HALF AND HALF JOURNAL
無 意味 な 破 片 無意味な破片
Fragments
|
★ボサノバの名曲〈ディサフィナード〉が涼しい風を送ってくれる [A] ☆ ☆ ☆
Updated 2012.8.28 特派員―舳先に付いてる2枚羽根のようなのは、何なのかな?〔1〕 半分半分放送局長―飛行機の尾翼のような安定装置かな?しかし、謎めいてるね。 ナモネ氏―帆のマークは? アロマ―マークは安東一族の家紋に似てる。ヒノキの扇の真ん中で2枚の斑入りの鷲の羽がX字型に交差する。これは平安末期に後鳥羽天皇が与えた〔1〕。 放送局長―津軽の荘園の収穫物を運んでいたな。岩木川の下流域だ。 アロマ―本来のマークはボタンの花を食べているライオン。 大館橋 ナモネ氏―昔の人はボタンの花にはイノシシの肉の意味もあると知っていたもんだ。 編集長―すると、ライオンの口から白熱光線を放つ銅が流れ出る瞬間のデザインだ。 ナモネ氏―やはりそういうことだな。 放送局長―爪切りのフェザー印は2枚の鳥の羽毛だけど、あれは青銅のナイフのアナロジーだろう?〔2〕 編集長―そう、起源は銅製錬だね。分かりやすい例をあげると、南シベリアで発掘された青銅のナイフ。鳥の頭のデザインが柄(つか)についてるのがある〔3〕。羽と刃は同じなんだ。 ナモネ氏―よく考えたもんだ。ところで、船の材料は秋田のスギや津軽のヒバか? 放送局長―その他にヒノキ、クスノキ。地元にある木材を使用するのが合理的だな。南の地方に多いクスノキは古墳時代の舟の材料で、あの枯野という船にも使われたということだ〔4〕。櫂の材料は残念ながら分からない。 ナモネ氏―天然の三大美林のうちの二つが津軽と秋田にある、というのは忘れてはいけないな。 特派員―家と橋と船と、みんな同じ木材でつくるわけですね。 編集長―12本のオールというのは、何か理由がないのか? 放送局長―言うまでもない。大館橋の街灯の数と同じで、そして、シンメトリー(左右対称)だ。 特派員―やはり明らかに大館橋は船のイメージですね〔5〕。 編集長―実際に鉱山と関係が深い船だね。 ☆ アロマ―安倍水軍については資料がないの。興味深いのは九州の松浦党という政治団体のような名前の水軍ね。安倍宗任(むねとう)の子孫と言われてる。宗任は北東北の独立的な豪族安倍頼時の子。宗任の妹の孫が、平泉に都を建設した藤原清衡よ。安倍宗任は1067年前九年の戦いで源頼義に負けて四国の伊予に配流されて最終的に北九州つまり筑前国の大宰府や筑前大島に住んだ〔6〕。海の民宗像(むなかた)一族の配下になって、中国の宋との貿易に従事した。有名な宗像大社はアマテラスの息から生まれた宗像三女神の神社で、古代から海の神、航海安全の守護神として崇められた〔7〕。神功皇后は遠征のとき祈願した。 ナモネ氏―貞任の弟が宗像に、ねえ。いずれにしても、安倍頼時の子貞任が戦死して、子どもの高星(たかあき)が津軽の藤崎で安東一族の水源になった。十三湊に進出したのが11世紀末だ。 放送局長―そうすると、安倍水軍と松浦党はファミリーだ。北と南でほぼ同じ時期に活躍したというわけだな。 編集長―ダブル・イメージだな。 簡単にミラー・イメージと言ってもいい。 アロマ―ええ、なぜかそういうことになる。偶然に北と南の海を支配したのかな? 編集長―安倍宗任は最初から造船の技術を買われたのかもしれないな。戦いの裏には船の問題があると考えれば? 放送局長―もちろんガレー船の航海術も。 編集長―胸の形と書くのを見れば、胸形はヨーロッパ風の船の構造のイメージだ。 放送局長―船の先には女神の像が付いてるよ。他にもおもしろいアナロジーがある。函館、十三湊、男鹿、博多は印象的な砂州が伸びてる。 アロマ―観光でかせげるスポットね。松浦党の水軍がどんな船を使ったか、と言うと、安倍宗任の墓がある筑前大島と安東一族の北海道上ノ国には天の川という川が流れている。天の川のミラー・イメージ。同じタイプの船を持っていたと思う。松浦党は平家に属していたけど、壇ノ浦の戦いで源氏に味方したそうよ。津軽の安東一族はずっと源氏の味方なの。 放送局長―よく分かった。平家と言えば、平清盛は中国の宋との貿易を発展させるために湊川の福原に都を移して新しい港も建設した。湊川と安東一族のリンクだ。 特派員―湊川から壇ノ浦まで20年。運命の湊川から平家の滅亡が始まったと言うこともできる。 ☆ ☆ ☆ A Desafinado; João
Gilberto & Stan Getz 1 秋田安東氏研究ノート:
渋谷鉄五郎 無明舎 安東船の絵---〈東日流(つがる)外三郡誌〉より 北方新社 3 世界の美術: 朝日新聞社 4 えれきてるHP 5 V字型の階段の記憶 21; 大館橋は特別な橋だよ 6 日本人名大事典 [出典; 扶桑略記、陸奥話記、百錬抄、古今著聞集] 7 wikipedia 長谷寺 雄略天皇 湊川と船の悲劇 |
★終わったあとの女の決意を歌う〈恋はせつなく〉 [A] ☆ ☆ ☆
Updated 2012.8.24 半分半分放送局長―ヘーゼルナッツ・チョコレートはいい味だな。知らなかったよ。 アロマ―カバヤのヘーゼルナッツ・チョコレートね。 アトリエ アロマ―ほとんどね。でも、あたしはマカダミアがきらい。見ると、かならずダミア(Damia)を想い出すのよ。 放送局長―ダミア? アロマ―シャンソン歌手。〈Sombre Dimanche 暗い日曜日〉が第2次世界大戦前世界的に流行した。 編集長―自殺に誘うような暗いメロディで、発売禁止や放送禁止にした国が多かった。現代のシレーヌ(サイレーン)だね。 特派員―オディッセウスの物語に登場する魔女ですね。歌を聞けば、船乗りたちが誘惑されて海に飛び込んで死んだ。 ☆ 放送局長―本当なのか?ナチスの時代だ。 編集長―それも一種の伝説で、ね。ダミアの歌が〈人生にさよなら〉させたと思うのは、変だ。20世紀のミステリーだな。姿の見えない歌声が街に流れた。レコードとプレイヤー、ラジオ放送の魔力がそういう伝説の背景にある。人は楽しみながらも背景にある新しい機械装置を恐れてるんだ。 特派員―日本でマカダミア・チョコレートが目立つのは、やはり陰湿な国だから、ですね。ぼくはギフトでもらっても、何とも思いませんよ。贈る人の自由意志でないと、まずいけど。 放送局長―メイカーが国際テロ組織直営なら、どうするんだ? ☆ アロマ―マカダミア・チョコレートには暗黒街の組織が魔の手を伸ばしてると言っていいんですか? 編集長―スーパー・マーケットで適当に見たのを想い浮かべて、こう思ったことがある…〈プチ〉という形容詞がつく製品は多いけれど、〈リトル〉はない。なぜか? アロマ―フランス語より英語が普通なのに、ね ? 編集長―そう、何か理由がある。考えてみたら、アメリカがパール・ハーバーの報復に空母〈ホーネット〉から日本本土をはじめて空襲したB-25爆撃隊はドゥリトル(James Harold Doolittle)中佐が指揮していた。 放送局長―〈ドゥリトル〉を忌々しいと思う人たちが〈リトル〉を消す運動をやってるわけだ。 アロマ―米放送局長は、〈リトル〉がつく店の名前や製品を想い出せますか? 放送局長―そうだ、なあ…1リットル? ☆ ☆ ☆ A Emportez mon amour ; Lucienne Delyle 身の回りの世界 連関、メッセージ 分節 |
★シャンソンの〈赤い月〉はしんみり聞かせる [A] ☆ ☆ ☆
