HHJ
辺境地方の平和なテロ ☆8月16日付けのル・モンドは、イランの政治情勢を内側から逆投影した〔1〕。 Pendaisons, arrestations,
fermetures de journaux... Il souffle sur l'Iran un vent de répression
accrue, particulièrement aux marches du pays où la présence de minorités
ethniques et religieuses fait craindre aux autorités de Téhéran des
risques de rébellion. C'est le cas des provinces frontalières de l'Irak
et de la Turquie, où vivent la plupart des 6 millions de Kurdes iraniens Téhéran
intensifie la répression contre les Kurdes アロマ―〈オ・マルシュ・デュ・ペイ〉って、国の階段で、じゃないの ? 特派員―それじゃ文の意味が狂うだろう。辞書を見たら、女性名詞の〈marche〉は歴史の用語で辺境地方のことなんだ。 編集長―錯綜した表現が増えてるから、注意してくれよ。 アロマ―花火の音が止まった。夏祭りも終わりね。 Malheureusement,
tout le monde n'a pas suivi notre exemple, Poutine
annonce la reprise des vols permanents de bombardiers stratégiques 編集長―シャンハイ協力機構の軍事演習でプーチン(V :Poutine)大統領が戦略爆撃機のパトロールを再開すると発表したが、そのせりふがおもしろいよ。1992年それを止めたけれど、誰もわれわれの模範(notre exemple)を見ならわなかった、というんだ〔2〕。しかし、そっちの翻訳を見せてくれないか? アロマ―はい、はい。 Le 31
juillet, la justice iranienne a confirmé la condamnation à mort par
pendaison de deux journalistes kurdes, Adnan Hassanpour et Abdolvahed
Botimar. "Depuis l'élection de Mahmoud Ahmadinejad, la répression
s'est renforcée", estime Asso Hassan Zadeh, conseiller du comité
central du Parti démocratique du Kurdistan-Iran (PDKI, parti d'opposition
en exil). "Mais le cas d'Adnan revêt une autre dimension, dit-il,
en raison de son profil : c'est un journaliste, kurde, condamné à mort
sur des accusations extrêmement graves sans que la moindre preuve ait été
apportée. Même au plus fort de la guérilla kurde [de 1980 jusqu'au
milieu des années 1990], alors qu'il y avait une répression massive et
des exécutions sommaires, nous n'avions pas assisté à une telle
condamnation. Téhéran sent le danger intérieur, les risques de rébellion
et veut faire un exemple pour terroriser la population." Téhéran
intensifie la répression contre les Kurdes 編集長―なるほど、明日の運命を見る人は少なくないな。 アロマ―模範という言葉が、何か、何か、気になる。 編集長―日本政府に聞けば、分かることだよ。 特派員―日本人はどこへ行こうとしてるのかな ? ☆
