HALF AND HALF JOURNAL
無 意味 な 破 片 無意味な破片
Fragments
|
★〈シャイニー・ストッキング〉のドライな演奏はラストが刺激的[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.12.29 大館橋南 有栖川宮通り ナモネ氏―宮様はニヒルな気分なのだ。 放送局長―その気持は分かるね。しかし、メモを読んでも、謀略説には何かたりない。 編集長―政治状況から推理しただけだ。 特派員―高松宮がもっと真相に迫ってくれたら、と思いましたね。 アロマ―飛行場のシーンが出ないなんて、絶対に変よ。 放送局長―忘れっぽいな。前の年1939年に真相を教えるようなヒントがある。高松宮日記、昭和15年、つまり1940年8月4日の出来事〔2〕。宮様はメルセデスで葉山から帰るが、映画館の前で車が水たまりに入ってエンジン・ストップだ。タクシーを拾うと、運転手の名前が喜劇俳優エノケンを連想させたので、エノケン主演の映画をたくさん製作した山本嘉次郎監督の存在にリンクしたにちがいない…ハセはそう解釈した。 ☆ 編集長―だいたいそんなメモだったけれど、偶然的な現象だと思うね。 放送局長―メルセデスが聞いたら、不可能だと言うね。エンジン・ストップもタクシー運転手も、仕組まれたドラマだ。 編集長―ともあれ、1939年というと、何があったかな? 特派員―ナチス・ドイツが9月ポーランドに侵攻、第2次世界大戦がはじまった。 放送局長―そして、地下鉄銀座線が全線開通して浅草と渋谷を結びつけた…〈浅草→京橋→赤坂→渋谷 1939年 メトロの連想〉の記事の最後を読んでみてくれないか? アロマ―あたしも、おもしろいと思った。〈この出来事でおもしろいと思うのは、前年1939年に地下鉄銀座線が全通して浅草と渋谷を結びつけたことである。つまり、エノケンが活躍する本拠地と映画監督が生まれ育った京橋と赤坂御所とハチ公の青銅像が建った渋谷の間が想像を超えて時間的な地図で親密になった時代なのである。〉 編集長―山本嘉次郎監督はハチ公を映画に出演させてる〔3〕。 特派員―高松宮は高輪の洋館で暮らしていた。想像を超えて、というのは確かに言えてるけど、永久王の悲劇とどんな接点があるのか、分かりませんね。 編集長―地下鉄銀座線は、ときおり電車の中が瞬間的に真っ暗になるユニークな地下鉄だ。レールの横の架線から電気を引いてる関係でそうなるということだ。これは現実のことだと思う? 特派員―地下鉄銀座線は遊び場でしたよ。 放送局長―はじめて乗ったときは、故障か、と思ったね。しかし、乗客は何もなかったような顔してた。ちょっと不思議な気がしたよ。 アロマ―考えてみると、パンタグラフを使わなかったのは変よ。 ☆ 放送局長―あの時代はとにかく新しいことにチャレンジしたから、な。地下鉄銀座線の最高に風変わりなのは電車が表参道駅をすぎると、明治通りの前で地上に出て街の上を通って東横デパート2階の終着渋谷駅に入るということだ。渋谷が低地にあるから自然な設計だと言えるけど、あのSF映画風のメトロには科学礼賛と未来主義がバックにあるね。 編集長―そう、ぼくが〈メトロの連想〉と言ったのは、銀座線に何かそういうシュール・レアリスムを感じたせいだ。しかし、記憶のネットワークがうまくつながらなかった。 放送局長―昔ハセから聞いたことだよ。 編集長―現実が奇想天外の出来事のようなとき、うっかり断片的な事実を話すと、危険だということだ。地下鉄の電車が街の上を走ってるのを見た、と話せば、狂っていると判断されてしまう。精神分析の本で読んだと思うけれど、その話をした人はただコンテクストを正確に言わないから誤解を受ける。米放送局長のように誰でも分かる説明的な話し方をすれば、何でもなかった。 ナモネ氏―なるほど。地下鉄の電車が街の上を走ってるのを見た、というタイプの話し方はめずらしくないな。 特派員―なるほど。1940年に起きた永久王の悲劇はそれがヒントだったかもしれませんね。高松宮が事故の状況について書かないのは、どう考えても現実には起こりえないことだったからですよ。 編集長―そして、それは精神を傷つけるほどショッキングだった。 放送局長―精神分析のエキスパートが書いたシナリオだよ。 ☆ ☆ ☆ A Shiny stocking; Count Basie
and His Orchestra 2 高松宮日記 浅草→京橋→赤坂→渋谷 1939年 メトロの連想 |
★〈茶色の小瓶〉もスマートでしゃれてる[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.12.18 手紙沢 大橋と古い橋 放送局長―偽装された船というのは、おもしろいな。日本書紀では、どう変わる? アロマ―反乱軍が仲哀天皇の墓を建設すると見せかけて、船をたくさん連ねて淡路島から明石の海岸まで小石を運ぶ。 放送局長―網に引っかかると、苦戦するだろうな。しかし、淡路島の南の海峡には鳴門の渦潮、おそろしい魔物がいる。 編集長―反乱のストーリーが事実だとすれば、だな。五色塚古墳のような巨大な建造物をわざわざ計略のためにつくる必要はないんだ。その事件もやはり銅製錬の象徴的なストーリーだと思うね。製錬炉があった場所が五色塚古墳になった。 ☆ アロマ―偽りの棺を運ぶ喪葬船は、ギザのピラミッドに行くというわけなの?〈仮面について〉で三角形のフォルムについてこう書いてる。〈クフ王とカフラ王の墓には木造の船が埋められていることは、造船物語から由来するフォルムと解釈させる根拠になる。〉 編集長―そう、偽りの棺を運ぶ喪葬船というのも象徴的なドラマでしかないんだ。何を表わしてるか、と言えば、カナダ太平洋岸トリンギット族の神話が打ち明けてくれる。つまり、〈世界の始まりに船が登場する。太陽の息子が銅製の舟に乗って地上に降りてきて、その子が舟の銅板で家を建てる。〉 アロマ―銅製の舟は白熱光線をきらめかせながら太陽から降りてくるのね? 編集長―そうだ。インディアンの神話を当てはめれば、神功皇后と応神天皇のストーリーだ。皇太子は〈日継ぎの皇子〉と言われるように太陽の後継者であるというメッセージがある。棺は日を継ぐという意味だ。そして、その後継者の子どもとは仁徳天皇のことで、五色塚古墳を建設したと解釈できる。淡路島をご神体とする神社のようなモニュメントだったかもしれないな。構図は川に面した神社様式だ。 ☆ 放送局長―喪葬船のトリックで反乱軍を敗走させたあと、今度は神功皇后が死んだというデマで敵をだまして壊滅させた。現実的な謀略じゃない。これはただ太陽の復活を表わしているのか? 編集長―そういうことになるだろうな。日食のイメージがある。 特派員―五色塚古墳のまるい天辺には石棺が露出していたという記事がある、《播磨鑑》という18世紀の書物に。大正8年ごろまで石の板が放置されていたという記録もある〔1〕。しかし、インターネットで探しても、復元された古墳にはない。 アロマ―でも、宮内庁は神功皇后の御陵を五社神(ごさし)古墳と定めてる。皇后が死んだ1世紀あと4世紀後半から5世紀にかけてつくられた。奈良にある佐紀盾列(さきたてなみ)古墳群に属する古墳ね〔2〕。 ☆ ☆ ☆ A Little brown jug; Glenn Miller and His Orchestra 1 探訪 日本の古墳: 森浩一 編 有斐閣選書 2 ウィキペディア ギザのピラミッドとトリンギット族の神話について |
