MODE ACTUEL MODE ACTUELLE

 

 

 

 

 

 

 

 


HHJ

 

 

 

 

 

 

Updated 2007.4.26

 

ナガサキ市長を殺した

2発の弾丸で暴風が吹き荒れる

 

特派員は、オペラ〈蝶々夫人〉と原子爆弾〈必要悪〉で名高い長崎に関するフランスの記事をはじめて読んだ。18日のヌヴェル・オプセルヴァトゥールが、長崎市長の悲報をセンセーショナルに取り上げたからだ。

 

Le maire de Nagasaki tué par balles
NOUVELOBS.COM | 18.04.2007 | 10:11

ナガサキ市長が銃弾で殺された

 編集長は〈この記事に反応しなさい〉という欄にさっそくこう書いた。
[LES REACTIONS]
DEMOCRATIE ABATTUE
  打ち倒された民主主義

L'assassinat s'est passé dans le cadre de guerre contre terrorisme internationale.
この暗殺は国際テロの枠の中で起きた。
Quoi que le yakuza dise,c'est une terrorisme à tuer la liberté et la parole.
ヤクザが何と言おうと、これは自由とパロール(話された言葉)を殺すような性質のテロリスムである。
C'est comme Kamikaze.
カミカゼ(自殺攻撃)のようなものだ。
Et l'effet égale les massacres à Bagdad, ce qui me semble.
そして、その効果はバグダッドでの大量殺人に等しい、と思える。
La France doit envoyer les langues pour expliquer et éclaircir le monde en faveur de la paix internationale. 
フランスは国際平和のためを思い、世界を説明して明るくするための言葉を送るべきである。

le 18.04 à 20h06
送信した記事は案外早く数分で公開された。フランス時間の418日午後86分である。この大胆な原文と翻訳は、HHJ41日から始めたウェッブログの〈CAT WILLOW(ネコヤナギ)〉に19日掲載された。

 

長崎市長伊藤一長は4選をめざす選挙運動の最中の17日、暴力団幹部の弾丸を2発浴びて死亡した。動機は非常に古い恨みである1。この卑劣な暗殺に対して、国際連合の潘基文(Ban Ki-moon)事務局長は〈市長の暗殺を衝撃と遺憾の意をもって受け止めた〉という声明

を発表した2。民主主義への暴風は静まるどころではない。
                                                      
D

長木川上流特派員 ダレナニ

 

1 毎日新聞その他 2007.4.17

2   時事通信419

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2007.4.19

 

日本史の教科書検定:

だまされると、沖縄戦の拡大版になる

 

文部科学省は、2008年春から主に高校2年生が使う日本史の教科書の中での沖縄戦の記述にクレームをつけた。〈実態について誤解する恐れがある〉と修正を求めたのは、集団自決という異常な出来事についてである。教科書会社5社は日本軍による強制が真実から遠く日本には責任がなかったように書きあらためた。TBSの報道によれば、

〈具体的には、「日本軍に集団自決を強制された人もいた」という記述が「集団自決に追い込まれた人々もいた」。あるいは、「日本軍に『集団自決』を強いられたり」が、「追いつめられて『集団自決』した人や」となり、日本軍による強制はなかったように修正されています。〉

 これに対する反論は、体験者の言葉が一番効果的だろう。

〈「集団自決したのは自分勝手と。ただ怖がって死んでしまったと。こういうふうに解釈もできるわけですよ。僕らみたいに体験者が生きている間はいいですよ。歴史というのはずっと流れていくからね、今から40、50年経つと、どういうふうに死んだかということが忘れられる。軍隊の関係が完全に断ち切られる。そういった点が不安、心配」(集団自決を体験し姉を亡くした宮城恒彦さん)〉

 

教科書検定に関する自分の考えを最初に明らかにしておくと、それは憲法違反の制度であるということだ。誤解の余地がないように明記された思想の自由と言論・出版の自由を国家権力が統制することは、認められない。それは民主主義の精神までも端から少しずつかじりとって否定することになる。個人の感性と知性が消滅して、誰もが同じように考えて同じように行動する恐れがある。それを疑うには他の新しい情報知識か論理的な想像力が必要だが、自由を憎む権力がそんなことに寛大であるわけがなく、言語表現に関しては、短歌の伝統的な手法を流用するかのように一字一句検査する。