D 長木川上流社会特派員 ダレナニ 1
Téhéran intensifie la répression contre les Kurdes >>> LE MONDE | 16.08.07 | 16h11 Cécile Hennion 2
TCHEBARKOUL (AFP) >>> 17 Août
2007 17h42 France info Radio France Poutine annonce la reprise des vols permanents
de bombardiers stratégiques |
Updated 2007.8.10 国民のテストはまだまだ続く--- B ☆驚くべきことに、東北地方では農民が反乱して一人区で自民党候補を全滅させた〔1〕。青森県---平山幸司(新 37才),秋田県---松浦大悟(新 37才),岩手県---平野達男(現 53才),山形県---舟山康江(新 41才) 北海道と東北の二人区では、北海道と宮城県と福島県で民主党と自民党が議席を分け合った。とはいえ、トップ当選の三人の民主党候補(小川勝也、岡崎トミ子、金子恵美)は圧倒的な差をつけて、楽勝だった。 秋田選挙区では激戦の予想が多かった。現職の金田勝年は自民党よりも個人を評価してほしいと訴えたが、大蔵省出身の国会議員が12年活動した結果は隠しようがない。中央の大資本企業が戦前の財閥のように弱肉強食の株万能主義の刀を振り回して、地域住民の基本的な人権と生活を真っ黒に塗りつぶした。したがって、秋田放送のアナウンサーで顔と親しい印象を広めた松浦大悟が民主党と社民党の支援を受けて勝った。2004年の選挙で秋田テレビの元キャスター鈴木陽悦が当選したのに続き、二人目の放送経験者。この理由は、秋田県民が無口であることを反省したからだろう。 Fort
habilement, le chef de l'opposition, Ichiro Ozawa, avait axe sa campagne
sur la vie quotidienne des Japonais et les regions rurales, bastions de
la droite, qui se sentent abandonnees par le pouvoir central. Elections au
Japon: vers un lourd echec de la droite au pouvoir, Abe s'accroche 〈axer〉という単語は初めて見たが、名詞形は〈axe 枢軸〉だな、と容易に連想できる。民主党が国会の半分をコントロールする権利を握ったからといって、楽観的にはなれない。衆議院で第1党になるために民主党は何を求められているか、古顔のリーダーたちは誠実に一般国民の心情を理解するべきである。 参議院は良識の代表であることを期待されている。衆議院の権力志向活動を厳しく公正に批判しながらバランスを取るのが本来の役割である。今度の選挙は、参議院が存在する価値がないという根強い不信に答えた。自民党公明党連立政権は、野党が参議院の議長席を奪い取ることに権力の崩壊する音を聞くとは思っていなかった。 しかし、民主党の圧倒的な勝利はただ自民党の一連の腐敗事件と年金記録に関する疑惑と国際関係での大失策が原因である。民主党のマニフェストが共感を呼んだからではない。 ☆ D 長木川上流社会特派員 ダレナニ 1 NHK TBSi 2 TOKYO (AFP) France info Radio France >>> 29
Juillet 2007 15h29 Radio France France info Elections
au Japon: vers un lourd echec de la droite au pouvoir, Abe s'accroche 岩手関連記事 ▼ 八幡平の東と西の争い 2006.4.29 ▼ 秋田と岩手の争い 2005.8.20 ▼ HPヴィデオ製作の裏面
2004.6.28 |
Updated 2007.8.6 国民のテストはまだまだ続く--- A Le scrutin, dramatisé et mediatisé, aura valeur de