★〈パリの4月〉はこんなふうに粋に軽くスピーディでなければ[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.12.10 暗門川 第2の滝 編集長―そこには神功皇后と有栖川宮の関係が現われてる。威仁(たけひと)親王が大正2年病死して有栖川宮家の廃絶が決まると、徳川派が政治をあやつる環境ができて、神功女帝もただの皇后にされた。 特派員―仏教寺院の文献資料を調べれば、理由が分かると思う。歴史の争いがある。 放送局長―あの神功皇后の名前は読み方が例外的で、ときどき考えさせるね。伊勢神宮や神宮球場と聞けば、何となく神話に描かれたロマンのイメージが浮かぶ。誰か文学的な才人が考えついたことなんじゃないか?イメージとして永遠に生きるようにと願って、神宮という名詞を後世に残した… アロマ―粋なアイディア。 特派員―渦巻きのソーメンもうまいアイディアだよ。兵庫県は日本一の生産量なんだ。播磨地方の小麦、揖保川の清流、赤穂の塩がある〔1〕。 ☆ アロマ―そろそろ五色塚古墳について想像してみてもいいと思う。あたしには舞子という地名がキー・ワードなのよ。 半分半分放送局長―ダンサーと音楽の深い関係だな。宝塚のミュージカルがはじまった地域と言いたんだろう? アロマ―神功(じんぐう)皇后は太陽の女神アマテラスのモデルなんだと聞けば、天の岩戸のシーンを想いだすわよ。そこに閉じこもった太陽の女神アマテラスを外に誘い出すためにダンサーが踊る。 編集長―アロマは真実に近づいてる。舞子がキー・ワードだというのも、うまい表現だ。 特派員―何か見えてきたような表情だけど、話してもいいんじゃないですか? 編集長―そうだな。誰でも知ってる世界創造の神話にもどると、日本列島で最初にできた陸地はどこかな? アロマ―淡路島。イザナギとイザナミが海をかき回して渦巻きから創造して、島に宮殿を建てて天下を治めた。五色塚古墳は、理由は明らかでないけど、海峡の向こうに見える淡路島を向いてる、展望台のようにね。 編集長―そこで淡路島が舞台になる有名なエピソード、枯野という船の物語について考えると、これは古事記では仁徳天皇の章に、日本書紀では応神天皇の章に出る。そして、ストーリーがかなりちがう。これは銅製錬にかかわる出来事を表わすダブル・イメージだ。淡路島が舞台として語られるのは古事記だけ。枯野(からの)という船はスピードが速いので、島に湧き出る〈寒泉 しみず〉を飲料水として天皇のもとに運ぶ。寒泉、寒い泉というのは硫化物の多い鉱山の青い水の指示記号で、宝石のようにきれいな水だ。船が破れ壊れると、天皇はその木で塩を焼かせた。そして、燃え残りで琴をつくらせた。 アロマ―美しいメロディが流れた。 編集長―淡路島で銅鉱石が発見されて製錬も行なわれた、あるいは、対岸に運んで製錬したり鋳造したりしたと考えていい。近代以前のコンビナートの場所は、川の合流地点のように水上交通のターミナルが必然的に選ばれたはずだ。 放送局長―すると、琴の調べは渦巻きの音楽、銅製錬の成功を意味するということだな。《灰とダイヤモンド》じゃないか? 編集長―そうだな。聴覚器官と三半規管が渦巻きで変調を起こさなければ、しあわせな仕事だろう。日本書紀では枯野という船は応神天皇に伊豆国から献上されて、最後はなぜか武庫川の港での大火災というパニック映画になる。 ☆ ☆ ☆ A April in Paris; Count Basie and His Orchestra 1 ウィキペディア |
★〈シャドーズ〉はしゃれた演奏だが、何の影なんだろうか?[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.12.1 アトリエの庭 半分半分放送局長―怪人物というのは、本当だな。特派員が言いたいのは、ラジオ放送で催眠術をやらせていたんじゃないか、ということだろう? 特派員―ええ、カリガリ博士が、ね。 放送局長―電波の隙間に他の電波を乗せる放送は現実化されてる。つまり、文字放送だよ。催眠術は超能力者に聞いてみなければ、分からない。言葉だけで、それも特定の誰かに対して、できるものかな? 編集長―それが現実にできるとしたら、完全犯罪だ。 特派員―徳川義親はそれから高松宮に何か役割の提案しましたか? 編集長―日記には出ないね。高松宮が皇族首相になるのを止めるのが目的だったのだ。 ナモネ氏―徳川義親の圧力には恐れ入る。しかし、魔力とは言いたくない。 放送局長―宮様は海軍軍人で機械技術の熟練者だから、精神的に参るとは思えないね。 編集長―そう、義親が直接会って話をしたというのは最後の手なんじゃないかな?陸軍がひそかに開発した科学的な呪術や嫌がらせは高松宮をおとなしくさせることができなかった。 ☆ 放送局長―ナチスのテクノロジーが怪しい。 ナモネ氏―満州帝国でも生体実験をやってたぞ。 特派員―何のために、と思うと、ぞっとするね。 編集長―そう、テクノロジーで人をあやつろうと夢を見たのかもしれない。聴覚器官と三半規管には秘密がある。関心を引くのは、それが記憶と連動しているということだ。 放送局長―あるメロディを聞けば、無意識的にその歌がよみがえる。 アロマ―なるほど。編集長は庭で瞑想してるとき音楽に邪魔されて怒ったことがあるけれど、あれがそうじゃない? 編集長―あの歌が、ね…しかし、別に視覚的な映像は浮かばなかった。 放送局長―映像が見えるときもあるよ。三半規管は運動のバランスをコントロールするけど、そのときどうなってるんだろう? 編集長―映像のように脳が過去の運動をよみがえさせる可能性がある。ただ、それは運動のデッサンだから、メロディを聞いた人が現実に過去のシーンを演じるわけじゃない。 放送局長―過去のシーンを演じたら、ノイローゼか精神異常だろうな。 特派員―想起と身体運動のつながりについては、プルースト(Marcel Proust)が《失われたときを求めて》の中で最初に考えた。過去のあるシーンを想い出したとき、過去と同じ姿勢で椅子に腰かけて靴ひもを結んでいた。記憶と体の動きには深い連関があるということです。 ☆ ☆ ☆ A Shadows; Coleman Hawkins & Red Allen Orchestra 聴覚器官と三半規管について 運動感覚の不思議さ 深い関連があるシリーズ |
★〈スターダスト〉は名曲中の名曲。星の屑を歌にしたのはどんな人か?[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.11.25 半分半分放送局長―B沖縄型インフルエンザは深情けなんだ。喉の調子はなおったから、安心したよ。 長根山公園 特派員―完全に無意味なおしゃべりで人気が出る人は、そういませんよ。 放送局長―悪乗りの名人でね。ライヴァルの今仁(いまに)哲男はヒューマニストだった。人生哲学をしみじみと語るのが好きだった。 編集長―対照的な性格の二人の影響を受けてるな。 アロマ―自分で笑わない人だけど、編集長もそうよ。 特派員―今仁アナウンサーは、去年ウィキペディアにやっと記事が出た。それを信用すれば、70年代のはじめに産経新聞に回されたり、歌謡番組の司会をやらされたりした。 放送局長―青少年を生意気にすると、苦労するよ。 編集長―何か縁があると思うね。大学1年の冬野沢温泉スキー場にグループで行っただろう? 放送局長―ああ、そうだ。野沢菜の食べ放題に感激したな。あきないうまさだったよ、君。 ☆ ナモネ氏―人はいつか死ぬ。谷啓もこのあいだ死んだが、仕方がないことだな。 特派員―9月11日、階段でころんだ怪我で。 放送局長―松尾和子も階段でころんで天国に行った。1992年の9月25日だったな? 編集長―あれは、ぼくがアトリエの階段ですべって背中を痛めてからまもなくだった。 アロマ―何かあるな。ミスター・アンダースン(Henry Anderson)が息を引き取ったのが9月23日だから… 放送局長―GHQ時代に知り合いだったということさ。 編集長―不思議なタイミングだ。それだけにしよう。 放送局長―あの二人は進駐軍のキャンプでジャズをやってた。そういう映画を見たことがないから、イメージがあやふやだけど。 ナモネ氏―学生プロ谷啓のトロンボーンは日本人離れだったらしいな。 放送局長―松尾和子のジャズ・ソングなんて伝説だけど、聞いたことがないんだ。あれはおかしい。 アロマ―二人ともジャズ以外で売り出した人ね? ナモネ氏―そうだ。谷啓はクレイジー・キャッツに参加して〈シャボン玉ホリデー〉のコントで人気者になった。