MODE ACTUEL MODE ACTUELLE

 

 

 

 

 

 

 

 


HHJ

 

 

 

 

Updated 2004.8.19

新しい戦争の古い表情

 

アメリカが主導する国際テロ戦争の開始以来、ヨーロッパの先進国は旧植民地との対立を憂慮した。旧植民地時代のコンプレックスに火がつけば、どうなるか?

1  旧植民地国内部での国際協調派と民族主義派の観念的な争いが激化する。

2         国際テロ組織はその争いを暴力と武装闘争に変える。

3         国際テロ組織は血まみれの憎悪と貧困を増大させて、テロリストを養成する。

4         ヨーロッパ・アメリカの国際テロとの戦いは人種差別の枠にはめ込まれる。

 

これは事実に惑わされないための地図である。実例はそれぞれ自由に想い出してもらいたい。この人種差別問題は、第2次世界大戦で日本が侵略戦争の口実に使った。ヨーロッパ・アメリカの植民地アジアを解放するのが目的だった。それが成功すれば、満州のような生体実験と麻薬と映画仕掛けの帝国になっていたにちがいない。個人の自由と平等という観念はどこにもなかった。民族間の平等が考えられるはずもなかった。

 

 200211月、小泉純一郎首相は映画作りが好きな独裁者の国を訪問して、旧植民地との関係正常化の交渉を始めた。独裁者の映画は、帝国のコピーの疑いがある。2年前の10月に行なわれた11回目の正常化交渉は〈過去の清算〉をどうするかという問題で暗礁に乗り上げたが、日本政府は怠けて答を準備していなかった。問題を解決しようという意欲が見えないのは、拉致事件の曖昧な成り行きでも分かるとおりだ。

 北朝鮮の核開発プログラムに関しては、表面的には成果が上がっていない。アメリカが主張するとおりに、北朝鮮は核開発プログラムを検証可能な仕方で完全廃棄するべきだろう。マス・メディアには緊張感が消えたが、最近新たな変化を見せるようなニュースが入った。200010月の米援助以来の支援である。

 

NHK オンライン  2004/08/03

北朝鮮へ52億円分 人道支援決定      

 5月の日朝首脳会談で小泉首相が表明したように、〈政府は国際機関と内容について調整を続け、小麦5万トン、コメ4万8000トン、トウモロコシ1万8500トン、大豆5000トン、砂糖2000トンなど、あわせて12万5000トン、金額にして、4000万ドル相当の食糧を、WFPを通じて支援することに〉決めた。〈また、ユニセフなどを通じて700万ドル相当の医薬品など、食糧とあわせて、およそ52億円の支援を行う方針を固めた。〉

   

日本の過去主義的な政治指導者たちがヒューマニズムに目をやるのは、非常にいいことである。世界の動きは両目で見なければいけない。そして、この機会にアメリカやEUと歩調を合わせて、北朝鮮の強制収容所廃止に向けた意思表示をしてもらいたい。

 

 

 

 

 

 


Updated 2004.8.16

美浜原子力発電所の

予定されたアクシデント                D

 

89日長崎に原爆が投下された日に福井県美浜発電所で配管の水蒸気爆発が起きた。4人死亡、7人負傷。放射能洩れはなかったが、1999年東海村の原発事故以来最も重大な事故である、とフランスの新聞ル・モンドがインターネットで速報した1。ミハマはトウキョウの西350kmほどのところにある、と臨場感を出して。

4日後の13NHKTBSのインターネット・ニュースを見ると、《原因》が出ていた。破裂した配管は、関西電力のマニュアルに忠実に従えば、管の内側が水流で摩滅するため1991年に交換しなければならなかった。わずか1年で国の基準を越えて減る可能性があると知りながら、放置していた。

地球の反対側で暮らす人たちも、関西電力の無責任さに呆然とする。過失による事故ではない。いつ配管が破裂するか、専門家なら簡単に計算できる事故である。国際テロ組織に脅迫されていたのか、と疑うが、いつものようにそんな不謹慎な発言は聞こえてこない。日本政府は、なぜその恐れについて語らないのか?民主主義の点検作業を怠ってきた疚しさのためか?

