HALF AND HALF JOURNAL
無 意味 な 破 片 無意味な破片
Fragments
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★〈ジャニー・ギター〉の終わりは〈プレイ・アゲイン〉のささやき[A]。 ☆ ☆ ☆ Updated 2008.4.9
特派員―それに関しては、HHJもただ感覚の消耗と時間の無駄ですね。ウィキペディアにはパール・ハーバーを奇襲した日本軍と戦った二人のパイロットの名前が載ってるけれど、パットナムではない〔1〕。 アロマ―あんなでたらめな記述を放任するなんて。 編集長―ウィキペディアが責任を取るべきだな。参考資料を明記するという基本的な態度がない記事ばかりで、おどろくよ。 JR大館駅 早朝 貨車の出発 編集長―そうだな。そのHPも怪しいんじゃないか?目的が、ね。HHJが立てた仮説は、こうだ。世界中のHPとウェッブログはある組織がひそかに自由の裏で干渉している。パットナム大佐という名詞は自動的に削除されるか、他の名詞に置換される。あるいは、ページそのものが排除される。危機感を持ってプロバイダーと政府機関が対応しなければいけないことだ。 放送局長―ユーザーがやられるかもしれない。 特派員―脅迫に負けて重要な情報を出せない人もいるでしょうね。パール・ハーバーの周辺にも、そんな例がある。《天皇独白録》は幸福なケースです。 放送局長―別の独白録があったな〔3〕。あれを持っていたGHQのアメリカ人フェラーズ(Bonner F. Fellers)も、自分じゃ言わないけれど、犠牲者の一人だろうな、敗戦後の謀略の。 編集長―そう、しかし、あれは寺崎英成が責任逃れに書いた弁明録だよ。 ☆ アロマ―ヘンリー・アンダースン(Henry
Anderson)とジャニー(Johnny)を忘れてる。HHJ以外のサイトに出ないなんて、絶対に変よ。 特派員―ジャニー喜多川が猛烈に多い。 放送局長―おれもそう思ってたよ。ところが、君、この人は日系2世で朝鮮戦争のときアメリカ軍に勤務してるんだ〔4〕。ジャニーの名前はどこから取ったんだろう? 編集長―ペギー・リー(Peggy
Lee)が自分で作って歌った〈ジャニー・ギター〉だと勝手に思ってる。そういう人だった。ルイ・アームストロング(Louis Armstrong)のドーナッツ盤が一枚あるだけだったが。 ☆ ☆ ☆ A Johnny Guitar ; Peggy
Lee
? Band 1 wikipedia パール・ハーバー(映画) 2 History of Marine Corps Aviation HP 3 昭和天皇 二つの独白録; 東野真 1996 NHK スペシャル 4 wikipedia |
★楽しくて眠れないリズムの〈ロック・ミー・ツー・スリープ〉[A]。 ☆ ☆ ☆ Updated
2008.4.1
特派員―旅行に関連することなら何でもいいの? アロマ―ええ、何でもいいの。自由にしゃべって。 半分半分放送局長―〈旅の雑貨屋〉っていうけれど、食べ物がないなあ。食堂車で会話を楽しむ集まりじゃないのか? アロマ―それじゃ、食堂車にいると思ってよ。 放送局長―ううむ、このポテトは最高だね。男爵イモは想い出の味だ。摩周丸のレストランで食べたっけな。 特派員―4月馬鹿は明日ですよ。 JR花輪線 東大館駅 特派員―マシュマロは食べるもんですよ。しかし、今年の4月1日は記憶に残ると思いませんか?今日で道路特定財源の暫定税率が期限切れ。島原鉄道の南目線と兵庫県の三木鉄道が廃止〔1〕。小坂鉄道が1年間の休止。秋北バスは秋田県の補助金が減って土曜日の運行を上下線84本削減。 ☆ 特派員―ただ内陸鉄道にはほんの少しマッチの炎みたいな明るいニュースがあります。県議29人が秋田内陸縦貫鉄道研究会を結成したことです〔2〕。 ナモネ氏―地域公共交通活性化法を学ぶ、とか言ってたな。