test national... la coalition du Premier ministre se dirige vers une lourde defaite フランスの記者はその言葉でさらに極東情勢の認識を表そうとしている。国家の主導権がひそかに外国に奪われたという意味である。外国とは、朝鮮半島の二つの国のことではないだろうか?しかし、日本列島と朝鮮半島の区別がつくヨーロッパ人はそう多くないのである。 〈国民のテスト〉については、説明がいらないはずだ。経済大国であるという理由だけで、国民は国際情勢と世界平和に影響を与えることを自覚しなければならない。それは今度の選挙では〈自民党の一党支配〉を終わらせるという民主主義の枠組みへの認識として現われた。政権交代、言い換えれば権力の独占を否定することは憲法に明文化されていないが、民主主義という理想の前提条件である。発展するために必要な環境づくりである。 結果は、民主党が非改選の議席と合わせて参議院の第一党になった〔2〕。自民党の建物は半分土台から屋根まで崩れ落ちた。 ☆ D 長木川上流社会特派員 ダレナニ 1 TOKYO (AFP) France info Radio France >>> 27
Juillet 2007 15h03 Elections au Japon: la coalition
du Premier ministre se dirige vers une lourde defaite 2 NHK 毎日新聞 TBSi 7月29日 |
Updated 2007.7.27 刈羽原子力発電所の奇々怪々な事故 ☆7月16日の中越地震で柏崎市の刈羽原子力発電所が脆弱さをさらけ出した。絶対的な安全のための設計と管理は幻想でしかなかった。フランスの報道によれば世界最大の規模の原子力発電所だが、東京電力は、仕方なく18日重大事故を明らかにした〔1〕。 A
7号機の排気筒から通常検出されないコバルト60とヨウ素とクロム51が検出された。原子炉が自動停止したとき、作業員が本来止めなければいけない送風機を止め忘れたのが原因だという。 B
1号機の地下5階に放射能を含んだ水が流入した。 C
6号機から放射性物質が海に流れ出た。 D 低レベルの放射性廃棄物の貯蔵庫でドラム缶約100本が倒れ、蓋が開いたドラム缶もあった。 E変圧器で火災が起きた。 "A l'évidence, le Japon
doit conduire un examen exhaustif de la structure, des systèmes et des
composants du réacteur pour être certain de tirer les leçons nécessaires
du séisme", a-t-il prôné. Japon : la centrale nucléaire
contrainte de fermer この異変の重要な疑問は、二つある。 政府は、設計時の想定を越える最大680ガルの揺れを記録したので、新しい耐震基準に基づく検証作業を全原子炉55基で行なうことを表明した〔3〕。日本の巨大ダムは地震で被害を受けたことがないが、最大限の安全を要求される原子力施設はそうでなかった。基準を低く抑えた政府と建設関係企業に対して倫理的な責任を問わなければならない。 原子力発電所に関する知識がない住民でも、コバルト60とヨウ素とクロム51という意外な放射性物質の出現に不安を感じる。クロム51は初耳だが、ヨウ素はチェルノブイリ事故で知れ渡った甲状腺異常の治療薬であり、コバルト60は放射線照射による殺菌消毒に広く利用されている。コバルト60の殺菌能力はジャガイモの長期保存にも役立つが、定量を越えれば、殺人兵器に変わるだろう。それら放射性物質の使用は普通のことなのか? ☆
D+H 長木川上流社会特派員 ダレナニ 1 NHK 7月19日 21時25分 TBSi 18日01:15、19日21:33 2 Japon : la centrale nucléaire contrainte de fermer >>> NOUVELOBS.COM18.07.2007 3 読売 2007年7月17日(火)11:32 大館市にもコバルト60が存在する |