その執念を近視眼的な干渉だと甘く見てはいけない。たとえば、HHJはある情報公開で開示された日付のない文書に〈相殺〉という文脈から外れた単語を見た。これは暗黙のメッセージだった。

沖縄の人たちは、日本の国家機関による教育のずるさと仮借なさの犠牲になった。教育の歯車が琉球の島を完全に狂わせてしまった。しかし、その事実を悟るためには約2か月に及ぶ凄惨な沖縄戦と善良なアメリカーによる統治を体験しなければならなかった。

琉球人は忠実な日本人に同化しようと努力したのだった。〈鬼畜米英〉とだまされて戦ったのだった。死を選ぶ方が幸せだと信じ込まされていたのだった。教育の力の恐ろしさは、沖縄戦に最も過激な形で現われている。なお悪いことに、それは敗戦後の日本本土で生き延びて、HHJ90年代前半に警告したように沖縄戦の拡大版にはまり込んでゆくような虚無的な政治を平然と続ける。

              ☆ H

1 TBS NEWS i  33016:32

 

▼ ガソリンの輝き/ハーバー・ライト/赤い葉っぱ

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2007.3.21

 

ライブドアは罠に落ちた

 

ライブドア事件は、インターネット産業として急成長した2005年にさかのぼって考えなければならない。一人の青年実業家が既成の談合主義的な経営活動をぶち壊して、グローバリゼーションを支えるインターネットの波に対応できない頑迷な経済界の指導者とマス・メディアの特権階層を怒らせたのだ。この険悪な環境は、堀江貴文社長が証券取引法違反(偽計・風説の流布、有価証券報告書の虚偽記載)容疑で東京拘置所にぶち込まれて有罪の判決を受けるまでマッチの火に油をぶちまけるような働きをした。

The case centred around how much Mr Horie knew about the state of Livedoor's finances and whether he conspired with other executives to inflate profits.

 

Japanese tycoon guilty of fraud

 事件の核心は、BBCが簡潔に伝えるように、堀江被告が会社の利益を膨らませるために他の幹部らと共謀したかどうか、である1。日本の新聞が掲載した判決文の要旨を読むと、東京地裁(小坂敏幸裁判長)は財務取締役宮内亮治被告が中心となって計画して実行したと確証したが、堀江社長の関与については、計画を〈了承〉していたと決めつける2。計画の具体的な内容と不法性を認識していたか、ということは表面に出さない。これは普通の裁判でない。宮内被告の証言を信用して、有罪と認めたのである。

1 しかし、検察側が提出した〈起訴事実を裏付ける客観的な証拠〉であるe-メイルは、弁護側によれば、検察のミスで〈押収されたメールが送られただけの状態だったのか、読まれていたのかが分からなくなっている3〉それで、堀江被告が了承したと断定するのは横暴である。疑わしい者は罰するべきでない、という裁判の原則に反する。

2 一方、宮内被告には会社の財産を横領した疑惑がありながら、検察はそれを起訴しなかった1。弁護側が〈黙契〉という言葉で暗示するのは、宮内被告と検察による共同シナリオである。

3 宮内被告は投資事業組合 (ファンド)が行政の監督から自由であることを利用して、計画を立てた。政府は、法改正にやっと着手して証券取引等監視委員会の立ち入り検査が可能になるようにした4。ライブドア事件の株の損失被害者は、犯罪を招きやすい法律を放置していた国の責任を追及するべきだろう。

 

言うまでもないが、HHJは裁判を傍聴したのではない。判決文のオリジナルを読んだわけでもない。各新聞社が掲載した判決文の要旨を参考にしただけなので、曖昧さの責任は問われたくない。読み比べると、朝日新聞のそれは主観的な書き換えと思われる箇所が目立ち、いったい判決文はコピーが記者クラブに渡されるのか、記者が傍聴席で録音したものなのか、という疑問が湧いた。どちらでも内容が異なるはずがないが、原文がインターネットに掲載されれば、一般国民は司法機関と報道機関に対する余計な不信に囚われないですむ。