法律の角度から眺めるのは今これから必要なことだ。 アロマ―内陸線の列車に乗ってミーティングを開くそうよ。新しい利用法ね。 特派員―編集長がデザイン問題でも話していいと思うけれど?… 編集長―うむ、そうだな。摩周丸と聞いて、暗くなったよ。洞爺丸沈没事故の記憶とオーヴァー・ラップするんだよ。あのニュースが引き起こした雰囲気というのは、まるで夜の海だった。 アロマ―デザイン問題にして。 編集長―ぼくがいつも思うのは、個性的な列車がないということだ。この理由は人間の在り方の哲学がないことから来る。最近はサロン形式を取り入れた列車のようにさまざまなデザインがあるけれど、おそらくコピーだろう。日本ではあいかわらず西洋のコピーが一番価値のあるものなんだ。それが基準だから、新しい創造は不可能に近い。 放送局長―創造する者自身が自由を嫌ってる、と言ってもいいよ。仕事が取れないんだから。 特派員―その点、この列車はユニークですね。食堂車だけ!!! ナモネ氏―地域の食べ物満載列車!!! ☆ ☆ ☆ □ 旅の雑貨屋 1 A Rock Me To Sleep; Les Brown & His
Orchestra 1 Weblog 2
北鹿新聞 2008.3.20 |
★〈インドの歌〉はスタンダードだが、ミステリーとは無関係[A]。 ☆ ☆ ☆ Updated
2008.3.29
ナモネ氏―原子爆弾が完成したから、中止になった。 特派員―オリンピック作戦というのは、どこかで聞いたことがあるけど、日本列島を五輪に見立てて名づけたんでしょうね? 編集長―たぶん、な。チベット騒乱の記事を書いてるときは黙ってたが、背景に1945年の歴史が浮かばない人は幸せだよ。 JR大館駅 アロマ―つづりと発音がよく似てる。 特派員―その類似は、ぼくも気づきましたよ。でも、それ以外に何か現実的な関係があるかどうか、ちょっと探ったけれど、何も。 ☆ 編集長―事実の間にいたずらに関係の線を引けば、ノイローゼ症候群だ。しかし、ラサの暴動に関するニュースを読んでると、アメリカ議会のぺロシ(Nancy Pelosi)下院議長が登場して、これが現象の意味を変えたね。B-29〈エノーラ・ゲイ〉のパイロットと1945年の歴史を想起させた。 放送局長―ニューヨーク・タイムズがその訪問の記事の後半で北京オリンピックにブッシュ(Geoge Bush)大統領が出席するかどうかを問題にして、妙に長たらしく書いてる。オリンピック作戦と原子爆弾のストーリーをデスクに置いて横目でちらちら見てるような書き方なんだ。 特派員―ストーリーと言いましたが、これは人間が思いついたシナリオではないんじゃないかな? 編集長―アメリカ議会が知ってるだろうな。過去の残酷なシーンを不意に背景に映して惑わせたんだから。 ナモネ氏―うむ、そうすると、ラサの坊さんのデモ行進や市民らの暴動は自然発生的でないように思われるが…私は、そんなシナリオはないと信じてるよ。 放送局長―しかし、あの暴動はどうもテロくさいよ。姿が見えない第三のグループの犯罪かもしれない。 編集長―北京オリンピック中止を狙ったりボイコットするような動きは、だめだな。歴史的なエラーになる。 アロマ―そうね。ともあれ、中国政府は外国の報道機関がラサに入るのを許可して、ジャーナリストが団体旅行してる。ただイギリスとフランスとアメリカのメディアは、適当に見たけれど、どれも現地に入ってない。 ☆ ☆ ☆ A Song Of India; Tommy Dorsey & His Orchestra 1 Paul W. Tibbets Jr., Pilot of Enola Gay, Dies at 92 By RICHARD GOLDSTEIN Published: November 2, 2007 NEW YORK TIMES |
★愉快な列車〈チャタヌガ・チュー・チュー〉はみんな大好き[A]。 ☆ ☆ ☆ Updated 2008.3.15
