一つ一つ「名」が与えられるようになる。つまり「定義」されるようになる。

辻は森思想の限界についても触れている。それは西欧と日本を対立項として見ていたこと世界文化混淆(アレクサンドリア)の世界を希望を持って展望していた辻は西欧対日本という呪縛にとらわれてはいない。

辻邦生のかみくだいた言葉遣いを読んでいると、やはり、森有正の最高の理解者は辻邦生だったという感慨を抱く。

森有正を多くの読者は「人生論」として読むけれど、彼としては普遍的な哲学を最終的には目指していた、と辻は指摘する。

確かに私も、「人生論」的エッセイとして読んできた節はある。森の思想にある種の体系は認めても、哲学とはみなしてこなかった

そういう読み方があってもいい、と読者を擁護する辻の器の大きな姿勢にも感服した。


さくいん:森有正辻邦生エッセイ


7/22/2024/MON
トーハクと西洋美術館
青磁盤 白磁盤 カルティエの置物 カルティエのティアラ 青磁琮形花入 悲しみの聖母

在宅勤務なので、平日、月曜から金曜まではほとんどの時間を家で過ごしている。そこで、週末だけはできるだけ外へ出るようにしている。とはいえ、この暑さでは出かけたい気分も削がれる。

暑くない場所はどこかにないか。映画はすでに見たいものを最近2本見た。博物館や美術館なら涼しいだろう。そう思い、電車に乗って上野まで行った。駅を出た途端、日差しがまぶしい。日傘をさしてまずトーハク(国立博物館)へ。

正午過ぎに着いたのでレストランで番号札をもらい、順番が来るまで東洋館を上から順に鑑賞しながら降りてきた。

いつも足を止めるのは、川端康成が持っていたという汝窯の青磁盤。今回は白磁もじっくり見た。一回りしてからレストランに戻ると、すでに番号は呼ばれていてすぐに席に着けた。

生ビールで喉を潤し、焼きそばで腹ごしらえをして再出発。表慶館でカルティエ展を見て、本館で国宝の刀剣を鑑賞。一人で美術品を凝視する充実した時間を過ごすことができた。

法隆寺館と平成館は見ずに西洋美術館へ移動した。目当てだった中世の写本展は期待していた装飾本ではなく、主に装飾文字の写本だった。

企画展は小走りに見て、常設展をゆっくり見た。ここへ来るのはいつ以来だろう。記録を見ると2018年5月に訪問している。6年ぶり。

「悲しみの聖母」(カルロ・ドルチ)にも6年ぶりに再会した。

ほかにもお気に入りの画家、クールベシニャックルオーなどをじっくり見た。ハンマースホイが西洋美術館にあるとは知らなかった。フィンランドの画家、ガッレン=カッレラの「ケイテレ湖」もよかった。

夜の約束が6時半に新橋だったので、駅へ戻り、缶ビールを呑んでから山手線に乗り、半周眠った。有楽町であちこち店を眺めて新橋まで歩いたらちょうど待ち合わせの時間だった。

安い居酒屋で3人で呑んだ。店を出ると雨が降りはじめていて、家の近くまで帰ると豪雨になっていた。降らないと思って履いていた革の白いスニーカーを濡らしてしまった。


さくいん:東京国立博物館ひとり川端康成クールベルオー


7/23/2024/TUE
黒電話
ダイヤル式の黒電話

トーハクへ行っていつも気になるのは、ダイヤル式の黒電話。北側の広い休憩室の隅にある

もはやこれが展示品といっていいくらい年季が入っている。

若い人は使い方を知らないだろう。カード式の公衆電話の使い方も知らないのだから。

私の家ではほかの家よりも長く黒電話を使っていた。プッシュ式の電話機を買ったあとでも回線はダイヤル式だった。ボタンを押すとジーコジーコとダイヤルを回す音が聞こえた。

小机にあった父が生まれ育った祖父母の家には、これよりもさらに古い電話機があった。ダイヤルの中央に緑色で電電公社のロゴが入っていた。受話器が重く、ベルの音も少し違っていたような気がする。