Updated 2007.7.24 クリルの過去とこれからの発展計画 ☆ロシア政府は3日2015年までのクリル(千島)諸島発展計画を承認した〔1〕。2007年に約25億ルーブル(約110億円)を投資、総額179億ルーブル(約800億円)を投入する予定である。この計画には〈ロシア本土との経済的結びつきを強化し、日本からの領土返還要求に対抗する狙いがある〉と朝日新聞は分析する。 プロジェクトの内容は、日本政府と国民に正義をあきらめるように語っているようなものだ。エトロフ島に空港を新設、クナシリ島のメンデレエボ空港を改修して、交通などの基盤整備を進め、漁業と観光の振興を図り、住民の人口を増やす。確かに、日本人は北方領土以外の問題でも正義を愛する国民であるということを国際社会に言論で示さなければならない。 クナシリ島はすぐ目の前にあるが、今や霧のかなたに消えようとしている。千島列島の国境問題を振り返ると、1855年に始まる。徳川幕府とロシア帝国は和親条約でエトロフ島と北方のウルップ島の間に国境線を引いた〔2〕。しかし、サハリンについては曖昧だったので、1875年5月7日明治政府とロシア帝国は、千島列島を日本の領土、サハリンをロシアの領土、と取り決める樺太千島交換条約を結んだ。 蝦夷地(北海道)は戦国時代から武田信広一族の松前藩が支配していた〔2〕。18世紀末ロシアがオホーツク海に進出すると、国の利益を守るために徳川幕府が統治するようになった。これがどんな形態か分からないが、幕末には東北諸藩が防衛の任務を命じられたのは常識的な事実である。HHJ編集長の記憶と別海町の資料を総合すれば、クナシリ島がすぐ目の前に見える海岸地帯は会津藩が防衛と鮭と昆布などの収穫を目的として支配権を持っていた。その記念碑と跡が野付半島に残っている。徳川将軍家の名門松平会津藩は、明治政府に最後の最後まで抵抗した頑迷な悲劇の藩である。世界史的な視野で見れば、明治政府の文明開化には北海道解放運動の一面があった。 ☆ D 長木川上流社会特派員 ダレナニ 1 朝日新聞 2006年 8月 3日 (木) 8月12日 (土) 共同通信 2006年 8月 3日 (木) 2 wikipedia この記事と合わせて読む |
Updated 2007.7.11 北海道の東の海上での悲劇: 船長の国際意識を疑う H ☆6月1日ロシア国境警備庁は、カムチャッカ半島北東の沖の排他的経済水域で富山県の漁船を拿捕した〔1〕。船長を含む乗組員17人は連行されて取調べを受けているが、ロシア当局は日本政府による釈放要求に応じる様子を見せていない。日本政府は、それが明らかな国際海洋法条約違反であると判断して漁船と乗組員全員の引き渡しを求めて、1週間以内に国際海洋法裁判所に提訴することに決めた。去年11月事件を引き起こした釧路の漁船の引き渡しについても提訴する方針だという。NHKによれば、日本が国際海洋法裁判所を含めて国際裁判所に事件を訴えるのは戦後初めてのケースである。 どちらに正義があるか、国際裁判所で争うのは一歩前進だろう。戦後のジャーナリズムは北海道の東の海上で起きるその種のアクシデントを起爆装置に利用して国民の心情を反ソ反共産主義に塗り変えようとした。感情的なトーンを響かせなくても、NHKニュースの効果は圧倒的に大きかった。これには映像を電波で送るという科学的な魔術の力も働いていた。国民は北方領土から追放された島民への同情心と所有権回復の欲求を刺激された。そして、不幸なことに現在の一点しか見たり考えたりしないように馴らされてしまった。 国際海洋法裁判では、どんなことが問題になるだろうか?ロシア側の反論を控えめに疑問符をつけて予想すると、このアクシデントの背景がネガティブに浮かび上がる。 1
日本政府は外国の利益を不法に侵した漁船を非難したり国内法で処分あるいは防止措置を取る意思がないのか? 2
釧路と富山の漁船の船長はサケとマスを取る以外に目的は持たなかったか? 3
2隻の漁船の船長はどんな政治思想と人生哲学を持っているのか? 4
2隻の漁船の船長は外国の排他的経済水域に接近したり曖昧に侵入することが国際関係に重大な悪影響を及ぼす場合があるという認識を持っていないのか? ☆ H 1 NHK 7月5日 13時15分 |
Updated 2007.6.18 エリツィン以後の北方領土を眺める Une
"nouvelle Russie démocratique, un Etat libre ouvert au monde",
sont nés grâce à Eltsine, a-t-il dit. La Russie rend un dernier hommage à Boris Eltsine エリツィンの改革はソ連のファシズムの反省から出発していた。ゴルバチョフ(Mikhaïl Gorbatchev)は情報公開(グラスノスチ)と東ヨーロッパ諸国の民主化の承認などソヴィエト連邦の抑圧的な政治の改革を推進したが、西側諸国のような個人の基本的権利を新しい建築の柱にしようとは考えていなかった。エリツィンは、1991年7月ロシア共和国の初代大統領に就任すると、大胆にそれを実行して民主主義と資本主義に方向を切りかえた。ヨーロッパとアメリカは、言うまでもなく歓迎した。