特派員―分かりませんね。それ以外には何も書いてないから。 放送局長―その小説家が謀略のシナリオを書いたかもしれないんだが、なあ。 特派員―編集長も、あの本を読んだあと、そんなことを言いましたよ。ねえ、編集長? 編集長―うむ、そうだ。小説家は想像力を売り物にしてるから、当然だよ。 放送局長―それがフィクション(虚構)を作る。時刻表を利用して推理小説を書く。 JR大館駅 アロマ―編集長は旅を楽しむ人だから、別にいいんじゃないの? 編集長―しかし、1番線フォームに行くには自転車を持って階段を昇り降りしなければならないんだ。乗り換え時間が7分というのも高齢者や不慣れな旅行者にはきびしい。 アロマ―JRは地方で利益を上げようなんて、考えてないのよ。 放送局長―〈JR東日本が沿線地域の文化の発展を支援する意思があるなら〉というのは、時機的に見ても、うまいせりふだよ〔1〕。問題の本質に迫りすぎてると言ってもいいよ。JRは大都市圏と新幹線でかせぐことが唯一の経営理念だ。 特派員―民間企業ですから、ねえ。JR東日本は首都圏に日本の人口の4割近い人々が暮らしてるうちは首都圏に力を入れるでしょう。 放送局長―国鉄時代の観念が残ってるから、それには全面的に賛成するわけにはいかない。公共交通機関であるという性格は根本的で、不変なんだよ、君。 アロマ―推理小説とTVドラマのために存在するJR。〈駅からハイキング〉〈一日駅長アロマの名言〉 編集長―そう言えば、鉄道と列車は名作の舞台だったな。 放送局長―おもしろい映画がいっぱいだ。たとえば…(ノン・ストップ) ☆ ☆ ☆ A Chattanooga choo choo;
Glenn Miller Big Band 1 内陸鉄道+小坂鉄道=夢想鉄道 Mode actuel Mode actuelle 2008.3.4 |
★〈アット・ラスト〉は映画の中でしか聞いたことがない[A]。 ☆ ☆ ☆ Updated
2008.3.1 ナモネ氏―那須高原の御用邸が建てられたのは、いつなんだ?
編集長―あの侯爵徳川義親(よしちか)が天皇の危篤中に慈善パーティを開催して、世間の非難を浴びてる〔1〕。慈善パーティだよ。 アロマ―どんな顔が集まったか、見たいわね。 半分半分放送局長―そうだ。わが世の春を祝った仮面を見たいもんだ。 壁に映るライト 特派員―ポワソン・ダブリル(4月の魚)の日に天国行き。 アロマ―作家の車を追い越そうとして。 半分半分放送局長――あの時代の作家はおかしな生き物だな。 特派員―アナーキスト大杉栄がパリに滞在していた。 ナモネ氏―関東大震災が起きたのがその年の9月1日。甘粕憲兵大尉がアナーキストを殺したのは、不思議な行動だよ。 ☆ 編集長―ところで、山の中の御用邸はそれまであったのか? 特派員―ええ、いくつかあったけれど、現在は那須高原だけです。 編集長―行ったことがないけれど、那須高原は快適な避暑地なんだろうな。 特派員―那須高原というよりユーラシア大陸の冬の地平線から暗い朝日が昇るのを見るような気分ですね。 ナモネ氏―《平家物語》を忘れてはいけない。讃岐の屋島の戦いで船の上に高々と掲げた日の丸の扇を見事射落としたのは、弓の名人那須与一だ。 放送局長―那須高原の御用邸とナチスをリンクさせる人は普通じゃないと思うね。しかし、小説家は日の丸の扇であれこれ想像するかもしれない。たとえば、谷崎潤一郎の《卍(まんじ)》だ。 特派員―ええ、1928年の作品で、レスビアンがテーマですね。 アロマ―卍とレスビアンの関係は? 放送局長―卍の形が性的な結合を象徴すると言われるが、本当はどうかな?… 編集長―そうだ、アロマ、那智の火祭りと滝について調べてくれないか? アロマ―はい、はい。南に行くときは必ず内陸線経由でなければ、あたしは許さないわ。 ☆ ☆ ☆ ■ ナチスの鉤十字と日の丸の旗 -C A At Last; Glenn Miller Big Band 1 皇族; 広岡裕児 徳川義親について |
