No.1
'16 |
アユ遺伝子、琵琶湖除く6グループに分類 地球研グループ解析
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日本近海のアユの遺伝子分析による地域分類 |
日本近海のアユは大規模な遺伝子解析の結果から、地域ごとに六つのグループに分類できることを、総合地球環境学研究所の武島弘彦助教ら のグループが突き止めた。これまで日本では、琵琶湖のアユだけにしか遺伝的な違いは見つかっていなかった。漁業資源としてのアユの適切な管理に役立つ成果 で、国際学会誌に9日発表する。
グループは、日本の120地点から集めた計4746匹について、ゲノム上の12カ所の塩基配列を解析した。結果、配列の違いから、北海道、北日本海・三陸、関東・中部、南日本海、四国・紀伊半島、九州の六つの地域と琵琶湖に分類できることが分かった。
ただし、奄美大島に生息する亜種のリュウキュウアユと日本列島のアユの遺伝的な違いを100と換算すると、琵琶湖と日本列島のアユの違いの大きさは10、朝鮮半島と日本列島での違いは1で、日本列島での地域差はさらに小さかった。
琵琶湖を除く日本列島のアユに関しては、卵の大きさや川への遡上(そじょう)のタイミングで地域差が見られることから、遺伝的にも違いがある可能性はあっ たが、これまでの調査では見つかっていなかった。歴史上の気候による海面の変動がアユの生息場所に影響を与えていた可能性があるという。
漁業資源は対象物を遺伝学的に同じグループごとに管理することが望ましく、今回の成果はアユの放流場所の選定などに生かすことができる。武島助教は「今回ほど大規模な調査は、魚では世界的にも恐らく例がないだろう。他の魚種にも適用できる」と話している。
京都新聞 【 2016年06月09日
11時34分
】
かつてない広域的大規模サンプルのDNA分析でわかったアユの地域差(2016/06/06)総合地球環境学研究所
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No.2
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アユ冷水病善玉菌で抑制 宮崎大名誉教授ら
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薬を投与せずに育てたアユの出荷を始めた是則由員さん=24日、宮崎県庁 |
ミツバチの伝染病予防に用いる善玉菌を使って、アユの冷水病を抑制できることが、宮崎大の前田昌調名誉教授(微生物学)が養殖会社「あゆの是則」(日向市、是則由員社長)と共同で取り組んだ初の実用化実験で確認された。
冷水病は抜本的な予防策がなく、県内外の各養殖場では毎年数十%のアユの廃棄処分を余儀なくされている。本格的な養殖アユの出荷シーズンを迎え、是則社長は「薬を使わずに抑制できることで安全面をアピールできる」と手応えを深めている。
効果が認められたのは、前田名誉教授が2007年ごろに小林市の湧き水から発見したシュウドモナス菌MS-1株。
宮崎日日新聞 2012年05月25日
2012年5月25日 00:26カテゴリー:社会>九州>宮崎
20年ほど前からアユが激減した原因とされる感染症「冷水病」を予防する細菌を前田昌調(まさちか)宮崎大名誉教授(微生物学)が見つけた。この善玉菌を
餌に混ぜれば従来用いていた抗生物質なしで養殖できることも確認、関係者は「安全・安心」をアピールできる新ブランドにつながると期待している。
宮崎県庁で24日、記者会見した前田名誉教授によると、冷水病は細菌性で感染力が強い。養殖アユの2割がかかり、尾びれがただれたり死んだりする。治療は抗生物質に頼ってきたが、効果は低く投与後は15日間出荷できない。
発見した善玉菌は、水中など自然界に広く存在するシュウドモナス菌の新種。冷水病菌を増殖させない強い効果があり、1月に特許を取得した。
九州最大手の稚魚生産業者、宮崎県日向市の是則由員(よしかず)さん(63)が昨年12月から2週間おきに善玉菌を餌に混ぜて与えたところ、遺伝子検査で感染していないことが確認できた。これまでは毎年4月ごろから冷水病に悩まされてきた。
冷水病は養殖場から天然アユに広がったとされ、天然の漁獲量は1990年の1万7千トンから20年で5分の1に減った。前田名誉教授は「抗生物質を投与し
続けて耐性菌が出てくるような悪循環を止めたい」と話し、年内にも善玉菌の販売を始める考え。サケや観賞魚にも効果があるという。
宮崎県の養殖アユ生産量は全国3位。天然アユは山間部の観光資源にもなっている。
=2012/05/25付 西日本新聞朝刊=
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No.1
'12 |
県営荒瀬ダム:撤去説明会 アユ遡上は15年春から /熊本
毎日新聞;1月31日(火)15時0分配信