Updated 2012.8.18 アロマ―13日、旧大館家具木工組合理事長林一幸夫人ケイさんにインタヴューしました。ケイさんは1956年の大火のときは独身で、長倉町の今の佐藤産婦人科医院の事務員でした。そして、長谷川食堂の常連の一人でした。 ☆ *アロマ―石田博英夫人から家が長倉町にあったと聞きましたが、知っていますか? 大館橋 *アロマ―ケイさんはそのころ扇田に住んでいたんでしょう? ケイ―そうそう、あたしは扇田から花輪線で東大館駅さ来て、そして、常盤木町を通って、佐藤病院に勤めていた。結局、事務のあたしは、住み込みしないか、と言われて、食費がただだから、住み込みでいたの。だから、喫茶店…によく行った。大町角の〈薔薇〉とか…〈風車〉は末広町の今眼鏡屋さんがある向かいにあった。 *アロマ―大火のときは? ケイ―あたしはそのとき友だちと十和田湖でキャンプしてたの。あたしのものはみんな焼けてしまった。帰ってきたら、焼けてたの。今みたいに携帯電話もなかったし、ね。だから、本当に若いときに自分が体験したことは… *アロマ―長倉町の崖側はきれいに焼けたんですか? ケイ―そうそうそう、きれいに。とにかく、もう… ☆ アロマ―一言説明を入れると、クラシック音楽の喫茶店の名前は想い出せませんでした。 半分半分放送局長―花輪線で通っていたと聞いて、ドラマを予期したけど、意外だったな。 アロマ―あまりにも不運だわ。何度聞いても、不思議な感じ。現実でないみたい。 編集長―そう、誰でも現実でないと思うだろうな。 放送局長―いろいろあるもんだな。ドラマというのは失礼な言い方だ。 ナモネ氏―知らないあいだに灰色と黒の世界になっていたんだから、言葉も何もない。しかし、社交的な強い女性だ。 アロマ―編集長は〈ママさん〉と言ってるけど ? 編集長―そう、ケイさんはショパン(Frédéric
François Chopin)の情熱的なファンで、シャンソンも好きだ。ぼくが高校生のとき越路吹雪のLPを貸してくれたことがあった。いい歌手だ、と思ったね。赤い透明なLPレコードが妙におもしろかった。 放送局長―赤い透明なLPレコード、ねえ。 アロマ―〈ハーフ・アンド・ハーフ〉の名付け親みたいな人ですね。青森市に行ったときパイプ・タバコの〈HALF AND HALF〉を買ってきてくれて。 編集長―ぼくが頼んだスウェーデンのタバコがなかった。改造中の半地下室に来た最初のバンドは、ケイさんの子どもがリーダーだった。1986年の夏だ。スタジオの名前はそれで決まったね。 ☆ ☆ ☆ 回想 2 林ケイさんの回想 回想 1 A
Luna rossa ; Lucienne Delyle |
☆ ☆ ☆ Updated 2012.8.5 ナモネ氏―博英が共産主義運動から離れた理由を知って、感傷的になったよ。多喜二虐殺のすさまじい影響を聞いたことはなかった。 半分半分放送局長―警察の狙いは、それだったということだな。 編集長―シナリオどおりだったはずだ。 ナモネ氏―敗戦後アメリカが農地解放と財閥解体をやったから、博英は保守政党に入ったと思う。理想を追いかける現実主義者だ。 編集長―中国で何を考えたか、でしょうね。 ☆ 大館橋から見た栄町と田町の坂と大町 編集長―〈売国奴〉アナウンサーの名前を知らないはずはない。 放送局長―録音を聞くと、〈一人二役、ジャーナリストとしての活動の他に、ああいう時代によくあるように裏の活動もあったんじゃないか〉と質問してる。 特派員―ええ、それでもシャンハイ支局時代の話は聞けませんでしたね。 編集長―自由がないのはなぜか、あとで暗に答えてるな。 ナモネ氏―小汀利得はTBSの〈時事放談〉で辛口の話をしたもんだが、録音では〈頭がぼけたと言われて番組をおろされた〉ということだ。この裏話には何か秘密がある。 放送局長―日経と朝日の世間話。相手の細川隆元が不満を言ったんじゃないのか? 編集長―ともあれ、それは興味をそそる事実だな。いいことを聞いてくれた。オバマ(Barack Obama)大統領もおもしろがるだろう。 ☆ 特派員―とぼけて、大館橋に関する回想に移りましょう。 ナモネ氏―佐々木さんが馬車で迎えに行ったというのは、映画だ。カイゼル髭の名脇役だった。 アロマ―まるで王国の社交界のムードね。 編集長―大館橋を通ったんだから、別に話をそらしたわけじゃないな。 アロマ―夫人は、うっとり夢見心地で想い出していた。 編集長―博英は反対だよ。12本の街灯と匂欄の格子がないのをどう思ったか? 放送局長―大館橋建設をめぐるドラマを知ってたから、な。政治経済学部で。 ナモネ氏―ローズガーデンが何かささやいていないか? ☆ 特派員―聞こえないふりをして、次に行きましょう。大火の想い出は一番先に話しましたね。平静でない口調でした。 ナモネ氏―ああ、よく勇気を出してくれたもんだ。よく忘れないでいてくれたもんだ。これで歴史が変わる。 編集長―ぼくもそう思いますね。衆議院議員石田博英と家族が長倉町に住んでいたとは知らなかった。そして、消えたはずの炎が襲いかかり住居が焼けたというのはショッキングだ。 放送局長―誰もその話をしなかったのか?記録もないのか?信じがたいな。 編集長―それは別にして、ぼくが十字路の映画館と前にかかる電線が焼けてるのを目撃して稲荷神社に逃げたときはまだ暗かった。夜明け前だ。そこで火がストップしたのはあとで分かった。しかし、火がふたたび燃え上がって十字路の東の通りに向かったのは〈6時ごろ〉… ナモネ氏―運命だ。 編集長―極端なニヒリズムを見ないわけにはいかない。 放送局長―博英と家族は安心して避難先からもどったのか? アロマ―それは聞いてない。 ☆ 放送局長―高松宮が大館にひそかに来て博英に会っていたというのは、やはり歴史を変えるね。 特派員―〈ううん〉というのは、解説しなければなりません。長谷川テルに関する回想のときは、ただ悩ましそうな意味のない声を出した。高松宮のときは、若い人が言うような否定的なニュアンスが感じられる。 編集長―つまり、高松宮と小汀と博英は戦前から関係があったということだな。それで〈V字型の階段の記憶〉の空白を埋めることができる。 放送局長―高松宮のシャンハイ行き計画がつぶれたのは第2次上海事変が起きた1937年だから、それ以後のことだろうな。 アロマ―高松宮邸だった光輪閣の解体が1972年、小汀の死が1972年。 ☆ 編集長―博英は10月の日ソ平和条約の交渉で何か役割を持ってたのかな? ナモネ氏―それは覚えてない。博英が全国的なスターになったのは12月の自民党の総裁選挙のときだ。鳩山一郎内閣が日ソ共同宣言のあと総辞職したから、岸信介と石橋湛山と石井光次郎が椅子を争った。石田博英は尊敬する石橋の参謀だった。最初の投票で勝ったのはA級戦犯容疑者岸信介だが、過半数を取れなかった。博英はそこで臨機応変に2位3位連合を組み立て、決選投票で7票差の逆転のサヨナラ・ホームランだ。博英は恰好よく官房長官に就任した。ひさしぶりに大館の街に笑顔があふれたもんだ。 編集長―あのころの大館にはなぜか一見してそれと分かる気ちがいがいた。大館橋の下に住む人たちもいた。敗戦後の映画にもないひどさだったな。 ☆ ☆ ☆ 回想 1 石田博英夫人の回想をめぐる会話 A Blue star; Benny Carter & His Orchestra 多喜二虐殺 ▼ List 4 メディア・ストーリー; 多喜二の死と築地警察署と築地市場 博英と長谷川テル 高松宮邸だった光輪閣 |
★暑い庭で聞いた涼しいジャズ〈ライトハウス・ブルース〉 [A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.7.31 編集長―玄葉外務大臣が平和条約の話し合いでロシアに行って秋田犬の子犬を贈るというのは、政治色が強すぎるね〔1〕。親善のためには民間の誰かが行ってプーチン(Vladimir Poutine)大統領に手渡すのが理想的だ。 特派員―理想的でしょうね。しかし、それでも秋田県知事のプレゼントに政治的な意味がないと考えるのはむずかしい。 アロマ―秋田犬の子犬のプレゼントって、楽しいアイディアよ。 石田ローズガーデン 編集長―しかし、ちょっと待ってくださいよ。それは歴史的な背景で複雑な絵になってしまうから、な。 アロマ―でも、大館生まれの子犬なのよ。 ナモネ氏―そうだ、そうだ。 半分半分放送局長―岩手県は三陸の昆布、宮城県は松島湾のカキでも贈って大震災の支援に感謝すればいいんじゃないか?秋田県が代行するなんて、理解できないね。 編集長―放射能汚染が心配だよ。 特派員―遠慮したほうがいいと思いますね。何と言っても、現実は北方領土あるいはクリル諸島がテーマ。この不滅の設定が変わらないかぎり、行為は目的と動機の他にさまざまなメッセージを発散する。これは事実ですよ。特派員はそんな危ない現場に行きたくありませんね。 放送局長―子犬の名前〈ゆめ〉というのは、どんな理由か、想像したよ。 アロマ―ロシア大統領が付けた名前だから、どんな夢なのかな、と思った〔2〕。 ナモネ氏―普通に考えれば、夢を育てるという意味があるな。悩ましい問題でない。 特派員―しかし、7月3日メドベージェフ(Dmitri