★〈スターダスト〉のメロディは歌手を魅力的にする[A]。 ☆ ☆ ☆ Updated
2008.2.23
アロマ―ふうん、グリーンランドって案外小さい島ね。フィンランドはストレートで飛べば、非常に近い国よ。ロシアもそんなに広い国じゃないな。 編集長―北極圏が寒くなかったら、地理感覚と歴史はかなり変わっていただろうな。 半分半分放送局長―あいかわらず真っ白な地図で残念なことだ。エトロフからパール・ハーバーまでは、なるほど…2週間発見されないのは奇跡だ。やはりハワイでは奇襲攻撃のために極秘の工作が行われていたと考えた方が自然だな。 100円の地球儀 放送局長―あんな馬鹿なことはありえない。ショート司令官を脅迫したのはナチスと日本のスパイだろう。 アロマ―パットナム(Puttnam
?)と友だちが疑問に思って、戦闘機を2機他の場所に隠しておいて恰好よく戦った。映画のモデルになった二人よ。 放送局長―映画よりも映画的な戦いだな。 特派員―スパイは戦艦オクラホマの窓の開放もやらせてる。戦艦があっけなく横倒しになった原因はそれですよ。 アロマ―大館市役所のボイラー爆発も、そうよ。 特派員―ボイラーの真上に燃料を置いていたなんて、正常じゃない。 ☆ 編集長―しかし、人間を一箇所に集めるというのは恐いことだ。独裁者とテロリストが気に入る方法だ。 放送局長―避難場所にも気をつけなければ、危ない。パール・ハーバー攻撃は日系人を収容所にぶち込んだけれど、NHKの大河ドラマ《山河燃ゆ》には人種差別を訴えるメッセージが含まれていた〔2〕。日本人だけがなぜ、と思った人は大勢いるはずだ。 編集長―退屈しないが、とぼけたドラマだったな。差別を訴えるなら、ハワイやカリフォルニアなどの日系人と日本人に対する無言の疑惑を問題にするべきだった。 放送局長―そう、そう。ショート司令官は中国に勤務していた経験からハワイの日系人を神経質に警戒した。それでも、やられた。沖縄で起きてる最近の事件はパール・ハーバーが鏡だ。NHKは間違った歴史ドラマで現実を作り出した責任を取るにはどうすればいいか、考えなければいけない。 編集長―そう、問題を人種と民族の枠の中に閉じ込めるのは鎖国思想の変種だ。それ以上考えさせまいとする情念がある。思考の発展を嫌ってるんだよ、彼らは。 ☆ ☆ ☆ A Star Dust; Jack
Teagarden and His Orchestra
Vocal Meledith Blake 映画 パール・ハーバー: 2001年制作 監督 マイケル・ベイ ドキュメンタリー パール・ハーバー その真実: 監督 Michael Bay トラ、トラ、トラ!: 1971年制作 日本・アメリカ合作 監督 リチャード・フライシャー(Richard
Fleischer)、枡田利雄、深作欣ニ 2 1884年制作 |
★〈アイ・クライド・フォー・ユー〉はやるせない愛のスタンダード[A]。 ☆ ☆ ☆ Updated
2008.2.10
半分半分放送局長―フィンランドを舞台にした映画…見たこと、ないなあ。 アロマ―イリナおばさんがシナリオを書いた情感あふれる映画よ。映画はいろんなことを教えてくれる。フィンランドの海岸と森林の風景が新鮮だった。 放送局長―森と湖の国というのは知ってるけれど、映画では、ねえ…フィンランド映画も日本には入って来ないな。 特派員―映画製作と同じで、輸入する配給会社が問題ですよ。 アロマ―どんな人たちが経営してるのか、調べてみてよ。 特派員―アジア映画と暴力団映画の出演者だろう。そんな調査は遠慮するよ。 テーブルの上の初雪カズラ アロマ―インテリアを見るのが楽しみよ。あら、編集長。 ☆ 編集長―肺病で死ぬのが、ぼくの運命なんだ。アメッコ市でキャンディを買って来てくれ! アロマ―はい、はい。