       D

 

1 Accident mortel dans une centrale nucléaire au Japon

LEMONDE.FR | 09.08.04 | 12h24    MIS A JOUR LE 09.08.04 | 13h57

Avec AFP, AP et Reuters

 

 

 

 

 

 


Updated 2004.7.18

 

フランス文化のフォーラムに

リヴァー・ユートピアの声が流れる

                                                                        D

69日国営ラジオ・フランスの一放送フランス文化(France Curture)を開くと、フォーラムに奇妙な名前が載っていた。Kissaku Hassegawa---これは、何だ ?インターネットの故障か?いや、編集長が8日の朝寝ぼけながら書き入れたレポンス(応答)だった。相手のフランス人ドゥヴィエ氏(Philippe Devilliers)は〈芸術家はスノッブか ?と題して、芸術が何の役にも立たないことと何かに利用されることの間でアンテルミタン(裏方の芸術家、技師)として悩んでいる。去年から繰り返される彼らの造反は失業手当の減額にばかり起因するのではなかった。  

編集長の文章には珍しく綴りの間違いがあるが、訂正して紹介する。フォーラムの担当者はユーラシア大陸の反対側から届いた世にも稀なフランス文の内容を重視したのではないだろうか?

 

RIVER UTOPIA est pour la résistance des intermittents.

Sans intermittents,le monde serait monochrome et monotone.

L'art est une sorte de libération.S'il est meilleur,l'art sert à la démolition des ghettos quotidiennes autour de soi.Sinon,ce n'est qu'un terrorisme insensé contre l'ordre de beauté et de démocratie que vous avez vécu longtemps depuis la Révoltion.

 

RIVER UTOPIA est l'art produisant les documentaires de l'ensemble de rivière.

Je dirai que c'est l'art d'écosystème de surréaliste aimant la nature et le milieu à soi.

 

HALF AND HALF JOURNAL      Odate  Japon comme vous savez

Kissaku Hassegawa

 

リヴァー・ユートピアはアンテルミタンたちのレジスタンスに賛成です。

アンテルミタンたちがいなければ、世界はモノクロームでモノトーンになるでしょう。

芸術は一種の解放です。より良い作品であれば、芸術は彼の周囲にある日常のゲットーの解体に役立ちます。そうでなければ、それは革命以来長い間あなたたちが生きてきた美とデモクラシーの秩序に対する馬鹿げたテロリスムでしかありません。

 

リヴァー・ユートピアは川の全体のドキュメンタリーを制作する芸術です。

それは自然と彼の属する環境を愛するシュールレアリストのエコシステム的な芸術である、と言いましょう。

 

ハーフ アンド ハーフ ジャーナル     大館 ご存知の日本

 

これについては、間接的な批判と受け取れるような意見があった。

―世の中には提起しないほうがいい問題(des questions)がある。

ドヴィエ氏はおもしろがって、やはり間接的だが、あちこちのフェスティヴァルや劇場回りに明け暮れる仕事を描いて、肩をすくめる。

―あんたが来て5日働いたら、2日分の銭をやるよ。

D

 

 

 

 

 


Updated 2004.7.13

Cyber Terrorism

 

PC内部にスパイが潜入

A  2004年春HHJはスピーディに記事を仕上げるために〈Re〉ファイルを作った。記事にしようと思うテーマに関連するウェッブ文書とその他の情報を一つのファイルに集めておく。必要なら、保存ファイルとインターネットのサイトにハイパーリンクを付ける。この効率的なライティング・システムをひそかに自慢していると、e-メイルに異変が起きた。〈Re〉が頭に付いた怪しげなメイルが急増したのだ。特徴は、無内容、添付ファイル、ウィルス検出、送信者名に市町村やHHJを偽るものが少なくない。悪質な嫌がらせ。そのうえ、インターネット接続するPCの内容をどこかで監視されている恐れがある。