県企業局はこのほど、11月に始める県営荒瀬ダム(八代市坂本町)の撤去計画について地元説明会を開いた。球磨川では現在、ダムがあるため稚アユが遡上(そじょう)できないが、県は本体撤去が進む15年春から遡上が可能になるとの見通しを示した。
説明会には地元住民約60人が出席。県は「右岸先行スリット工法」と名付けた工事の詳細や現場周辺の環境対策を説明した。工事は12〜17年度のそれぞ
れ11月中旬〜2月末に6段階に分けて実施する。今年は川の中央部分に水位を下げるための装置を設置し、上流から見て右岸側のゲートを1カ所撤去する。
アユが遡上できるようになるのは、第3段階で右岸側の底「みお筋部」を撤去した15年
春から。撤去工事が周辺環境に及ぼす影響については河川工学や環境分野の専門家で構成する「荒瀬ダム撤去フォローアップ委員会」に年2回報告し、アユの産卵場所などダム建設以前の環境回復を目指す。
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No.7
'11 |
阿武隈川から放射性セシウム524億ベクレル 1日で海に流出 (2011.11.25 [放射能漏れ] )
福島県の中央部と宮城県南部を流れる阿武隈川の河口から海に流出する放射性セシウムの量が、8月には1日当たり524億ベクレルに上り、東京電力が福島第1原発事故で4月に海に意図的に放出した低濃度汚染水の840億ベクレルを2日で超えることが京都大などの調査で25日までに分かった。
京大などは6〜8月、阿武隈川の中流と支流、河口で、水中のセシウムの量などを調査。宮城県岩沼市の河口付近では、1日当たりセシウム137が290億5千万ベクレル、セシウム134が233億5千万ベクレル運ばれていると推定した。
福島県伊達市の中流では、セシウム137と134合わせて1日当たり1765億ベクレル。セシウムの9割以上は水中を浮遊する土砂に付着して運ばれ、土砂がせきなどで止められて中流より河口で低くなったとみられる。
阿武隈川から海に放射性物質 12月3日 7時18分NHKニュース
この情報も、これからの釣行先を考える時の判断材料にして下さい。 |
No.6
'11 |
2011年3月の福島原発爆発によるセシウム汚染マップ(文部科学省2011年11月25日発表)
福島原発爆発事故から8か月が経った11月25日、ようやく1都20県の放射線測定結果が公表された。(詳細は下記リンクをクリックしてください。)
文部科学省(米国エネルギー省との共同を含む)による航空機モニタリング結果
3月12日の福島第1原発1号機の炉心溶融・爆発に始まり2号機、3号号機も激しい爆発を起こした。停止中であった4号機さえも爆発した。
その際に飛散した放射性物質の量は広島・長崎に投下された原爆の比ではない。
米軍は原子炉爆発の直後から無人偵察機に放射線量測定器を搭載し、数日間連続して放射線量を測定したことはインターネット上で広く知られている。
その結果を踏まえて、と推定されるが、米国人に原発から80km以内に近づかぬよう警報を発した。
「米国DOEによる航空機モニタリングの結果」の別紙1を参照。
御用学者達と原子力保安院の者たちが、何の測定データも持たぬのに、これ(米軍の警報)をオーバーだ過剰反応だと非難し、ただちに健康に影響は無いと言い続けたことも記憶に残っている。
文部科学省は、原子炉爆発事故から2か月以上経った5月30日から、米国エネルギー省から借用した放射線量測定器をヘリコプターに搭載し地上1mの高さの空間線量率及び地表面への放射性物質の蓄積状況測定を開始した。
測定開始当初の測定範囲は、なんと米軍が立ち入り危険とした福島第1原発から80km圏だったのだから驚く。結果は7月8日になって発表された。詳細は「第3 次航空機モニタリングの測定結果について」
やらないよりはましだが、行動が遅すぎる。
ネット上ではすでに多くのデータや測定図が公開されていて、それらの後追いをしているだけなのだ。
例;Youtube「米エネルギー省NNSAの調査資料より」
<<<放射能汚染地図(群馬大:早川先生) SAVE CHILD>>>
通産官僚、原子力保安院の高官、御用学者達は原発で事故は起きないことにしてきたから、原発事故・原発災害を想定するような災害対策策定とか事故処理用のロボット開発とか災害時に航空機に搭載して放射線量を測定する放射能測定機器開発とかに対して、強力な抑制力を発揮させてきた。つまり、開発させないようにしてきたのだ。
原発爆発事故から間もなく、ドイツ、ノルウェー、オーストラリア、アメリカなどの公的機関が放射能汚染シミレーション動画や無人偵察機による放射能汚染測定図を公開し始めた。
原発爆発から二月も経つと、通産省・文科省官僚達にも放射能汚染にたいする世論の不満、不安を無視できない状況が出てきた。
そんな訳で、情けない話だが、米国エネルギー省に泣き付いて測定器を借用し、自衛隊と民間のヘリコプターに放射線量測定器を搭載して測定を始めたのが、5月末になってからなのだ。
6月になって宮城県の太平洋側の測定から始め、10月下旬の石川県の測定で左図の1都20県の測定が終わり11月25日に全体像が発表された。