Medvedev)首相はクナシリを訪れて〈日本の反応はどうでもいい〉と言った〔3〕。夢と消えた島々ですよ。 アロマ―ロシア語で言うと、夢はミーシュタ(mechta мечта)。大統領は返礼としてシベリア猫を贈るそうです〔2〕。 ☆ ナモネ氏―あれはロシアが民主化する数年前でなかったか、子犬がフランスに買われて行ったのは? アロマ―ええ、2匹の子犬がリモージュに行った。秋田犬会館のビジネスよ。フランス語の手紙を読める人がいないので、ノイズの連続だったけど、最後に編集長が翻訳を引き受けた。 編集長―単語も読めないような個性的な文字なんだ。 アロマ―単語が分かれば、どうにか翻訳できる人はいたのよ、ね。 特派員―あの解読は不思議ですよ。 編集長―絵描きには簡単だ。しかし、手書きのフランス語文を見たのは、あのときが最初だった。読める人がいないのは何かコンプレックスが邪魔してるんじゃないか、そうあとで考えたね。 アロマ―コンプレックスと言えば、絶対にフランス語ファンに対する言葉にならない嫌がらせがある。それに染まると、自然な意識でなくなるのかもしれないね。 放送局長―英語も例外じゃない。学生時代から感じたよ。 編集長―そう、つまり、政治的な枠組みが見えた。信じがたい管理統制主義だ。 特派員―鎖国主義と呼びたい。この復活はひどい。ロシア語にはさわるのもこわいな。 ナモネ氏―外国語を選ぶのは自由でありたいもんだな。 特派員―ええ、そうでないと、国際的な関係がうまく行きませんよ。シェイクスピアの作品に通訳のコメディがあるけど、実際は悲劇でしかない。 放送局長―そう、個人の力を高めれば、それだけメディエイター (媒介者)のやりたい放題はへるよ。 アロマ―〈ロシアの声〉の記事は〈玄葉外相 「ユメ」を道連れにロシア訪問〉というタイトルだった〔4〕。この道連れはコンテクストから変だと思ったけど、どうですか? ナモネ氏―〈旅は道連れ、世は情け〉という格言があるが、いい意味でないな。危険な感じがする偶然のアベック旅行だ。〈地獄に道連れ〉というのは適確な言い方だと思う。 放送局長―普通は使わない。日本人スタッフのブラック・ユーモアだろうな。 アロマ―あれには古い表現が多いのよ、ね。誤解がないようにフランス語で書いてほしいわ。 特派員―でも、日本人向けだから。 編集長―日本人は話し方のABCを学ぶべきだな。無力な弱い人たちをだまさないということだ。 ナモネ氏―私も賛成だ。言葉はどうにでもなると思うのは、駄目だ。それは悪魔の情けみたいなもんだ。 放送局長―ABCのない話だらけで、参るよ。 ☆ ☆ ☆ A Lighthouse blues;
Gerald Wilson Orchestra 1さきがけ新報2012/07/27
00:12 NHK 07月26日 12時59分 2 NHK 7月29日 8時26分 3 TBS 05日17:47 4 voice of Russia リュドミラ サーキャン
27.07.2012, 16:21 アベック、ABC |
★〈降っても晴れても〉の熱い演奏には終わりがない [A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.7.24 特派員―石田ローズガーデンのバラ祭が終わったあとの7月3日、想い出して庭にちょっと立ち寄.ると、よし夫人がいました。ずっと大館で暮らしてるとは知りませんでしたね。きのう19日ロシア風の黒パンをプレゼントに持って行ったら、古い話を聞かせてくれました。 大館橋 特派員―自然にインタヴューのかたちになった。録音は大火の話の途中から。 半分半分放送局長―あっちに行ったり、そっちに行ったり。そうだな、要点を拾って日付順に並べてくれないか? ☆ *石田博英の大学時代に関する回想 よし夫人―博英とは労働運動で知り合った。博英は大隈講堂の塔にのぼり、赤旗を振ったこともあったわ。早稲田大学の5年のとき結婚した。博英は地主の子どもだったけど、政治活動の目標は農地解放と財閥解体だった。戦後GHQがやってくれた。 特派員―農地解放と財閥解体を叫べば、警察に引っぱられたでしょう? よし夫人―ええ、博英は何度も留置場に放り込まれた。虐殺された多喜二のようになるのを恐れて、転向した。 プロレタリア作家小林多喜二は大館市の下川沿駅近くで生まれた。夫人は多喜二のファン。96才。 *長谷川テルに関する回想 よし夫人―ううん。 名前を知っているが、シャンハイ支局時代については無言。博英には表と裏の活動があったのではないか、という疑問に対して、こう言った。 よし夫人―あんたは自由でいい。 特派員―小汀利得(おばまりとく)が上司だったということですが? よし夫人―中外商業新聞には小汀利得に見込まれて入社したのよ。 小汀は中外商業新報(戦後日本経済新聞)の編集局長だった〔1〕。 *大館橋に関する回想 よし夫人―戦後2年目に博英が選挙に立ったとき、はじめて大館に来たの。佐々木さんが大館駅に馬車で迎えに来て、長倉町まで行った。馬車って、いいものですわ。大館はいい町だと思った。戦前のほうがいい町だった。正札デパートの塔など。雪が深くて、どうやって暮らそうか、と思ったわ。 大館橋については一言もない。佐々木さんは大館駅前の映画館〈オナリ座〉経営者。戦後2年目の選挙とは1946年4月に行なわれたマッカーサー憲法を問う戦後初の総選挙のこと。大館に関して戦前とは大火前の意味らしい。 *東大館駅前から火が出た大館大火に関する回想 よし夫人―夜12時ごろから朝7時まで燃えた。6時ごろ火が消えたと思って家の中のものを整理していると、長倉町が燃えだして、家が焼けてしまった。 特派員―大館に住んでいたとは知りませんでした。家はどこに?佐藤市長の家の近く? よし夫人―向かい。 特派員―二人の娘さんも家にいたんですか? よし夫人―そう。 特派員―佐藤敬治市長の計画どおり長根山貯水池から防火用水を引いていたら、あれほど大きい大火にはならなかったと思いますが? よし夫人―いやあ、水がなくて。消防車がみんな焼けて、逃げたもの。 公式には朝6時半ごろ鎮火した。大火のあと、三の丸の現在地に住居を移した。 *高松宮に関する回想 皇族に関する法律の規定のあいまいさを批判して、高松宮日記を引用すると、よし夫人はさりげなく宮様と喜久子妃の自由勝手な関係について触れた。 特派員―高松宮と知り合い?いつごろ知り合ったんですか? よし夫人―ううん、戦後。大館にも何度も来た。 特派員―喜久子妃も一緒? よし夫人―ううん、一人で。 ☆ アロマ―公式には高松宮宣仁は1949年二ツ井町の天神貯木場と天神荘を訪れている。 編集長―黒パンが予期しないストーリーを引き出したな。 特派員―日ソ共同宣言が発表されたのは大館大火があった1956年の10月19日。 ナモネ氏―それは大館市史の年表にものってる。 放送局長―あの大火の記事にはミスがあるよ。市長と衆議院議員の住居が焼けた事実を書き落とすべきではなかった。 ナモネ氏―焼けた映画館とデパートも書くべきだった。 ☆ ☆ ☆ ★ 大館大火の疑惑 回想 1 A Come rain or come
shine; Wes Montgomery Qintet 1 wikipedia 博英と長谷川テル 小林多喜二 |