B リヴァー・ポート・アワー1に、米代川と長木川のRDコレクション・ページ完成の報告を載せたとき、2行のフランス語訳を添えた。どちらにも複合過去形の〈a été ア エテ〉がある。これは装飾的なアクセサリーにすぎない外国語だが、52日付けのFrance infoの報道記事に目を通すと、アメリカ軍がイラクの刑務所で国際テロ組織のメンバーや元フセイン政権派と思われるイラク人を虐待した出来事の記述の中に、〈Le général Karpinski, qui a été a été suspendue de son commandement de la 800e brigade de la police militaire et fait l'objet d'une enquête, 〉複合過去が二度繰り返されることは、文学でも冗談でもありえない。インターネット・エクスプローラーのこの種の誤訳は、前例がなかった。

C  62日プロバイダ(BIGLOBE)から新種ウィルスW32/Netskyに感染との通知が届いた。HHJPCに侵入して、HHJのユーザーIDを使用してウィルス感染メイルを方々に送信するという。プロバイダに詳細を問い合わせると、

 

当該ウイルスメールのヘッダ情報より発信者の特定調査を行ったところ申告者より寄せられた情報が事実であれば、お客様のユーザIDにて
 Sun, 30 May 2004 16:24:31 +0900 (JST)
 Mon, 31 May 2004 16:47:39 +0900 (JST)
 Tue, 1 Jun 2004 03:16:33 +0900 (JST)
 Tue, 1 Jun 2004 17:42:07 +0900 (JST)
 Sun, 20 Jun 2004 13:54:34 +0900 (JST)
のほか大量にウイルスメールを送信されてしまった可能性が

 

66日のノルマンディ上陸作戦60周年記念を狙って、フランスだけでなく、HHJに対しても図々しくテロリスムが敢行されるだろうと警戒していたが、そのとおりだった。指示に従うのを当然ためらってHHJ98号の発行を急いだ。終わると、電話がかかってきて、ウィルスを駆除しなければ〈サービスを停止する〉と金切り声で脅された。晦渋な説明をあれこれ流し読み、シマンテック社の駆除ツールで無事に駆除して、マカフィのセキュリティシステムをアップグレード、それから、ブラウザの更新で再感染を防止するためにインターネット・エクスプローラー6+SP1をインストール。この最新版のエクスプローラーは以前インストールしたが、機能が気に入らないので、止めたものだ。問題はこれからだ、と苦々しく思った。重大な変化だけを記すと、

 

a フランス・アンフとフランス文化のラジオ・プレイヤーによる受信不可、強制終了。

  同サイトおよび他のいくつかのHPの保存エラー。

b  リヴァー・ポート・アワー1でのカンヌ・ラジオ受信不可

c  HHJサイトに入れたフォトで、その位置が頭に飛び上がるものがある。

 

受信エラーはウィルス警戒網が厳しくなったせいか?フランスのラジオが不衛生だとすれば、外交問題である。ユーザーの質問に対してプロバイダとセキュリティ・センターのマカフィは親切に答えていない。ともあれ、受信エラーはスタート・ページの設定をフランス・アンフからラジオ・フランスに替えて、解決した。PC上級者でなければ理解不可能なクッキーの設定に、問題があるらしい。

D 去年暮れ二科会にe-メイルを送ったが、返事がない。つまり、HHJと愛読者は親密な情報の提供を拒まれているということである。NHKや朝日新聞に頼れ、という意味である。

 

2004年前半の結論---日本人は外国語を覚えるな、というのが日本の裏教育である。しかし、それにしても、大変失礼な憂慮をあえて聞いてもらうと、ライターと翻訳者が別人なら何かと困ることが起きるんじゃないかな?

∫   ∫   ∫   ∫   ∫   ∫   ∫

Updated 2004.8.16

PCテロ未然防止

86日の運命の日にアウトルック・エクスプレスを開くと、4日付けでプロバイダの通知が入っていた。ウィルス警報〈W32 My doom M?!ドームじゃない、私の最後の審判というネーミングだ。油断は大敵だから、マイクロソフトの説明を開いてみると、外の稲光と雨がタイミングを合わせた。

 

Microsoft Security-------------------------------------------------------------------------緊急

危険性: マイクロソフト規定の4段階のうち、もっとも深刻なレベル

特徴: 悪意のあるホームページやメールを閲覧することにより、コンピュータ内のデータが読み取られたり、削除される可能性があります。 

http://www.microsoft.com/japan/security/security_bulletins/ms04-025e.asp

 

