ξ.2003年・雲南で大地震、ヨーロッパは熱波
[2003年・海外の話題#3]
(The earthquake and heat-wave, 2003)

−− 2003.07.24 エルニーニョ深沢(ElNino Fukazawa)
2003.09.24 改訂

 ■中国・雲南で大地震(7月24日)
 朝日新聞のニュースに拠ると、7月21日午後11時16分頃、中国雲南省楚雄彝(イ)族自治州大姚県でマグニチュード6.2の地震が有ったそうで、中国中央テレビに拠ると22日午後1時20分現在、被害は省内10県に及び、死者15人、負傷者394人、民家倒壊1万8000戸、半壊32万8000戸に達し、被災者は100万人に上るそうです。
 雲南省と言う所は地震が多い地域で、私が訪れたことが有る昆明の石林麗江(←1996年2月3日雲南省麗江震源M7.0で大被害)でも地震の痕跡を目にしました。そこでちょっと雲南省の最近の地震をピックアップすると
  2001/10/27 雲南省永勝県でM6.0
  2001/05/24 雲南省、四川省の省境付近でM5.8
  2001/04/12 雲南省ミャンマー国境山間部でM5.9
  2000/01/15 雲南省姚安県でM5.9、M6.5の2回の地震

などです。専門家に拠ると1988年11月6日の雲南省瀾滄・耿馬のM7・6の地震以降、中国大陸は再び地震の活動期に入っているそうです。
 中国ではSARSに続き、6月13日には南部などでの洪水被災者が1600万人に上り、東北地方を中心とした旱魃(かんばつ)では800万人が一時的な飲料水不足に陥っているというニュースが伝わって居ましたが、今年は差し詰め中国の「厄年」ですね。九星の年盤で言うと今年は六白金星が中宮に座り、これは「波瀾の相」を表して居るのです。実は六白金星は私の星なので、今年はエルニーニョ現象(※1)が吹き荒れそうですね(△1のp218〜225)。

 ■ヨーロッパでは熱波(7月24日)
 ドイツの「古やん」からメールが届きましたが、それに拠るとヨーロッパ大陸は熱波(※2)に襲われて35℃以上の暑さだそうで、これ又大変、本来ならば7月のドイツは1年中で一番過ごし易い季節なんですがねえ。何故大変か、と言うとドイツは夏でも涼しい所が多く、部屋に暖房設備は必ず有りますが冷房設備を備えた建物は少ないからです。
 そこで又調べてみると1ヶ月前はインドを襲っていたんですねえ、熱波が。インドでは最高気温49.1℃を記録し、熱波に因る死者は6月4日時点で1182人に達したそうです。
 7月16日にはあのマッターホルンを入山禁止にしたというニュースが有りました。熱波で永久凍土層の一部が溶け15日に落石事故が起こり、登山中の約90人がヘリコプターで避難する騒ぎに成って居たそうです、いやはや。
 フランスではコンフェデレーションズカップの試合中にカメルーンのサッカー選手が急死し、これも熱波の為とか。又、パリのエッフェル塔で22日午後7時20分頃、頂上付近から濃い灰色の煙が立ち上る火災が発生、約40分後に消し止められたが、一時はテロか?、と騒がれ約3000人が避難したそうです。火元は塔最上階に在る通信室で、配線のショートが原因と見られ、これは熱波とは関係無さそうです。
 イタリアでは、みんながクーラーを使ったので電力が足りなく成り、遂に3日間程全国的な規模で停電が起きたそう。ノー天気なイタリア人らしいですね。
 一方モスクワでは(モスクワの6月は、1年で最も温暖で過ごし易い季節です)、6月1日に強風で立木が倒れる被害が出たり、3日には40年振りに雪が降ったとのことです。

 ■日本は梅雨が明けず(7月28日)
 一方日本では梅雨が明けずに天神祭に突入。これはオホーツク海高気圧の勢力が強く太平洋高気圧の勢力が弱い為、梅雨前線が日本列島の南に居座った儘だからです。こういう状態では結局梅雨前線の”自然消滅”を待たねば為らず、気象庁が無理矢理「梅雨明け宣言」しても、スカッとした夏空には成らないでしょう。10年位前の冷夏(※3)の時もこんな状態だったと思います。大阪で例年7月10日頃から鳴き出すクマゼミが今年はやっと今頃から鳴き出しました。
 もう一つは頻発して居る宮城県沖地震ですね。既に家屋倒壊や崖崩れなどの被害が出て居ますが、これが今後更なる大地震に繋がるのかそうで無いのか?、地元の人は不安でしょう。やっぱり吹き荒れて居ますねえエルニーニョの嵐が、それとも阪神タイガースの快進撃の所為でしょうか?!
 こういう時はエルニーニョ神社に御参りし、御神籤(おみくじ)の託宣に従って過ごすことですゾ!!
        (>_<) (>_<) (>_<) (-_*)