★〈ハイ・スピリッツ〉は頭と腹にひびく [A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.7.16 アロマ―野田佳彦総理がいわき市を訪れて、フラダンスを見たり、地元で取れたかつおを生で試食した。放射能汚染がないという安全のアピール〔1〕。 編集長―サシミ反対論に対する嫌がらせだな。自分ひとりが食べたからといって、安全の証明にはならない。 特派員―そうですよ。良心がない。 アロマ―魚をすべて検査して安全宣言を出すべきだわ。 大館橋の下 アロマ―自分の生命に対する愛着がない政治家だとしたら?そんなアピールはナンセンスよ。 特派員―滅私奉公。そんな度胸は数知れない読経をひびかせるね。 アロマ―石原慎太郎都知事も先頭に立って手本を見せる人だわよ。 編集長―そうだな。しかし、原因が分かりくいから、そういうのは困るな。 アロマ―若い人はおもしろくない。牛の生レバーが食中毒を引き起こして飲食店などで提供禁止になったけど、サシミも規制してほしいな〔2〕。 ☆ 特派員―ロシアは最近スシを食べないようにしようといろんなアングルから問題にしてる。 半分半分放送局長―細菌、ね。 特派員―ロシア人の遺伝子は魚を生で食べたことがない、とか、モスクワのスシ・バー55軒がすべて衛生基準に違反した、とか、最近非常にうるさいですよ〔3〕。 放送局長―しょうゆがなければ、生の魚を食べるなんて不可能だよ。スシも駄目だ。味なんて全然ない。歴史的に言うと、人類は火を使うことを覚えてから魚や動物の肉を調理して食べるようになった。それまでは生肉は病原菌の危険があるので、むしろ忌み嫌われたと思うね。 ナモネ氏―しょうゆの発明は江戸時代だというから、やはり鎖国と関係があるな。 特派員―徳川幕府の発案かもしれませんよ。サシミは身を刺すという漢字を当てて、嫌味そのものですよ。 ナモネ氏―それに、あの刀みたいな包丁にもぞっとさせられる。 放送局長―そう、参るね。どういう必然性があるというのか? 特派員―貧乏士族がはじめた商売じゃないか、な?板前さんの板前という言葉に対するプライドは異常ですよ。 放送局長―おもしろい想像だ。おれが心配するのは、サシミとそれをのせたスシが脅迫に使われるっていうことだ。殺人予告のサシミだ。 特派員―映画向きですね。ノイローゼを悪化させるために役立つ。普通はノイローゼ患者づくりだろうな。 ナモネ氏―しかし、問題はそればかりでない。スシを食べるように強要される人がいることだ。江戸文化に適応させて金をかせぐ組織があることだ。 特派員―一石二鳥の経済学ですね。 ☆ アロマ―〈ロシアの声〉は6月野田首相が犬好きのプーチン(V.Poutine)大統領に秋田犬の子犬のプレゼントをあげたストーリーを出したけど、大館を忘れた〔4〕。子犬は大館から送られるのよ〔5〕。 ナモネ氏―佐竹知事のアイディアだそうだな〔5〕。 アロマ―三つの目的がある。〈大震災被災地への支援に対する感謝〉〈北方領土問題の進展に向けた両国の信頼関係〉を築くこと、〈ロシアでの本県の知名度を高め、対岸交流の拡大につなげたい〉という調子のいい期待〔5〕。 ナモネ氏―罪滅ぼしの意味もある。 アロマ―しかし、ひそかな目的は〈ロシアの声〉が大館について黙ってること。失望したわ。 放送局長―編集責任者は女だな? アロマ―ダー。ロシア語でオンナというのは彼女なのよ。 ナモネ氏―曲田聖堂が虫に食われている現状を記事にしてくれるといいが、な。 放送局長―んだー。 アロマ―そうすれば、聖霊のほほえみが見えるわ。 ☆ ☆ ☆ A High spirits; Si Zentner & His
Orchestra 1 テレビ朝日 07/07
11:20 2 NHK 7月1日 6時59分 3 voice of Russia 16.03.2012, 20:03 8.06.2012, 18:09 4 voice of Russia 22.06.2012, 17:34 5 さきがけ新報2012/06/20
09:21 鎖国 佐竹知事のアイディア 曲田聖堂の現状 現象を考えると |
★〈ソフィスティケイテッド・スウィング〉はタイミングがいい [A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.7.12 ナモネ氏―十三湊明神というのは、何かな? アロマ―サーチで調べたけど、なかった。でも、明神(みょうじん)の意味は分かった。〈あきつみかみ〉と読んで、天皇のことなのよ〔1〕。 半地下室のテーブル 編集長―〈あきつ〉と言えば、トンボのことだな。トンボは銅の発見と鉱山の犠牲の象徴だ。北アメリカ・インディアンの地震の神様の仮面にくっついてるようにトンボは地震と深い関係にある。地震は地中から天然銅を現われさせたからだろうな〔2〕。 放送局長―そうすると、十三湖に流れる岩木川で天然銅が発見されたという記録みたいなものか? 編集長―たぶんそうだろう。津軽の十二湖と十三湖というネーミングの由来は銅製錬から解読できた。 ☆ 特派員―神明社の神明は明神と同じ漢字を使って似てるけど、どう違うの? アロマ―神明というのは天皇家の祖先太陽神アマテラスを指示する言葉で、神明社はアマテラスを主祭神とする神社〔1〕。神社はなぜそう発音するか、というと、ジンジャー(ginger)が起源だから、と思う。ショウガはタマネギと同じように古代から風邪薬だった。神社にはタマネギによく似たアクセサリーが付いていて、ネギという呼び名の神主がいるわね。 ナモネ氏―風邪を引いたときネギを焼いて首に巻くと、咳がぴったり止まる。 放送局長―ジンジャーというのは何語? アロマ―イングランド人の言葉。赤毛の人をそう呼ぶという説明もある〔1〕。 放送局長―カナダの清涼飲料水〈ジンジャー・エール〉を想い出したよ。ジンジャー・ロジャース(Ginger Rogers)はミュージカル映画の女優だ。 アロマ―西洋ネギを国の花としてるのが、イギリスのウェールズ。びっくりだわ。アーサー王(King Arthur)の伝説。プリンス・オブ・ウェールズ〔1〕。 特派員―マッカーサー(Douglas MacArthur)は日本に来て、憲法をつくった。おかしなジョーク。 編集長―なるほど、な。神社のそういう記号の集まりは起源から見ると、立派な連関がある。銅との関係が構造化したものだ。 ☆ 放送局長―なるほど、ジョーク・ネットワークは歴史を笑ってる。あの安東船は津軽の十三湊を本拠地にしたけど、男鹿半島の南に湊川という川があった。水が音楽を奏でる湊の川だ。 アロマ―あの地域に湊川はない。湊城はどこにあったか、と言えば、異説があるけど、雄物川の古い流れに面した寺内の秋田城跡〔3〕。菅江真澄の《水の面影》に書かれてるけど、湊城という名は出ない。でも、後城町、前城町という地名が残ってるから、不思議ね。 特派員―湊という文字が消えてしまって?…鎖国したあとだな。 放送局長―地図を見よう。その少し北の土崎に流れる新城川というのが湊川とも呼ばれていたそうだ〔3〕。これも湊を消されてただの新城に変わったな。安東実季(さねすえ)が支配した16世紀末には湊町が繁栄の中心だったということだ。 編集長―意外だな。新城川は洪水のニュースによく出る。氾濫を起こしやすい小さい川で、埋立てした飯島の工業地帯に消える。製錬所と火力発電所がある。 放送局長―そうか?津軽にも新城川があるよ。青森市の三内丸山遺跡の西を流れて陸奥湾に入る川。 アロマ―青森函館間のフェリー・ポートがあるところね。 放送局長―そう、フェリー・ポート。しかし、湊川と呼ばれた記録はないな。 編集長―秋田に湊川という川があったんだから、神戸の湊川との関係を考えなければならないな。 放送局長―二つの湊川だから、これはミラー・イメージだ。誰が名づけたのか?有栖川と関係が深い天皇、皇族、安東一族だ。 ナモネ氏―有栖川の日本語訳が湊川だったな。秋田の湊川が地図にないというのも、有栖川らしいな。 特派員―京都に二つあった有栖川は一つしか残りませんでしたから、ね。 ☆ ☆ ☆ ☆ アリスと有栖川宮 w A Sophisticated
swing; Les Elgart and His
Orchestra 1 wikipedia 3 秋田安東氏研究ノート:
渋谷鉄五郎 鎖国 神戸の湊川 二つあった有栖川 江戸時代の安東一族と秋田家 |