データを読んで破壊する能力があるとは、悪賢い化け物がいるもんだ。しかし、それを活動前に察知して予防できる頭脳はやはり凄いね。修正プログラムをインストールした。                           

 

 

 

 

 


Updated 2004.6.6

 

小坂製錬所の

環境汚染事故に見る覚悟の実態

                     D

 

 

〈遅れた四月馬鹿---日本政府は一億総白痴を止めて一億玉砕を決定した。言行一致の覚悟は見事ですなあ、と明治神宮にいる人。〉

HHJの4月9日付け〈言葉の樹〉の下には、さりげなくそんなショッキングな単語が並んでいる。編集長に質問すると、一億総白痴とは60年代に家庭に侵入したテレビの影響について評論家の大宅壮一が予言的に断罪した言葉である。一億玉砕とは太平洋戦争で日本人の精神を襲った民族絶滅衝動である。

4月19日、イラクへの自衛隊不正流用が日本本土でのテロの危険性を高める緊迫した情勢に直面して、小泉純一郎首相は記者団に答えた1〕。〈どこにいても危険はある。その辺は皆さん覚悟していただいているのではないか。〉皆さんとは自分も含めた国民のことを指すと受け取りたい。この覚悟の意味は、国際テロとの戦争において死を恐れない勇気を持つということか、どうにもならないと諦めて甘受することか、らしい。

 しかし、国民は無責任な首相の無責任な期待のネガティブな面に押し込められている。5月31日に発生した小坂製錬の砒素流出事故がその証明の一つである。地元の北鹿新聞によれば、今年1月と2月に連続して起きた苛性ソーダ流出事故で対応の遅れが問題になり、〈マニュアルの改定が行なわれたが、教訓は生かされなかった。〉2〕

 小坂製錬は弁解の余地がない。午前11時半排水の環境基準(1リットルあたり0.1ミリグラム)を越えた砒素(0.23ミリグラム)が小坂川に流出した事実を知ったあと、自治体などの関係機関への通報を遅らせた。午後の再検査で異常と結論したが、5時半まで排水の放流停止はしなかった。小坂川の水が流れ込む米代川から水道水を取り入れている大館市と比内町には、業務が終わったあとの午後6時すぎ夕食の時間帯に事故発生の通報が入った。水道水の汚染は報告されていない。小坂製錬は事故の原因は調査中であると言い、自主的に操業停止の措置を取ることに決めた。設備に欠陥があるなら、改善するべきである。作業関係者の責任なら、事実の裏に隠れた真実に迫る努力をしなければいけない。

2001年以後国際テロの可能性を視野に入れて事故を考えるのが世界的な共通認識である。しかし、奇妙なことに、国際テロとの戦争では実際どんな覚悟が必要になるのか、日本国民は政府から現実に即した教示を受けたことがない。テロ計画はどのように現実化されて悲劇的なニュースを生成するのか、ということについてどんな知識も与えられていない。これで住民の安全が保障される、と思っているのだろうか?

                 D

 

1 22:08 2004/04/19 KYODO

2 6月2日付け

 

■ 小坂製錬の事業

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2004.5.19

 

個人の自由と

市民社会の尊重で共同戦線

: アメリカ・ヨーロッパ・ロシア

 

 

57日のAFPによれば、コリン・パウェル(Colin Powell)国務長官はアメリカとフランスの間の政治環境が目に見えて変化したという認識をワシントンでアメリカ外交団長に示した1。〈国連の文脈において相互的に活動する〉〈パリとワシントンの共通の目的は、イラク人がよりよい生活を送りデモクラシーと自由の基礎を据えるのを手伝うことだ。〉

同じ日モスクワでは、大統領選挙で70%以上の驚異的な支持を得たプーチン(Vladimir Poutine)大統領がクレムリンのツァール(皇帝)の王座の間で就任の演説をした2。〈最高の保障は、成熟した市民社会である。自由な国の自由な人間たちだけが成功できる。la meilleure garantie (en) est une société civile mature. Seuls des hommes libres dans un pays libre peuvent réussir.〉〈これは経済成長と政治的安定の基盤である。〉