市民はみんな潜水艦の中の毎日。 編集長―そうか、理解してくれたか… 特派員―2月7日は北方領土の日ですよ。 編集長―そうだったな。学生時代にクナシリ島を見ながら野付半島を歩いてると、小学生が右手を振り上げて〈北方領土を返せ〉と叫ぶんだ。旅行者に向かって、だ。これは国の教育がやらせてるんだな、と思って唖然としたね。 放送局長―教育がひどすぎる。言いたくはないが、市民文化会館の事業なんてのも、ひどすぎる。 編集長―特に歴史だな。住んでる地域が戦場になったことがあるかどうか、この違いは計り知れないほど大きい。 放送局長―あのちょっとした出来事を聞いて、戦慄を感じたもんだ。戦争の種は花が開くまで分からないのだ。 編集長―歴史は戦争と平和の分かれ道だよ。 アロマ―大陸の寒い北の国の人たちをもっともっと理解する必要がある。 特派員―シベリアの町では青森リンゴが高級品なんだそうだ〔1〕。これは1個100円だけど。ええと、今日の音楽は何にしようかな? ☆ ☆ ☆ A I Cried For You; Billy Ecxtine&
His orchestra
Featuring Anne Baker 1 ヤクート weblog |
★ヴァイオリンが切ない名曲〈愛する人は、どこに?〉 [A]。 ☆ ☆ ☆
Updated 2008.1.29
半分半分放送局長―軍国主義小説の才能もあったわけだ。ニュース・ドラマはもちろん軍部と朝日新聞の制作だな。 サンルームの手袋 アロマ―放送番組には満映の俳優を使っていたのね。 放送局長―当然だろう。しかし、その記述もオリジナルが載っていないんじゃないか?〈謀略放送〉の事実はどこから手に入れたのかな? 編集長―そう、誰が書き込んだか、どこからその事実を掴んだかは明らかでない。しかし、満州帝国の理念を延長させれば、新京放送局は必然的に宣伝と謀略放送が重要な目的になる。中国とソ連に対する謀略放送の事実を語らなければ、歴史のフィクションだよ。 ☆ ナモネ氏―満州帝国の理念とは? 編集長―武力を隠して文化で舞台を装う…そういうことを南満州鉄道の初代総裁後藤新平が言ってる〔2〕。どんな文化なのか、というのは内務省衛生局長だった後藤総裁がプランを練った首都新京に表現されている。ヨーロッパ風の超近代的な最新の機械を集めた都市。これはレールのように満州帝国に続く。 放送局長―夢の超特急〈亜細亜号〉だな。しかし、実体はアヘン製造だ。 特派員―それに関しては森繁久弥がこう話してる。〈(甘粕は)満州という新しい国に、われわれ若い者と一緒に情熱を傾け、一緒に夢を見てくれた。〉〔3〕 編集長―甘粕とテロリストのもう一方の親玉井上日昭は、満鉄の嘱託として相当な金をもらってる、ね〔2〕。 特派員―草柳大蔵の労作《満鉄調査部》にそうあるけれど、その調査がこわいですね。何でも徹底的に調査してファイリング。 編集長―調査部に共産主義崩れが多いが、おもしろい事実だ〔2〕。満州帝国の一面、ある意味で方向を語ってる。岸信介の経済計画はソ連の模倣だった〔4〕。といっても、芸術文化に関しては手探りの状態なんだ。 放送局長―それで、〈一緒に夢を見た〉か…満映の豪華なスタジオからすると、新京放送局はドイツ製の最新のテープ・レコーダーを極秘に使っていたにちがいないね。カセット・テープを開発したのも、BASFだったな? 編集長―小説に使ったよ。 放送局長―こんな風に… ☆ アロマ―問題は、長谷川テルとの電波戦よ。 ナモネ氏―うむ、そうだ。私は、HHJ一座のあの即興喜劇がすべてを語ってるような気がするよ。中国の首都を空爆する作戦で新京放送は姿の見えない脇役を演じた。テルは、日本語の放送がさりげなくメッセージを送ることに気づいた。それは若い男の声で、テルのことをよく知っているらしく思えた。そういうときにが流れるクラシックは決まって母親が好きな曲ばかりで、不安な音色を響かせるのだ。 アロマ―お母さんとお父さんが話をしてる。渋谷の街を歩きながら…姉さんの声は風邪気味だわ。 ナモネ氏―テルは次第に悪夢に怯えるようになった。空爆で引き裂かれた無残な死体、それを見て気が狂った人たち… アロマ―だから、お母さんに呼びかける〈なくなった二つのリンゴ〉を書いたのよ。 ☆ ☆ ☆ □ V字型の階段の記憶 14 A Où es-tu mon