日本では保守派と右翼団体が戦争に勝ったような昂揚感に浸った。自由と平和を愛する人たちには、ともあれイデオロギーの冷戦が終わったのは事実だった。 しかし、冷戦の終わりは国際テロ組織との戦争の過程でロシアが第2次世界大戦で連合国だったという記憶をよみがえらせた。プーチン大統領はナチス・ドイツとの戦いでの連帯意識を復活させると、極東地域では北方領土問題についてそれを応用した。〈第2次世界大戦の結果であり、議論の余地はない。〉これは4日ハイリゲンダム・サミット直前の言葉だが、2005年にも同じことを国民とのテレビ対話で言っている〔2〕。 第三者的に解釈すれば、こういうことだろう。日本は国際連盟を脱退した侵略国であり、無条件降伏してサンフランシスコ平和条約でサハリンと千島列島に関する権利の放棄その他を条件に国際社会に復帰することができた。ソ連は中国の不参加を理由に署名しなかったが、日本は国連加盟国としての責任でその平和条約を国際平和のために守る義務がある〔3〕。 千島列島の地理的な範囲は、問題にならないと思う。ソ連はヤルタ会談でのイギリスとアメリカとの合意に基づいてエトロフ・クナシリ・ハボマイ・シコタンを占領した。サンフランシスコ平和条約はそれを否定する定義を特に必要としなかったのだから、連合国の合意は尊重されなければならない。 1956年ソ連と日本は、戦争状態を終わらせる平和条約の締結後に歯舞と色丹の両島を日本に返還すると合意した日ソ共同宣言を出した。しかし、ソ連の経済情勢が悪くなると、経済大国日本は欲張ってそれさえも拒否した。背景にあるのは、ロシアを敵国として位置付ける帝国以来の日本の頑迷な政治戦略である。 6月3日、ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は北方4島を視察した〔4〕。クナシリでは地元の行政府担当者らと会談、ヘリコプターでシコタン島の新しく完成した学校を訪問、ハボマイ諸島をも見て回った。ロシア外交の責任者のはじめての北方領土訪問はプーチン政権が積極的に打ち出した極東地域の発展計画の進み具合を見るのが目的だが、マス・メディアと日本政府を非常に不愉快にした政治的なメッセージだった。ロシア経済の好調が続けば、当然それだけ投資が増えるはずである。見返りに北方4島をもらうという経済協力の思惑があっけなく座礁してしまった。これから順調に行くかどうか? ☆ H 1 MOSCOU (AFP) 24 Avril 2007 15h03 Radio France
>>> 2
毎日新聞 2005年10月4日 前田英司 読売新聞 6月4日21時18分配信 モスクワ 緒方賢一 3 参照: サンフランシスコ講和条約 wikipedia 4 NHK 6月3日
11時57分 |
Updated 2007.6.1 ★特派員報告★ 石垣市議の逮捕: 取り調べ拘留中の辞職 ☆22日の記事の翌日、石垣昇市議が容疑を認めて辞職を考えているという報道が北鹿新聞に掲載された。酒をもらった女性が、〈義母〉という言葉を使っていた。近所の人なら、市議を中心軸にしたそんな定義はしない。HHJは、その証言者を特定したいと思った。 25日、秋田地方検察庁に22日の記事を送信した。次の日、石垣市議が〈議会に迷惑をかけられない〉という理由で辞職願いを提出、虻川久崇議長は面会してそれを即日認めたという報道記事が出た。25日、拘留中の辞職である。取り引きがあったのか?ともあれ、 1
憲法が保障する言論の自由などの基本的人権を刑事訴訟法で制限しているとき、辞職願いは本人の自由意志でありえない。そう認識することが容疑をかけられた市民の人権を守ることにつながる。 2 容疑者は市議会議員なので、拘留期間中の辞職願いを認めることは、警察権力が三権分立の理念を侵害して議会の自立に介入したという疑惑を招くことになる。国連で日本の警察の非民主的な在り方が問われているとき、これは反発のメッセージだろう。警察はどこへ行こうとしているのか? ☆ |
Updated
2007.5.24 小さなミスの恐るべき連関 ☆今日4月25日は、2年前にJR福知山線で電車が脱線転覆して多くの犠牲者を出した日である。この事故はJR西日本が安全を重視していれば、絶対に起こりえなかった。 人は間違いから逃れられない生き物である。だから、間違いには寛容でなければいけないことを民主的な市民社会は知っている。しかし、小さなミスでも他のミスと連関すれば、重大なアクシデントになる。電車の軽量化と重心の高度化、カーブとスピード・オーバー、自動列車停止装置の不備。会社と国がそれを予測できなかったと弁明しても、許されることではない。犠牲者の冥福と遺族の幸せを祈りたい。 ☆ この記事は、ウェッブログ《CAT WILLOW》に4月25日掲載された。 |