★〈バッド・ガール〉は火遊びのメロディ [A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.7.6 食堂の半地下の窓 アロマ―最初の発見者らというのは、誰なんですか? ナモネ氏―私は知らないが、火元の豆腐屋と旅館の人たち、その他、たとえば国際通りの夜遊び連中だろうな。 半分半分放送局長―推定時刻にすぎないということだな。 編集長―ぼくが疑問に思っていたのは、ただ11時55分と記されてることだな。5分後には8月18日が終わってしまうから、これは重要な事実だ。もし火が出たのが零時すぎだったとしたら、どういうことになるのか? ナモネ氏―テロだ。テロ。8.18… 放送局長―11と55という数字合わせにも執念を感じるよ。 編集長―それも計画どおりだろう。 ☆ 編集長―はせ川食堂の半地下、今アトリエのある倉庫も歴史の1ページだ。大火のあとコンクリートと十和田湖の軽石ブロックを使った。レール式の吊り下げドアは火が入らないように杉板の外側をトタン張りにした。そういう安全対策があの大火の本質を語ってる。 ナモネ氏―そのとおりだ。築館組が請け負ったが、立派な仕事をしたもんだ。まだ燃えてないのは田町と栄町だ、とよく冗談を言いあった。そのころの空気からすれば、はせ川食堂の防火設計は少しも極端でないよ。 特派員―大町アパートの映像を見ると、通路の外側に普通のブロックを使ってる。あれは市長のアイディアなんでしょうか? ナモネ氏―火災に強いブロックの流行は当然だ。和風かどうかはどうでもいいことだ。 放送局長―危機意識の実存的な表現だな。それで大町通りがコンクリート建築の街になったわけだけど、連帯感も非常に強いな。ヨーロッパの街の印象だ。 編集長―そう、外部の敵との関係、つまり状況との関係の仕方があんな表現になる。しかし、そこに反抗心を見る馬鹿な組織があるから、複雑だ。 放送局長―住民が小説を書けば、ハセのような作品になると思うね。 ナモネ氏―〈大館はええ振りしてる〉と陰口を言う人がときどきいるが、誤解だよ。 アロマ―大町に和風料理の店が増えて調和が崩れたけど、本当の理由が分かった。 特派員―表通りに裏通りの店が、ね。意味が分かりますね?ところで、中心街の西の外れにある東大館駅の名前だけど、答らしいのがありました。問題の真中橋から見ると、あの駅はほぼ東の方角にある。 ナモネ氏―なるほど。執念だな。 特派員―他になければ、これで終わりにしますけど? 放送局長―大火の回想が少なすぎる。何とか集めたいもんだな。 ナモネ氏―大館から出て行った市民もいるから、なあ。 ☆ ☆ ☆ A Bad girl; Leo Parker Sextet 8.18 問題の真中橋 消防署にも捜査権を ▼ 東京駅暗殺事件~14; 三種の神器の鏡が電気仕掛けになって登場 |
★名曲〈イージー・リヴィング〉のような気ままな暮らしがいい [A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.7.1 アロマ―安全保障の解釈が問題になってる。 編集長―そう、原子力規制委員会設置法の成立と同時に原子力基本法が一部改正されて、2条に安全保障を目的にするという文が明記されたな。 特派員―〈我が国の安全保障に資することを目的として行う〉とありますね〔1〕。平和利用の原則を破り、軍事利用を可能にする道を開くと受け取られる。 田町市営球場 ナモネ氏―朝日新聞は〈日本語でも英語でも国家の防衛という意味がある〉と説明してるが?〔2〕 特派員―あ、そうですか?東京新聞はただ〈セキュリティ〉と翻訳した〔3〕。国家の防衛というと、ナショナル・セキュリティ〔4〕。 編集長―日本語では国民と国家が別々だから、悲劇だよ。 アロマ―フランスでは、交通事故の後片付けが終わると、〈セキュリゼ 安全保障された〉と言う。安心して通れますよ、ということ。 放送局長―今は日本の原子力発電所と核開発疑惑が意識を占めてるから、安全保障というのは誤解を招きやすいよ。 編集長―そういうことだな。日米同盟の安全保障条約と同じ言葉を使うと、軍事的な色彩が現われる。二つの安全保障の意味を混ぜ合わせてごまかそうという思惑がある。 ☆ アロマ―日本の核武装論が騒がしいけど、どう思いますか? 編集長―原子爆弾の犠牲になった国がどんな方法でも核兵器に頼るのは論理的な狂いがある。地球から核兵器の類をなくすために模範になるべきだと思うね。 放送局長―日の丸の核ミサイルが日本国民の頭に落ちないか、それが一番心配だよ。 ナモネ氏―〈もんじゅ〉のように仏教に奉仕するおそれがあるから、日本は絶対に核兵器やその他の核施設を持つべきでない。あの名前で仏のおかしな意味が分かったような気がしたもんだ。 放送局長―仏教関係者が文句を言わないとは、な。 特派員―仏のおかしな意味というのは、死人のことですか? ナモネ氏―そうだ。 編集長―死のイメージが出るのは当然だな。日本で暗い意味を持つようになった理由は仮面についてのエセーが明らかにした。しかし、アメリカの歴史学者デュラント(William James Durant)によれば、釈迦の思想はベルグソン風の生の哲学に似ているということだ〔5〕。 放送局長―鉤十字と原子爆弾。嫌らしい関係だな。 特派員―日本原子力研究開発機構の高速増殖炉〈もんじゅ〉については、こういう報道があります。使用済み核燃料をすべて直接処分するなら、研究開発を中止する。原発を全部廃止するなら、廃炉とする〔6〕。 編集長―当然、廃炉にしなければいけない。 ☆ ☆ ☆ ■ 原子力に関する慌しい議論 -後 前 A Easy living; Joe Roland Quintet 1 NHK 6月21日
14時35分 2 朝日新聞 6月23日 3 東京新聞2012年6月22日 4 wikipedia 5 世界の歴史 The Story of Civilization 6 読売新聞 5月23日(水)12時43分 関連する最近の記事 ▼ あん・ぱさん; 再利用計画に赤信号/ 必然的なファシズム/ 旧敵国の義務 イスラム教に奉仕する例 死のイメージ |
★映画〈シャレード〉のテーマが熱いモダン・ジャズに [A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.6.28 田町市営球場 編集長―野田内閣と原子力委員会はこれ以上国民だましをやるべきじゃないな。 半分半分放送局長―書き換えは電気事業者らの要求なんだ。いつまでも汚い。 ナモネ氏―電気事業者らというのは電力会社だけか? 特派員―それは、ちょっと…毎日新聞に確認してください。 放送局長―原子炉のメイカーも入ってるかもしれない。 編集長―ともあれ、日本は使用済み核燃料の再利用は永久にやめるべきだ。再処理すると、ウラニウムとプルトニウムの核兵器開発までほんの一歩だからな。歴史の中に埋めてしまわなければならない。 アロマ―賛成。日本酒を飲んだりサシミを食べたりする人たちがあんなこわいことをやってるなんて、ぞっとする。 放送局長―そう、文化の劣化だとは思わない。 ナモネ氏―最後は原子力船〈むつ〉と同じ運命だ。陸奥湾の安全なホタテを食べられて幸せだよ。 放送局長―原子力発電所を廃止すれば、問題はなくなる。 アロマ―ウラニウムが買えなくなれば、全然問題はない。 ☆ 特派員―公共事業には必ずといって言いほど裏の目的がある。それを忘れてはいけませんよ。 編集長―パール・ハーバー、アウシュヴィッツ、ヒロシマ・ナガサキ、その次が公共事業だ。 特派員―21世紀の国際社会の常識になったけど、日本政府は何のことか分からないふりをしてる。二重人格は不信を強めるばかりだ。 ナモネ氏―その二重人格路線はどこまでもつづくのか、ねえ? 放送局長―誰に聞いてるのか、分かりにくいな。 特派員―米放送局長なら、自然に理解できるんじゃないかな? 放送局長―そういう芝居は戦争で終わるよ。第2次世界大戦の歴史を見ても分かることだ。 ☆ ☆ ☆ ■ 原子力に関する慌しい議論 -前 後 A Charade; The Frank Capp and Nat Pierce
Juggernaut 1 毎日新聞 2012年05月24日 02時30分 ▼ あん・ぱさん; 再利用計画に赤信号/ 必然的なファシズム/ 旧敵国の義務 |
★懐かしい〈スウェイ〉のジャズ風アレンジで気分さわやか [A] ☆ ☆ ☆