amour?; Django & France Hot Club 1 radiofly HP 2 実録満鉄調査部; 草柳大蔵 朝日新聞社 3 wikipedia, 甘粕正彦という謎 HP 4
岸信介; 原彬 岩波新書 テルの詩とラジオ放送について 開戦への踊り場 |
★カーク楽団のこの題名のない曲はベースが最高にモダン[A]。 ☆ ☆ ☆ Updated
2008.1.26
アロマ―テルの悔しさが分かる!父親が電気を作ってるんだから、普通なら合格よ。 クリスマスとアメッコ市の共演 特派員―ラジオという機械は両刃の剣ですからね。 アロマ―東京放送局(JOAK)は1925(大正14)年後藤新平総裁の下でスタートを切った。そして、1936年、つまり昭和11年5月ラジオの全国中継放送網が完成する。 特派員―国民支配に役立つけれど、情報が広範囲に自由に送受信できる世界になったら、国家の管理統制がどうなるか? 放送局長―森繁のような器用な役者を満州の放送局に送り込めば、テルの口を塞ぐことができる… ☆ 編集長―その辺のシナリオを知ってるのは、〈吉永〉という人物だろうな。この人は吉永小百合の父親だが、どんな仕事をしていたか、長谷川テルが1933年退学して東京に戻ったあと両親が就職の世話を頼んだ。しかし、その事実と東京放送局の受験がつながるかどうか、と言うと、《テルの生涯》を書いた利根光一はその関連を切り離してるので、あとでこの放送局のエピソードはいつなのか、と時間的な流れを再構成しなければならなかった。受験の日付は他の資料で探した〔1〕。1934年1月。 ナモネ氏―戦後吉永の可愛らしい娘がラジオドラマでデヴューしたことから想像すると、その人は放送関係者で、テルと森繁にラジオ放送向きの未来的な才能を発見したかもしれないな。 放送局長―諜報の仕事なんじゃないか? アロマ―だんだん見えてきた。そのころは推薦者が必要だったのよ。大学中退はどうでもよくて、家柄と才能が問題だった。それなのに、テルが2次試験を受けようとしたとき、思いがけない妨害にあう… 特派員―家柄?…しかし、何と言うか、このトライアングルに関してはあいかわらず真っ暗闇だね。テルと森繁は東京で会ったことがあるか?森繁久弥と石田博英は大学時代から知り合いだったか?テルと博英は顔見知りだったか?劉仁が日本と中国でどんな活動していたか?どれも情報がない。秋田県立図書館と国会図書館の文献資料にもインターネットにも〔1〕。 放送局長―妄想も湧かない。タイム・オーヴァー。 編集長―そういうわけだから、そろそろ大陸に移ろうか? ☆ ☆ ☆ □ V字型の階段の記憶 13 A Unidentified ;
Andy Kirk & His Orchestra 1
テルの生涯 : 利根光一 長谷川テル作品集 : 宮本正男 |
★〈スリーピー・ラグーン〉はそういう気分に誘う[A] 。 ☆ ☆ ☆ Updated
2008.1.23
椅子とカウンターの下 編集長―1925(大正14)年から始まったラジオ放送の波に乗ったんだと思うね。問題は声帯模写だが、これは謀略放送に悪用できる。 ナモネ氏―子どものころラジオで聞いたのは漠然と覚えてるよ。ロッパと森繁は似ている。 半分半分放送局長―戦争前はコメディアンだったとは思わなかったね。森繁久弥の朗読は、NHKで何となく聞いたが、味があった。 特派員―しかし、どんな理由か、コメディアンは長続きしない。1937(昭和12)年森繁はロッパ一座を退団した。1年もいなかった。その年の4月長谷川テルは満州青年と別々の船でシャンハイに渡った。編集長の推理では、中国で放送の仕事をやる目的をすでに持っていた。それらしい事実は彼女の回想記《嵐の中からささやく声》には出ないが、1938年2月ホンコン放送局から流れた日本語の声は都新聞が報道したとおりテルだっただろう〔2〕。森繁久弥はそれからまもなく、どんな動機か、どんな内面の変化か、東京放送局のアナウンサー試験を受けて無事ボーダーラインを突破した。これは1939年4月の満州行きの切符ですね。 ☆ ☆ ☆