 H

1  Last Updated: Friday, 16 March 2007, 06:15 GMT  BBC

Japanese tycoon guilty of fraud  >>>

2 毎日新聞 3161710

3         産経新聞 2007.3.17

4         毎日新聞 2007.3.17

 

▼ ライブドアがニッポン放送を買収

▼ 電波放送局を特別扱いするな

▼ カレンダーのある事件 2

 EN PASSANT 2007.2.17

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2007.3.18

 

藤里劇場:

公判前の非公開の密室

 

27日公判前整理手続き第1回協議が秋田地裁で開かれた。インターネットの報道記事を見なかったので、秋田さきがけ新聞を参考にすると、協議は藤井俊郎裁判長と裁判官2人、秋田地検の検事1人、弁護士2人が出席して行なわれた。畠山静香被告は、なぜか出席しなかった。

しかし、なぜか、という疑問はその次の〈秋田地裁によると〉という記述で公判前整理手続きという聞きなれない制度に対しても向けられる。〈この日の協議では弁護側が検察側に対し起訴状と証明予定事実記載書について説明を求め、検察側が二回目の36日に回答することになった。〉記者は協議の傍聴ができないのか?そうだとすれば、民主主義に反する。市立中央図書館の閲覧コーナーで〈非公開〉と明確に批判的に報道した記事は、産経新聞だった。しかし、それでも、秋田地裁が記者会見で発表したのか、文書で公表したのか、報道機関の取材に応じたにすぎないのか、判断しようがない。記事で読むかぎり、協議の具体的な内容は公開されていない。これは、秘密裁判に暗転するおそれがある制度ではないか?

公判前整理手続きとは、さきがけ新聞の解説によれば、〈初公判前に事件の争点や証拠を絞り込み、審理の迅速化を図る〉のが目的らしい。17日にライブドアの証券取引法違反の判決が下ったが、前社長の堀江貴文被告の公判前整理手続きは2006510日の開始から830日まで計10回スピーディに開かれた〔1〕。東京地裁の有罪判決は裁判官が検察の従僕であることを証明したようなものだが、関係者が大勢いる複雑な事件でも整理手続きは手間取らない。藤里事件はどんな理由で長引くのか?おそらくそれは事件の本質から来る。

 

 36日、公判前整理手続きの第2回協議が予定どおり行なわれた。インターネットのさきがけ新聞には、〈起訴事実に関する検察側の説明が行われ、協議は4月以降も複数回開くことを決めた〉とある。初公判がいつ始められるのか、見通しが開かないという。読者は暗闇しか見えない。HHJは、暴力的な裁判を開くよりも公訴を取り下げるべきだと秋田地検に言いたい。

H

長木川上流社会特派員 ダレナニ

 

1 毎日新聞 2007317日付け

 

▼ 藤里劇場の幕間: 鍵は司法警察にある

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2007.3.11

 

アフガニスタンの麻薬絶滅、

発電所の安全維持    D

 

La restauration de cet important barrage hydro-électrique dans le district de Kajaki, où sont déployés des soldats britanniques de l'Isaf, a été suspendue cet été en raison des attaques continuelles des talibans sur le site.

l'Otan lance "sa plus grande offensive" dans le sud du pays

36日アフガニスタンでNATO(OTAN北大西洋条約機構)の最大の攻撃〈アキレス作戦〉が始まった1。国際安全維持軍(Isaf  Force internationale d'assistance à  la sécurité)とアフガニスタン軍が共同で、イスラム武装勢力タリバンが支配する南部のヘルマンド地方の安全を立て直すのが目的である。Isaf総司令官のオランダ人ルーン将軍(Ton van Loon)は、戦略的にはカジャキの水力発電所の修復事業を遂行するためだ、と宣言した。これは去年の夏タリバンがダムサイトを間断なく攻撃したので、中断した。  