松尾和子は、と言えば、〈グッド・ナイト〉大人のムードの色っぽいポピュラー・ソングで受けたもんだ。 ☆ 放送局長―〈シャボン玉ホリデー〉は熱心に見たね。双子のザ・ピーナッツとクレイジー・キャッツ、あの組み合わせが新鮮で楽しかった。ギャグは影響を受けたよ。 編集長―しかし、ハナ肇とクレイジー・キャッツは番組の中でほとんどジャズをやらなかった。日本ではジャズで生活できないのを残念に思ったね。 放送局長―ませてるな。 編集長―まあね。食堂で使ったSP盤の古いレコードで女の歌手の顔を覚えていたけれど、彼女はそのころコメディ番組の人気者だった。あるとき彼女は昔ジャズを歌っていたという話を聞いて、哀愁を感じたよ。こっちはファンキー・ジャズが好きになったときだから、な。 放送局長―湯川れい子の〈ミッドナイト・ジャズ・レポート〉で?それとFM東海の試験放送だけだな、ジャズが聞けたのは。FM東海は民間放送のFM東京の前身だよ。 編集長―どっちもよく聞いた。ぼくはアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャー(Art Blakey and Jazz Messengers)のLPに参っていたね。 放送局長―日本のジャズは戦前から迫害された音楽だ。GHQ時代は例外だよ。 アロマ―アメリカの音楽なんだから、無理もないなあ。 ナモネ氏―そうなのか?…ジャズは根づかなかったと思ってるが、ね。 放送局長―モダン・ジャズが生活感覚から離れたのもマイナスだった。インテリの音楽になってしまって、ね。 ナモネ氏―〈シャボン玉ホリデー〉はかならず〈スターダスト〉で幕を下ろした。ザ・ピーナッツが歌うが、あの演奏は何というバンドなんだ? 放送局長―たぶんブルー・コーツだよ。ブルー・コーツは進駐軍のキャンプで育った。〈11PM〉の司会で時代をつくったおじ様モードのリベラル、小島正雄が最初のリーダーだった。 編集長―小島正雄がそういう人だったというのは、ちょっと知っていた。しかし、ぼくがよく覚えてるのは、あのエレガントなスキーだ。〈11PM〉で見て、いつかああいうスキーをやりたいな、と思った。スウィング・ジャズのセンスなんだ。 アロマ―ふううん。 放送局長―早稲田に入る1年前だったか、急に死んで、辛口の大人がいないテレビになってしまった。 特派員―1968年1月20日。 ☆ ☆ ☆ A Stardust; The peanuts 深夜放送のDJ野沢那智と今仁哲男について 運動感覚とは? 敗戦後の歌のストーリー ミスター・アンダースンについて ▼ We remember Johnny / パール・ハーバーとは何か? |
★〈あたしを月に連れて行って〉はアポロ11号のテーマ・ミュージック[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.11.15 編集長―北秋田地方では冬を楽しむことがテーマのひとつだ。 暗門川 第3の滝の真上 特派員―正確じゃないな。津谷市長は市議会の全員協議会でウィンターガーデン・リゾーツの無償譲渡を受け入れることを視野に入れて県からの支援をふくめて協議していきたい、そう語っただけだよ。北秋田市のHPによれば、その理由は、〈市の観光振興が後退することや観光事業者、秋田内陸線、大館能代空港への影響。地域経済が衰退する懸念など失うものも相当大きいと推測される〉ということだ。 アロマ―市議会に反対意見はあるの? 特派員―それは全然ないね。しかし、県が補助金を出さなければ、どうにもならないスキー場だよ。 アロマ―ターンができないくせに!!! ナモネ氏―失敗したら、ゲレンデの原状回復だぞ。 特派員―ウィンターガーデン・リゾーツは、それでチャリティを選んだ。 編集長―スキー場の経営はどこでも大変だよ。理由は聞いたことがないけれど、ね。 アロマ―ターンができない人がいばるからよ。 ☆ 特派員―世界自然遺産指定地域の白神山地をはじめて見て、やはりすごいな、と思いましたね。あの暗門の滝は本当に標高390メートル地点ですか? 編集長―そうだ。第1の滝は標高390メートルにある。それから上には行けない。 特派員―空が近いように思えたけど、散歩でもするような格好の人が多い。あんな歩道は危険きわまりないですね? 編集長―そう、乾燥していたから撮影も楽にできた。整備する計画はあるようだけれど、西目屋村だけでは負担が大きい。寄付金で何とかなればいいと思うね。 アロマ―鉄パイプの欄干と歩道の間に何もないところが多いなんてね。 ナモネ氏―あの鉄パイプの構築物を恒久的なものに換えても、自然破壊はないな。 編集長―核心地域でないから、そんな規制はないんだ。セキュリティが何かルーズなんだ。 特派員―青鹿岳は見えましたか? 編集長―バスの中から源流を見ただけだね。ガイドの話ではあそこは入山許可証がいるということだ。 アロマ―新幹線効果で来年から観光団体や旅行者が増える。マナーが心配だわ。 編集長―そう、マナーの悪い人がいると、自然環境は極端に傷つく。ブナの天然林は大事にしなければいけない。 ☆ ☆ ☆ A Fly me
to the moon; Ray Anthony Orchestra ---He played in
Glenn Miller's band from 1940-1941 and appeared in the Glenn Miller movie Sun Valley Serenade in 1941 before joining the U.S. Navy during World War
II. 1 さきがけ新報2010/11/11
青鹿岳にまつわる歴史??? |
★〈私の夢〉を聞いたのは、これで何度目か?色あせない歌。[A] ☆ ☆ ☆ Updated
2010.11.10 JR大館駅 ナモネ氏―森吉山の土地がもらえるなら、考えてもいいが、なあ。 編集長―純白の大自然の中で人間の自然さを取りもどさなければいけないね。 特派員―別にないね。素人にできることじゃない。2009年度から北秋田市のNPO法人〈冒険の鍵クーン〉がゴンドラとその他の施設をただで借りて営業したけど、このNPOはスキー場の経営に関しては素人なんだ。 アロマ―うまく行かないのは分かってたのよ。だから、この冬はNPO法人〈森吉山〉が運営して3月27日まで営業する。編集長は21世紀の阿仁スキー場をまだ一度も滑ってませんね? 編集長―暇がない。大鰐にも行ってないよ。アロマはなぜ安比に行くのかな? アロマ―理由は言いたくないけど、そうね、おもしろいから行くのよ。NPOというのは何なのか、なあ? 編集長―歴史から見れば、あれはNGOの市民活動に対抗するために国家が仕立てた民間組織だね。NGOの良さは名前のとおり非政府機関であることだ。 特派員―NPOは非営利活動を歌ってる。しかし、現実は行政機関の下請けですね。 アロマ―秋田県は責任のがれの横すべりをやってるのね? ナモネ氏―国家公認の団体だから、なあ。あまりにも日本的だよ。 ☆ ナモネ氏―小坂鉄道は二進(にっち)も三進(さっち)も行かないが? 特派員―しようがないですね。小坂製錬町が鉄道遊園地計画にこだわるかぎり、旅客列車は永久によみがえりませんよ。 編集長―あそこは、ちょっとずるい。旅客列車の再生をあきらめたのは、議会の調査で赤字経営という結果が出たからだそうだ。しかし、HHJの質問書にはその調査報告がどんなものか、答えようとしなかった。 特派員―赤字にならない経営を考えたかどうか、怪しいですね。 ナモネ氏―結論は最初から決まってるのだ。よくあることだよ。 アロマ―やはり鉱山時代のアンチ・ヒューマニズムの伝統が生きてるのね。大館市の独立性にかかわる問題だわ。 特派員―今日は鈍行列車のトークだな。 アロマ―米さんは風邪に好かれて、大変なのよ。 特派員―鷹巣のA香港型インフルエンザに嫌われて、ハッピーだよ。ちょっとコールしてみるか…米さん、調子はどうですか? 半分半分放送局長―たぶんB沖縄型のウィルスだ。熱はないんだが、喉がかゆい。 特派員―〈たぶんB沖縄型のウィルスだ。熱はないんだが、喉がかゆい〉と言ってる。米放送局長の声らしくないですよ。 放送局長―Bが問題なんだ。B… アロマ―B? 特派員―米放送局長の最後のメッセージにはいったいどんな秘密があるのでしょうか? ☆ ☆ ☆ A My dream; The Platters |