□ V字型の階段の記憶 12 A Sleepy Lagoon;
Harry James & His Orchestra 1 wikipedia 2 長谷川テル作品集: 宮本正男 1979年 嵐の中からささやく声---
1939重慶で 訳 竹内義一 テルの生涯: 利根光一 |
★ピアノがきれいなメロディを美に高める〈ジャンニーナ・ミア〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2008.1.11
放送局長―リンクはもっとある。松涛(しょうとう)公園。確認したわけじゃないが、湧き水の池から出た川が東急デパート本店のY字路の地下を流れる。あの公園は江戸時代恐れ多い紀州徳川家の下屋敷だった。下屋敷というのは大名が参勤交代で江戸に住むときの私的な住居で、上屋敷は公の仕事をするための住居だな。ところが、それが明治維新で佐賀鍋島家の所有になってしまった。 歌内川の下流 ナモネ氏―元の木阿弥どころか鹿角地方も秋田県に取られてしまって、な。鍋と南部鉄の戦いは鍋の勝利。奥羽鎮撫副総督の公家さん沢為量(ためかず)の力だよ。 放送局長―リンクが三つそろうと、もっともらしい説明を考えたくなるな。
特派員―鍋島の殿様がもらった事情を知りたいですね。 アロマ―キリシタン迫害よ。
☆ 陸中大里駅から米代川方向を眺める ナモネ氏―ふうむ。だんぶり長者の伝説では、霊泉か酒の泉だ。 特派員―その小川に名前がないという事実が証明してる。これは政治的にも宗教的にもタブーだから、言葉や文字で直接的に言い表わしてはいけない。 ナモネ氏―ハチ公が大館犬でなくて秋田犬と呼ばれたことも、な。 編集長―〈仮面について〉の仮説にしたがえば、そうなるだろうな。宇田川を歌の川と書けば、神泉谷の流れが名前の発祥地だった可能性がある。 放送局長―佐賀と長崎が北秋田を支援した理由は、やはり銅に結びつく。尾去沢や阿仁の粗銅は大阪で精錬されて長崎からヨーロッパに輸出された。佐賀藩は、幕府直轄である長崎の港の警備を福岡藩と交代で請け負わされていた。財政上の負担が大きい損な役割だ。 特派員――なるほど、北秋田の動きに敏感なのは当然ですね。 放送局長―そう。ところで、歌の川は浮世絵の歌川派を想い出させるけれど、この関係は何なのかな? 編集長―歌川派の絵描きは理由を知っていたはずだ。簡単に言えば、絵の具の顔料は天然の鉱物から作られるから、鉱山と関係が深い。そして、絵描きの才能は鉱山経営の資料作成に必要だった。 ナモネ氏―たとえば、精密な地図とプラン。 ☆ 特派員―こうして宇田川物語を聞いてみると、ハチ公の銅像にはメッセージが溶け込んでいますね。大正と昭和の時代背景を重ね合わせれば。 放送局長―そこなんだよ、君。東京横浜鉄道の社長五島慶太は1944年東条英機内閣の運輸逓信大臣に就任して、戦後公職追放されてる。東条が陰にいるとすれば、ハチ公の銅像は東横百貨店のマスコットどころか全然反対の邪魔な存在だった、と考えたいな。 ナモネ氏―多喜二の死が影響してたかもしれんな。 アロマ―上野教授は関東大震災(大正12年)の次の年なぜ大館からハチ公をもらう気になったか、な? 編集長―上野教授は柳田国男と知り合いだったんじゃないか? 特派員―紀州徳川家15代目の頼倫(よりみち)侯爵は、上野教授の道楽をどう思っていたか?明治維新の戦いを想起させるメッセージではないのかな? 放送局長―この天皇制利用主義の殿様は教授と同じ1925年(大正14)に死んでる。しかも、死亡日は頼倫が5月20日、教授が5月21日。これは偶然かどうか ?頼倫の死因は分からないが、教授は教室で講義中に脳溢血で倒れたとされている。 ナモネ氏―そう言えば、ハチ公は、遺族に嫌われて追い出されてる。 ☆ ☆ ☆ ■ 歌内川→宇田川 後編 前編 A Jannina Mia ; Ralph