 ということで、少し様子を見て新情報が入って来たら追加しましょう。

 ■■新情報追加記事(8月1日以後)
  ◆ヨーロッパの熱波
 ヨーロッパ全土を襲っている熱波はその後益々勢いを増し、本来涼しいヨーロッパ各地で軒並み40℃を超える暑さが続いて居ます。

 8月14日のニュースに拠ると、8月上旬のドイツでは40℃を超す暑さが続き、観測開始以来最高を記録。フランスでも56年振りの猛暑とかで、各地で最高気温40℃を超し、南仏オランジュでは13日、この夏最高と成る42.6℃を記録。パリ周辺での人口当たりの死者数は昨年同時期より5割も跳ね上がっているとのこと。ポルトガルとスペイン国境地帯では、何と47℃迄上がった場所も有るとか。又、各地で山火事が発生し森林被害も増大して居る模様。

 ところがです、8月22日のニュースでは、質の良いマスカットの産地であるフランス南部エロー県のフロンティニャンで、例年より10日早くブドウの収穫が始まったそうで、今年は猛暑が幸いしブドウの当たり年と成ることが予想されるんだそうです、いやはや、「捨てる神在れば拾う神在り」ですね。

 8月26日、古やんからのメールで、ヨーロッパの熱波も漸く収まりつつ在る様で、ドイツでは日中の気温がやっと30℃(未だ高め)、夜は18℃(ほぼ正常値)に戻って来た模様です。そう言えば阪神タイガースも漸く”平年モード”に戻り負け越し始めました。

  ◆日本の遅い梅雨明けと冷夏
  <8月26日追加記事>
 予想通り気象庁は7月末に無理矢理、近畿地方の「梅雨明け宣言」をしましたが、その後スカッとした夏空は訪れず盆休み中など夏にしては寒い日が続きましたが、8月18日以降やっと夏らしい日が訪れました。これは太平洋高気圧がやっと勢力を増し、日本上空に張り出して来て本来の夏の天気図に成った為です。
 私は近畿地方では8月18日が本当の「梅雨明け」だと思って居ますよ。8月2〜5日に晴れた日は有りましたが、これは「梅雨の晴れ間」だったのです。その証拠に気象庁の長期予報では今年は9月一杯「残暑」が続くと発表して居ます。要するに梅雨明けが遅れた分夏日も遅れるのです。まあしかし「暑さ寒さも彼岸迄」と言いますから、暑いと言っても9月20日位迄でしょう、日本に熱波が襲って来ない限りは。

  <9月24日追加記事>
 秋に成りヨーロッパの熱波もどうやら収束した模様です。自分で言うのも何ですが、私の予想は殆ど当たりました。今年は結局「冷夏」で、特に東北地方などで米その他の作物に被害が出ました。又9月に入ってからの猛暑も9月18日で終了しました(これも予想通りです)。モタモタして居た阪神タイガースも9月15日にリーグ優勝を決めました(これは予想より遅かったです)。これでウォッチングを終了しましょう。
    {このの章は03年9月24日に最終更新しました。}