 

ワシントンとモスクワの発言は一致して、自由とデモクラシーと市民社会に期待をかける。日本の保守政治勢力はかつてロシアの民主化を歓迎したが、プーチン大統領の自由な市民社会礼賛には耳が聞こえない振りをしている。国際テロとの必死の戦いが続く今の状況で、周辺諸国民を安心させ、ニヒリズムの伝染を防ごうとする意思の宣言に対して共感の伴奏がない。日本政府あるいはその意思決定機関は何を考えているのか、機会をとらえて積極的に海外の不安と疑念に答えるべきだろう。そういう反応がなければ、周辺の平和を大事にする開放的な社会とは思われない。重要なのは、言葉で互いに真情と意志を確認すること、それを裏切らないように行動すること、だからである

 

 しかし、日本政府の勘定は明白である。ロシアとのいわゆる日露戦争の宣戦布告100年の210日に保守的な国会議員有志の団体が明治神宮に参拝した軽率な行動に対して、小泉純一郎内閣は無言の賞賛を与えた。この〈日露戦争に学ぶ会〉の目的は、〈将来の政界再編も視野に日本の国家像について議論を重ねる〉こと。歴史のページをめくれば、これは、内地(日本本土)の矛盾をごまかすために大陸で侵略戦争に走ったファシズムと暗殺主義の焼き直しということになる。だから、〈利用されてはたまらない〉とばかりに冷水をぶっかけたのは明治神宮で、5月初め神社本庁離脱を通告した3NHKと主要マス・メディアは困惑から脱出できない状態で報道していない。

1 France info

WASHINGTON (AFP)
7 Mai 2004 20h59
Le climat entre Paris et Washington a "remarquablement changé" selon Powell

 

2 France info

MOSCOU (AFP)
7 Mai 2004 16h32
Russie: Poutine entame son second mandat en proclamant son attachement aux libertés

 

3        goo 

511() 産経新聞 web

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2004.4.6

 

老練なシラク大統領のある決意

 

 

43日、フランス大統領ジャック・シラク(Jacques Chirac)はモスクワを訪問して、プーチン(Vladimir Poutine)大統領と友愛に満ちた握手を交わした。外国の元首として初めて郊外にある秘密軍事試験宇宙コントロールセンターに招かれた光栄な一日、歴史の変化点が刻まれた一日である。〈尊敬と友情に満ちたこの仕草は、私には良心の仕草のように感じられる〉とフランスの大統領は語るが、反対に静かな衝撃を受けた人たちも多いはずだ。

  訪問の目的は、東ヨーロッパの国々が新たに加入したEUの拡大でロシアとの関係に雑音が立たないようにするためと国際テロリスムとの戦いにおいて協調するためである。前日の金曜日にはドイツのシュレーダー(Gerhard Schröder)首相が訪れた。シラク大統領は、〈現代世界に適合して明日の世界の中に自分の場を見つけようとする〉意志に哲学の国の知識人らしい期待をかける。ロシア人が1991年に大胆に歩み出した方向である。チェチェン問題は国際テロリスムの戦線に紛れて、焦点が合わなくなった。

 〈何ものもテロリスムを正当化しない〉とシラク大統領は言う、〈その本質は荒っぽい野蛮な方法で無垢な人々に襲いかかることにあるのだ。〉一方、プーチン大統領は意味ありげにテロリスムの〈背徳的な残忍さ(atrocités perverses)〉に有罪宣告を下した。事実を歪める文書改変の残忍さ、と翻訳できる。

 ロシアとフランスの関係は、ナポレオン(Napoléon Bonaparte)のロシア遠征と敗走以後、友好と相互的な影響の歴史から脱線したことがなかったように思える。シラク大統領は、それを世界的に宣伝して、194466日に行なわれた連合軍ノルマンディー上陸作戦とフランス解放の60周年記念セレモニーにロシアのトップ・リーダーを招待した。〈未来に向けられた決然たるエスプリとページをめくろうとする欲求を誇らかに掲げて、彼は想い出させた、ナチスムとの戦いにおいてソ連が果たした中心的な役割があの状況をひっくり返して、次の行動、上陸作戦にあらゆるチャンスを与えたことを。〉何かを予感させようとする意思が感じられないか? ページというのはこの場合、運命が書き記されているページのことである。