Updated 2007.5.22 ★特派員報告★ 石垣市議の逮捕: バスターミナルから見た大館市役所 ☆4月22日石垣昇市議が公職選挙法違反で逮捕された。先に逮捕された義弟近藤久義と義母カナ子に1月上旬同行して有権者10数人に酒と菓子を贈り、投票を依頼したという事前運動の容疑である。北鹿新聞は、〈共謀〉という言葉で市民に先入観を与える誘導的な書き方をした〔1〕。市議は一緒に行ったことを認めたが、投票を依頼した容疑を否認している。 5月20日、日曜日の午後3時、石垣昇市議の妻砂津子に会った。4年前の秋田県議選に〈救国のジャンヌ・ダルク〉として立ち上がった元教師は、疲れた表情でHHJの疑問に答えた。芦田子に住む弟と母が逮捕された事件の発端から順を追って整理して並べる。 ―大館警察署の話では、密告があった。ある男の人が酒をもらったという。 ―酒は旭が丘の酒屋からいつも買っているので、データが残ってる。年始回りのために買った。経営者は石垣昇の同級生。 ―石垣昇が立候補を決意したのは、2月初め。石垣本人は肝臓の病気と視覚障害で選挙に出る意思はなかったけれど、相染町内の人たちが、応援するから市議選に立候補するように説得したので、決意した。 ―弟と母は、投票を依頼したことはない、と私に話した。 ―石垣昇は今秋田市の医療施設
(拘置所の付属なのかどうか?) に入れられてる。母は秋田市の留置場(代用刑事施設)に送られた。弟は大館警察署の留置場に。 ―石垣本人の取り調べは朝9時から7時まで。妻の面会は禁止です。 21日昼前、旭ケ丘のリカー・ショップの経営者はHHJの疑問に渋々答えた。事実をまとめると、こういうことだ。 ―去年の暮れ、(クリスマスのあと)5,6本日本酒を買いに来た。石垣昇本人ではない。奥さんの砂津子が持って行った。(芦田子に)自分が配達したのではない。2度目の購入は、いつ頃か… 妻の実家は農業を営み、義理堅く毎年集落の年始回りをする。石垣昇が立候補に迷っているとき、身内が投票の依頼を言い出したのは期待感が引き起こしたエラーと考えれば、ありえないことではない。ところが、この二人は、出来事の流れから自然なことだが、選挙のための行為はしていないと打ち明けていた。警察の取り調べで容疑を認めたプロセスには、何があったか?録音テープのような物的な証拠か、自白の強要か?挑発的に人権を踏みにじる拘留の仕方は、秋田県警ばかりか大館市政に対する不信と疑惑を強める。 ある市民は、大館市議選の非民主的なドラマについてこんな風に議会の力学から推理した。 ―次点で落選した藤原美佐保を石垣昇の代わりに市議にするために、仕組んだことだよ。藤原は平成会の市議だった。当選すれば、平成会は16人で、過半数を取れる。 平成会は副議長経験者2人を含む現職6人が落選して、定数30議席の半分を上回れない散々な選挙だった。山館地区が地盤の藤原は平成15年5月19日から平成17年6月19日まで副議長の席にあった。彼らライト・スタンドの面々と北鹿(ほくろく)新聞社の市民だましの共謀を疑う。 新議長に就任した虻川久崇(ひさたか)は、選挙で代表者を選んだ市民の立場に立ってこの事件を人権と議会制民主主義への暴力と受け取るべきである。代表とは、文字どおり代わりに表現することだから、だ。 ☆ D 長木川上流社会特派員 ダレナニ 1 2007.5.15 日本の警察に対する国連の批判 石垣市議の告発を読む |
Updated
2007.5.13 フランスの新大統領が 語るパリの言葉の裏通り ☆フランス大統領選は、ニコラ・サルコジーが社会党候補ロワイヤル(Ségolène Royal)の46.94%に対して53.06%を集めて勝った。 フランス人は明快な話し方を好むが、国際テロ戦争という錯雑した状況では他の意味にもひそかに通じるような多義的な言葉選びが増えた。それで、ときおり読者は角を曲がって裏通りを見ないと、正しい解釈ができないんじゃないか、と不安になる。大統領選の結果を伝える記事には、やはりそんな調子の表現があった。 Le président de l'UMP, 52 ans, a estimé dès sa
première déclaration que les Français avaient choisi la
"rupture" qu'il préconise pour réformer profondément la France.