★〈あたしはちがう自分になる〉とハイカラな演奏でせまる[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.11.7 JR弘前駅 特派員―どうもそうらしいね。秋田県の資料には明記されてないけど、太平山の下に奥羽本線と並行して約2kmのトンネルを通すと思う。 アロマ―バイパスの建設費用は、国が持つの? 特派員―国道7号線のバイパスだけど、道路法の規定では国の事業なら国が3分の2、県が3分の1を負担する。秋田県の建設事業になれば、国と県がそれぞれ事業費の2分の1を負担する。 アロマ―県の提案を国が受け入れなければ、秋田県の事業になる? 特派員―それも資料では明らかでないね。ただ秋田県は今泉から空港までの改良工事もやらなければならないから、反対の声が強まるね。 ナモネ氏―国が国道7号線バイパスを建設して、そのあとに高速道路も、というのは公費乱用だ。無料の高速道路なんだから、車はそっちに吸いよせられるに決まってる。 アロマ―そうね。だいたい今のハイウェイも走る車がないと陰口を言われてる。必要がないのよ。 ナモネ氏―9月定例議会の県議会だよりを読むと、北林丈正(たけまさ)議員が高速道路網の全面開通は断念するのか、と質問してる。県は、バイパス建設計画は地方が策定したもので、高速道路網の全面開通の構想は持ちつづけたい、と答えた。実現は無理だから、と本当のことを言うべきだな。 特派員―巨大建設プロジェクトの夢が消えると、佐竹知事は選挙で危ない。 編集長―ハイウェイもバイパスも必要がない。道路建設ばかりやるな。 特派員―あっ、編集長。タイミングがいいですね。アロマが〈旅の雑貨屋〉をやりたがってるんです。 編集長―悪くないな。きみまち阪の騒音と大気汚染が心配だよ。 ナモネ氏―長谷川編集長が騒音を嫌うというのはニュースだ。 ☆ アロマ―内陸線の列車がJRの奥羽本線に乗り入れて弘前まで走る、そういう計画があります〔1〕。秋田県は9月から工事費などの調査して来年の2月に結論を出すそうだけど、どう思いますか? 特派員―青森までの東北新幹線が12月4日開業することに合わせて、交通体系が新青森駅中心に再編される。本当なら、内陸線の列車はその日弘前に走っていなければならないね。 アロマ―新青森駅から接続する特急に乗れば、弘前駅まで半額割引なのよ。そこで内陸線の列車は観光客などをいっぱい乗せて鷹巣駅に行く、この路線は理想的だわ。 ナモネ氏―鷹巣駅でポイントを自動的に切りかえる工事をする必要がある、とJRは言ってるが?秋田県は金を出さなければならないんだろうな? 特派員―ただ乗り禁止ですよ。 編集長―佐竹知事は豪華客船でロシア旅行したな? アロマ―内陸線の列車乗り入れに金を出し惜しむと、あとが大変ですね。北秋田シーアンドレール構想を早く実現してほしいですわ。 特派員―シーというのは、彼女のこと?それとも、見るということ? アロマ―どっちでもご自由に。 編集長―しかし、内陸鉄道の今の状態では、なあ、すぐにあきられてしまうよ。 ナモネ氏―そう言えば、あの阿仁川洪水のあとアロマは内陸鉄道の列車を利用したか? ☆ ☆ ☆ □ 旅の雑貨屋 4 5 A I'll never be the same;
Coleman Hawkins and His Orchestra 1
NHK 8月27日 |
★〈つきまとうメロディ〉は妙にロマンチックな演奏だ[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.11.4 白神山地 暗門川 アロマ―外務大臣ラブロフ(Sergueï Lavrov)のせりふがぴったりよ。〈It
is our land.〉… 特派員―ところで、1956年の日ソ共同宣言はどうなるんでしょうね? ナモネ氏―そうだなあ、平和条約締結後にハボマイ・シコタン2島返還という合意だったが、平和条約は結ばれないままだった。理由は普通の生活者には想像もできない。それで21世紀になって、世界大戦の最終章みたいな争いをやってるんだが、共同宣言の合意は白紙にもどったと考えるべきだろうな。ただの紙屑だ。 アロマ―アメリカ政府のクローリー国務次官補は日本の立場を支持しながら、北方領土に安全保障条約を適用できないと明言した〔1〕。東シナ海の小島と反対に北方4島は日本の施政下にないから、という理由。そして、日本に平和条約交渉をすすめてる。 編集長―ということは、まず何はともあれ第2次世界大戦の残り火を片づけろ、という意味だ。ロシアとの平和の誓いがなければ、国連憲章に定められた旧敵国のカテゴリーから脱出できないことになる。 放送局長―旧敵国条項を廃止しろ、と独善的に要求しただけじゃあ、な。外務省は論理的でない。 特派員―日本は忘れていましたね。第53条と第107条は、第2次世界大戦で連合国の敵国だった国が憲章に違反する行動を起こした場合、国際連合加盟国ができることを定めてる。現在に翻訳すれば、要するに、ロシア政府がそれを〈戦争の結果として〉反撃に出ても、アメリカなど他の安全保障理事会常任理事国はそれを承認するということですね。 ☆ ナモネ氏―アメリカ政府は立派にルールを守ってるなあ。 アロマ―ああいうエリートの育ちも問題よ。言葉で言わなくても、何でも思いどおりに欲望が満たされる、そんな生活環境。 編集長―アメリカの家庭は子どもを絶対に甘やかさないね。 放送局長―しかし、そうすると、東シナ海の尖閣諸島騒ぎはどういうことになる? 編集長―〈戦争の結果として〉とは日清戦争のことじゃないから、むずかしいな。ただぼくは魚を食べたくない人間なので、沖縄の漁師たちが自然保護でなく愛国主義の芝居を勝手に演じるのは迷惑だ。あの辺の魚は自由に遊ばせておかないといけない。 特派員―まあ、何と言うか、ぼくも魚が泳いでるのを見るのは好きですけど…気になるのはフィガロの記事ですね〔2〕。13日と14日開催されるAPECの会議で〈日本にとって最悪のモメントもありうる〉と予想してる。 アロマ―魚が泳いでるのを見るって、本当にいい気持よ、ねえ。 ☆ ☆ ☆ A A Haunting Melody; Illinois Jacquet 1 毎日新聞 2010年11月2日 11時14分 2
Medvedev en visite sur une île revendiquée par le Japon Par lefigaro.fr 01/11/2010 Mise à jour : 12:21 |