BBCによれば、4年間の掃討作戦にもかかわらず、この地方の麻薬生産量は世界の麻薬取引きの90%に当たる2。タリバンは貿易商社経営の才もあるらしく、ひそかに密輸して、その収入を兵士の育成と武器の購入などの活動資金に使用している。しかし、国際社会に流れた麻薬はより一層恐るべき怪獣に変わり、世界中の平和な生活を中毒症状におちいらせている。

 

麻薬ルートについては特に情報はない。移動中の麻薬が発見されたというニュースにも出会わない。アフガニスタンとイランの国境が怪しいんじゃないか、とHHJは勝手に想像している。

☆ し

長木川上流社会特派員 ダレナニ

 

1  KABOUL (AFP) 6 Mars 2007 9h45  Radio France  >>>
Afghanistan: l'Otan lance "sa plus grande offensive" dans le sud du pays

2  Last Updated: Tuesday, 6 March 2007, 02:25 GMT  BBC

UN fears Afghan opium 'explosion'

 

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2007.2.28

 

核の光よりも言葉の輝きを求めよう

 

国連のバン・ギムーン(Ban Ki-moon)事務局長は、ベルリンで221ウラン濃縮の停止を厳しく要求した国連決議を尊重するようにイラン当局にうながした1。〈国際社会は、6か国協議を通した北朝鮮の核問題に関する最近の合意で比較的勇気づけられた。〉

 去年の1223日国連安全保障理事会で承認された決議1737は、核の軍事利用を恐れるためにイランに対して核と弾道ミサイル開発プログラムの継続を禁じた。加盟国に対して各関連技術の輸出停止を求めた2

"Le peuple iranien ne permettra à  personne de violer ses droits" dans le domaine nucléaire, a affirmé le président iranien ultra-conservateur. "L'Iran n'est pas un pays dont on peut violer les droits (...) Ceux qui pensent une telle chose se trompent"

 

l'Iran ne permettra à personne de violer ses droits, selon Ahmadinejad

 

しかし、60日の猶予期限が切れる21日、国連原子力機関(AIEA)は安保理に提出する報告書の中で、ウラン濃縮プログラムが中止されていないことを確証した。22日、アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は、〈イラン人民は、誰にも核の領域において権利を侵害するのを許しはない〉と断言した。〈そんなことを考える者たちは間違っている。〉

本当に平和利用の核計画であると思いたい。しかし、レバノンの武装過激派へズボラとイラクのスンニ派武装勢力に武器と資金を援助しているという疑惑が強まる状況では、核施設の存在と核開発の進行そのものが脅威である。国連憲章第1章第24項を想起するべきである。

4 Les Membres de l'Organisation s'abstiennent, dans leurs relations internationales, de recourir à la menace ou à l'emploi de la force, soit contre l'intégrité territoriale ou l'indépendance politique de tout Etat, soit de toute autre manière incompatible avec les buts des Nations Unies.

 

La Charte des Nations Unies

Chapitre 1 –Buts et Principes   Article 2

〈国連加盟国は、国際関係において武力による脅迫と武力の使用に訴えることを控えるべきである。国家の領土保全と政治的独立に対してであれ、国際連合の目的とあいいれない他のあらゆる手法であれ1。〉

この原則は第2次世界大戦の最中に苦い経験から精製されたものだが、核の世界について起こりうる状況を十分に予想している。核は国際関係において抑止力を持つだけではない。国家の支配者らがその気になれば、国の内外において抑圧装置として存在価値を高める危険性がある。《仮面について》の考察が明らかにしたようにある地域の古代社会あるいは封建社会では銅製錬が言い知れない恐怖で無知な人民を隷属させた。それは太陽を製造する魔術だった。民主主義がなければ、核の世界はふたたび夜が支配する古い社会に人間を逆戻りさせる。権利は、一般国民が持つべきだろう。発言する権利、自由に表現する権利、平和な生活を送る権利、など。

 