Devant ses partisans réunis salle Gaveau à Paris, il s'est posé en
"président de tous les Français", tout en soulignant que ces
derniers "ont choisi de rompre avec les idées, les habitudes et les
comportements du passé". La France s'éveille
avec un nouveau président, Nicolas Sarkozy フランスは新しい大統領ニコラ・サルコジーと一緒に目覚める ―UMP( Union pour un Mouvement Populaire人民運動のための連合)の52才の大統領は、初の勝利宣言をしてから、フランス人は彼がフランスを深く改革するために熱心に勧める〈決別〉を選んだのだと評価した。パリのホール〈ガボー〉に集まった支持者の前で、彼は〈全フランス人の大統領〉として自分を立てた、フランス人は思想と習慣と過去の振る舞いと縁を切ることを選んだのだと強調して。 〈rupture〉 の意味はあとで限定される。しかし、辞書には堤防などの決壊、血管などの破裂、条約の破棄、婚約の解消という意味も普通に載っている。後半部を読むまで、かなり当惑させられた。寂しい裏通りに迷い込んだ。そして、報道機関と霞ヶ関の翻訳者の鉛色の顔を想像した。 国際テロとの戦いで父親役を果たした第5代のジャック・シラク(Jaques Chirac)大統領は、まもなくエリゼ宮を去る。世界の原始美術を集めたケ・ブランリ(Musée du quai
Branly)博物館を散歩して、一冊の本を仕上げるかもしれない。去年9月セーヌ河畔にオープンしたこの博物館はパリっ子大統領のライフ・ワークだった。 ハンガリー移民の子である新大統領は、そうすると、東欧美術の掘り出し物なのかな? 日本の古い文化への愛情からシラク大統領は、日本に対して言いにくいことがあった。戦後日本の在り方に責任がないのではないと自覚したからである。つまり、彼が日本の古い文化を称讃すれば、必然性がないけれど、結果的に日本の保守的な思想が是認されて勢いを増したのだった。若い後継者は日本には客観的に対応できるので、日本人は習慣的な考え方を点検する必要に迫られるだろう。 ☆ D 長木川上流社会特派員 ダレナニ ▼ ケ・ブランリ(Musée du quai Branly)博物館 |
Updated 2007.5.7 マッカーサー憲法の原案から草案まで ☆日本人の大多数は、マッカーサーが民主憲法の原案を書いたとは思っていない。GHQ民政局のケーディス(Charls L. Kades)がマッカーサー総司令官の指示を受けて民主憲法づくりを指揮した、というのが常識だろう。誤解されるような常識を平気で根づかせたのは保守政府とNHKその他のジャーナリズムである。 マンチェスターが書いた伝記によれば、連合軍総司令官(SCAP)は東条英機時代に選ばれた頭の古い国会議員を民主主義に反して命令で解散させるより新しい憲法を承認するための国民投票となる総選挙で国民の意思を問うことが必要不可欠だと考えた〔1〕。日本国民が民主憲法を喜んで受け入れることが分かれば、極東委員会が厳しい占領政策の要求を止めるはずである。これはGHQを悩ませていた。 マッカーサーは、理想的な憲法は自分で主要な条項を書くしかないと判断した。そして、休日に諸国の民主憲法を全部読んだ。1946年の2月、原案が完成した。回想記は、こう書き記す。〈それは、多くの国の憲法の最良の部分を取り入れた、疑いもなく史上最も自由主義的な憲法である。〉〔2〕 この原案マッカーサー・ノートは、民政局に渡された。 ☆ H NHKオンライン 5月3日 11時51分 〈憲法が施行されてから3日で60年がたちました。憲法の原本や草案など、制定の過程を示す貴重な資料が、3日から東京の国立公文書館で一般に公開されています。〉 ウェッブログの記事はこのニュースに対する批判として書かれた。 ☆ Weblog CAT WILLOW updated 2007.5.5 1 American Caesar :Douglas
MacArthur
by
William Manchester
1978 2 Douglas MacArthur;
Duty,Honor,Country
1962 マッカーサー回想記 p p p マッカーサー憲法の原案と草案の違い ☆マッカーサー・ノートは実際どんな内容だったか? @天皇制存置(立憲君主制) A戦争(自衛戦争を含む)放棄と戦力不保持・交戦権の否認 B封建制度の廃止と貴族制の改革 〈GHQ〉の著者はその3項目をあげるが、その規定から新憲法が作られるとは思えない〔1〕。たとえば、天皇の象徴性。マンチェスターによれば、最初の覚書は4項目である。しかし、その内容は直接明らかにされないで、民政局が完成した新憲法の条項について話を進める。 憲法が成立するプロセスを正確に知りたいと思うものは、そこで苛々させられる。マッカーサー・ノートは非公開ではないのだから、国会とNHKなどが国民に代わって積極的に調査報告するべきだろう。国立公文書館で展示したり公正な番組で認識を高めるべきだろう。そうしなければ、憲法に関して世論操作を目的にした歪曲が行なわれてきたのじゃないか、という疑惑が燃え広がり、国家は完全に信頼を失って藪の中でデッドエンドである。 ☆ H 1 GHQ ; 竹前栄治 それと関連する記事シリーズ ケーディス追放の舞台裏を見る ▼ 〈カレンダーのある事件 1〉を修正するためのミーティング |