濃い青色の部分が0.1μSv/hrとされているが、原発事故前は全国ほとんどの場所がこの何分の一以下の0.0xxという放射線量であったことは隠しようのない事実だ。
この発表結果を見ると、放射能汚染は福島第一原発から遠く400km以上離れた愛知県、岐阜県、石川県、福井県、滋賀県にも及んでいるようである。
今回発表された測定方法は粗いメッシュで行われたものなので、局所的なホットスポットがどこにあるのかは判っていない。
さて、話変わって鮎釣り愛好家として来年以降どこへ行こうか?どうしようか?だ。
釣行先は濃い青色(紺色)の地域の河川から選んでみるしかなさそうだなー。
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No.5
'11 |
福島第一原発メルトダウンから5か月。8月25日になって、ようやく独立行政法人国立環境研究所が放射性物質の拡散図を公表した。
3月11日から29日にかけて福島第一原発から放出された放射性物質の影響は福島県以外に、宮城県や山形県、岩手県、関東1都6県、静岡県、山梨県、長野県、新潟県など広域に及んでいることが明らかになりました。
下の図が平成23年3月11日から29日における、モデルで計算されたヨウ素131とセシウム137の積算沈着量。
今年は箱根より東の河川でアユ釣りはしないと6月に書いたのは間違いなかった。
お茶からセシウム検出の報道と上右図から判断すると、箱根以東だけでなく、静岡市の安倍川筋も汚染されているのは確実。興津川もあぶないかも。
セシウム137の半減期は30年。放射能が元の約千分の一まで減少するのに、半減期の10倍の期間経過が必要だ。
上の図のセシウムの放射能が約千分の一まで減少するのは300年の後だ。
ヨウ素131の半減期は8日だから、80日(半減期の10倍)経過すると放射能は約千分の一まで減少する。しかし福島県は今でもやばい。
海だって大変だー。
福島第一原発3号機の爆発についての解説 4月26日
福島第1原発:3号機爆発動画(Youtube)
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No.4
'11 |
福島第一放出セシウム137 広島原爆168個分
政府が、東京電力福島第一原発の1〜3号機事故と、一九四五年の広島への原爆投下で、それぞれ大気中に飛散した放射性物質の核種ごとの試算値をまとめ、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に提出していたことが分かった。半減期が約三十年と長く、食品や土壌への深刻な汚染を引き起こすセシウム137の放出量を単純比較すると、福島第一原発からの放出量は広島原爆一六八・五個分に相当する。
福島第一原発事故は今年六月の国際原子力機関(IAEA)閣僚会議に対する日本政府報告書、広島原爆については「原子放射線の影響に関する国連科学委員会二〇〇〇年報告」を基に試算されている。
セシウム137の放出量は、福島第一原発1〜3号機が一万五〇〇〇テラベクレル(テラは一兆)、広島原爆が八九テラベクレル。このほかの主な核種では、福島事故で大量に飛散したヨウ素131(半減期約八日)は、福島が一六万テラベクレル、広島が六万三〇〇〇テラベクレルで、福島は広島原爆約二・五個分。半減期が約二十八年と長く、内部被ばくの原因となるストロンチウム90が、福島が一四〇テラベクレル、広島が五八テラベクレルで、広島原爆約二・四個分となる。
ただ、政府は特別委に対し、福島事故と広島原爆との比較自体には「原子爆弾は爆風、熱線、中性子線を放出し、大量の殺傷、破壊に至らしめるもの。放射性物質の放出量で単純に比較することは合理的ではない」と否定的な考えを示している。
試算値は川内博史衆院科学技術・イノベーション推進特別委員長が八月九日の同委員会で「広島型原爆の何発分かを政府として正確に出してほしい」と要求していた。
(2011年8月25日 東京新聞) |
No.3
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天然アユが消えた 遡上目前に津波で全滅か 仙台・広瀬川
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天然アユが激減した広瀬川を見つめる伊藤さん
=仙台市若林区河原町 |
太平洋で育ち、仙台市の広瀬川を遡上(そじょう)する天然アユが今夏、姿を消した。3月下旬に始まる遡上に備えて河口周辺の浅瀬に集まった大群が東日本大震災の津波に襲われ、ほぼ全滅したものとみられている。資源が回復するまでには10年近くかかりそうだ。
「アユを餌にするカモメが飛んでいない。アユがいない証拠だ」
広瀬・名取川漁協理事の伊藤勝さん(58)は若林区河原町の河川敷から広瀬川を見つめ、嘆いた。
《記事全文》 2011/06/28 13:46 【河北新報】
宮城県・岩手県の他の河川のアユの消息はどうなのでしょうか?