国連の常任理事国であるイギリス、アメリカ、フランス、ロシア、中国はドイツとともにイランに対する追加制裁を協議する。ロシアと中国はイランとの経済的戦略的なつながりにこだわるので、アメリカの武力制裁には消極的な態度を見せている3。イランは地理的な位置を暗黙のジョーカーに使うかもしれないが、国際テロとの戦争ではすでに意味がない。ヨーロッパ、ロシア、中国、アメリカは、国連憲章の枠組みの中で目的において完全に一致しているからだ。政治的なイニシアチブを持つイランの愛国主義的な大学生たちは、その理由を考える必要がある。主義思想の違うさまざまな国家の権利よりも生活する人間の権利を尊重することが、核の世界では確実な安全保障の土台となる。このヒューマニズムあるいは人間愛が了解されていない。そして、こういう地域で国家と国民が別々に存在して別々の夢を見れば、ペストのような暴力はいつまでも生きつづける。

 

Iranian President Mahmoud Ahmadinejad said Sunday that his country's disputed nuclear program was like a train "without brakes" or a reverse gear, prompting Secretary of State Condoleezza Rice to respond that Iran needs "a stop button."

 

No 'Brakes' on Iran Nuclear Effort

25日アフマディネジャド大統領はテヘランでイランの核開発プログラムを〈ブレーキもリヴァースギアもない列車〉にたとえた。ライス(Condoleezza Rice)国務長官はそれに反応して〈イランはストップ・ボタンが必要だ〉4

 記号の脱線を恐れるのは、HHJばかりではないだろう。

☆ H

 

1        Centre de Nouvelles ONU  22 février 2007   >>>

Ban Ki-moon exhorte l'Iran à respecter la résolution du Conseil de sécurité et à négocier

2  TEHERAN (AFP) 22 Février 2007 9h57  Radio France  >>>
Nucléaire: l'Iran ne permettra à personne de violer ses droits, selon Ahmadinejad

3  LONDRES (AFP) 26 Février 2007 7h14  Radio France
Les six grandes puissances réunies à Londres sur le nucléaire iranien

4  No 'Brakes' on Iran Nuclear Effort

President's Remarks Precede Summit on Further Sanctions

By Nasser Karimi Associated Press  Monday, February 26, 2007 

Washington Post  >>>

 TBSi 2610:40 ---それによれば、「単線の線路を走っており、停車駅もバックギアもブレーキもない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2007.223

 

北京会議: 

日本はいつまでも難問に執着する

 

北京で行なわれた6か国協議は13日北朝鮮が受け入れた共同文書を発表して、幕を閉じた。日本の公共放送局NHKによれば、北朝鮮がヨンビョンの〈再処理施設を含む核施設を停止、封印〉して、国際原子力機関(AIEA)が合意の署名から2か月以内に確認したあと部分的なエネルギー支援を行なう。〈次の段階では、北朝鮮が、すべての核開発計画を明らかにし、存在するすべての核施設を稼働できなくする措置を取るのを受けて、各国は新たに95万トンの重油に相当する支援を段階的に行う〉ということである1

 補償的な支援は、序幕で38度線の隣国の単独行動で重油5万トンを援助する。第2幕で、北朝鮮が約束した言葉を守るとは思えないが、日本とロシア以外の3国がそれなりの援助を与える。中国が経済援助、韓国がエネルギー援助、アメリカが食糧などの人道的な援助。ロシアは、ソ連時代に建設した発電所の更新など独自のエネルギー支援を行なうらしい。日本は、拉致問題が相手にされないので、補償的な支援はその解決が絶対的な条件であると主張して島に帰った2

これは、ロシアとの関係のように、秀才が答を出せる問題に目もくれないで難問を愛することに似ている。しかし、政治面では非常に利益が多い大衆馬鹿者扱い手法である。どう思うか、と国際社会に聞けば、こんな感想が少なくないだろう。〈日本政府は内心では朝鮮半島の非核化を望んでいない。核武装する口実がほしいのだ。〉

 

217日、ステルス戦闘機F22Aラプター2機が沖縄の嘉手納基地に着陸した。アメリカ軍の説明によれば、極東での抑止力を維持するために全部で12機配備する3。レーダーで発見されにくいこの超音速戦闘機がアメリカ本国以外にはじめて配備されるのは、ストーリーから言って、かなり映画的な効果がある。観客でない基地反対派の人たちは、朝鮮半島に嘘のない平和が来ないかぎり沖縄からアメリカ軍基地はなくならないというメッセージとして受け取ることもできる。

