生ビール、ヒューガルテン
9月11日の快眠度 解体される葡萄屋

先週の土曜日は月一回の診察日。診察日は朝早くに街へ出てあれこれ用事を済ませるので忙しい。先週はとくにいろんなことをしたので詳しく書いておく。

金曜日の夜、なかなか寝付けなかった。珍しく1時を回ってもまだ眠れなかった。朝は平日よりはゆっくり7時まで寝ていた。寝起きは悪くなかった。

簡単な朝食をとり、少しだけテレビを見て、家を出たのは10時過ぎ。公園とけやき並木を抜けて街中へ。病院は街の反対側のはずれにある。公園では近所の人たちが落ち葉の掃除をしていた。

商店街を歩いていると、閉店したステーキ店「葡萄屋」が、早くも建物の解体作業に入っていた。これはちょっとショックだった。

病院の混み具合は、毎回まったく予想がつかない。何の法則性もない。今日は混みそうな予感がしたので長く待ってもいいように、前日に図書館で借りた小川洋子のエッセイ集『深き心の底より』カバンに入れていった。

しっかり準備した日に限って待合室に誰もいない。いま診察を受けている人が終わったらもう呼ばれる。保険証と診察券を出してから、とりあえずソファにすわり本を開くと、最初のページに西田幾多郎の短歌が書かれていたので驚いた。

小川洋子と西田幾多郎がつながるとは思ってもみなかった。

この一月は仕事も落ち着いていて、夜もよく眠れていたので深刻な話はしなかった。会社が出社再開を呼びかけたので行ってみるととても疲れたことを伝えた。

6ヶ月の在宅勤務では身体もそちらに慣れるのが当然。一度、離職から復職時にも通勤に慣れていったのだからあまり恐れなくていい。あまり疲れが重いようなら再開のペースを遅らせるように会社に申し出るとよい。

「心配しなくていい。でも、心配が強いなら何か手をうつ」。S先生のアドバイスはいつも的確で漏れがない。

会計を済ませたら処方箋を持って近くの薬局へ。運動のため、ビルの2階まで一段飛ばしで階段をのぼる。いま服用している薬は5種類。抗うつ薬、安定剤を2種類、鎮静・抗不安薬、眠れないとき用の睡眠導入剤。5種類は多い。次回、減薬を相談してみる。


VVD チーズバーガーとオニオンリング

薬局を出るとまだ昼食には早い。公園を一回り歩いてもいいし、街をぶらついてもいい。ふと思いついたのは教会へ行くこと。近くのカトリック教会には小さな売店がある。普通の書店では見かけない本や雑誌が置いてあるのでときどき覗いてみる。今日は、目ぼしい本はなかった。聖堂は葬儀の準備をしているので入らなかった。

そうこうしているあいだに正午が近づいてきた。さあ、何を食べるか。ちょっとだけ考えたけどすぐに決めた。先月と同じハンバーガー店。昼時は盛況でしばらく外で並んだ。その間にオーダーの作戦を練った。

先月、食べたかったのにオニオンリングを頼まないで後悔した。今日はオニオンリングを単品で注文した。それから、ビールはハンバーガーと一緒に出してくれということも頼んだ。ビールが先に来るとすぐに飲み干してしまって2杯目を頼む羽目になる。昼から2杯呑むのはよくない。

いよいよ店員がヒューガルテンとチーズバーガーとオニオンリングを持ってきた。オニオンリングは玉ねぎ1個分かと思うほどたくさんあった。

一月に一度のランチを、新しい店を開拓することもせず、同じ店に続けて来るほど、ここのチーズバーガーの虜になっている。

ほろ酔いで満腹になったので歩くことにした。隣りの駅まで15分ほど歩いでカラオケ店に入った。

最近、しばしば声がかすれる。ある新聞記事には老化の現れと書かれていた。放っておくと心肺系の病気の原因にもなりかねないという。予防にはよく声を使うこと、カラオケがおすすめと書いてあったのを覚えていたので、今日はカラオケに行くと決めていた。


カラオケ店には2時間いた。飲み物を頼めと言われたのでビールを頼んだ。結局、昼間から2杯呑んだ。

最初はかすれ声だったものの、徐々に調子がよくなってきて、いい感じで歌えて満足した。以下、今日の歌唱曲。ほとんどが毎回歌う歌。いつもと違うのは桑田佳祐をたくさん歌ったこと。

  1. 青空、The Blue Hearts
  2. 現代東京奇譚、桑田佳祐
  3. 祭りのあと、桑田佳祐
  4. 風の詩を聴かせて、桑田佳祐
  5. 哀しみのプリズナー、桑田佳祐
  6. 誰かの風の跡、桑田佳祐
  7. Piece of My Wish、今井美樹
  8. 傷だらけの人生鶴田浩二
  9. 北帰行、小林旭
  10. 汐風のなかで、オフコース
  11. 君住む街へ、小田和正
  12. My Hometown、小田和正
  13. Georgia on My Mind, Ray Charles
  14. And So It Goes, Billy Joel
  15. 椰子の実
  16. Save the best for Last, Vanessa Williams
  17. Against all odds, Phil Collins
  18. マイホームタウン、浜田省吾
  19. 肩に降る雨、中島みゆき
  20. Deparado, The Eagles
  21. Faithfully, Journey
  22. ガラスの林檎、松田聖子
  23. 夜明け、松山千春
  24. 大いなる愛よ夢よ、松山千春

並べてみると昭和の歌ばかり。そのうち「昭和40年代世代」と呼ばれるようになるのかもしれない。

〆はいつもの通り、松山千春。松山千春の歌は歌っていると気持ちがいい。きっと本人も自分が歌って気持ちがいい歌を作っているのだろう。


カラオケの次は古書店。今日はここでも目ぼしいものは見つけられなかった。歩き回って足が疲れてきたせいもある。

古書店の前からバスに乗り、スーパーの前で下車。夕飯の買い物と連休用にビールとジンを買って帰宅した。

帰宅しても誰もいない。連休だからそれぞれ用事で出かけている。

汗だくの服を着替えて、炭酸水を飲んで、今日の出来事を書いた。

日記を書いてから夕飯の準備をはじめて、3杯目のビールを呑んだ。作ったのは麻婆茄子。レトルトのソースを使ったから簡単だった。食事中にもビールを呑んだ。食後には、芋焼酎をロックで呑みながら『ブラタモリ』「熱海」を見た。

平日は9時には寝てしまうところ、連休なのでつづけてテレビを見た。ドキュメンタリー『映像の世紀』「世界の危機」と『卓球ジャパン』「荻村伊智朗特集」。

現役時代の彼の人物像よりも彼が現代の卓球文化に与えた影響、—— とくに南北朝鮮統一チームでの世界卓球参加の実現——に焦点を当てた、とてもいい構成だった。

ベッドに入り、『神曲』、いよいよ最後の第33歌を読んだ。まだあとがきが残っている。

こうして盛り沢山診察ひが終わった。よく眠れた。

日曜日は散髪に行った以外、出かけず、小川洋子のエッセイ集を読んで寛いた一日にした。


9月12日の快眠度

さくいん:S医院小川洋子西田幾多郎桑田佳祐松山千春