福島県のアユは原発事故の放射能汚染で夢も希望も吹き飛び、もうどうしようもありません。 |
No.2
'11 |
天然ウナギの卵発見 世界初、完全養殖実用化へ期待
朝日新聞2011年2月2日
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捕獲に成功した天然ウナギの卵。直径は約1.6ミリ=東京大大気海洋研究所、水産総合研究センター提供 |
天然のニホンウナギが海で産んだ卵が、世界で初めて日本の研究チームによって発見された。現場は、ウナギの幼生が捕獲されたことがあるマリアナ諸島沖。調査で得られたデータは、ウナギを卵から育てる「完全養殖」の実用化に役立つと期待される。
発見したのは、東京大大気海洋研究所の塚本勝巳教授や水産総合研究センターなどのチーム。1日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(電子版)に報告した。
2009年5月、調査船で大型のプランクトンネットを引いたところ、ウナギとみられる複数の卵が入った。DNA鑑定で31個がニホンウナギの卵と確認された。いずれも受精卵で、直径は平均1.6ミリだった。
孵化(ふか)するまでの間、海中に卵の形で漂うのはわずか1日半とわかっている。チームは過去の調査データから、産卵が新月のころに行われると推定。集中的に調査した。世界のウナギ19種・亜種のうち、天然の卵の発見は初めて。
現場海域は水深3千〜4千メートルで、海山が立ち並ぶ。ウナギの卵が捕れたのは、深さ200メートルまでの比較的浅い場所だった。塚本教授は「かつて深い海の底で産卵すると考えていたが、実際にはかなり浅かった」と話す。
日本では40年ほど前から、本格的にウナギの誕生の謎を探る調査に力を入れてきた。05年にはマリアナ諸島沖で誕生直後のウナギ幼生を捕獲し、産卵海域をほぼ特定した。だが、卵の捕獲はできずにいた。
ウナギの養殖には、年間1億匹近い天然の稚魚を使っている。ただ、ニホンウナギの稚魚の漁獲量は近年、1970年ごろに比べて1〜2割程度に激減してい
る。水産総合研究センターはウナギを卵から育てる「完全養殖」の研究を進め、10年春に成功したが、稚魚が生き残る率が低く大量生産ができず、事業化のめ
どが立っていない。
こうした中、今回の調査で卵が見つかった水深や水温、塩分濃度などのデータは、ウナギを飼育下で卵から効率良く育てる上での重要なヒントとなり、完全養殖の実用化を加速することになりそうだ。(山本智之)
***今はシラスウナギを捕って養殖していますが、早く卵から大量養殖できるようになるといいですね。***
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No.1
'11 |
東京海洋大など、冷水病に強いアユ開発 耐性あるDNA選び交配
日経新聞2011年1月27日付
東京海洋大学の坂本崇・准教授らの研究チームは、魚の病気「冷水病」に強いアユの新品種を開発した。病気に耐性のある個体に特徴的なDNA(デオキシリボ核酸)の違いを見付け、耐性のある個体だけを選んで交配した。9割近い死亡率が1割程度に下がる可能性がある。効果を確かめ、養殖向けに本格導入を目指す。
(本研究は広島県立総合技術研究所水産海洋技術センター、広島県栽培漁業協会との共同研究です。)
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アユ冷水病耐性形質マーカー選抜育種技術の開発.pdf へのリンク
冷水病に強いアユ系統の作出に関する研究 〜先端技術を使ったマーカー選抜育種技術〜
〈広島県立総合技術研究所水産海洋技術センター水産研究部:平成22年2月5日〉
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No.2
'10 |
滋賀県がアユの冷水病でワクチンにめど
滋賀県などが手掛けるアユの冷水病ワクチン開発で、実験段階での効果が確認され、国への承認申請に向けた実証データ収集が県内でスタートした。国の承認を得て市販化されれば全国初。県は「大量死につながる冷水病抑制への大きな一歩」と約20年越しの成果に期待している。
開発中のワクチンは、ワクチンを混ぜた水槽にアユを10〜5分入れる方法で、浸漬(しんせき)型と呼ばれる。2週間程度で冷水病への免疫を持つという。これまでに県水産試験場(彦根市)が試作品で行った実験では、冷水病による死魚数をワクチンを与えなかったアユ群の半分に抑えられた。
これらの研究で効果が確認でき、市販の際の採算面もめどが立ったため、県と共同研究するメーカーが本年度、県内の養殖業者を対象にデータ収集を始めた。2〜3年後に市販薬販売への国の承認を得られる見通し。
琵琶湖では1992年、全国の河川に放流するアユ稚魚が冷水病に感染し、大量死と買い控えで業者が打撃を被ったため、県がワクチン開発に乗り出した。
ところが当初は浸漬型では十分な免疫効果が出なかった。アユに直接注入する注射型、えさに混ぜる経口型も採算がとれないなどの理由で相次ぎ断念した。冷水病菌の一つで2004年に発見された強毒性の菌株を用いることで、強い免疫をつけることが可能になり、浸漬型の開発が進んだ。
県水産課は「ワクチンができれば、養殖での大量死や放流先での流行を防げ、湖産アユの安全性もアピールできる。業者からの要望も高い」と話している。
【冷水病】 細菌による感染症で、体表に穴が開くなどの症状があり、集団感染で大量死することもある。1987年に徳島県で初めて見つかり、琵琶湖でも91年に確認された。現在もアユの死因1位で、県への報告があっただけで年間40件程度が確認されている。冷水病への対策は現在、発症が確認された養殖池内で飼育水温を上げて殺菌し、感染を抑えるなどの対症療法しかない。