☆ H

 

1         NHK 215 156

核施設の査察に関して---

PEKIN (AFP) 13 Février 2007 18h52  Radio France
Nucléaire: la Corée du Nord accepte un début de démantèlement

2 読売新聞2161113

215107

3 毎日新聞2171319分 三森輝久

 

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2007.1.30

 

エチオピアが

ソマリアの巨人たちの影を反撃

 

1224日日曜日、エチオピアの メレス (Meles Zenawi) 首相はTVで国民に語った。〈防衛軍は過激主義の攻撃から自衛するためと領土の主権を守るため、やむをえず戦争状態に入った。〉情報大臣の説明では、これは〈Après une trop longue patience(あまりにも長すぎた忍耐のあと)〉だった1

アフリカの角と呼ばれる隣国ソマリアは、国際テロとの戦争において戦略的に重要な地域だが、1991年独裁者の追放後は有名無実の国家である。アル・カイダとの関係を疑われている武装勢力の〈イスラム法廷連合〉がアフガニスタンでのタリバンのように大部分の地域を支配下に置き、6月以来首都モガジシオを制圧していた1,2

バイドアに立てこもる臨時政府を擁護するエチオピアは、クリスマスの日にモガジシオの空港と拠点を爆撃して退却させた。国連は臨時政府を支持しているが、アナン(C.Annan)事務総長はエチオピアに自制を求めた。メレス首相は、政府を作ることもソマリアの内情に口をはさむ意図もないと答えた。アフリカ連合(AU)はエチオピアの権利を認めながら危機のエスカレートを断罪した3

« On croyait vivre à l'ombre de géants »

 

La capitale somalienne attend ses nouveaux maîtres

 1228日、エチオピアとソマリア政府軍はモガジシオに進撃して数時間でイスラム勢力を追い出した。〈巨人たちの影の中で生きているような気がした〉住民たちは、歓迎した2。イスラム武装勢力は法津を守ると言ったが、ニューヨーク・タイムズによれば、頭を床につけて祈りを捧げなかったキリスト教徒たちの首を切り落としたということだ4。とはいえ、宗教的な対立はガソリン・スタンドでひるがえる呼び込みの旗でしかないだろう。

 

19日アメリカ軍はイスラム勢力が隠れている南部地域を爆撃した5

13日ソマリア議会は保安のために緊急事態宣言と戒厳令を承認した6

23日エチオピア軍は首都から撤退を開始した7。国境のないテロリスムに反対して自衛のために戦ったというのは、詭弁でないようだ。アメリカと国連による国際テロ戦争は、大胆に新たな様相を表わし始めている。

☆ D

長木川上流社会特派員 ダレナニ

 

1 L'Ethiopie "en guerre" contre la Somalie        

lefigaro.fr (avec Reuters). Publié le 24 décembre 2006

2 La capitale somalienne attend ses nouveaux maîtres

De notre envoyé spécial à Mogadiscio TANGUY BERTHEMET

Publié le 29 décembre 2006 >>>

3 Last Updated: Monday, 25 December 2006, 10:26 GMT

Ethiopia attacks Somalia airport

Last Updated: Wednesday, 27 December 2006, 17:17 GMT

Ethiopia urged to leave Somalia

MOGADISCIO (AFP)
26 Décembre 2006 9h29
Les forces islamistes battent en retraite en Somalie

4 Islamists Retreat in Somalia

By JEFFREY GETTLEMAN Published: December 27, 2006 NYT

5 Last Updated: Tuesday, 9 January 2007, 11:23 GMT

US Somali air strikes 'kill many'

6 MOGADISCIO (AFP)
13 Janvier 2007 14h37
Somalie: l'état d'urgence instauré pour trois mois

7 Les troupes éthiopiennes entament leur retrait

 NOUVELOBS.COM |23.01.2007

 

 

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2007.1.10

 

独裁者の死刑執行で傍観者を裁く

 

イラクの元大統領サダム・フセイン(Saddam Hussein)の絞首刑が現地時間の1230日未明に執行された。これはアメリカが融資した国営TVイラキヤが明らかにした。立ち会った政府高官によれば、〈すべて撮影された。〉処刑映像は、イラク国営テレビとアル・アラビヤが放映した1

