11/8/2019/FRI
山本大貴展 -近現次代少女譚-、日動画廊、東京都港区
仕事のあと、ひとり銀座へ。
山本先生にも会えて、しかも3年前に会ったことを覚えておられて感激。
「向夏の頃 Ⅱ」。浴衣の後ろ姿、素晴らしい。
手元に置いておきたいけれどまだ難しい。
今は個展で濃密なランデブーを楽しむ。
ポージング、前髪の一本、浴衣と帯の模様、手に抱えた花鉢、憂いをたたえて伏せた瞳。
人の気配以上のアウラを感じる。黄泉から帰還した親愛なる人のよう。
30分以上、見ていただろうか。
絵を見ているのか、描かれた女性を見ているのか、あるいは、その姿がかもしだす気配を見ているのか、だんだんわからなくなってくる。
通り過ぎると気配を感じ、そこでよく見てみると絵とわかる。絵に背を向けて振り向くとやはり気配を感じる。
さくいん:山本大貴
11/9/2019/SAT
台北旅行 Tips
次回のためにメモしておく。
- - 予約できる店は予約する
- - 週末の九份は大混雑と覚悟しておく
- - 現金のみの店が意外と多い、マッサージや街の食堂など
- - 4人で近場なら割安なタクシー、5人連れは乗せてくれないので2台乗車で割高
- - 故宮博物院は見たい宝物の展示室番号を調べておく
- - ホテルはMRT〔トラム)の近くが便利
- - 松山空港を使うなら目当ての免税品は往路に日本で買っておく
写真は小籠包を作っているところと魯肉飯を作っているところ。
さくいん:台湾
11/10/2019/SUN
台湾の歴史について
今回の旅では史跡や歴史的な建築へは行けなかった。行かなかった、という方が正しい。
台北に行く前に台湾史の本をいくつか読んだ。大陸王朝の支配、大日本帝国による統治、国民党政府による支配。台湾の歴史は「支配される」歴史と言える。
読んだ本のなかでは大日本帝国の統治により台湾は近代化したとして植民地政策を正当化する書き方をしばしば見かけた。それを鵜呑みにするほど無知ではない。
今では、日本のブランドやコンビニが軒を並べる。それを親日的と見る方もあれば、経済的植民地と見る方もある。
台湾の歴史を語るのはとても難しい。そのためらいから史跡には行かず、旅行記にも歴史については何も書かなかった。
さくいん:台湾
11/11/2019/MON
教育格差について
台北旅行記から、旅の途中で考えたことを独立した文章に仕立て直した。
11/13/2019/WED
決意
4ヶ月ぶりの出張。
前に来た時は汗を拭きながらバスを待っていたのに今日は肌寒いくらい。
転職を思い立ったこと自体を、心に余裕ができて、快方に向かっている証拠ととらえたい。否定的にとる必要はない。
今の会社でも悪くない。私から申し出なければ65歳までもいられるだろう。
より快適でより適格でよりよい条件のよい場所を探す。
だから妥協はしない。"Best of Best"が見つかるまではここに留まる。
11/16/2019/SAT
海の公園、横浜市金沢区
天気がよかったので外へ出た。実家からほど近いのになかなか行かない海の公園へ行ってみた。
最近、京急と直結した金沢八景駅でシーサイドラインに乗る。まず一駅目で途中下車して、ネタの大きいことでメディアに登場することもある寿司屋でランチ。
海の公園は私が小学生だった40年前に埋め立て工事を始めた。それまでは生き物が苦手な私でも自分で砂浜を掘ってゴカイを取り出し、釣りをすることもあった。
人工的な埋め立て地でも自然な風景になるように工夫されていて、心地よい散歩道になっている。松のあいだから野島が見えた。
シーサイドライン、3駅分を歩いてまた乗車。終点の新杉田まで。
帰りは童心に帰って運転席へ。自動運転なので運転席にも座ることができる。
子どもが小さい頃には、海の公園で潮干狩りや磯遊びもした。磯の香りが忘れていた幼い笑顔を思い出させてくれた。
さくいん:横浜
11/22/2019/FRI
青春のリグレット
いつものライブハウスへ。
今夜初めてこの店で「青春のリグレット」を聴いた。この曲は麗美のバージョンを昔よく聴いた。作詞作曲は松任谷由実。アルバムの中の一曲でヒット曲ではない。
すこし驚きの選曲だったけど、ユーミンでもなく麗美でもない、紛れもなく岡部ともみの「青春のリグレット」だった。
岡部ともみは、いろいろな歌手に似せて歌うけれどモノマネではない。オリジナルを思い出させながら 、聴いていると、いつの間にか岡部ともみの歌声の虜になっている。
何度か試しているけれど、彼女の歌声の魅力はなかなか文章にできない。
最近、この店に来ると不思議な気持ちになる。
演奏しているのは70年代から80年代のヒット曲が多い。だから、その頃のことをよく思い出す。よく言う「あの頃が目の前によみがえる」という感じ。
それとは別に、25年通っているこの店に来ると、この店での思い出がよみがえる。