京都新聞 【2010年09月14日 09時26分】
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No.1
'10 |
アユの新しい魚病診断技術を開発《群馬県水産試験場》
水産試験場は、全国で初めて、冷水病をはじめとするアユの主な3つの魚病を同時に、しかも高感度で診断できる技術を開発しました。(マルチプレックスPCR法)
この方法によりアユ魚病診断が迅速かつ正確にできるようになり、検査コストを抑えるとともに、より強力な防疫対策が可能となります。
アユ魚病被害
冷水病、細菌性出血性腹水病、ビブリオ病の3つの魚病で、全国のアユ魚病被害額の85%を占めています。
保菌検査・診断
従来の保菌検査や魚病診断は、それぞれの魚病に対し個別に設計したPCR法で対応してきました。
そこで、水産試験場では同時に複数のDNAを複製、増幅できる「マルチプレックスPCR法」に対応する、新しいプライマーを開発し、全国で初めて、アユの主な3つの魚病を同時に、しかも高感度で診断できる技術を確立しました。
技術の効果
- 分析時間は従来の約半分
- コストは従来の約3分の1
- 感度は従来の10倍
技術の活用
- 水産試験場で実施しているアユ放流種苗の保菌検査において、県外産種苗に対し新技術を採用することで、より強力な防疫対策を確立し、魚病の侵入を水際で阻止できます。
- 養殖場などでアユに病気が発生した場合、これまでよりも迅速かつ正確に診断することができ、被害の軽減につながります。
用語解説
- 「PCR法」
- ごく少量のDNAを大量に複製、増幅させる手法。その後、電気泳動にかけて増幅産物を確認し、遺伝子レベルで同定します。現在、DNA鑑定や新型インフルエンザ確定検査などに広く用いられています。
- 「プライマー」
- PCR法によって少量のDNAを大量に複製する際、起点となる短いDNAの鋳型。
- 「マルチプレックスPCR法」
- 同時に複数のDNAを複製、増幅するPCR手法。現在食中毒検査などに用いられています。
オリジナルは群馬県HP;報道提供資料 【3月16日】アユの新しい魚病診断技術を開発しました(農政課)
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No.2
'09 |
エチゼンクラゲ大襲来 海へ下ったアユの仔・稚魚はだいじょうぶか?
前回2005年前後にエチゼンクラゲが大発生した後、アユの遡上が少なく不漁であったように記憶している。今年のエチゼンクラゲの発生、出現による漁業被害は前回以上に深刻だという。
30日現在の大型クラゲ出現情報(社団法人 漁業情報サービスセンター)では、エチゼンクラゲは北はオホーツク海にまで達し、津軽海峡を通過し太平洋側に回り込んだ群れの先端は、相模湾から伊豆半島を越えて静岡県の駿河湾にまで達していると報じている。
孵化して海へ下ったアユの仔・稚魚がエチゼンクラゲの餌食になってしまわないかと心配だ。
朝日新聞
asahi.com 2009年10月28日8時6分 |
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定置網にかかったエチゼンクラゲ=26日午前4時4分、神奈川県真鶴町沖、豊間根功智撮影 |
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定置網にかかり、タモ網で引き揚げられたエチゼンクラゲ=26日午前3時52分、神奈川県真鶴町沖、豊間根功智撮影 |
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エチゼンクラゲの出現域(23日現在)=社団法人漁業情報サービスセンターによる |
30日現在の大型クラゲ出現情報(社団法人 漁業情報サービスセンター)はここをクリック |
漁業被害を起こすエチゼンクラゲが今年、異例の出現パターンを示している。日本海から津軽海峡を抜け太平洋側に回り込んだ群れは通常、千葉の房総沖までは達するが、今年はさらに南下、神奈川・静岡沖の相模湾へ大量に押し寄せている。社団法人漁業情報サービスセンターなどの調査で分かった。
神奈川県真鶴町の岩漁協の定置網には26日、約40匹が入り込んだ。いずれも直径1メートル前後で、大きなものは1.5メートル。漁師たちは船に引き揚げた赤茶色のエチゼンクラゲをスコップで砕き、海に捨てる作業に追われた。同漁協の青木勝海・組合長(61)は「水揚げの半分はエチゼンクラゲ。これだけ多いと漁に支障が出る」と話す。
最悪の被害が出た05年は、群れの一部が黒潮に乗って太平洋沿岸に到達した。今年は黒潮には乗らず、津軽半島経由の個体が異例の南下を続けている。広島大の上真一教授は「日本海にいた群れが相模湾にまで到達するとは驚きだ。まだ水温が高いので、さらに多くの個体が押し寄せるだろう」と話している。(山本智之)
朝日新聞
asahi.com 2009年10月31日16時30分 |
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定置網漁でかかった大量のエチゼンクラゲは網から出された後、ふたたび周辺の海に放たれた=福井県南越前町、朝日新聞社ヘリから、伊藤恵里奈撮影 |
成長すると傘の直径が1メートルを超すエチゼンクラゲが、日本海側や三陸―東海地方の沿岸に襲来し続けている。福井県南越前町沖では、定置網に入り込んだり、網の外に捨てられたりした大量のエチゼンクラゲが、海面を赤みがかった茶色に染めていた。