Franagan & His Orchestra 柳田追放の裏にいる徳川について |
★〈12番街のラグ〉は渋谷駅と周辺にぴったり[A]。 ☆
☆ ☆
Updated 2008.1.6
特派員―現地に行ってみれば、あるかもしれませんよ。アイヌ語で〈ウツ・ナイ 小さな川〉という意味だから。 編集長―楽しそうだから、聞いてもいいよ、大里の歌内川がどこに流れるか? ナモネ氏―あそこは花輪の町よりも古いんだぞ。 アロマ―えっ、まさか! 大里バス停そばの歌内川 編集長―歌内川には縄文前期の遺跡があるけれど、大里の歴史は6世紀の継体天皇の時代にさかのぼると思いますね。小豆沢大日堂舞楽で一番多く舞を受け持ってる集落が大里ですよ。駒舞、鳥舞、工匠(たくみ)舞。
編集長―駒形神社の神主が笑って言うには、あれは〈ご神体〉なんだ。要するに、銅のメタフォールだ。歌内川で銅が取れた記念だと考えてみるのも、悪くないな。 ☆ 大里バス停 編集長―ミステリーの予感がするね。駅の近くを流れてるのか? 放送局長―地図を見ながら説明した方がいいな…この辺の地形から見ても分かるけど、ね。水源は、京王線幡ヶ谷駅の南、東急バスの折り返し点の近くで、代々幡斎場がある狼谷という窪地だ〔1〕。これがどこをどう通るのか、さっぱり捕えどころがないが、他の支流(初台川、上原川、富ヶ谷川、河骨川、神泉谷と松濤池からの名前のない小川)を集めて、宮益(みやます)坂下で新宿御苑から来る穏田川と合流して渋谷川になる。この駅前東口あたりが合流地点だな。宮益橋があった。 編集長―狼谷は雑木林だったな。公園のそばに消防大学校があって、訓練してる様子が見える。アパートから歩いて行ったことがあるよ。バスの終点は渋谷駅だ。 特派員―斎場と消防大学校…火に関係がある土地ですね。 ナモネ氏―ブラック・ユーモアじゃないな。 ☆ 編集長―宇田川の流れらしいのを見た記憶はないけれど、ずっと地下を流れるのかな? 放送局長―地図では追跡不可能だね。しかし、西武デパートA館B館の間の道路下を通ってるということだ。NHKの前を流れて、だろう。この渋谷川は渋谷駅のあの歩道橋と首都高速の南で地表に出る。 編集長―あの地域で流れが見えるのは渋谷川だけだろうね。学生のころ天現寺橋からずっと川に沿って散歩したことがある。恵比寿の高台の風景が印象的だったが、渋谷駅の前で地下に消えるので、味気なく思ったよ。 アロマ―渋谷駅の入り口にはハチ公の銅像がある。 放送局長―ハチ公はなぜか銅像になった。1934年。 特派員―尾去沢の銅を使ったんでしょうね。 ナモネ氏―主人の上野英三郎(ひでさぶろう)教授の家はどの辺なのかな? 放送局長―東京帝国大学農学部の教授で農業土木技術の草分けでもある人だから、宇田川のほとりだな、と思っていたら、東急デパート本店の辺り、というあやふやうやむやの話しかない。空襲で記録が焼けてしまったと考えられる。しかし、このデパートだが、1934年(昭和9)東京横浜鉄道が東横百貨店という名称で渋谷駅東口の渋谷川の上に建築したものだ〔1〕。ハチ公が自分の銅像の除幕式に出席したのと同じ年に。 ☆ ☆ ☆ ■ 歌内川→宇田川 前編 後編 A 12th Street Rag; Buddy
Rodgers & His Orchestra 1 wikipedia 2 鹿角の歴史案内; 柳沢弘志 2003 無明舎出版 仮面と歌の関係について 川の流路図など詳細な情報はこちら |