 外国の元首には他に、エリザベス ( Elizabeth II) 女王、ブッシュ(George W.Bush)大統領、今度初めて招かれたドイツのシュレーダー首相がいる。ナチスとともに破滅的な戦争をした日本は招待されているかどうか 、記者の関心はそこから外にずれている。しかし、おそらくないな、とHHJは推測する。過去に起こした凶暴な戦争の否定もなければ、悪の否定もなく、陰にこもった反言語的な同一性を保持している国なのだ。

 

 60年前、連合軍は上陸作戦に不利な条件のノルマンディーをなぜ選んだか?この古い疑問は、19422月にブルックリン埠頭で起きた戦艦ラファイエット(旧名ノルマンディー)の火災と転覆をナチスによるテロであるとアメリカが結論したと仮定すれば、自然に解ける。馬鹿にされたことへの報復のメッセージである。記念セレモニーに出席する当時の軍人の中には、ニューヨークの港で横倒しになった戦艦の屈辱的な映像を覚えている人もいるだろう。それはパール・ハーバーで横倒しになった戦艦オクラホマとオーヴァー・ラッブする。ナチスと日本が共謀したミステリアスで嘲笑的なファイナル・シーンだからである。〈無意味な破片〉は、その真実を切り出した。ノルマンディー上陸作戦は、アメリカ人にとって指示記号の内容を変えるノイローゼ治療のような意義があった、と思う。目的の中に溶け込んだ動機が、〈ノルマンディー〉である。

H

参考

Chirac-Poutine main dans la main
NOUVEL OBS.COM | 04.04.04 | 08:31

 

L'entente renouvelée entre Paris et Moscou

LE MONDE.FR | 03.04.04 | 20h52  avec AFP et Reuters

 

 ; avec  この〈アヴェック〉は、通信社のレポートを使って、という意味だと思う。

 

; 引用符の中はすべて週刊ヌヴェル・オプセルヴァトゥールのウェッブ・サイトからの引用。

 

この出来事に関する報道を日本の小心なマス・メディアで探すのは一苦労だが、その中で恰好いい役を演じて最も公平なのは右翼系の時事通信で、軍事宇宙施設訪問を省略していない。

 

パール・ハーバーとニューヨークでの謀略について考えるために

▼ 無意味な破片 2003.12.27 : 最後のシーンを作るための秘密工作

 

 

 

 

 

 


Updated 2004.5.30

 

多数決の横暴、

しかし、 

数は機械仕掛けの神ではない

H

比内町の自立か合併かを選択する住民投票で、町民は大館市と田代町の合併に参加する方向を選んだ。半分をほんの少し上回る50.34%の多数の賛成は、先の町長選で予想に反して敗北した大沢清一町長が実施した意向調査の結果を反転させる形となった。無効票60が反対票なら、結果は合併反対派の勝利である。合併志向の議会はもちろん歓迎している。しかし、合併推進派の佐藤賢一郎町長の言葉に従って、これで比内の住民は財政難の地獄から救われると信ずるのは国家のサディズムにだまされていたい者だけだろう。

 HHJは票の数え方を教えたいと思うが、冗談はともかく、町の将来を決定する大事な意向調査と住民投票に痴呆症的な成人のみが参加したのは民主主義に反する。この不公平は選挙権を持つ年齢を2年引き下げれば解決することだが、現状では、若い人たちの意見をも尊重して、多数決の横暴を認めないことが必要だ。個人が自由に考える民主主義社会であれば、数は機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキーナ)ではない。そう考えて数字を確認するために北鹿新聞を見ると、去年11月の意向調査と523日の住民投票は18才以上を対象にしたという。規則はないらしい。進歩的な町民が多いのである。

 

 しかし、あえて意見広告を出したい。脇に放っておいては先に進めない現在の困難な状況は、20才以下の大学生が選挙で自分の意志を表わすことができていれば、絶望的にはならなかったはずである。これは保守系の国会議員と官僚などが世界の変化を柔軟に取り入れるのを恐れて他の進歩的な改革と同じく自由な知性に法律的な軌道を与えようとしなかった、その帰結である。