同県水産課によると、一つの定置網に2千匹前後が入り込み、水揚げ作業が妨げられるケースが相次いでいる。最も多い場所では、1網あたり2万匹にのぼるという。
社団法人漁業情報サービスセンター(東京都中央区)によると、日本海から津軽海峡を抜けて太平洋側に回り込んだ群れの先端は、伊豆半島を越えて駿河湾に
達している。今年の出現量は、全国で延べ10万件を超す被害が報告された05年と同じか、それ以上の規模になる見込みという。定置網の場合、エチゼンクラ
ゲが大量に入り込んだ状態で強い潮の流れを受けると、網が破損する恐れがあり、同センターは漁業関係者に注意を呼びかけている。
30日に千葉県の犬吠埼沖で起きた漁船の転覆も、大量のエチゼンクラゲが網にかかり、それを引き揚げた際の重みが原因との可能性が指摘されている。(山本智之)
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No.1
'09 |
産卵前のウナギ初捕獲 養殖技術の確立に期待
産経ニュース2009.7.18 10:05
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マリアナ諸島西方沖の太平洋で捕獲された産卵前のメスウナギ(水産総合研究センター提供) |
水産庁と水産総合研究センターが、5〜7月に東京から南へ約2600キロのマリアナ諸島西方沖の太平洋で行った調査で、体内に卵を持つ産卵前のメスウナギの捕獲に世界で初めて成功した。
現在、ウナギの養殖はすべて天然の稚魚「シラスウナギ」に頼っているが、近年の乱獲などで世界的に資源量が急減し、人工養殖技術の確立が待たれている。
同センターは「産卵前のウナギのホルモン分泌などを分析すれば、良質な稚魚を効率的に大量生産することが可能になる」と期待している。
捕獲したメスウナギは、体長約75センチ、体重約400グラムで、6月24日に調査船「開洋丸」(2630トン)が捕獲した。体内に多くの成熟卵を持っており、何らかの理由で産卵できなかったウナギらしい。
調査は、5月18日から7月1日まで、2隻の漁業調査船がトロール網を使って実施した。
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No.6
’08 |
最近 アユの漁獲量が激減
昭和43年(1968年)から平成20年(2008年)までのアユの漁獲量推移をグラフにしてみました。
H3年(1991年)をピークに以後減少に転じ、H15年(2003年)からは激減しています。
河川で冷水病がはじめて確認されたのがH3年のことでした。冷水病が漁獲量減少の大きな要因でしょう。
平成になる頃までは、稚鮎の放流量を増すことが漁獲量を増加させる結果となっていましたが、H3年以降は稚鮎の放流量を増やしても漁獲量は増えるどころか、グラフに示されるように、激減の一途をたどっています。
かつてアユの漁獲量が多かった頃は、岐阜県(長良川など)だけで(1年に)三千数百トンの漁獲量があったのです。今は全国でそれ以下の三千トンそこそこしか獲れていません。
人工産稚アユの放流割合が増えたH10〜H14年頃に漁獲量の減少に歯止めがかかったかと思われました。しかし、H15年から再び激減しております。ここ数年の減少は目を覆うばかりの惨状です。
川鵜やブラックバスなどの外来魚による食害だけでなく、
堰、ダムによって、 稚魚が遡上できない、孵化した仔魚が海へ流下できない、
河川環境の悪化(排水路のような河川改修、 ダムや堰などに岩・石・砂礫などが堆積し下流に供給されない)、 アユ産卵場の荒廃(川床の固化、藻・泥による被覆、ダム・堰での砂礫の堆積)等々や
大量の合成洗剤使用などによる遡上忌避も漁獲量減少に輪をかけているものと思われます。
また、地球温暖化の影響か、秋・冬の沿岸海水温が高くて早生まれの一番子が海で死んでしまうことが疑われてもいます。一番子は早く遡上を開始し最も上流まで上り大きくなる、といわれていました。
楽しみでアユ釣りをしている我々はどうすれば良いでしょうか。
せめて
タイツ・タビ、網、舟など釣り道具の消毒をして冷水病を広げないように気を付けたり
合成洗剤を止めて石けんを使うようにしたり
川鵜や外来魚の駆除を手伝ったり
網、コロガシなどでの落ちアユ漁は控えたり
してみようではありませんか。
(H18年度の漁獲量の訂正(3,066t→3,015t)があったのに気が付きませんでした。グラフを訂正しました。2008/10/19)
(H20年度のデータを追加し、グラフを更新しました。2009/10/12)
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No.5
’08 |
PDFファイル⇒親ウナギ産卵地で捕獲 9月12日朝刊 |
No.4 ’08 |
『号外』 9月11日
川辺川ダム反対!蒲島郁夫熊本県知事が表明(熊本日日新聞)
「球磨川は守るべき宝」
「現行計画を白紙撤回し、ダムによらない治水対策を追求すべきだ」と建設反対を表明した。 |
No.3
’08 |
('08/05/09)
稚アユの豊不漁、初期成長が鍵 和歌山県水産試験場が解明
海産稚アユ漁の豊不漁に、ふ化からの初期成長が大きく影響していることを県水産試験場(和歌山県串本町)の吉本洋資源海洋部長(55)が解明した。20年以上にわたりアユの調査を続けている日高川とその周辺海域のデータを使って分析した。吉本部長は「初期成長は冬季のプランクトン量と海水温によって左右されており、これらを使って豊不漁の予測につなげられる」と話している。