 独裁者は、1982年ドゥジャイル(Doudjaïl)村で起きた虐殺事件で〈ヒューマニズムに反する罪〉を犯したという理由で死刑宣告を受けた。新憲法では死刑執行まで30日の猶予期間がある。アメリカ政府は2週間の延期を要請したが、治安上の理由などでマリキ(Nouri-al-Maliki)首相とタラバニ(Jalal Talabani)大統領は判決からわずか4日で虐殺責任者が死刑台の露と消えることを選んだ2。独裁の犠牲だったシーア派の国民は歓声を挙げた。マリキ首相は、国民の和解を呼びかけた。

 世界の反応はどうか?

ブッシュ(G.W.Bush)大統領―フセインに正義をつぐなわせても、イラクでの暴力に境界線を引くことにはならない。しかし、これは民主主義の道の重要な一段階である。自治をして、互いに支えあい、自衛することを可能にする3。法の支配で治められた社会を作るというイラクの人々の決意なしにはできなかっただろう4

イスラエルのある高官―正義が行なわれた5

モスクワ 外務省の報道官―残念だ。さまざまな国の代表と国際機関が極刑を翻すように呼びかけたが、聞き入れられなかった〔5〕。

EUヨーロッパ連合 フィンランド人外相―EUは死刑制度に反対している。サダムはヒューマニズムに反する罪を犯したことには疑問の余地がないが、この場合もやはり死刑に訴える必要はなかっただろう5

 HHJは、それらに付け加える意見を持っていない。裁判の仕方と刑の執行がイラクの法律に違反していなければ、だが、事件そのものを考えると、猶予期間の短さは独裁者の冷酷さに釣り合っている。世界情勢への影響には無関心である。青ざめる優しい人たちはそれにいくらか後悔に似たものを感じることに驚くだろう。イラクの石油を消費していたせいか、人間存在の根源的な共通性から来るのか、何とも言いようのない。

 

ドゥジャイル村の虐殺とは何か ?ヌーヴェル・オプセルヴァトゥールは、〈虐殺への回帰〉という表題でその深い陰影を慎重に描いている6

19809月イラクと戦争を開始してから2年後の78日、フセイン大統領の軍団はバグダッドの近くの村ドゥジャイルを通った。シーア派が多数を占める村の人々は、怯えながら歓迎した。フセインは演説して、いくつかの家族を訪問したり、〈子どもたちにカメラマンを気取ったりして〉、古い村に向かった。そのとき、シーア派の非合法組織の男が発砲したために大統領は治安隊に報復を命令した。一日で140人以上が虐殺され、女と子どもはアブ・ガリブ監獄にぶち込まれた。〈本質的なことを言えば、犠牲者は青春期の男女だった。〉

 独裁者が自分で写真を撮ったとすれば、カメラは被写体を反人間的に切り取っただろう…そんなイメージを明滅させる記事である。

 

1 Saddam Hussein a été exécuté

lefigaro.fr.

 Publie le 29 decembre 2006

 

Saddam Hussein étéexécuté,
les télévisions diffusent les images

NOUVELOBS.COM | 30.12.2006 | 11:57

 

2  12110分配信 時事通信社 ロイター通信による

3 Saddam Hussein a été exécuté,
les télévisions diffusent les images

NOUVELOBS.COM | 30.12.2006 | 11:57

 

4 Saddam Hussein Is Put toDeath

Former Iraqi President Hanged Before Dawn in Baghdad to Divided Reaction

By Sudarsan Raghavan

Washington Post Foreign Service
Saturday, December 30, 2006; Page A01

 

5 Mort de Saddam : réactions contrastées

lefigaro.fr (avec AFP). Publié le 30 décembre 2006

 

Pour l'essentiel, les victimes étaient des adolescents.

 

Retour sur le massacre de Doudjaïl

 

6  Retour sur le massacre de Doudjaïl, en juillet 1982

NOUVELOBS.COM | 30.12.2006 | 10:41  (Reuters)  >>>

 

 

 

 

 

 

 

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