祖父母の家の庭にはほおずきがあった。実をゆっくりと揉み中身を取り出して笛にする。これが私にはできなかった。

祖母の料理は煮物でも天ぷらでもごま油の匂いがした。母はそれが苦手だったらしい。

今でもごま油の匂いがすると、祖父母の家の薄暗い居間を思い出す。酒を呑まない祖父はお茶を飲みながら大相撲の千秋楽、北の湖と輪島の優勝決定戦を見ていた。

1975年頃の思い出。


さくいん:東京国立博物館


7/24/2024/WED
ひまわり、神代植物公園、東京都調布市
ひまわり わらび餅

日曜日のこと。妻を誘って神代植物公園へひまわりを見に行った。

ひまわりは確かに咲いていた。でも、木陰でも暑くて森林浴もできなかった。

大温室を急いでまわり、ひまわりだけを見て、深大寺そばの店へ向かった。

生ビール、冷やしたぬき中盛り、わらび餅。最近、定番になっているコース。

女将さんが妻のことも覚えていてくれて、話ができた。30年以上通っている店なので、こういうこともできることがうれしい。

公園を一周しただけでもかなり消耗して、このままでは熱中症になりかねないので、そばとわらび餅を食べたら早々に帰宅した。

扇風機を回してベッドに横になったらしばらく眠っていた。短時間の散策にもかかわらず、かなり消耗していた。この時期の外出は注意が必要。


さくいん:神代植物公園


7/25/2024/THU
エアコンの恩恵

窓を閉め切っているから、夜は一晩中、エアコンをつけている。

昼間は窓を開け扇風機を回す。それで何とかしのいできた。梅雨が明けてもそうしてきた。

ところが、今週に入ってから厳しい暑さに耐えられなくなってきた。窓からの風も、扇風機から来る風も生温かく、頭もぼーっとしてくる。夕方には全身がだるく、ベッドに横になってしまう。軽い熱中症かもしれない。

これはよくない。やせ我慢は止めて日中もエアコンをつけることにした。

エアコンが好きではない理由の一つに、部屋を出たときに余計に感じる蒸し暑さがある。部屋の内外で温度差が大きいと、部屋を出たときの不快感が強まる。

そこで、エアコンの温度設定は30℃にして、扇風機も動かすことにした。室内で軽運動をすると少し汗ばむくらいの温度。これくらいでちょうどいい。気分も悪くない。

暑さを我慢していたときには、気分が落ち込んだり、いじけた気持ちになったりしていた。ベッドに横になり、ぐったりしている時間も長かった。

快適な環境に身を置くことは精神の安定のためにも大切なのだろう。健全な精神は快適な環境に宿る。


7/26/2024/FRI
プールと夕立とビール

昨日のこと。

仕事終わりにプールへ行くつもりだったけど、空の様子が夕立模様だったので取りやめた。

水泳後に呑もうと思って冷蔵庫に入れてあった缶ビールだけは呑んだ。

コンビニで辛口チキンを買って大急ぎで帰っていたのに、雨はまだ降らない。

結局、プールへ行って帰ってくる時間になっても雨は降らなかった。

ビールを呑んだ勢いでジンも呑みたくなったけど、幸い、冷蔵庫にはボンベイサファイアはなかった。危なく、休肝日に呑みすぎるところだった。

それから、ベッドに寝転がり、YouTubeでカフェのBGMのような音楽を流して過ごした。

梅雨が明けてからプールに行ってない。8月は泳がなければ。


7/27/2024/SAT
戦力外通告

会社は人手不足で「知人・友人を紹介してください」キャンペーンを始めた。

にもかかわらず、6年間、契約社員で働いてきた私に「正社員にならないか」という誘いはない。

会社にとって私は「障害者枠」の頭数を維持するためだけの存在なのだろう。この仕打ちに「戦力外通告」を受けたと同じくらいの衝撃を受けている。

私自身はどう考えているのだろう。正社員並みの報酬を得るために、正社員並みの働きができると思っているか。いや、思っていない。

今の収入では生活は苦しい。でも、正社員並みの負荷で働ける自信はまったくない。

会社が私を「みそっかす」と思っているならば、甘んじて、いや、むしろ喜んでその扱いを受ける。

生活は稼げた範囲でやりくりするしかない。


さくいん:労働


7/28/2024/SUN
ブラタモリ 8 横浜 横須賀 会津 会津磐梯山 高尾山、角川書店、2017

図書館で、横浜と会津が特集されている『ブラタモリ』を見つけた。横浜は育った場所。会津は先日、旅行したばかり。好都合の取り合わせ。

横浜編は見た記憶があるけど会津編はない。

幕府が江戸の目と鼻の先にある神奈川宿を開港することを嫌い、街道からは外れた入江の小村だった横浜を神奈川の一部分ということにして開港した。この作為がなかったら、今の横浜の繁栄はなかった。このエピソードは非常に面白い。

会津では、鶴ヶ島城の天守閣から盆地が360°見渡すことができた。「『ブラタモリ』で取り上げたら面白いだろう」と思っていたら、やはり取り上げていた。会津盆地の成り立ちや城が盆地を見渡せる場所にある理由などがわかり、勉強になった。