Updated 2012.6.22 アロマ―ディーゼル・エンジンの排気ガスが肺がんの原因だ、なんて。こわくて、街の中を歩けない。 JR大館駅前 産廃運搬車 ナモネ氏―ディーゼル・エンジンの車は走ってるよ。 アロマ―リヴァー・ユートピアがいつも心配するのは、県道大館十和田湖線の大気汚染状況よ。あそこは、大館駅から小坂町に行く産業廃棄物運搬車が走ってる。それから、ゴミ収集車が深沢の焼却施設に。 特派員―ゴミ収集車はディーゼル・エンジン? アロマ―常識、と言いたいけど、確かめてみたわけじゃない。でも、全国的に健康への悪影響を減らすための努力が行なわれてる。 ナモネ氏―自冶体の例があったら、聞いてみたいもんだな。 ☆ アロマ―下関市はゴミ収集などにハイブリッドディーゼル車を導入した。〈排気ガス中の窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)を低減する低公害効果だけでなく、地球温暖化の抑制という観点で温室効果ガスである2酸化炭素(CO2)の削減効果が〉あると説明してる。でも、ハイブリッドディーゼル車とは何か?これは広島県福山市のHPで分かった。ディーゼルエンジンと電動式モーターを組み合わせた車。 特派員―バイオディーゼル燃料というのもあるはずだけど? アロマ―ええ、流行してる。岡山県の笠岡市は使用済みてんぷら油を利用したバイオディーゼル燃料(BDF)によるごみ収集車の試験運行を2年前に始めた。京都市のHPにはバイオディーゼル燃料化事業計画がある。〈一般家庭及び食堂等の事業所から排出されるバイオマス資源である廃食用植物油を回収し,メチルエステル(バイオデイーゼル燃料)として再生し、本市のごみ収集車や市バスの燃料として利活用する〉と歌ってる。 ナモネ氏―バス? アロマ―バス。 半分半分放送局長―バス。 ☆ 特派員―バイオディーゼル燃料のメチルエステルは市町村の明るいニュースにときどき出る。ナタネ、ヒマワリ、大豆などの植物とメタノールを合成して製造する。しかし、これは農業の育成と温室効果ガスの2酸化炭素の排出量削減に役立つだけですね〔1〕。 放送局長―自冶体の財源も豊かになるよ。 アロマ―バイオディーゼル燃料は窒素酸化物(NOx)や浮遊粒子状物質(PM)を抑制するという情報はないの。 放送局長―そうか?あまり期待をかけても、駄目だな。浮遊粒子状物質が危険な存在なんだから。 アロマ―呼吸器疾患やがんの原因と思われる物質が含まれてるそうよ〔2〕。国連のCIRK(国際がん研究センター)はディーゼル燃料が肺がんの原因だと結論を出したけど、正確に言えば、浮遊粒子状物質のことだと思う〔3〕。 ナモネ氏―あれは、実際ひどいもんだ。ネガ・フィルムのような空気に入ったら、たちまち気分が悪くなるよ。大館駅から小坂へ行く県道大館十和田湖線と花岡へ行く道路だ。 放送局長―昔のように鉄道輸送を復活させるべきだな。その方が安上がりだろう。 アロマ―まるでガス実験室よ。 放送局長―なるほど、それで参考になるのは高松宮日記だな。戦時中に発明工夫展が妙に増えた。 特派員―すると、やはりあれでしょうね。 ナモネ氏―市長が黙って見てるはずだ。 ☆ ☆ ☆ A Sway; Michael Buble 2
wikipedia
3 Les gaz
d'échappement des moteurs diesel officiellement cancérogènes
le Mardi 12 Juin 2012 à 20:30 Radio France info 発明工夫展 |
★大館市民の心情にぴったりの名曲〈わが心のジョージア〉 [A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.6.18 特派員―他に不自然な点は? 常盤館跡 JR東大館駅に向かって 半分半分放送局長―大火に慣れていたというのは一面的な真実でしかないな。大館市史には、消防署の非常警戒態勢の他に、さらに市役所の警戒状況があった。佐藤敬二市長はその日職員に対して市の外に出ないよう命令したということだ。朝日グラフは何を調査したのか、と言いたくなるよ。 編集長―朝日グラフはそれから大館市当局が消防車購入の予算を削ったことを批判してる。3台しかないので、消防署は最低5台にしようとしたが、予算の都合で駄目だった。大館市の不思議なほど貧しい財政状況を考えていない。 ナモネ氏―あのころは社会党の市長だから、ますます国の補助を受けるのが困難だったもんだ。北鹿新聞の市政60周年記念記事に当時の職員の回想が出たので、読んでみたら、鉛筆や消しゴムは自分持ちだったという話だ。まあ、信じないのが自然だ。 ☆ 特派員―その市役所で変に思うのは、50年代の連続的な大火の記念事業が全然ないということですね。これについては、どうですか? ナモネ氏―佐藤市長の時代からそんな構想は一度もなかった。ただ9月1日の防災の日にサイレンを鳴らしただけだ。あれは文学的な響きがあったもんだ。 編集長―というと? ナモネ氏―ダンテ(Dante Alighieri)の《神曲》に出る地獄の街ディーテ、あの街にそびえる塔からサイレンの音が聞こえるように思えた。 アロマ―大火のすごさや恐怖、教訓などを後世に伝えることもやらなかったの? ナモネ氏―私は、そんな動きも聞いたことがないな。新聞とテレビも無関心。 編集長―大火があった日付は特別な一日ではなかったね。今日は大火の日だな、といった会話さえもない。 ナモネ氏―都市計画や公共事業に根本的なことが欠けるのは当たり前なのだ。 ☆ 放送局長―いつまでもそんな調子では、な。しかし、60年代のガイド・ブックには〈大火の町として有名〉とあった。あの夏祭りの大文字焼きは記念事業の一環じゃないのか? ナモネ氏―どうも言いにくいが、あれは無関係なようで無関係でない。1967年に右翼の石川芳男市長がはじめた観光イベントだが、な、裏がある。もちろん反対の声は強かった。あの人工の大火を見て嫌味を感じない人は精神がどうかしてる。 編集長―あれから花火も嫌いになったよ。 ナモネ氏―あれで大火の断片がよみがえった。市民生活に必要なのは、妄想の危険がない街だ。 特派員―すばらしい教訓ですね。市民の警戒心は火事だけに向けられていない。それに関して聞きたいのは、藤島さんがガラス瓶を持って逃げた、その無意識的な行動の背景ですね。 編集長―あれは印象的だ。なるほど、と思った。ガラス製品の製作は炉の前の作業だ。それが書きこまれた遺伝子があるんじゃないかな? ☆ ☆ ☆ A Georgia on My Mind; Jeff Lofton Quartet 1 大館市史 |
★名曲〈アディオス〉のスウィングが聞こえて、いい気分に[A] ☆ ☆ ☆
Updated 2012.6.9 ナモネ氏―アトリエの庭は6月が一番きれいだな。 アロマ―ええ、でも、モンパルナスの蕾が毛虫に食われて…もっと早く気がついてたら。 ナモネ氏―われらが特派員は、翻訳かな? アロマ―終わって、一息入れてる。 JR大館駅前広場 アロマ―ロイターによれば、これは〈国連安全保障理事会の決議があるという条件で、軍事介入の可能性を排除しない〉ということらしい〔2〕。 編集長―イラクかリビアのシナリオを想い描いてるようだな。十字軍か、ナポレオン軍か? ナモネ氏―市民108人という数字にはメッセージを読みとれる。つまり、除夜の鐘は百八の煩悩を追い払うために百八回頭に響く。 特派員―一方ロシアは、国連安全保障理事会に制裁の議論を任せるべきだが、あれにはあいかわらず効力がないと考えている。しかし、プーチン大統領の発言を引用すれば、〈内戦という最悪の状況に向かうことは避けなければならない。〉〈ロシアはシリアに貿易の利益も軍事的な利益もない。アサドの味方でも反対派の味方でもない。ただ暴力の終わりとすべての政党の話し合いを望んでいる。〉これと全然ちがうことを言うマス・メディアがある。 ☆ アロマ―こんにちは、米さん。 Regardez, l'Irak, la Libye, est-ce que c'est le
bonheur, est-ce que ces pays sont en sécurité aujourd'hui? Syrie : dialogue musclé entre Hollande et Poutine 編集長―ロシアは民主主義国の新入生だが、ソ連時代への反省もあって、アメリカやヨーロッパよりも民主主義の理念にこだわるね。武力解決を否定するのは好感が持てる。 特派員―フランスの大統領も軍事介入を嫌っていますよ。 アロマ―プーチン大統領はそのあとこんな批判をした。〈イラクとリビアをご覧なさい。あれが幸せですか?あの国、イラクとリビアに今安全保障がありますか?〉〔1〕 特派員―それに社会党の大統領がどう答えたか、記事にない。おかしいな。 ナモネ氏―ロシア人が内戦を恐れるのは、本音だよ。革命時代の経験から中国人と同じように外国の干渉には非常に敏感なのだ。それを理解しなければならない。 放送局長―拒否権を持つ常任理事国の意見が二つに割れるのは、そう悪いことだとは思わないね。戦略的なスタンスだとは言いきれないけど、非人道的な政府にしてみれば、希望がある。 特派員―放送局長らしい国際政治論ですね。 放送局長―しかし、4月停戦のカレンダーが完全に狂ってしまったな。 アロマ―国連安全保障理事会がフラの虐殺を非難したちょうど同じときに、ハマで少なくとも41人が政府軍に殺された。16才以下の子どもが7人。停戦調停役のアナン(Kofi
