表紙 ≫ 学園都市パンダ村 ≫ パンダ高校 ≫ 進路指導 ≫ 一休さん | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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私が子どもの頃、一休さんというアニメがありました。
『すきすきすきすきすきっすき!愛してる♪ すきすきすきすきすきっすき!一休さん♪』
懐かしいですね。
日本語学校の中国人学生と日本のマンガについて話すと必ず出てくるお話です。中国語ではそのまま『一休(イー・シウ)』になるそうです。 その子どもの頃見た一休さんのお話で忘れられないお話がありました。当時、小学3年生だった私が見たお話は、クラスでも話題になりました。 『一休さんゴマ』の話です。覚えていらっしゃる方もいるんじゃないでしょうか? あるところに『コマ』が好きなお姫様がいました。 そのお姫様の誕生日だかなんだかの贈り物としてコマを送るというのでした。 小学3年生の頃なのでよく分からなかったのですが、偉そうな金持ちが2人、そのお姫様にコマをプレゼントするというのでした。 それに加えて将軍様もプレゼントするというのでした。 しかし、偉そうな2人はすごくお金持ちで、高級な材料と腕の良い職人にコマを作らせるというのに、将軍様はどうしてよいか分からず…。 そこで、一休さんに相談したのでした。 例の『一休殿!』ってやつで。
その依頼を受けた一休さんがコマを作るのですが、それがとても面白かったのです。 贈り物をする日、そのお姫様の前に参上しました。 前述の偉そうな金持ちの1人が、すごく高級そうな入れ物に入った、すごく高級そうで綺麗なコマをお姫様に見せました。 それを見た周りの人たちは驚嘆の声を上げ、褒め称えました。 けど、お姫様は浮かない顔…。 素晴らしい素材を説明する金持ちの姿を見て将軍様はハラハラします。『一休殿!大丈夫でござるか?』って感じで。 けど、一休さんは何とも思っていませんでした。 2人目の偉そうな金持ちも、同じように有名なナントカって話をしながら美しいコマを見せました。 これまた周囲の一堂は溜息をつきながら感動していました。 けど、お姫様は浮かない顔。 金持ちたちは、それぞれお姫様の目の前でコマを回して見せるのですが、どんなに綺麗な彫り物がしてあるコマでも回してしまうとその綺麗な模様が消えてしまいます。それを見てお姫様は悲しい顔をするのです。 そして、最後にとうとう一休さんの番になりました。 一休さんのコマは懐にしまってありました。 それを見て一同は呆れかえり、将軍様も顔を赤くして小さくなってしまいます。 コマの材料は? 誰が作ったの? こんな感じの質問を周りの人たちがするのですが、それに対して一休さんはきょとんとした顔で答えます。 『はい。私が作りました。』 『はい。普通のコマに黒く色を塗っただけです。』 そう。 一休さんの懐から無造作に取り出されたコマは、チンケなコマに黒い特殊な模様を塗っただけのものでした。 一同が一休さんを馬鹿にし、大爆笑しました。 将軍様も恥かしくて何も言えません。
ところが、一休さんが一言。 「コマは回してみなければ分かりません!」 そういうと、一休さんは持ってきたコマを回してみせました。 すると…。
覚えていらっしゃる方は覚えていると思います。 回転するコマが虹色の光を放ったのです。
虹色に変わるコマを見た周りの者たちは皆が皆、驚き、言葉を失いました。奇跡を見ているような表情をしました。 お姫様は大喜びです! 「一休殿!このコマを私にください!」 「いいえ。将軍様のものですから、将軍様に聞いて下さい。」 「そりゃもう、どーぞ!どーぞ!」 …と、得意顔で大喜びするキートン・山田(将軍様)。
将軍様にコマづくりを頼まれた時、一休さんも悩みました。そして、お姫様と同じような考えを持ちました。 どんなに美しい装飾を施しても、回してしまったら消えてしまうのではコマの意味がない。 そう考えている時、ガールフレンド(?)のさよちゃんが回していたコマの色が微妙に変化したのを見つけ、「これだ!」と思いついたのです。 それから、色々なパターンの模様をつけたコマを作ってみて、実験を繰り返しました。そしてできあがったのが『一休さんゴマ』(“ベンハムのこま”と言うそうです)でした。
小学3年生の私が見たお話でした。
さて、こんなに素晴らしいお話を子供のころから見ていたのに、その後施される『偏差値教育』によって、『思考する能力』を削ぎ落とされてしまいます。 …え? “お勉強”のどこが『思考』なんですか? 誰かに教わったことを繰り返すだけで、果たして思考と言えるのでしょうか?覚えこまされたことを思い出すだけで、思考と言えるんでしょうか? …っつうか、それ以外あてはまる言葉が無いんですよね。
「考えろ!」? いいえ、覚えた知識を思い出せ!と言っているだけです。 覚えた公式を当てはめろ!と言っているだけです。 それを『思考』と呼ぶのですが、そんなもの『思考』なんて呼んじゃいけません。 子どもを騙さないでください。 騙された子どもが大人になって自分の頭の悪さに気づけずにおかしなことを始めるんです。
本当に大切なのは教わったその後のこと、つまり、この一休さんのようなことです。 教わったことしかできないのでは意味がないのです。 くどいようですが、誰かに教わってできるようになるのは『お勉強』くらいなものです。
世の中にあることのほとんどは正解が無い、 自分で考えてやらなければならないことばかりです。
その力を学ばせようというのが『ゆとり教育』だったのです。
2012年
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