☆ H

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2004.7.10

 

参院選 : 人の名前を書きたくない

 

☆選挙になると、HHJは無力さを感じる。しかし、一言の記事もないのはおもしろくない、という気持で、ちょっと傍白を。

 

秋田選挙区

鈴木陽悦 無  民主党と社民党推薦

 秋田テレビのニュースで御馴染みの人だが、HHJは推薦しない。AKT1993年リヴァー・ユートピア後援の要望を断ったマス・メディアの一つである。理由は、《インパクトがない。》立候補者は大湯のクロマンタ山調査の本を出した縁で米代川ドキュメンタリー撮影制作レポートを提供されたにもかかわらず、黙殺した。立候補の動機は、地方放送局が住民をだましきれなくなったので、良心の証明に一役買いたいということだ。

 

今川和信 共 新

国際テロとの戦争でアメリカを批判するのは、間違いである。冷戦時代のようにイデオロギーに固執するなら、国際テロ組織の協賛に陥ってしまうということはよく考えなければいけない。

 

斎藤滋宣 自 現  公明党推薦

 この立候補者は元防衛庁長官野呂田芳成の秘書をしていた。その事実がすべてを語り、まともに話を聞く気にもならない政治業者の一人である。フランスのメディアが公明党をブッディストと呼ぶのは、やはり第2次世界大戦の悪霊が蘇るのを見る思いからだろう。

 

リヴァー・ユートピアが比例代表選挙で支持を勧めたいのは、新しくできた環境政党《みどりの会議》だね。パーティと野菜は新鮮な方がいい。

★ みどりの会議

 

 

 

 

 

 

 

Updated 2004.4.24

 

CPI条約に関する

のらりくらりの徘徊老人風社説            H

 

国際刑事裁判所は223日月曜日、ウガンダで起きた約200人の虐殺に関する予備調査の開始を告げた。この虐殺はLRA(l'Armée de résistance du seigneur 領主の抵抗軍)の反逆によるものらしい。ウガンダの北では1988年以来10万人以上の死者を出す陰謀的活動があり、ヨウエリ・ムセベニ(Yoweri Museveni)大統領が12LRAを訴えていた。国連のアナン(Kofi Annan)事務総長は、その理性喪失的な虐殺を強く非難した。これはル・モンドが載せたAFP(Agence France-Presse)配信の記事である1。国際刑事裁判所(La Cour pénale internationale  CPI)のウェブ・サイトによれば、LRAのメンバーの多数は彼ら自身が犠牲者で、指導部に誘拐されて畜生の教育を受けてきた2。人から間抜けだと思われたくなければ、北朝鮮に連れ去られた日本国籍の人たちの惨めな生活を並行的に連想するべきである。

朝日新聞は39日意外なことに社説の囲いの中にその問題をぶち込んで、〈国際刑事裁に加われ〉と命令形の見出しを貼り付けた。

 

国際刑事裁判所(ICC)。戦争犯罪、集団虐殺、市民虐待。そうした人道に反する行為を犯した人を裁くために、国際条約によって設けられた国連の法廷だ。

 

日本はまだ加盟していないが、その〈大きな理由は、紛争時の住民や捕虜の人権保護を定めたジュネーブ条約追加議定書の批准が遅れていたことだ。それがようやく今国会で実現する運びとなった。批准に必要な国内法が有事法制関連法案としてきょう閣議決定され、国会に提出される。〉

この記事は大館市立中央図書館の真ん中で見つけたものだが、国際刑事裁判所条約の発効について子ども向けの欄でしか報道解説しなかった高慢な態度に較べると、いくらか成長の跡を示していた。20027月の発効以来、歴史的な多様な変化が地球の上であった。

日本と北朝鮮との国交正常化交渉、北朝鮮の核開発計画暴露、アメリカとイギリスが主導したイラク戦争、サダム・フセインの逮捕、リビアの指導者カダフィ大佐のアンチ・テロリスム協調…

