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1.

    ダムが海岸を浸食している 

     堆砂で水害を引き起こしているダムさえある。

 ご覧になった方も多いと思いますが、正月気分も覚めきらぬ7日の朝日新聞に下のような記事が載りました。
 浜松の中田島砂丘は、天竜川などが上流から運ぶ土砂と遠州灘から吹きつける風で、30年前はサンドスキーができるほど起伏の大きかったが、この30年間で砂浜が海岸から180mも侵食されて昔埋めた4mものゴミの層が現れたというのだ。
 海岸が30年で180mも侵食されたということは、毎年5.6mも削られたということだ。
 記事に出ている場所は天竜川河口から5kmほど西にある馬込川河口右岸である。
 天竜川は本流、支流あわせて15ものダムで流れが遮られている。
 ダムが無かった頃は、毎年3,800万立方メートルの土砂が排出されていたというが、現在はわずか16万立方メートルしか排出されていないという。この差3,784万立方メートルもの土砂が毎年15のダムに堆積しているのだ。
 川から土砂や砂利が供給されないから、海岸がどんどん浸食されて大変なことになってきている。これは天竜川だけのことではなく、全国のダムのある河川で起きている現象である。このままダムの堆砂を放置すると、多目的ダムが無用ダムになる日も遠くない。

 どの位土砂がダムに堆積しているのか?。泰阜、平岡の両ダムはもはやダムとはいえないほど土砂で埋まっている。土砂は落ち葉などと共に沈むのでヘドロになってダム底に堆積しているという。

代表的天竜川のダムの堆砂率 平成13年データ(平成15年)
堆砂率=(堆砂量/総貯水容量)×100
美和ダム
ミワ
小渋ダム
コシブ
泰阜ダム
ヤスオカ
平岡ダム
ヒラオカ
佐久間ダム
サクマ
秋葉ダム
アキハ
船明ダム
フナギラ
堆砂率 22.6%
(50%)
24.2% 78.9% 84.5% 34.7% 36.6%
(38.1%)
6.2%
総貯水量
(千立米)
29,952 58,000 10,761 42,425 326,848 34,703 14,578

(船明ダムの堆砂率が極端に低いのは、ゲートを上げると水が底から流れる構造なので、ゲートを上げ放水すると底の土砂も同時に排出されるため。)

 特に泰阜ダムは、完成してから10年もしないうちに上流側(バック・ウォーター)に土砂が堆積して川床を上げてしまい、川床が上がったために大雨が降るとすぐに溢れ、飯田市の川路地区は少なくとも5年おきに水害に見舞われ「水難の里」とさえいわれていた。あまりに酷いので、最近川路地区は土盛りで10mほど嵩上げし、JR飯田線の川路駅も嵩上げした線路に切り換えられた。
 佐久間ダムの上流側(バック・ウオーター)でも土砂が貯って川床が上がり、風が吹くと砂塵が舞って大変だという。また、佐久間ダムに堆積している土砂の量は1億1千万立方メートル以上だといわれる。
 堆砂量が当初の予測よりもはるかに多い(当局の予測は政治的な数字で、当たったためしがない)ため、美和ダムではダム側面の山にトンネルを掘り土砂をダム下流にバイパスさせる工事が進行中である。しかし、この排砂バイパストンネルが完成したら下流のダムはどうなるのか、具体的な対策計画は無い。
 佐久間ダムでも、720億円の予算で、排砂のための工事が計画されており、これは遠州灘まで直接排出するのだという。
直接海に排出したら、黒部川の例にあるように、ヘドロで沿岸、海底が汚染され大変な漁業被害が起こると思われるが、それに対しては具体的対策は立っていない。ただ土砂をダムから吐き出すことだけしか考えていないようだ。
 こんなことをすると、沿岸漁業だけでなく、海へ下った仔稚アユもやられ、川の淵や瀬の石がヘドロまじりの土砂でうまり鮎漁は壊滅的打撃を受けるだろう。

 誰でもいいから、ダムの堆砂対策の妙案を考えて下さい。
 こちらも見てください。

中田島砂丘発


2.
福井の山あいの足羽川に「老人愚連隊」を標榜する団体がある。
 「老人愚連隊」.PDF へのリンク
“物わかりのいい老人”の道はあえて拒否し「愛郷」と「直言」を掲げる「美山あすなろ会」だ。
  ◆言いにくいことをはっきり言う
  ◆筋を通すのに遠慮しない
  ◆子孫のため長期的視点に立とう
  ◆世間的な名誉を追うべからず
  ◆若い者に迎合しない
  ◆自分だけいい格好をしない
  ◆既存の組織に頼らない
老人愚連隊は11年前からミニコミ誌を発行し近隣の有志や有力者に配っている。

 さー 青年鮎師も・壮年鮎師も・老年鮎師も、
 全国あっちでもこっちでも愚連隊を結成しようではないか!



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