★〈バードランドの子守唄〉がご機嫌なテンポの演奏で[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.10.29 初雪の秋田青森県境 編集長―東京地検特捜部の〈形式的な取り調べ〉が検察審査会で批判されたのは当然で、市民の良識が政治と検察のあり方を同時にゼロから考え直そうとした状況がこういう果実をもたらした。個人生活では民主主義が立派に生きてることを国際社会に向かって証明したと思う。 ナモネ氏―市民の勇気に感動した。名前を知らないが、復讐心で生活や生命を脅かそうと罠を張る悪党がいるから、な。そういうことがなければ、本当の民主主義で本当の市民社会だ。 ☆ 特派員―仙石官房長官は、〈有罪判決が確定するまでは被告人は推定無罪の立場だ〉と語りましたけど、民主党はいずれ政治的な責任論にぶつかるはずですね? 編集長―選挙が近づけば、だな。幸か不幸か急がなくてもいい。ただ問題なのは国民の支持率だろうな。それがパワーを持つね。 ナモネ氏―民主党を出ろ、というのは暴論だよ。小沢の後を追う議員がどれだけいるか、考えると、言えるはずがない。 特派員―国民の支持率がパワーを持つようになれば、菅内閣は何をやればいいんでしょうか? 編集長―オープンな政治という民主党の理念をすみやかに現実化しなければいけない。 特派員―鹿角と北秋田地方は小沢一郎の支配から逃れられるでしょうか? ナモネ氏―石田博英が1993年に亡くなったあと小沢一郎が遠慮も何もなく岩手県から侵略してきた、という見方がある。抑止力を持った政治家が必要だよ。しかし、今は現実的な話じゃないな。 編集長―小沢一郎の他にも悪い奴はいっぱいいる。地方が無政府的な方向に進まなければいいと思ってる。 ☆ 編集長―検察審査会という制度は、たとえて言えば、住民監査請求だよ。この役割はただ議会と行政の仕事に〈ノー〉と言うことなんだ。それだけでも民主主義のメカニスムは正常に動く。 特派員―住民監査は準司法的な制度だけど、残念なことに首長が選任した行政側の委員が行なう。検察審査会は、秘密に選ばれた市民が自由意志で裁くことができる。これは厳しい。 半分半分放送局長―要するに、検察の活動を批判するんだから、な。しかし、こういう秘密はデモクラシーの最後の砦みたいなもんだ。 編集長―検察が正しく仕事していれば、必要がない。 放送局長―検察の意義にまで問題が発展する。 特派員―大阪地検特捜部の冤罪仕立て事件も、そういう面がある。特捜部を廃止しろ、という乱暴な非難ですね。 放送局長―廃止していいんじゃないか?財政が助かるよ。 編集長―あれは、たぶんそんな目的が隠れてるドラマじゃないか、と思うね。 特派員―前田検事の自作自演、無理心中のような一種の内部告発ですよ。 編集長―ともあれ、地検特捜部は北海道とすべての県に置くのが理想だ。もっと増やさなければいけない。それが実現できないのは日本の何かが狂ってるからだと考えていい。 特派員―地方の自立に欠かせない条件ですね。 放送局長―なるほど。特捜部は敗戦後の占領時代にできたときは日本のFBIと呼ばれたそうだが、初心に帰るべきだな。特捜部のミッションは悪徳政治家や国家暴力団、国際テロ組織と戦うことだ。 ☆ ☆ ☆ A Lullaby Of Birdland; Les Brown & His Band Of Renown ▼ 主任検事を起訴: 〈深くおわび〉して、これからどうするのだろうか? 秋田地検の堕落の実態 ▼ HHJ、前代未聞の告訴状を提出
VOL.77 2000.12.12 |
★名曲〈また会いましょう〉のムードで何となく気晴らし[A] ☆ ☆ ☆ Updated
2010.10.22 特派員―牧野の映画制作に資金を出していたのは皇族かもしれませんね。1913年、大正2年、有栖川宮威仁親王が病死して、有栖川宮家の廃絶が決まった。 裏町通り 半分半分放送局長―伝説を映画化したのか? アロマ―映画のストーリーについては全然情報がないの〔1〕。 編集長―しかし、有栖川にかかる橋を舞台にした映画だろうな。有栖川宮家の廃絶が背景にあったんじゃないか? 特派員―映画を見れば、分かると思う。戻橋の有栖川も、どういうわけか、平安時代に名前が消えた川ですよ。 編集長―それは〈アリスと有栖川宮〉で触れた。そこにもどらなければならないんだが、舞子と湊川の話が終わりそうにないな。 ☆ 特派員―ところで、1935年、昭和10年、牧野省三の息子マキノ正博がマキノトーキー製作所を創設して本格的なトーキー映画の時代を開いた。有栖川の近くで渦巻きの映画です。昭和10年にどんな出来事があったか? アロマ―3月8日ハチ公が渋谷川の稲荷橋付近で死去。10月17日秩父宮が弘前第31連隊の演習で大館に来る。 放送局長―大館の世界史。 アロマ―そして、日本刀が陸海軍で復活する。西洋式のサーベルを廃止したの。 ナモネ氏―そうか、武士道の時代に、な。 特派員―それから考えると、幕府が勝手に国家をあやつるようになった。刀というのは大和魂が入ってるから、戦う道具を超越した霊的な存在ですよ。 ナモネ氏―そういう古代的な信仰があったと思う。 放送局長―チャンバラ映画が残酷な現実になってしまったな。手足と首を切り落とすのが罪悪でない時代になったということだ。裏には外国人の恐怖心につけこむ心理学がある。 ナモネ氏―キリスト教徒は霊魂の復活を信ずるから、肉体の一部が欠けるのを極端に恐れると言われてる。野蛮なサムライは明治維新の前夜気づいたと思う。 編集長―あれには土偶や伎楽面と同じように霊魂の魔力を封じこめるという呪術的な信仰もあるね。かなり原始的なんだ。 特派員―ええ、呪術的ですね。ああいうショッキングな残酷映像は、早くも日清戦争のときに西洋のジャーナリズムが非難してる〔2〕。想いうかべるだけで吐き気がしますよ。 アロマ―生命には根源的なつながりがあるわよ。 編集長―そう、あの宣伝効果は馬鹿にならないな。 ☆ ☆ ☆
A I'll Be Seeing You; The Five Satins 1959 1 ウィキペディア 2 明治天皇; ドナルド・キーン(Donald Keene) 秩父宮と大館 宮様とハチ公のストーリー |
★〈ムーンライト・カクテル〉の味は南の海にぴったり[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.10.11 岩瀬 旧鉄工所の事務所 半分半分放送局長―ふうむ、やはり外務省は強い。情報を一手に引き受けてる機関だからな。 アロマ―漁船の問題で怪しい動きをしたのが外務省だってこと、忘れてる。 放送局長―そうだったな。那覇地検もおかしな動きをしたが、船長を釈放したとき、中国の軍事施設を無許可で撮影したフジタ社員の身柄拘束は知っていたのか? 特派員―当然、20日その日のうちに情報が日本政府に入ったはずです。 放送局長―すると、中国人の船長の拘置延長が決まった翌日じゃないか? 特派員―19日、つまり歴史のカレンダーをめくれば、満州事変のドラマが上演された日ですね。 放送局長―9.18を忘れるな、とデモの集団がアピールしたというけど、中国の民衆は謀略の匂いを感じ取ったな。きわめて自然な疑惑だ。ノイローゼだと非難すれば、原因は中国侵略にある。 特派員―4人組の日本人社員は日本軍の遺棄化学兵器処分事業の入札のために行ったそうだから。しかし、法に触れたのは事実ですね。日本の報道機関は、〈報復カード〉だと非難してる。 放送局長―タイミングが悪い。4人組のうちまだ一人が釈放されてないというけど、漁船カードとぴったり一致してる。これは、どっちもシナリオとカメラを持っていた映画だよ。 アロマ―4人組の最後の一人が釈放されたっていうニュースが出てる。 ☆ アロマ―考えなければいけないのは、23日グリニッジ標準時17時47分BBCのニュースが最初に日本人社員の無許可撮影と身柄拘束を公表したということね〔2〕。プラス9時間で日本時間では24日午前2時47分。あたしはそのときまだ日本の報道で見てなかった。 特派員―ぼくもそうですね。しかし、23日中国はその事実を日本に通告したと毎日新聞の記事にある。日本政府に、という意味でしょうね。 アロマ―ちょうどその日何があったかと言うと、外務省アジア大洋州局の石兼参事官の話では〈船長の釈放が発表される前日の23日、官邸側と相談して担当課長を那覇地検に派遣、「現在の日中の状況について説明した」〔3〕〉そして、釈放が23日昼前に決定された。菅内閣に報告したのは昼で、那覇地検が釈放を公表したのは24日。この展開は交差点を猛スピードでターンするような感じじゃない? 放送局長―そう、何か秘密があるな。欲張りは捕まえた獲物をあっさり手放すなんてことはやらないもんだよ、な、君? 特派員―まあ、とにかく〈日中の状況〉に日中戦争の白黒フィルムが入ることが分かって、那覇地検の独断じゃないな、と思いますね。あの建設会社の社員は何か特殊な存在ですよ。 放送局長―人質交換のドラマは超法規的な措置なんじゃないか?マス・メディアの沈黙は談合だ。あいかわらず鎖国的な政治だよ。 特派員―米さんはやはり立派な放送局長ですよ。 アロマ―船の映画も制作してほしいわ。 ☆ ☆ ☆ A Moonlight Cocktail; Glenn