本書では横須賀も取り上げられている。これも見た記憶がうっすらある。

横須賀港の成り立ちは、絵本『よこすか開国物語』(かこさとし)で読んでいたし、ヴェルニー公園へも行ったことがあるので、本書で復習ができた。

会津編を読んでから行っていれば、旅行はもっと楽しくなっていただろう。旅へ出る前には『ブラタモリ』を一読しておくのがいいかもしれない。

長年、中央線沿線に住んでいるのに高尾山へは行ったことがない。本書で予習できたので紅葉の季節に行ってみる。


さくいん:NHK(テレビ)ブラタモリ横浜横須賀


7/29/2024/MON
赤レンガ倉庫、横浜市中区
シーバス ランドマークタワー ハンマーヘッド 赤レンガ倉庫 ダイアモンド・プリンセス ベイブリッジ

先週の土曜日。母の補聴器のメンテナンスのために横浜まで出かけた。これまで担当していた人が川崎店に異動になると聞いた母は、今後も同じ人にお願いしたいと申し出た。3ヶ月ごとのメンテナンスは次回から川崎でしてもらうことになった。

ランチにお好み焼きを食べたあと、乗りたいと母が言うのでシーバスに乗ることにした。シーバスは乗り合いだから"Sea Bus"と思っていたら"Sea Bass"だった。

横浜そごうの隣にあるビル、ベイクオーターで乗り込み、赤レンガ倉庫まで。途中、新しい観光名所、ハンマーヘッドに止まった。

赤レンガ倉庫が観光スポットになってから初めて来た。私が根岸線で高校へ通学していた80年代にはただの廃墟だった。立入禁止の看板を無視して近くまで見に行ったこともある。

その廃墟が、いまや、猛暑というのに、たくさんの人でにぎわう観光スポットになっていたから驚いた。時の流れを感じずにはいられなかった。

海から見えるランドマークタワーは確かに目立つ「ランドマーク」。ハンマーヘッドにある巨大クレーンもよく見えた。大桟橋には、巨大な豪華客船、ダイアモンド・プリンセスが停泊していた。

帰りは往路とは反対側に座り、ベイブリッジや米軍基地、ノースピアを眺めながら横浜駅まで戻った。

横浜を離れて30年。もう「横浜に詳しい」とはとても言えない。旅行者気分でプチ観光を楽しんだ。


さくいん:横浜


7/30/2024/TUE
心のよりどころ

このところ、「心のよりどころ」について考えている。私にはいま、「心のよりどころ」と呼べるようなものがない。

働きがいのある、打ち込める仕事もない。子どもたちが巣立ったので、家族団欒の時間もなくなった。妻との関係は良好ではあるけど、彼女に依存するわけにはいかない。

心の支えとなるような信仰も持っていない。自分を鼓舞して、毎日の暮らしを活気づける、夢とか目標とか、生きがいと呼べるようなものもない。過去を厳しく見つめることもなく、希望を込めて未来を望むわけでもなく、現在にピタリと焦点を合わせて精一杯に「いま」を生きているわけでもない。毎日を無為に過ごしている。こんな暮らしでいいのだろうか。

ふと、こんな暮らしでもいいではないかと思うこともある。朝、起きて、与えられた仕事をこなし、夜、眠る。それを繰り返して暮らしている人も多勢いる。「よりどころ」などという大袈裟なものは必要ないかもしれない。

「心のよりどころ」は必要なくても、「心の安らぎ」は人生には必要不可欠と思う。恐怖におびやかされない安心感や密かな楽しみはなくてはならない。

妻と二人で過ごす時間や、自室で一人で過ごす時間は安らいでいる。一人で博物館や美術館で過ごすひととき「心の洗濯」と言うべき大切な時間。

それでは、人生には、安らぎと楽しみがあれば十分だろうか。「心のよりどころ」は、ほんとうになくてもかまわないものだろうか。

人生について、こんな風に考えてしまうのは、長患いしているうつ病のせいだろうか。

それとも私に覇気が足りないのだろうか。夕方、仕事を終えて、ベッドに転がり、そんなことをぼんやり考える日が続いている。


さくいん:ひとりうつ病


7/31/2024/WED
『虎と翼』と「よりどころ」

昨日の続き。

先週金曜日の朝ドラ『虎に翼』で「よりどころ」という言葉が使われていた。ドラマでの意味は、信頼できる人、仲良しの人というものだった。

一方で、杉田(高橋克己)が「よりどころ」を戦争で失くした人であることがわかった。航一(岡田将生)も同類であることが予告で感じられた。

このドラマは、女性がキャリアを開拓していく筋書きの裏で戦争の爪痕が戦後長く続いたことを示し、「よりどころ」を失くした人たちが苦闘する「グリーフケア」を描いてもいる。

今期の朝ドラは奥が深い。


さくいん:NHK(テレビ)悲しみ(グリーフ)