平日が多忙で辛かった20代後半には、土曜の夜に来るこの店だけが心の支えだった。私にとって「後悔」の残る時期でもある。
そういえばあの頃が「土曜日の男」と呼ばれていた。それくらい足繁く通っていた。
こんな風に二重の記憶を思い出すことを心理学では何か用語があるのだろうか。
今夜は不覚にも「埠頭を渡る風」と「チェリー」で落涙した。
ズルしても真面目でも生きていける気がしたよ
ようやくそんな気持ちになりかけているからか。
11/23/2019/SAT
スポーツジム
前に来てから1ヶ月以上経っている。しかもその間に台北へ旅行もしていたのでメニューをこなせるか心配だった。
案の定、筋トレはキツかった。
マシン・トレーニングを30分、ウォーキングを5Km/hで30分、初めてプールに入りウォーキング、30分。大した負荷を加えていないのにかなり疲れた。
うれしかったのは目標体重にまた一歩近づいたこと。
正月太りの前に一度は目標値まで減量しておきたい。
11/24/2019/SUN
馬子にも衣装
二十歳になる息子の記念写真を撮った。娘は撮っても息子は撮らないという人が多い。
我が家では平等に、また定期的な家族写真として撮ることにした。
息子の誕生日は冬至の日なので、正確には彼はまだ二十歳になっていない。
そこで彼には田中俊之『男子が十代のうちに考えておきたいこと』(岩波ジュニア新書、2019)を贈った。
読んだかどうかはわからないが、彼には以前、小谷敏『怠ける権利』を贈った。
俗説や流行に流されずに自分の生き方を見つけてほしい。
11/28/2019/THU
開園記念日
2002年11月28日、『庭』と名付けてブログをはじめた。場所は「あの頃」、頻繁に出張していた大阪のホテルの一室だった。
毎年、この日には何日も前から準備して記念に長い文章を書いていた。いつからか、そういうことはしなくなった。できなくなった。
長い文章を書く代わりに、今日は帰り道で思いついたことを気ままに書き残しておく。
初めの頃、『庭』は書くことより読むことで広がった。小林秀雄と森有正のおかげで私の精神生活は深く豊かになると同時に職業生活との矛盾は複雑になり混乱を極め、やがて自己崩壊した。
明けない夜はない、とか、止まない雨はない、という言葉を励ましと思っている人が多いかもしれない。 きっと、世の中には違う風に思う人もいる。
ずっと夜のままで朝が来ないで欲しい、このまま雨が降り続いて外に出られなければいい、そう思う人もいるのではないか。
実際、私は長いあいだそうだった。いつまでもベッドのなかでまどろんでいたかった。
2年間休養し、それから今日まで3年間、社会復帰を試みてきた。
そして迎えた今年の11月28日。ようやく泥沼から足を持ちあげようとしている。
今日もミスで大ピンチになったところを何とか切り抜けた。
今の会社はゆるい。ブラックもパワハラもない。その環境にかなり助けられている。
でも、もう外へ出てもいい頃。
11月28日は偶像を記念する日でもある。
ここにはそれ以上は書かない。もう忘れてもいいことだから。「記録された過去の偶像」がいつよみがえるのか、わからずに怯えていた頃もあった。この日になると息苦しくなったり、急に感傷的になったりすることもあった。
もうそういうことはない。ふだんは心の引き出しの奥に仕舞っておいて、思い出したい「時」にいつでも自由に思い出せる。
あなたと過ごした日々をこの胸に焼きつけよう
思いだなくても大丈夫なように
(奥華子「ガーネット」)
それでも、今夜は偶像にちなんだプレイリスト「初恋」を聴きながら帰ってきた。
写真は、オフィスビルのロビーに飾られた、気の早いクリスマスツリー。
11/29/2019/FRI
転職活動の前に
無職からの就職活動は辛い。気は急くし条件交渉では足元を見られる。
そういう転職活動をしたこともある。前回がそうだった。藁をも掴む思いで最初に内定をくれた今の会社に入った。
結果として悪い会社ではなかったけど「いずれ正社員にする」という約束を反故にされたのは悔しい。
今回は在職中だから焦りは小さい。
ネットで少し検索してみると、最初から正社員で障害者を採用するところもある。とくに外資系に多い。
その理由。世界的規模の企業でも日本では東京事務所だけという会社は少なくない。
そういう会社は障害者だけをまとめる特例子会社を作れない。だから東京で一人ずつ採用する。
ここに希望がある。
これまで20年のあいだに6社、主に米系ハイテク企業で営業職で働いてきた。
今の会社で初めて営業業務をした。これはいい経験になっている。
ゴルフもせず接待が苦手なので営業職ではあるレベルから上に行けなくなった。
外向きの営業の経験があり、調整力を売りにしている私はインサイドセールスが向いているかもしれない。
11/30/2019/SAT
THE VISITOR、松本亨、三笠書房、1975
ずっと探していた、とても懐かしい本を実家の本棚の奥に見つけた。