土を掘る 烏兎の庭 第三部
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2009年8月


8/1/2009/SAT

とうとう7月は何も書かないで終わってしまった。これまでも、何も書けないまま過ごした月はあった。そんな時は、忙しすぎて何も書けないか、文章を書くような気持ちになれないほど憂鬱なときか。今回はあきらかに前者だった。このところ、ずっと忙しい。精神的にはこの数ヶ月安定しているし、すこし怖いほど積極的でさえある。

でも、文章を書く時間が見つけられない。本もまるで読んでいない。朝の電車では半分眠っている。終着駅で親切な人に肩を叩かれて起こされることもある。乗り過ごしてしまうこともある。

帰りは、毎週200曲ずつスマートフォンに入れ換えている音楽を聴きながら、ブラウザで過去の文章を読み、誤字脱字をメモ帳に書きとっては、空いた時間に校正と推敲を少しずつしている。自分の文章を、という意味では、文章は読んでいるし、書いてもいる。


今週は、約1年ぶりで海外出張に出た。行き先は、アメリカ合衆国。米国は2007年4月以来。前回は、砂漠のなかの街に初めて行った。その街にはその後、二度と行くことはなかった。今回の行き先は、この業界で働き始めてから何度も行ったことのあるシリコン・バレー。前回来たのは、2006年4月

2月に2年間しか働いていない会社を解雇された後、同じ業界の、といっても、ずっとずっと小さな会社で働きはじめた。

この街に戻ってくることになろうとは思ってもみなかった。しかも、泊まったホテルまでよく泊っていた同じホテル。同じスーパーにビールを買いに出かけ、同じレストランで夕食を食べた。もちろん、同行者と昼の間、働く場所は違う。ホテルのベッドに寝転がりビールを呑んでいる顔が記憶にないものなので、少し不思議な気がする。


向こうでも忙しかった。機内やホテルで文章を書く時間が見つけられると期待していたのに、日中はもちろん忙しいままに時間が過ぎていき、ホテルに戻ってからも朝になった日本とのやりとりがはじまり、真夜中までずっと仕事をするはめになった。

こういうことは、むしろ普通のことだろう。これまでの出張が楽すぎた。つまり、これまでいた会社が楽すぎたのかもしれない。3月に入社した会社は、普通以上のところもある。こちらで会った同僚の多くが“a very demanding company”という言葉を口にしていた。

流されているだけではないのか。追い立てられているだけではないか。いや、そうではなくて、ようやく打ち込める「職業」を見つけられたと考えるべきなのか。

“充実している”、というのだろうか。この頃、こう自問することが多い。最初に少し積極的すぎかもしれない、と書いたのは、自分で加減できない速度で走りはじめているように感じているから。


写真は、サニーベール市内の道路標識。初めてアメリカへ来たときは、通りを示す緑色の標識や、6車線の交差点の真ん中にぶら下がっている信号にも、いちいち驚いていた。今回は、同じ街、同じ通りに帰ってきて、そう、また来たというのではなくて、帰ってきたような気がした

今回から写真のサイズを大きくした。ここで表示される大きさは変わらない。ウェブ・アルバムでは大きく見ることができる。


8/15/2009/SAT

HOME MADE――アイ・アイ・アイ・アイ・ライク歌謡曲(50+1)

桑田佳祐の『ひとり紅白』を見たときに、自分でも好きな歌、よく聴いた歌を集めて昭和歌謡のソング・リストを作ってみたくなった。

気の向くままに集めていると、つい記憶がしっかりしている小学校入学以降の1975年からあとの曲ばかりになってしまう。

大人になってから知った古い歌も混ぜて、年代をなるべくばらつかせるようにして、桑田佳祐の選曲とも重ならないようにして、それから歌謡曲という幅広いジャンルに入るようにフォーク、ニューミュージック、アイドルなどのように、ジャンルがはっきりしているものはできるかぎり避けて、などなど、あれこれと考えているうちに時間ばかり過ぎてしまった。

このへんで考えるのはやめて、一度外へ広げてみることにした。


“Home Made”という題名に長い注釈はしない。これまでHomeを鍵にしてプレイリストを作ってきたので、Homeのつく言葉で歌謡曲と意味が重なる言葉を探してみた。

副題は、冠二郎「炎」(作詞 三浦康照)の歌詞から。この歌も大好きなのだけど、残念ながら「平成」の曲なので、リストには載せられなかった。

一つ一つの歌について、書いておきたいことも少なくない。今はただ、過去に書いた文章への補助線だけを引いておく。いつか時間ができたら、それぞれの曲への思いを少しずつ書いてみようかとも思う。


私はかつて、いわば教条主義的に元号反対論者だった。十代のころ出会った大人のせいか、読んでいた新聞のせいか、おそらく、そのどちらでもあるだろう。いまでは、桑田佳祐や高田文夫のように、あえてユーモアの題材にしてみたいと思えるようになってきた。

写真は、サンフランシスコ空港、国際線ターミナルで見かけたモニュメント。さて、何を記念したのものだったか、メモすることを忘れてしまった。


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uto_midoriXyahoo.co.jp