Miller and His Orchestra, The Modernaires 1 TBS 08日17:20 2 Four Japanese
'filmed Chinese military zone' 23 September
2010 Last updated at 17:47 GMT 3 TBS 9月27日22:01 |
★〈ユー・アー・マイ・スリル〉がこんなに甘い演奏になるとは[A]。 ☆ ☆ ☆ Updated 2010.10.4 東バイパス 鳳凰橋 半分半分放送局長―船の悲劇というのは鉱山の悲劇だったな。湊川の事件じゃないが? ナモネ氏―《播磨国風土記》に参考になる出来事がある。宇頭(うず)川が流れこむ海に大きな渦があるので、神功(じんぐう)皇后が危険を避けるために船を川の上流に運ばせて、そこから対岸に渡り、ふたたび海に運ぶ。今の揖保(いぼ)川だよ。それで犠牲者が一人出た。理解しがたい行動だ。 特派員―船を川の上流に運んで、と言うのは、翻訳すれば、船で川をさかのぼり橋を架けて、鉱山に行き、銅鉱脈に穴を掘り、坑木で落盤事故を防いで銅鉱石を掘り出して製錬するという一連の鉱山経営事業の象徴ですね。しかし、風土記のイメージは鳴門海峡の渦潮がある地域だ。 編集長―アミダクジ・モードだよ。だから、武庫川の港というのは実際は湊川の港だったかもしれないと考えた。もっとおかしな例がある。武庫川と兵庫という地名は非常に古いようだけれど、名前の由来と思える出来事はそこに見当たらない。ところが、日本書紀には神武天皇が大和征服のとき岡山の高島に仮宮を建てて武器や船を作り、それから大阪を攻めたが、失敗したとある〔2〕。記号論で言えば、指示記号と記号内容が極端にずれて結びつかない。 ☆ 放送局長―まるで無関係な男の女のストーリーだな。 アロマ―ああ、そうだわ。舞子にある恋人岬の風習もそんな感じなの。柵の鎖に錠をかける。絶対に別れないというおまじない…と思うけど、別に説明がない。 放送局長―ロマンチック…しかし、鍵をどうするのかな、と想像すると? アロマ―鍵穴型の五色塚古墳のそばなのよ。日本書紀にエピソードがある。神功皇后が朝鮮半島に遠征に行った帰りに、のちの応神天皇の異母兄弟である二人の皇子が反乱の計画を立てた。海峡で待ち伏せする作戦だけど、表向きは遠征の途中で死んだ仲哀(ちゅうあい)天皇を葬る古墳と見せかけるために海峡のそばに五色塚古墳の建設を始める。反乱軍の兵士たちは船を連ねて対岸の淡路島から古墳に小石を運んだ。まるい石で古墳をおおうのは古墳の様式ね。 特派員―偽りの公共事業だ。 編集長―これは起源説話だな。 アロマ―うん、そうだわね。その謀略のドラマはどうなったか、と言うと、皇子の一人が天罰に当たって死んだので、あっけなく中止になった。神功皇后の軍は無事に海峡を通り、琵琶湖の前の宇治川でオシクマ皇子の反乱軍をやっつけた。古事記では、神功皇后は先に反乱の情報を知ると、皇太子のちの応神天皇を船に乗せて、皇太子が死んだというニュースを流した〔3〕。そして、皇太子の棺を運ぶ喪葬船の中に兵士たちを潜ませた。舞子の海岸、つまり武庫川のあたりで待ち伏せたオシクマ皇子ら反逆者の軍隊はだまされて敗北した。トロイアの木馬に似てるドラマね。古墳の建設はない。 編集長―そう言えば、あの地方は埴輪の発祥地吉備国の隣だな。馬の埴輪もある。 アロマ―五色塚古墳には馬の埴輪がないわ。円筒型の埴輪が古墳のまるい頂上を縁取ってるだけなの。 編集長―船や家の埴輪もないな。 ☆ ☆ ☆ A You're My Thrill;
Illinois Jacquet and His Orchestra 2 小学館 3 岩波文庫 |
。。。
★〈なぜ〉という歌は、みんなが知りたいことを歌ってる[A]。 ☆ ☆ ☆ Updated 2010.9.24 アトリエ 特派員―チヨ・ワダ、ロバート・ヤマサキ… アロマ―フランク・ショウゾウ・ババ。ウィキペディアをみたら、フランクの記事があった〔1〕。1942年、昭和17年6月からOWI(戦時情報局)のVOAに配属されたというの。 特派員―そうか、それで明白になった。 アロマ―日本語で心理戦放送。〈みなさんは軍閥に操られ、誤りに導かれている〉そして、日本政府がポツダム宣言を受諾したという放送もやったようね。しかし、それだけじゃない。GHQのアメリカ戦略爆撃調査団の一員に選ばれて、1945年11月2日に日本に来た。 半分半分放送局長―聞き流せない話だな。 アロマ―この人がいなかったら、終戦後のラジオ放送の改革はできなかった。GHQはNHKの放送を〈民主主義を育成するための最も強力な武器〉と位置づけて、文化政策を受け持つCIE(民間情報教育局)ラジオ課が放送事業の指導と管理を行なった。ババは〈真相はこうだ〉という戦争の真実を知らせる番組などにかかわる。調査団が2か月で帰ったあとも必要な人材として日本に残った。 放送局長―デモクラシーを愛する人たちにはハッピーなことだ。しかし、ブロードキャスターは東京の暗闇を安心して歩けなかっただろうな。 アロマ―フランク・ババの最高の仕事は、民間放送局の設立を支援したということね。1948年までGHQとNHKはそれに経済的な理由で否定的だったけど、フランク・ババは進駐軍が日本を離れたあとに不安を感じていた。〈日本は民主化されたと思っているが、NHKと新聞社を牛耳れば日本の世論は1週間で変わる〉と。フランク・ババは安全装置として民間放送局を設立して競争させるべきだとラジオ課の課長に訴えた。CIE局長、GHQ上層部、放送法制を担当するCCSも賛成した。 放送局長―そうして、やっとTBS東京放送局が設立されたのか?なかなか感動的だな。 アロマ―TBSじゃなくて、中部日本放送局。1951年9月1日開局。 放送局長―記憶ちがいだったな。しかし、立派な活動だ。 特派員―民間放送にも二面性がありますよ。 アロマ―でも、それは日本人の問題だわ。 ☆ ☆ ☆ A Why; The Platters 1 1915年1月3日 - 2008年1月16日 |
★ボサノバの名曲〈ワン・ノート・サンバ〉で熱い夏にさよなら[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.9.17 大館橋南 有栖川宮通り 半分半分放送局長―沖縄県で人気があるというのか? アロマ―ええ、そうよ。沖縄の四つの選挙区全部でポイントを上げた。 ナモネ氏―北海道と青森県、秋田県では、どういう結果だ? 特派員―北海道は12区のうち菅首相が11ポイント。青森県は4区のうち小沢が3ポイント。秋田県は3区のうち菅首相が2ポイント。県南で小沢が1ポイント取った。寺田前知事の地盤ですよ。 編集長―岩手県と沖縄県も言ってくれ。 特派員―岩手県は4区で圧倒的に小沢の勝利。沖縄県は4区でこんな調子で甲子園のような熱戦。 編集長―青森県、岩手県、沖縄県と言えば、日本の辺境だな。辺境に強い政治をやってるということだな。 放送局長―国家暴力団が暗躍してるということだよ。沖縄は国際テロ組織も活動しやすい環境だから、不安は消えるどころじゃない。 特派員―名護市議選で普天間飛行場移設反対派が多数を占めたから、いよいよ大変ですね。 アロマ―北海道の大変でなくてよかった。 ☆ 特派員―菅首相は勝利のあと、敵味方なしのノーサイドで行こうと演説しましたが、鳩山と小沢は民主党を割るでしょうか? アロマ―国会議員の投票結果では、菅首相支持206人、小沢支持200人。 編集長―野球で負ければ、球場からさびしく去って、陽の当たらない生活だ。民主主義の政治では、選挙で負けたといっても、半分近い議員の数がパワーになる。 放送局長―メジャー・リーグ方式で考えたい。 アロマ―じゃあ、陽の当たらない生活ね。北海道の最果てのように。あたしは大館ローズなのよ、みなさん。 編集長―北海道の最果て、ねえ。 特派員―ぼくは国会で半分半分の票だから少しはバランスも取らなければ、と思ったけど、地方でのポイントを無視すると、国の内外で危ない気がする。地方のほうが国際社会と共通する意識を持ってるから。 ナモネ氏―そういう見方もできる、なあ。菅直人が勝利の旗を細切れにするのは、馬鹿げたことだ。 編集長―国際社会との関係を考えれば、鳩山小沢グループは航行不能の戦艦みたいなもんだ。浮かんでいるだけ。時代遅れの思想だから、そうなる。 ナモネ氏―そうだ。たとえば、東アジア共同体構想は民主党連立政権が出発したとき鳩山小沢グループの誇大広告商品だった。 特派員―箱を開ければ、ショッキング、空っぽ。 編集長―そう、あの構想からロシアが排除されて、秋田県はいい迷惑だ。 放送局長―広い意味で環日本海文化交流圏をきづこうと真面目に考えている人たちがいる。そういう人たちは悔しい思いをしてるだろうな。 アロマ―ニュース…岡田克也外相が幹事長に。 ☆ ☆ ☆ A One Note Samba; Les Brown & His Band Of Renown ▼ 菅首相が再選:〈スクラップ・アンド・ビルド〉の政治の終焉 |