近年、天然アユ資源が減少、海産稚アユ漁も不漁年が続き、今年は過去最低となった。試験場では、適切な対策を行うためさまざまな研究を行っている。
日高川とその周辺海域では、流下した稚魚量とそ上量、海産稚アユ採捕量、海水温、上流の雨量、餌となるプランクトン量などの観測データを地元の漁協や県が1980年代から蓄積しており、今回これらのデータを基に分析した。
稚アユの日齢から見ると、不漁年に比べ、豊漁年には稚魚が早生まれから順番に規則正しく海域に出現しており、滞在期間も短く成長速度が速かった。その要因に、12月に海水温が低く、1月にプランクトン量が多いことを突き止めた。
本来、適水温内であれば、海水温が高い方が稚魚の成長は早いが、海水温が高いと捕食魚の動きも活発になって食べられる確率が高くなる。このため、海水温が低い方が生存率が上がるとみている。
また、イワシの稚魚であるシラス漁が豊漁の年は海産稚アユ漁が不漁になることも分かっており、餌をめぐっての競合が考えられている。
吉本部長は「今後、そ上までの海域での成長と水温、餌環境などの関係を詳しく調べる必要がある。特に稚魚の減少過程と初期成長の関係についての研究が必要だ」と話している。
アユ
秋にふ化すると、流されて海に下る。冬の間、浅海域で動物性プランクトンを食べて体長5〜10センチに成長する。海と川の水温が等しくなる春に群れをなしてそ上。川では釣り人がアカと呼ぶ付着藻類を削り取って食べる。秋に産卵した後、1年という短い寿命を終える。最大では全長30センチを超える。
【せきを上る若アユ(和歌山県日高川町若野で)】
('08/05/09)
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No.2
’08 |
アユに国内初の細菌感染症 都道府県に注意喚起
2008年02月15日
農林水産省は15日、昨年、東京、広島、山口の3都県の河川のアユから、国内では未確認だった病原性の細菌エドワジエラ・イクタルリ(Edwardsiella
ictaluri)が検出されたと発表した。人体への影響はないが、放流や養殖に影響が出るおそれがあるため、同省は各都道府県に放流前の検査を促した。
農林水産省の通知はこちら
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アユ大量死は新感染症 山口・広島・東京で被害 |
中国新聞 '08/2/16 |
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農林水産省は十五日、国内で初となる細菌「エドワジエラ・イクタルリ」によるアユの感染死が山口、広島、東京の三都県で確認したと発表した。岩国市の錦川での被害が最も多く、昨年九、十の両月で千四百匹が死んだとみられる。東南アジアから菌が入ってきた可能性が高いという。人体への影響はないが、漁業被害が懸念され、農水省は全国調査に乗り出した。
山口県によると、錦川下流で九月に入ってアユが死んでいるとの報告があり、九月二十八日に現地を調査。五カ所で計三十五匹の死骸を見つけた。外見上は大きな変化はないが、肛門周辺が赤くなるなどの特徴があった。
水産総合研究センター養殖研究所(三重県南勢町)で検査したところ、エドワジエラ・イクタルリによる感染死と判明。東南アジアで腸敗血症に感染したナマズから採取したエドワジエラ・イクタルリと一致した。
また、広島県北部の江の川でも昨年十月、変死したアユが持ち込まれ、県が広島大などに検査を依頼。腎臓から同じ細菌を検出した。東京都府中市の多摩川でも八月中旬、死んでいたアユの感染が確認された。
エドワジエラ・イクタルリは、アメリカナマズや東南アジアのナマズの腸敗血症の原因菌。人体への影響はないとされるものの、感染力が比較的強く、漁業に影響が出るため、農水省は都道府県から二十五日までの報告を求めている。
山口県は十五日、県内の漁協や養殖業者らを緊急に集め、四、五両月の稚アユの放流前に検査をする方針を伝えた。広島県も同日、県内水面漁協連合会に放流用種苗の保菌検査などを指導した。(荒木紀貴、門脇正樹)
【写真説明】感染症により死んだとみられるアユ(山口県水産研究センター提供)
中国新聞社説
『アユ新感染症 ルートの解明に全力を』
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山口県、水産振興課
アユの新たな感染症の発生について
昨年9月から10月にかけて、錦川(旧美川町から下流域)でアユが多数死亡(推定約1,400尾)した原因を究明していたところ、このたび、新たな感染症であることが確認されたのでお知らせします。
本件について、市町、河川漁協、内水面養殖業者等への指導会を次のとおり開催しました。
<アユの新たな感染症に係る指導会>
日 時:平成20年2月15日(金曜日)14:00〜15:00
場 所:県庁10階 漁業調整委員会室
出席者:市町、河川漁協、内水面養殖業者等 約50名
議 題
@ 発生経過
A 感染経路の解明
B 防疫対策
C その他
アユ新型疾病会議資料(抜粋).pdf (104KB)
県民の皆様へ(お願い)
昨年、我が国で新たな細菌(エドワジエラ・イクタルリ)によるアユの病気が発生し、本県の河川でも発生が確認されました。 この細菌(エドワジエラ・イクタルリ)は、一般的には東南アジアや米国などで飼育しているナマズなどに感染することが知られています。
● 河川で次のような特徴の異常なアユやナマズ等を発見した方は、最寄りの河川漁協・市町・水産事務所に連絡してください。