Annan)特使は首都ダマスでこう語った。〈忌まわしい行動だ。きわめて重大だ。〉〔3〕 特派員―去年の虐殺では、自分は命令していない、とアサド大統領は逃げてましたが、ね。 放送局長―ところで、フラというのはシリアの発音? アロマ―その辺がクイズですね。 ☆ ☆ ☆ A Adios; Billy May and His Orchestra 1
Syrie : dialogue musclé entre Hollande et Poutine Par
Alain Barluet Mis à jour le 02/06/2012 à 00:06 | publié le 02/06/2012 à
00:04 Le Figaro >>> 2ロイター 5月30日(水)16時17分 3
L'ONU condamne Damas pour la tuerie de Houla Par
le figaro.fr Mis à jour le
28/05/2012 à 13:12 publié le
28/05/2012 à 11:09 この会話のプロローグ ▼ 市民虐殺がつづくシリア; ロシアは鍵を持っているか?−A |
★ギターとベースの水平線ムード〈だから、何だ〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.5.30 アロマ―〈復興へ東北は一つ 盛岡で六魂祭開幕〉だって。 特派員―何、それ?聞いたことないな。 ナモネ氏―大震災の被災地の復興を願う東北地方のイベントだよ。六魂祭というのは六つの魂の祭と書く。 半分半分放送局長―六つの魂っていうのは陸奥の魂?それとも、東北6県の魂? 白神山地西海岸 白神川 特派員―ナモネ氏のだじゃれは歴史的だ。 アロマ―岩手日報を読むと、東北6県を代表する祭りが盛岡市に集まり、パレード。それだけだけど、目的は復興の支援。観光の利益が目当てね。なぜ魂というのか、訳が分からない。 特派員―理性と言っても、はじまらないから、な。 放送局長―始まりはないが、終わりはあるかもしれない。 ナモネ氏―歴史を想い出してもいいと思うが、六魂祭というのは宗教の匂いがして仕方がない、なあ。 アロマ―〈東北は一つ〉と聞くと、しらけるだけよ。 放送局長―今までそんなメッセージはなかった。東北地方は一つじゃない、という危機感の現われだな。古くさいファシズムだよ、な、君? 特派員―ええ、そういう余計な想像に流される。 ナモネ氏―一枚岩になれ、というのは無理だろう。 アロマ―とぼけた合言葉よ。 ☆ 編集長―地域の歴史に無関心なのは、人間愛がないと思うね。 放送局長―歴史と人間を切り離せないのか? 編集長―放送局長が過去を持たない存在だとしたら、それでもいいよ。 特派員―そんなのは非現実的なストーリーです。ぼくが放送局長と会ってるとき、米明の歴史を見たり聞いたりしてる。それが真実ですよ。 編集長―彼が持っている自分の歴史と彼が生きた環境世界の歴史だ。 ナモネ氏―米明は津軽(チガル)で育ったな? 放送局長―チガル(ちがう)。しかし、相手を理解するには歴史が必要だな。 編集長―相手を理解しようと思うのは人間愛の一歩だろう。 放送局長―津軽女を好きになれば、津軽の歴史を知りたくなる。誰でも分かる歴史学だ。 アロマ―それを思うと、歴史に無関心なのは失礼ね。その人の世界に無関心なんだから。 ナモネ氏―無関心は無責任の始発駅。 特派員―終着駅は? ナモネ氏―さて、どこだろうな? 放送局長―六でもない駅。ま、とにかく、東北に対する〈無意識〉というのを明らかにするためには歴史を暗闇から救い出さなければならないと思うね。そうすれば、後世の人たちの生活と人生を救うことにつながる。 ナモネ氏―歴史に消えた人たちが救われれば、な。 編集長―ぼくが思うに、それに関しては地方自冶体と地方メディアが創造的にリードして国が援助しなければいけないな。 放送局長―悩ましい援助だ。 ☆ ☆ ☆ A So what ; George Benson Ron Cater etc. 1 岩手日報2012/05/27
|
★ギターの自由奔放なプレイに唖然とする〈東のどこか〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.5.26 特派員―米放送局長が市立図書館で見つけた安東船の絵は、これですね〔1〕。 アロマ―日本海を走っていた船。〈十三湊明神絵より〉〈安倍水軍〉という説明がある。 ナモネ氏―立派なもんだ。櫂が並んでるのは、日本の船らしくないな。 白神山地西海岸 黒崎 ナモネ氏―大きさは? 放送局長―説明がないけど、オールの長さを5メートルとすれば、3倍の長さだな。 ナモネ氏―日本海でガレー船を使う理由はあるのか? 放送局長―地中海で活躍したのは、風が吹かなくても自由に走れるという強みがあるから。時速12キロ出せた〔4〕。波が穏やかな海に向いてると思うね。 アロマ―米代川に捨てた使い捨てライターはどこに流れていくでしょうか?答は、太平洋のミッドウェイ諸島。 編集長―つまり、使い捨てライターは日本海に出て対馬海流に乗り、北海道とロシアのあいだには流れて行かないで津軽海峡に入る。日本海と太平洋の落差があるので、津軽海峡の海流は川のように速いんだ。ガレー船なら、津軽海峡の流れを安全に横切ることができるにちがいないな。想い出だけになった青函連絡船も外洋を走れる大型の船だった。
放送局長―摩周丸が約8000トン。函館の港で博物館になってる船だよ。 アロマ―北海道には船で行きたいわ。 ☆ 特派員―ガレー船は漕ぎ手が必要だから、商船として使えば、高くつく。安東船は漕ぎ手が12人だけど、どうだったんですか? 放送局長―ガレー船というのは囚人を漕ぎ手に使うのが普通だった。しかし、14世紀、ルネッサンスのヴェネチアは黒海地方やオリエントとの地中海交易で香辛料など異国の産物を安定して運ぶためにガレー船を使った〔4〕。漕ぎ手は個人的な交易が許されたので、人気のある職業だったということだ〔2〕。 編集長―ルネッサンスには人間を大事にする古代ギリシアの思想が復活した。 放送局長―安東船について言えば、これは武装した商船だ。13世紀に北海道の鮭と昆布などの海産物を運んで交易したとある〔1〕。 アロマ―どこへ? 放送局長―瀬戸内海、京都、大阪、兵庫、大和、紀伊半島の南の熊野地方ということだ。鎌倉幕府がある関東地方は、どういうわけか、出ない。 編集長―海産物の交易だけじゃないな。金銀銅などの秘密の貴重な宝物が中心だったはずだ。 ☆ ナモネ氏―大陸との交易も当然あったな。元の記録によれば、アイヌはサハリンでオコジョの毛皮を売っていた〔2〕。 特派員―大陸との交易はアムール河流域とサハリンが舞台だったようですね。あの地方は国際的ですよ。 編集長―アイヌの船は交易に使える船だったのか? 放送局長―いい疑問だ。しかし、大陸とサハリンのあいだのタタール海峡は、冬になれば、氷の上を歩いて渡れる。船は必要がないのだ。 特派員―タタール海峡と言ったけど、タタール人というのはユーラシア中央と極東に散らばっていたいろいろな民族の呼び名ですよ〔2〕。 ナモネ氏―それはともかく、船を見れば、安東一族が大陸と交易していたのは明らかだ。大陸との交流は平和なときが多かったか?逆に争いの種になったと考えるべきだろう。モンゴル帝国が中国や沿海州を支配した13世紀には特にそうだった。 放送局長―モンゴルはサハリンのアイヌを攻撃した〔2〕。 編集長―その構図に入れたいと思うが、20世紀前半に小繋では子どもを叱るとき〈蒙古が来るぞ〉と母親が言ったそうだ。母の想い出話では、ね。 ナモネ氏―アイヌと一緒に安東一族も戦ったかもしれないな。そういうガレー船を持ってたら。 特派員―なるほど。でも、争いばかりではありませんよ。10世紀から13世紀に行なわれた南宋との貿易については教科書で学んだけど、日本は銅と硫黄、木材を輸出して、おもしろいことに中国の硬貨を輸入したという記事がある〔2〕。 編集長―そういう種類の輸出品だったのか?銅は粗銅のことだな。日本は製錬技術が未熟だったから、輸入した銅貨を鋳つぶして必要な製品をつくっていた。 放送局長―鉱業に関しては発展途上国か? 編集長―そう、それが中世の悲劇の背景だろう。 ナモネ氏―輸送したのは安東一族の船だと考えたいな。 ☆ ☆ ☆ ☆ アリスと有栖川宮 v A Somewhere in the