★〈黒いオルフェ〉のモダン・ジャズ演奏は映画のセンスが生きている[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.9.14 アトリエの庭 ナモネ氏―しかし、奇妙な書き方だよ、これも。 半分半分放送局長―声がない、というジョークだろうな。アメリカの声放送と言えばいいんだよ。 特派員―なるほど。見事です、半分半分放送局長。そして、5月8日ナチスが無条件降伏したあとのある日、ある日、ザカライアス大佐がマイクの前で日本語をまじえて話しはじめた。これでジグソー・パズルの絵がすっきりしましたね。 放送局長―宮様の日記にある8月9日のサンフランシスコ放送、つまりソ連の対日宣戦布告のニュースはVOA(Voice of America)放送か? 特派員―そう考えて悪いことはないんじゃないですか?ザカライアス大佐の使命はもう終わっていたんだから。 ☆ アロマ―謀略放送やプロパガンダ放送というと、あたしは映画《マッカーサー》で見たシーンを想いうかべる。フィリピンから小舟で逃げてメルボルンに向かってるとき、ラジオ・トウキョウらしい放送が聞こえる。女の声が語りかけるのは、〈ネクタイ・パーティしましょうね?〉〔2〕 放送局長―つまり、首吊りにしてあげるっていうこと。 アロマ―ものすごくこわい放送なのよ。 ナモネ氏―ナチスの例を言うと、ラジオ放送じゃないが、爆撃機の乗組員を家族の生命で脅迫した。ルビッチ監督の映画《生きるべきか、死すべきか》に描かれてる。〔3〕 アロマ―キャロル・ロンバード(Carole Lombard)が飛行機事故で死ぬ前に出演した映画よ。 放送局長―あれは劇団の活躍がおもしろすぎて、日本で未公開だった。敵を悩ませる心理戦のテクニックが分かる。アメリカ政府の公式放送をそういう謀略放送と間違えるなんて、絶対おかしい。 アロマ―《戦後秘史》によれば、ザカライアス大佐がマイクで話す前にマッキボイ海兵中尉という人がこう語りかけた。〈今、日本人は特別連続放送の第1回目を聞こうとしているのであります。この放送の中でアメリカ政府のスポークスマンが、日本の運命と切実な関係をもつ、大統領宣言を読み上げますから注意して聞いてください。〉 ☆ 特派員―ザカライアス(Ellis Zacharias)海軍大佐は東京の駐日アメリカ大使館に勤務したことがあるそうで、日本語も理解した。そして、バス局長が言ったように〈無条件降伏とは日本国民の奴隷化でもなく、生活習慣を変えることでもなく、それは軍隊の降伏だけを求めるものである〉という話をした。だから、日本側はまもなく警戒をゆるめて、ポツダム宣言をめぐって間接的な対話をやるように変わった。愛宕山の海外向け放送ラジオ・トウキョウの電波で。これをアメリカ政府との交渉と言わなくて、何ですか? 放送局長―ラジオ放送を使った和平交渉と言っていいな。顔が見えないだけだ。 ナモネ氏―それでポツダム宣言を受諾しなかったんだから、なあ。軍隊の無条件降伏降伏というのが怒らせたのか?…天皇の地位を保持できるかどうか、それにこだわったというのは、つまり、良心が少しでも残っていたと思わせるための作り話だ。 アロマ―分かった。 放送局長―そうだったか…天皇の地位の保持と原子爆弾を秤にかけたとは! ナモネ氏―裏にあるのは陸軍幕府と海軍の意地だ。 特派員―大森は〈狂信者集団〉と決めつけてる。彼らはポツダム宣言を〈黙殺する〉という政府見解を27日午後3時鈴木貫太郎首相に発表させた。 放送局長―ザカライアス大佐の番組の録音ディスクが聞けたらいいな。それが情け容赦もなくすべてを語ってくれると思うね。 ナモネ氏―日本は原子爆弾を覚悟していたということを、な。 ☆ ☆ ☆ A Black Orpheus ; Lee Morgan & Wayne Shorter 1 大森実 著 2 制作1977年 監督Joseph Sargent 3 制作 1942年 監督Ernst Lubitsch
長谷川テルの反日放送について 東京ローズの放送について一言 東京ローズとNHKの裏面について
|
★〈たぶんあなたはそこにいる〉かわいい女の清らかな恋の歌[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.9.12 大館橋 半分半分放送局長―ウェスト・コーストで放送の仕事をしていたのか? アロマ―ええ、そのとおり。NHKの写真で海外向け短波放送ラジオ・トウキョウの透明な録音ディスクを見て不思議に思ったけど、本当に透明なのよ〔2〕。そして、ゲーリー・オノの話でOWIの放送の舞台裏もかなり透明になった。メモを読んで。 特派員―オーケー。日系人たちはパール・ハーバー攻撃直後から放送に協力していた。1942年6月ミッドウェイの勝利のあとOWI(戦時情報局)が設立されると、サンフランシスコ市内のパレスホテルで活動した。しかし、日系人の西海岸からの撤退命令が出たので、デンバーに移ってアルバニー・ホテルにある KFEL 局で活動を続けた。そのときゲーリー・オノの父サム・マサミ・オノはアマチ収容所で応募して、OWIで働くようになった。日系人のブロードキャスターは男女12人いた。KFEL 局のオフィスを分け合うイギリス BPWM とアメリカ OWI は基本的に同じ仕事をしていた。しかし、終戦の6か月前つまり1945年2月そこが閉鎖されて、サンフランシスコ市内のOWIの機関にもどった。これが日本語放送局KGEI 。日本でサンフランシスコ放送と言われている放送局らしい。サム・オノはBBCのためにも仕事をした。インタヴューでゲーリーが話した言葉をそのまま言うと、〈ニュース原稿、それにワシントン D.C.とロンドンの監督者が選んだ社説を日本語に訳していたのです。彼らの放送は電話を通じてサンフランシスコへ送られ、ビニール製のガラスディスクに録音した後、音楽やトークを交えた3時間番組に編集されて短波放送で日本向けに発信されていました。〉 ☆ 放送局長―3時間番組、ねえ。電話でサンフランシスコに放送を送ったとすれば、デンバーKFEL 局で仕事をしていたときだろうな。KGEI局がそれを〈音楽やトークを交えた3時間番組〉に編集して短波放送で日本向けに送信した。あきれるね。生放送じゃなかったということだ。毎日やっていたのか? アロマ―別に、スケジュールの話はない。 特派員―終戦の6か月前にサンフランシスコのKGEI局にもどったのは、たぶん日系人をスパイ扱いしなくてもいい状況になったから。ちょうど硫黄島の戦いですよ。 ナモネ氏―その3時間番組とザカライアス大佐の番組はちがうのか? アロマ―よく分からないけど、3時間のワイド・ショーにザカライアス(Ellis Zacharias)大佐のコーナーが設定されたとは思えない。でも、裏方は同じ人たちでしょうね。 放送局長―そうだな。OWIが創設したVOA放送については、何も話してないのか? アロマ―そこが大事な点ね。VOA放送については、最後に言ってるけど、VOAのディレクターが2003年5月に特別企画を立て日系人博物館で開催したそうなの。これはアメリカ政府が第2次世界大戦中の日系人ブロードキャスターの貢献を公式に認める意義があったということです。 放送局長―なるほど、VOA放送の仕事だな。すなおに考えれば、そういうことだ。コールサインKGEI局とは、つまり、VOA(Voice of America)放送局なんだ。 ☆ ☆ ☆ A Maybe You'll Be There ; Teresa Brewer 1959 2
