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表紙 ≫ 学園都市パンダ村 ≫ パンダ高校 ≫ 進路指導 ≫ タッチ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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『タッチ』という漫画があります。 私たちの世代で流行った漫画ですが、今の君たちも知っているほど有名な漫画です。 双子の兄弟と美少女の恋愛スポーツ漫画…。 朝倉南の夢を叶えてやろうと甲子園を目指す弟が交通事故で死んでしまい、その志しを兄が継ぐ…。 そんなお話でした。 この作中、弟が死ぬ時、出版社へ猛烈な抗議の電話や手紙が来たそうです。 『人殺し!』 『裏切り者!』。 編集部でも意見が真っ二つに分かれていたそうですが、作者は始めから殺すつもりだったそうです。 弟から兄へのバトン『タッチ』がテーマだったそうです。
さて、こんな話しを聞いた時、私たち自身を考えてみました。 私たちにも何かタッチされたものがないだろうか。 そして、気がつきました。 そう。 私たちが住んでいるこの社会と今の時代、それこそ私たちが先人たちから『タッチ』されたものに他なりません。
君たちも、学校やテレビで戦争中、戦後の日本についてビデオや映画、漫画、アニメで見たことがあるでしょう。その時代をちょっと想像してみましょう。 私たちの祖父たちが育った時代…。 終戦後、何もない絶望の時代でした。人は食べるために必死で働きました。政府からの配給で間に合わないものを闇市で求め、食糧を求め田舎へ買出しに出て…。日本政府も、かつて敵国だった連合国から莫大な援助と借金をして何もない廃墟から日本を再建しようとしました。そして、高度経済成長という時代を迎えました。 朝鮮特需、神武景気、岩戸景気、様々な経済的好況を迎え、私の父や祖父たちは必死に働きました。1品でも多くのオカズを食卓に乗せるために。魚よりも肉料理を食べるために。三種の神器や3Cと呼ばれる便利なものを買うために…。東京オリンピック、大阪万博を目標に、必死に働きました。そして、現在の社会ができあがりました。 高度経済成長の時代とは、物質的な豊かさを求め、繁栄して行った時代です。 人々は、日々の生活を少しでも良くしようと努力しました。生活のためのお金を求めて働きました。努力すればそれが叶う、そんな時代的な背景がありました。政府が発表した所得倍増計画なんてものも可能な時代でした。
ところが、その物質的豊かさを求めすぎた結果、様々な問題や矛盾が社会に起き、それを反省する動きを見せました。あまりに物質的豊かさを求めすぎたせいだというのです。 しかし、ここで考えてみましょう。 私の父や祖父たち、母や祖母たちが必死に努力して来たのは何のためでしょうか? …そう。 お金が欲しかったからです。 なら、なぜお金が欲しかったのでしょうか? …人間の基本的欲望? …そんな話しをしているのではありません。
父母、祖父祖母が求めたもの…。 それは、私たち、君たちの笑顔だったのです。 私たちの世代を幸福にするために、今の日本を必死で築き上げて来たのです。クソ暑い夏、ビアガーデンで枝豆をつまみながらビールを飲み、クソ寒い冬、おでんをつまみながら熱燗で一杯やって、ほろ酔い気分で外を歩き、空に輝く星を見つめて日本を築いて来たのです。 明日を信じて走って来たのです。 そんな先人たちのおかげで、この日本社会は世界でも有数の豊かな国になりました。
よく現在の繁栄をコケにする輩がいますが、いったい何を考えているのでしょう。 豊かになりすぎたことへの反省? もっと凄いのは『平和ボケ』を主張するものたち。 いったい、こういう連中は何様のつもりなのでしょうか?
私たちの祖父たちは、泣いて、笑って、のたうちまわって、地べたに足をはりつけ、血の出るようなもがきの中で毎日をおくり、私たちの笑顔を信じて生きてきたのです。そんな先人たちの存在なんぞなんとも思っていないのでしょうか?
私は日本語学校というところでも仕事をしています。そして、そこで日本の高度経済成長期の話をした後、中国人や韓国人をはじめとした外国人達から質問をされます。 『日本人にとって、夢って何ですか?』 『そんなに働くのが楽しいのですか?』 …と。
彼らは口々に『金持ちになるのが自分の夢だ』と言います。『金持ちになって楽をすることが夢』なのです(ってもちろん違う人もいますよ)。けど、自分たちはそう考えるのに、日本人にはそれが感じられないというのです。夢もなく、死ぬまで働かされるというのです。
日本人って、夢がなのでしょうか?
そう考えた時、言葉にできず、つい『夢はない』と言ってしまう日本人が大勢います。
けど、忘れないでください! 日本人には大いなる夢があるのです。
気が付いていないのです。 それは、『自分の大切な人の幸せ』という夢です。
祖父たちは、その夢をかなえたにすぎないのです。 別に世界に冠たる経済大国なんて肩書や世界一の技術だの、そんなことよりももっともっと大切な夢があったんです。 それが『一番大切な人』だったのです。
私たちの祖父たちが必死で築き上げて来た繁栄と平和…。 その時代を私たち、君たちは『タッチ』されたのです。
現在は平和な時代です。周りにはあらゆるものがそろっています。 豊かになったおかげで、かつて祖父たちが味わった苦労はほとんどなくなりました。祖父たちが経験した飢えや物不足に耐えなくても良くなったのです。 祖父たちの願い…。それは、経済的繁栄という形で叶えられたのです。
そう。 これからは、私たちが新しい夢を作って叶えて行く時代なのです。 夢を見つけ、それを叶えるには十分過ぎる条件が整っています。
あとは君たち自身が、自分の物語を創って行くだけなのです。
2012年
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