east; George Benson Ron Cater
etc. 1秋田安東氏研究ノート: 渋谷鉄五郎 無明舎 2 wikipedia 3 murayama world 別館HP 九州大学図書館所蔵 蒙古襲来絵詞より 4 ガレー船盛衰記 HP 安倍という名の起源など 湊と安東一族 銅製錬 小繋 |
★名曲〈アルハンブラの想い出〉は夏の米代川にぴったり[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.5.9 編集長―そこで、橋の名前が問題になる。地元では〈横岩の橋〉と呼んでいたそうだ。横岩は対岸の地域だ。明治維新の戦いを記念するなら、板沢村の名前を橋に付けると思うが、真中橋と名づけた。その理由は何か? 真中橋跡 ナモネ氏―まさか、なあ。それは知らなかった。しかし、あそこは大館盆地の西の玄関口だ。 ☆ 編集長―真ん中どころじゃない。まだ何か裏があるな、と思ったね。 アロマ―そうなの。インターネットで適当にサーチしたら、もうひとつ真中橋という橋があった。歌舞伎の題名で〈真中橋劇場店開 (まんなかばなしかぶきのみせだし)〉真中橋劇場の店開きと書く。上演は明治6年(1873)8月。沢村座。劇の内容については早稲田演劇博物館のHPにはない。この真中橋は、と見ると、東京の杉並区、神田川支流善福(ぜんぷく)寺川にかかるありふれた小さい橋のことらしい〔2〕。 特派員―大都市の狭苦しい川だね〔2〕。 半分半分放送局長―米代川の真中橋は、明治政府が直接そう名づけるように命令したと考えていいんじゃないか? 編集長―そう、東北での戦いが終わった記念するべき歴史があるから、な。 放送局長―善福寺川の真中橋には明治維新の秘話があったはずだ。それが真中橋劇場だ。 ナモネ氏―沢村座と聞けば、北秋田を支援した公家の沢為量(ためかず)だ。奥羽の賊軍を鎮圧する官軍の副総督。芝居小屋との関係は分からないが。 編集長―歌舞伎は時事的な出来事も芝居にするから、真中橋劇場には何かあると思うね。この芝居は歌舞伎関係者に探し出してもらうことにしよう。 アロマ―参考のために言うと、コンクリートの真中橋が完成した昭和13年の次の年、板沢大火が起きた。そう真中村郷土史の年表に記されている。大火ですよ。 ☆ ☆ ☆ □ V字型の階段の記憶 31 A Recuerdos de la
Alhambra ; Miles Davis and Gil Evance Orchestra 1 真中村郷土史 真中村郷土史調査研究会 発行 2 wikipedia 神田川ウォーキングガイド HP ▼ V字型の階段の記憶 22 ; 昭和の大館橋と真中橋のメッセージ 奥羽鎮撫副総督沢為量 |
★〈黒い瞳〉の最高のプレイは誰が何と言ってもケリーだ[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.5.1 アロマ―北朝鮮の弾道ミサイル打ち上げは13日午前7時40分ごろ発射後約1分で失敗した。日本政府の発表によれば、ミサイルは朝鮮半島西岸の黄海にばらばらになって落下した。発射の情報はアメリカの早期警戒衛星から送られたということである。これはTBSニュース〔1〕。 特派員―自治体などにJアラート警報システムで緊急情報を発信する予定なのに、それがなかった。藤村官房長官の話では、〈情報のダブルチェックに時間がかかった〉ので、問題はないそうですよ。 大館橋 アロマ―テレビ朝日によれば、政府は発射の情報をつかんでいながら午前8時すぎに発射の情報はないと発表した〔1〕。おかしいのよ。あの人たちの言う安全保障の意味が分からない。 特派員―今度の弾道ミサイル打ち上げは国連安保理決議1874に対する挑戦だよ。 放送局長―打ち上げ費用で食料危機をなくせるという指摘もあったな〔2〕。 編集長―フィガロにコメントを送ったよ。 アロマ―Le revers de Pyongyang.Mais Le premier ministre japonais a l'air
triste.Les Berbères sont bien heureux en le regardant à la télé. 〈ピョンヤンの敗北。しかし、日本の首相は悲しそうな様子である。ベルベル族は、それをTVで見てとてもしあわせだ。〉 編集長―ベルベル族というのは北アフリカの遊牧民族だよ。 特派員―ルベール(revers)という単語は、フィガロの記者が使ってる〔3〕。 編集長―普通は貨幣やページの裏面という意味だ。めずらしいので、調べてみたら、比喩的な意味がある。運命の逆転、不運、失敗、敗戦。 放送局長―しかし、失敗のドラマの連続で視聴率をかせいでる国だな。 アロマ―どこかの放送局みたいに、ね。 ☆ 編集長―北朝鮮政府に対するEUの呼びかけは大人の態度だ。〈人権問題と食料問題について集中する〉ことが人間的な生き方だ。国際社会を利用するのは、やめなければいけない。 半分半分放送局長―大人なんて言えば、反発を食らうよ。最近の脅迫ぶりは本当の戦争だ。 特派員―ホラー映画の製作は許されませんよ。 ナモネ氏―一番こわがるのはソウル、東京、沖縄の人たちだな。緊張の連続で精神が参らないか、心配だよ。 特派員―日本では発射情報の公表が遅れたことに批判が集中してるけど、藤村修官房長官は発射の〈数分後にアメリカ軍のSEW(早期警戒衛星情報)などから〉情報が入った時点で〈国民に安心感を与えるために〉アラートなどを使用して速報を出すべきだったと反省した〔4〕。 編集長―チームワークが全然なってない、ということだろう。 放送局長―連携が十分でなかったという言い訳は、聞きあきた。情報が入ったのは首相官邸か防衛省か? アロマ―自分で直接聞いてみれば?26日発表された日本政府の検証結果を信じて横流しすれば、防衛省から官邸への情報共有が不十分だったというのが真相らしい。 特派員―ところが、18日の〈ロシアの声〉はカーテンの陰でこんなことを言ってる〔5〕。〈ロシアのエフスタフィエフ大将は、もし〈考える時間が必要〉ならば、ミサイル防衛システムが有効だと述べることは難しいと指摘した。〉これは日本政府の思考の時間が原始時代のスピードであるので、どんなシステムも無駄であるという意味ですね。具体的には、こんな風に語ってる。〈ロケットの命は短かった。日本の自衛隊員はこれが原因で探知できなかったと主張している。だがアメリカはミサイル発射から短時間で探知しており、常にそれを自慢している。恐らく日本ではイージス・システムとレーダーの制御に失敗したのではないだろか。〉 放送局長―つまり、防衛省のエラーだな。 編集長―野田内閣がだまされたとしたら、もう一度調査しなければいけないな。シビリアン・コントロールも狂ってることになる。 ナモネ氏―ミッドウェイの敗北のショックで軍部はうその報道をするようになったもんだが、変わってない、なあ。 アロマ―北朝鮮の内戦を想定した韓国軍とアメリカ軍の訓練が6日はじめて行なわれたけど、本当にそういう事態が起きたら、日本政府とメディアが言うことを信じていいのかな〔6〕?いらいらするわ。 特派員―野田首相は責任を取るべきですよ。 ☆ ☆ ☆ A Dark eyes; Winton Kelly trio 1 TBS13日11:26 テレビ朝日04/13 11:50 2 sankei express 3 La fusée nord-coréenne explose en plein vol Par
Sébastien Falletti le 13/04/2012 à 10:15 Le Figaro 4 TBS 26日17:22 5 voice of Russia 18.04.2012,
15:56 6 サンケイ2012/04/06
14:26 |