NHK教育〈戦争とラジオ 第2回 日米電波戦争〜国際放送は何を伝えたのか〉2009年 |
★暑い午後は何と言っても、ボサノバが最高〈ファラウェイ〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.9.10 アトリエ 特派員―まさか、アメリカ側の放送資料なんて、ぼくは見てないよ。 アロマ―NHK教育ETV`特集〈戦争とラジオ 第2回 日米電波戦争〜国際放送は何を伝えたのか〉2009年12月20日、日曜日、放送。ほらね。 特派員―本当だ。 半分半分放送局長―ザカライアス(Ellis M. Zacharias)というのは本名なんだ。謀略放送なんて呼ぶのは失礼だよ。 特派員―そうすると、HPによれば、NHKは2度ザカライアス放送に関して番組をつくってるね。1980年7月10日ドキュメンタリ−〈政府 之ヲ管掌ス---知られざるラジオ時代〉では、元OWIサンフランシスコ放送局のクロ−ド・バス局長が放送の目的について語ってる。〈放送の最も重要な使命は無条件降伏という言葉が意味することを日本側に説明することだった。〉言ってみれば、解説と説得工作ですよ。しかし、局長はサンフランシスコ放送なんて言わないはずだ。外務省の松本外務次官もインタヴューでサンフランシスコ放送とは一度も言ってない。サンフランシスコから、とも言ってない〔1〕。 ☆ 放送局長―〈サンフランシスコ放送は実在したか?〉…結論を言えば、OWI(戦時情報局)のサンフランシスコ放送局とは、VOA (Voice of America)というアメリカ政府のオフィシャル放送だよ。サンフランシスコ放送とか放送局なんていうのはどこにも実体がない。日本側が勝手にそう呼んだのさ。 ナモネ氏―戦時中は仕方がない面もある。敵国の内部事情だから、な。しかし、戦後はアメリカに聞けば、分かることだろう。 特派員―そうですね。おもしろいことに高松宮日記にもサンフランシスコ放送が出る。〈8月9日700有馬大佐より0400サンフランシスコ放送でソ連が対日宣戦をした旨の電話〔2〕。〉つまり、軍令部で傍受したんだから、海軍でもそう呼んでいた。HHJがオリジナルで確かめたのは、それだけ。 アロマ―ザカライアス大佐の写真を手に入れたんだから、NHKはかなり深く調査したのよ。2009年の放送だと、ラジオ・トウキョウの放送を傍受した録音盤も撮影してる、アメリカ公文書館で。 特派員―サンフランシスコ放送というラジオ放送局の当時の局長をも知ってる。しかし、なぜかザカライアス放送の資料、つまり録音盤には無関心だった。ないはずがない。これはミステリーですよ。 放送局長―だいたいポツダム宣言の〈無条件降伏の条件〉をめぐって、そればかりに気を取られてしゃべってるから、な。どれもこれも、だ。他に考えることはないのか、と文句を言いたくなったよ。 ☆ ☆ ☆ サンフランシスコ放送とVOA---A B A Far Away;
Astrud Gilberto 1 戦後秘史: 大森実 2 高松宮日記メモ: 1945 終戦までの影のストーリー---b |
★〈もどっておいで〉のアルト・サックスはあまりにも優しい[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2010.9.4 大館橋 ポーチ・ランプ 半分半分放送局長―そうだったか…忘れてたよ。しかし、小沢は陰のリーダーだったな。 ナモネ氏―大館橋に、予定にない大文字マークをつけるよう電話で指示したのも、あれだろう。 特派員―国の補助事業で下流側の匂欄の改修工事をやるとき、上流側に秋田県が単独の予算で事業をやる必要がある場合、国に状況報告を提出して、許可をえなければならない。そう補助金適正化法に定められてる。しかし、北秋田土木事務所はそれを怠った。 編集長―誰かが東京に密告したにちがいないな。建設省に。そういうことだったな? 特派員―ええ、誰かが、ね。建設関係者なら、不正な塗装工事だとすぐ分かったはずですよ。 ナモネ氏―北鹿新聞が下流側の匂欄の改修事業を記事にしながら、反対側の大文字マーク塗装については何も書かなかったというのは、怪談話だ。 編集長―大館市の小畑市長と土木課がそれを知っていながら、黙認したというのは奇々怪々だ。不正であることも認識していたはずだ。 放送局長―それで建設省は秋田県に文句を言ったわけだな。 特派員―たぶんね。HHJがそう考えたのは、下流側の匂欄工事が翌年の春なかなか再開されなかったから、です。匂欄の取り付けが真冬に途中で終わって、工事用の鉄パイプが危険防止のために設置されたまま、つまり、市民の歩行者にとっては非常に危ない橋になった。 放送局長―継続事業でも予算がつかないというのは、よくあることだ。理由は単純じゃないが。 編集長―分かってるが、危ない橋なんだ。いつまでも放ったらかしにするのは許されない工事だ。 特派員―ええ、そうです。橋の事業には特別な面がありますよ。 放送局長―なるほど。今度は建設省がさぼった… 特派員―運悪く4月細川首相が突然辞任して、羽田首相になった。小沢が細川首相の首を切ったという流言は真相に迫ってると思いましたね。 編集長―国民には理解しがたいあの政変で大館橋の予算は何かごまかされてしまったな。 ☆ ナモネ氏―さて、大館橋の妨害工作はマス・メディアも仲よく黙殺したが、芝居は終局に近づきつつあるという予感がする。問題は小沢一郎と小畑元の関係が分からないということだ。 特派員―そうですね。小畑市長と野呂田元衆議院議員は建設省OBで、この強力なコネクションは派手に宣伝されていた。その二人と小沢は、マス・メディアで見るかぎり決して一緒にならない。ただ北秋田地方と岩手県という隣り合わせの関係だけですね。 放送局長―小沢の顔は枠の外か… ナモネ氏―三人そろって、あの田中角栄の傘の下にいたとしても、不思議じゃないが、な。 特派員―しかし、編集長の定義によれば、三人とも超国家主義者ですよ。 編集長―あの国際興業のバスに乗って岩手県と北秋田地方を好き勝手に走り回ってるから、な。 放送局長―排気ガスがひどい。創業者の小佐野賢治と角栄は二人三脚の関係だ。 ナモネ氏―花巻温泉が本拠地だよ。 ☆ 特派員―小沢一郎は選挙の神様と思われてるけど、候補者をキャスティングしてドラマチックにやるのが特徴ですね? 放送局長―めずらしい演出家だな。温泉ホテルのステージできたえると、あんな国際的な芝居をやるんだろう。 編集長―芝居の途中で金を拾うなんて、おもしろいドラマだ。しかし、民主党の代表選挙に出たのは自滅的だと思うね。明治10年の西南戦争を連想する。 放送局長―なるほど、なあ。鳩山由紀夫が新人議員に向かって小沢への〈恩返し〉の投票を呼びかけたというのは、正体暴露だよ、な、君。 特派員―そんな封建的なことを選挙のときに言うとは、ね。民主党を吹き飛ばす自殺テロですよ。 編集長―そう、あの二人は政治責任を取ったはずだな…霞ヶ関の官僚も国民も言うことを聞くわけがないと承知していながら、逆襲のドラマというのは、理性的じゃない。混乱させるだけだ。 ナモネ氏―リヴァー・ユートピアは岩手県での撮影を遠慮してるといううわさがあるが? 編集長―いや、別にそんなことはありませんよ。旅費をごまかせれば、いつでも行きます。 ☆ ☆ ☆ A Come On Back;
Benny Carter 大館橋の大文字マーク塗装事件について |