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リワーク(復職支援プログラム)便り

平成21年5月8日より、リワーク(復職支援プログラム)を行っております。

リワークを始めて間もない頃は右も左も分からない中、参加されている皆様と共に学び、成長させていただきながらリワークを運営してきたように思います。今もそのスタンスは変わりませんが、これまでの経過を振り返りスタッフの在り方として、皆様から教えていただくということが大切ではないかと感じております。リワークが実際に参加されている方にとって有益となるには、皆様の声を大切にしながらそれをもとに考え、リワークの改善を図ることが重要であると考えます。

リワークの在り方としては、開始してから一貫してその方のペースを尊重することを大切にしております。復職に向けて準備をするのに必要な期間というのは、人それぞれ異なります。それは生活リズムを少しずつ整えていく方、休職に至った要因を積極的に振り返る方等、皆さんがお持ちの課題も様々だからです。

生活リズムや体力、集中力といった表面を整えるだけでは、戻ったあと同じ様なストレス場面に遭遇した際に再発の可能性が高いと予想されます。再発を防ぐには、自信やエネルギーの回復を図りながら、ご自分の考え方の特徴やコミュニケーションの傾向等、自己理解を深めることが重要です。しかしご自身についての振り返りをお一人で行うのは困難な作業ではないでしょうか。不安が増幅することで、動きがとまってしまうことはありませんでしょうか。

集団の力によって得られる安心感はリワークの基本です。気持ちの整理につながり、ご自身への気付きも深まりやすくなります。気付き(自己理解)が深まることでストレス場面等でこれまでとは異なる身の処し方が出来るのではないでしょうか。受け止め方や主張の仕方等を少し意識して変えてみることで、ストレスを上手にかわせるかもしれません。リワークでどれだけ学びを深められても決して万能ではありませんが、復職後の対策を豊富に持っているということは再発予防に向けて大切なことではないかと思われます。

大河内メンタルクリニックのリワークでは、自己理解のお手伝いを各プログラムや個別面談等で行っております。プログラムは当院院長による「院長ゼミ」や、臨床心理士や精神保健福祉士によるプログラムがあります。またより仕事を想定したグループワークとして、企画プレゼンやディベートといった単発企画のプログラムも行っています。

リワーク常駐スタッフである2名の精神保健福祉士の内のどちらかが担当をさせていただき、1週間に1回個人面談を行っています。面談ではプログラムの振り返りや復職に向けての対策等をご一緒に考えさせていただいております。

当院院長による定期診察も実施し、スタッフ間での連携も重視しています。必要に応じて会社の方との連携(電話相談や面談等)も行っています。

リワークの参加をご検討されている方の中には、あまり気が進まない方もいらっしゃるのではないかと思います。実際にそうした思いで始められる方も見受けられます。まずはやってみて何か感じられた事がありましたら率直にその気持ちを共有させていただきたいと思っております。

これからも皆様の復職に寄与できるようリワーク支援を実施して参りたいと思います。

精神保健福祉士  白井、池田

〜アフター会とは?〜

アフター会は、現在リワークに通われている方や、復職されたばかりの方、はたまた復職して2年後のお久しぶりの方、転職された方、さまざまな状況の方にお集まりいただけるお茶会です。

初めは、お越しいただいた方全員に、自己紹介とリワーク後の経過をお話しいただきます。順調な経過の方、大変な状況と向き合われている方、たくさんの方のお話しをお聞きすることができます。1時間程度の自己紹介(約20人いらっしゃるので!)を終えた後、クリニックの近況報告もさせていただきながら、あとはささやかな立食お菓子タイムでございます。

こちらでたっぷりの洋&和菓子やお飲物をご用意していますので、食べ放題しゃべり放題聞き放題で、リラックスしたひとときをお過ごしいただいています。皆様とお会いできることやスイーツが、来週からのエネルギー補給となることを信じて開催しています。

2016年12月17日のアフター会

年末に向けて慌ただしくなってきた中、今回もアフター会は20名以上の方にお集まりいただきました。ありがとうございました。

今回も、いろいろなご状況の方がお越しくださいました。最近リワークを終了し復職したばかりの方からは、「会社に徐々になれることができてきている」「気がついたら指導や残業をしている自分がいて、周りの方に帰るよう勧められた」等のお話を伺うことができました。また、復職されて1年前後の方からは、「とても忙しい会社で今後のことを考えると転職したほうがいいのかと気持ちが揺れることがある」「毎日緊張が続く中こなしているけれど、周りからは問題なくできていると評価されるので、面談で正直に気持ちを伝えた」等のお話しがでました。

また、アフター会には、時々とても久しぶりにお越しくださる方もいらっしゃり、毎回とても嬉しく感じます。「業務の内容が変わりこれまでの憂鬱さが抜けた」という方や、「変わらずぼちぼち行っています」という方、少し休息を取られている方等様々です。

皆さんのお話しの中には、心がけていらっしゃること、自分に合った考えというものがいくつもありました。「心がけているのは、周りがどのように今の自分を評価しているかということは気にしないよう、言い聞かせることです。自分のペースでやっていくことを大事にしようと決めています」「昨日の自分と、今日の自分と、明日の自分へ引きずるのではなく、引き継ぎをしてバトンタッチをしている」「今の1時間、30分、5分に何ができるかに集中して、明日の仕事は…と先々の不安に引っ張られないようにすることは、自分にとってとてもあっている」等です。

皆さんが大変な日々の中で、お仕事と健康のバランスをどのように取ろうとされているのか伺うことができ、大変有意義なお時間になりました。

当日予約も可能ですので、お久しぶりの方もお気軽にお問合せ下さい〜。それでは、みなさんお待ちしていますね。(池田・森島)

リワークを終了された方のアンケートから・・・

Aさん:

「〔集団認知行動療法〕は、反証や適応思考が難しく、なかなか浮かばないことがありました。“気分”を言葉にすることがなかったので、改めて“考え〜気分”を言葉にする難しさを知りました。〔心理教育〕は、復職時期の見直しや、焦りが消え、リワークで何をしたらよいか考えられるようになったプログラムでした。それぞれグループもしくはペアで課題に取り組めて、自分にはない考えなどを共有でき、リワークでしか体験できないことが数多くあったと思います。」

Bさん:

「〔POL・POC〕は“自分が何を感じたのか”“どう思っているのか”ということを捉えるのが、どちらかというと苦手だったのですが、このプログラムを通して、自分を表現する楽しみだったり、感じることの喜びを学ぶことができました。また、体調によってはうまく感じることができない時もありましたが、それも1つの学びで、気分の変化で頭を使って考えてしまう時があったり、スッと心に響いたりする時があることを知りました。あと、気分が落ちているときは、やはりグループプログラムの負荷は高く感じ、行きたくないなと思う時も何回かありました。ただ、そういった時の気持ちを含めて、気づきとなっているとも思います」

Cさん:

「リワークのメリットとして生活リズムの改善があると思う。これは、朝起きられるだけでなく、毎日記録をつけ、起きれなかった月、しんどかった日を具体的にその日ごとに面談等で振り返り、相談できることが大きいと思う。カウンセリングや診療は、その頻度から全体的な話になりがちで、そういう状況だと1日1日をぼんやりと(悪く言うと怠けて)過ごすことを減らしていきにくい。1日1日を大切に過ごすという意識がリワークへ参加することで強くなり、そのように過ごしていけるという実感と事実が、自信の回復につながり、より気持ちが前向きになるというプラスの循環が働いたと思う」


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