(異常アユ等の特徴)
体は全体的にきれいだが、肛門周辺、体表・ひれの基部に発赤があり、腹部が腫れたり、眼球が突出したものもある。
● 異常なアユやナマズ等は河川に捨てないでください。
※この細菌は、通常では人の健康への影響はないとされています。
なお、アユから分離された菌は37℃以上では増殖しないことが確認されています。
【参考】
農林水産省の通知はこちら
アユからナマズ(アメリカナマズ)の病原菌(リバーリバイバル研究所)
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No.1
’08 |
日経プレスリリース 2008/01/24
栄研化学、冷水病菌検出用試薬「Loopamp プライマーセット冷水病菌」を発売
栄研化学株式会社(本社:東京都文京区、以下栄研化学)は、栄研化学の遺伝子増幅技術LAMP法*1の基礎研究用プライマーセットとして、冷水病菌*2検出用試薬『Loopamp(R)プライマーセット冷水病菌』を2月6日より新発売いたします。冷水病菌によって引き起こされる冷水病は、近年、全国のアユ養殖場やアユ放流後の河川で発生しており、毎年多くの被害を出している細菌性感染症です。稚アユから成魚まで発生し、大量死を起こし、有効な予防法はありません。
現在、冷水病菌の確認、検出は培養法あるいはPCR法により行われていますが、より迅速、簡便な検出法の開発が求められております。
『Loopamp(R)プライマーセット冷水病菌』は冷水病菌の遺伝子の確認、検出を行うためのプライマーセットで、『Loopamp(R)DNA増幅試薬キット』との組み合わせにより、増幅から検出までを1ステップで行うことができ、一定温度(65℃)で迅速(60分)に冷水病菌の遺伝子の増幅あるいは有無をリアルタイム濁度測定装置または蛍光目視によって確認することが可能です。
Loopamp(R)プライマーセットは、LAMP法用プライマーをコントロールDNA(またはRNA)とセットにし、株式会社富士通システムソリューションズ*3が運営するインターネット上のマーケット「WebSERVE/eGenomeOrder」*4を通じて、学術研究目的にご使用いただく商品です。既に発売しております『Loopamp(R)DNA増幅試薬キット』あるいは『Loopamp(R)RNA増幅試薬キット(RT−LAMP)』と組み合わせることで、対象遺伝子の確認や検出が可能となります。
プライマーセットとしては、既に「ウエストナイルウイルス」、「鳥インフルエンザウイルス」、「コイヘルペスウイルス」検出用などの製品を発売し、各研究分野でご好評頂いております。
以上
【用語解説】
*1LAMP法 Loop−mediatedisothermalamplificationの略で、2本鎖DNA、6つの領域を認識する4つのプライマー、鎖置換型DNApolymerase、基質等を同一容器に入れ、一定温度(65℃付近)下で、増幅から検出までを1ステップで行うことができます。 増幅効率が高く、DNAを15分〜1時間程度で109〜1010倍に増幅することができ、また、極めて高い特異性をもつため、目的とするDNA配列の存在を増幅産物の有無で判定することができるなど「簡易、迅速、精確、安価」を特徴とする遺伝子増幅法です。なお、「Loopamp(R)」は、栄研化学のLAMP法製品のブランドネームです。
詳細 http://loopamp.eiken.co.jp/
*2冷水病菌 冷水病菌は、フラボバクテリウム・サイクロフィラム(Flavobacterium psychrophilum)という細菌であり、それによって引き起こされる冷水病は、北米のサケ科魚類(サケ、ニジマス、ギンザケ等)の病気(bacterialcoldwater disease)として知られていました。1985年頃からヨーロッパと日本でサケ、マス養殖場で見られるようになったといわれています。
『Loopamp(R)プライマーセット冷水病菌』 発売日:平成20年2月6日 包装:48テスト分 価格:標準小売価格35,000円(税別) 貯蔵方法:−20℃ 有効期間:1年間
特徴的な症状は、鰓や肝臓の貧血、体側や尾部の穴あきなどです。 冷水病は現在、全国のアユ養殖場やアユ放流後の河川で発生しており、毎年多くの被害を出しています。この冷水病菌の確認、検出には培養法とPCR法がありますが、培養法は判定までに7〜14日を要し、また、PCR法は煩雑な操作性が課題として残されており、より迅速、簡便な検出方法が求められています。 なお、現在、ワクチンの研究が行われています。また、冷水病はヒトには感染しないと言われています。
*3株式会社富士通システムソリューションズ(以下Fsol) 代表取締役社長秦聖五 情報システムに関するコンサルティング、開発、運用およびASPを含むアウトソーシングなどのサービスの提供を主な事業内容とする。 〒113−0021東京都文京区駒込2−28−2(文京グリーンコートセンターオフィス) TEL03−5977−5311(代表)(http://jp.fujitsu.com/group/fsol/)
*4WebSERVE/eGenomeOrder(http://genome.e-mp.jp) Fsolのインターネット統合ソリューションサービス。LAMP法の原理をベースとしたプライマー設計から試薬キット・検出装置など、研究に必要なサービスや商品がインターネット経由で揃います。
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