 ■結び − 天変地異と疫病の年
 今年は春先にSARSという新型の感染症が中国を震源地として世界中に流行り、毎年行っている中国の旅を中止しました。そうしたら夏に成って中国雲南省で大地震が起き、直後にヨーロッパの熱波で死者多数という情報が届き、挙句は日本の梅雨の長期化で冷夏に成って仕舞いました。
 今に成って思い当たるのは、今年は暖冬大阪城の梅が2月13日が満開だった事です。その事は期せずして「2003年・大阪城の梅便り」に紹介した通りで、桜の満開は例年通り4月第1週でしたが、まさか夏に成ってヨーロッパで熱波に因る大量の死者が出るとは思いませんでした。しかし日本の冷夏は或る程度予想して居ましたね、と言うのは10年位前の冷夏で東北地方の凶作が伝えられた年も暖冬でした。私の経験では暖冬の年は冷夏に成り易いのです。やはり冬は冬らしく寒い方が夏らしいスカッとした夏が来ると思えます。今年の異常気象は典型的なエルニーニョ現象(※1)と思われます。
 今年はもう海外に行くのは止めて置こうと考えて居ます、SARSみたいな感染症は行き先では無く飛行機自体がヤバイ感じです、素性の知れない「赤の他人」と過密な密閉空間の中で長時間ずっと一緒に居る訳ですから。こういう年は余りウロチョロするな、ということかも知れません。
 そんな天変地異と疫病 −天変:異常気象、地異:大地震、疫病:SARS− の虚を衝いて阪神タイガースがリーグ優勝したので虎ファンの私には朗報です。巨人ファンの人は嘸(さぞ)かし「踏んだり蹴ったり」でしょうが、アッハッハ!
 「虚を衝いて」と言いましたが、「虎(とら)」と「虚(きょ)」は字が似て居ることに、たった今(=9月24日)気付きました。ですが、これについての考察は別のページに譲ることにします。

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    {このの章は03年9月24日に最終更新しました。}

ξ−− 完 −−ξ

【脚注】
※1:エルニーニョ現象(―げんしょう、ElNino effect)とは、(エルニーニョはスペイン語で「男の子」、特に「神の子(=幼な子イエス)」の意。元は南米ペルー沖の海面水温がクリスマス頃に高くなる現象に言った語)ペルー沖の太平洋東部赤道域の海水温が数年に一回1〜2度上昇し、半年から一年半程度続く現象。
 反対に、太平洋東部赤道域の海水温が平年より低く成る現象をラニーニャ現象(La Nina effect)(ラニーニャとはスペイン語で「女の子」の意)と言う。
 エルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、大気の流れを変え、世界各地に異常気象 −異常な高温や低温、多雨(=洪水)や少雨(=旱魃)、冷夏や暖冬など− を引き起こし、経済活動にも大きな影響を及ぼす。<出典:「現代用語の基礎知識(1999年版)」>

※2:熱波(ねっぱ、heat wave)は、夏に気温が著しく上昇し、持続する現象。暖波の程度が甚だしいもの。

※3:冷夏(れいか、cool summer)は、平均気温が平年より低い夏。目安として6〜8月の平均気温が平年より0.5℃以上低い時。<出典:「学研新世紀ビジュアル百科辞典」>

    (以上、出典は主に広辞苑です)

【参考文献】
△1:『暦と占いの科学』(永田久著、新潮選書)。

●関連リンク
参照ページ(Reference-Page):昆明の石林と雲南省の地図▼
地図−中国・昆明と雲南省(Map of Kunming and Yunnansheng, -China-)
参照ページ(Reference-Page):雲南省の麗江の地図▼
地図−中国・雲南省北部(Map of Northern part of Yunnan, -China-)
参照ページ(Reference-Page):ドイツの地図▼
地図−ドイツ(Map of Deutschland, -EU-)
参照ページ(Reference-Page):中国の少数民族▼
資料−中国の55の少数民族(Chinese 55 ETHNIC MINORITIES)
参照ページ(Reference-Page):地震について▼
資料−地震の用語集(Glossary of Earthquake)
参照ページ(Reference-Page):九星術について▼
資料−天文用語集(Glossary of Astronomy)
補完ページ(Complementary):期せずして今年の暖冬を紹介した記事▼
2003年・大阪城の梅便り
(Japanese apricot blossoms of Osaka castle, 2003)

補完ページ(Complementary):「虎(とら)」と「虚(きょ)」の考察▼
2003年・阪神、御堂筋パレード
(The victory parade of HANSHIN Tigers, 2003)

1996年の大地震の翌年に世界遺産登録された麗江▼
2001年・麗しの麗江(Beautiful Lijiang, China, 2001)
何でもテロの今の御時勢▼
理性と感性の数学的考察(Mathematics of Reason and Sense)
梅雨明けが遅いと蝉の鳴き始めも遅い▼
私の昆虫アルバム・日本編−セミ類(My INSECTS album in Japan, Cicadas)
感染症は飛行機自体がヤバイ▼
SARSはテロか?(Is the SARS terrorism ?)
中国の少数民族について▼
外部サイトへ一発リンク!(External links '1-PATSU !')


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