 とはいえ、この記事は、アメリカとの戦いに暗雲が垂れ込めたとき情報局総裁になったあの緒方竹虎(朝日新聞主筆)が東京の焼け野原でデモクラシーの既製服を嫌々着て歩いているような印象を与える。特に、それに続けてICC参加への道を開くよう小泉首相に勧めながら、〈集団殺害を罪と定めるなどの国内法整備を進めて〉と漠然と逃げているところだ。批准のために整備が必要な国内法とは他にどんなものがあるのか?一年以上も前に書いたことからほとんど進み出ていないが、これは国民にとっては非常に気になる最優先的な問題である。日本政府はだんまりを決め込んでいるので、マス・メディアが手続きの情報公開を要求しなければ、いつ条約が承認されるか、さっぱり分からないということになる。

 H

 

1 Ouganda : ouverture d'une enquête internationale sur les massacres

ARTICLE PARU DANS L'EDITION DU 25.02.04  Le Monde - (AFP.)  

2 President of Uganda refers situation concerning the Lord's Resistance Army (LRA) to the ICC
 
The Hague, 29 January 2004

 

HHJ記事で確かなことを知りたい

国際刑事裁判所、71日開設 /  裁判をめぐる対話

 

 

 

 

 

 


Updated 2004.4.27

 

ルワンダのジェノサイド

同じ飛行機に乗った二人の大統領

暗殺で始まった

 

 

1994年のルワンダの内戦では、約80万人の大量虐殺があった。この見えない皆殺しの装置は、ルワンダ大統領ジュベナル・ハビリヤマ(Juvénal Habyarimana )とブルンジ大統領シプリアン・ヌタルバミラ(Cyprien Ntaryamira)が乗った旅客機がミサイルに撃墜されたとき、突然動き出したのだった。

 ル・モンドが伝えるフランスの警察の調査報告によれば、当時ルワンダ愛国戦線(Front patriotique rwandais  FPR)の頭領だったツチ族のポール・カガメ大統領(Paul Kagamé)がこの攻撃の命令を出してフツ族の大統領を殺害させた。復讐の犠牲者は大部分がツチ族である。

しかし、BBCによれば、カガメ大統領はその嫌疑を〈ファンタジー〉と片付けた。このジェノサイドは、ルワンダ国際戦争犯罪法廷(the International Criminal Tribunal for Rwanda  ICTR)で〈スロー・モーションで〉裁かれている。2003年に新しい検事と数人の特別判事が任命されてスピードを上げ、〈三人の主要なメディアを憎め執行部員(three key "hate media" executives )〉も含めて18人全員の有罪を決定した。これには臭気を感じさせる表現が二つあるが、遠回りする。

ル・フィガロによれば、国連は1994年危険に陥っていた住民を無視して、虐殺の後それに覆いをかけた。しかし、それを証明するような不思議な事実が310日付けル・モンドが伝える調査報告で暴かれる。撃墜された飛行機のブラック・ボックス(フライト・レコーダー)が国連本部の戸棚に放置されたままだったのだ。騒がれてから、国連はブラック・ボックスの存在を認めた。10年間ブラック・ボックスの行方が知れなかったのは、アフリカの魔術の力ではない。国連の平和維持機関の怠慢と関係者の沈黙のせいである。当時平和維持活動のリーダーの一人だったアナン(Kofi Annan)事務総長は、釈明した。〈国際社会は不作為による(par omission)罪を犯した。〉血なまぐさい虐殺の強迫観念がそれを可能にしたと言いたい。ルワンダ戦犯裁判のスロー・モーションも。

 

一度に二人の大統領が暗殺されたこの事件は、謀略機関の謀略のパターンに入る。一対の、あるいは類似の二つの特徴的な要素を組み合わせる理由は、それ自体がテロの恐怖のメッセージとして心理的な魔力を発揮するからだろう。その組み合わせが偶然でないと思うことは、現代文明と人間の力への信頼が動揺していれば、現象の背後で複雑な糸を操る非人間的で超越的な意思を仮想させるかもしれない。しかし、そうでなければ、時計の針を戻してファイナル・シーンまでのプロセスを平静に考える。二人の大統領が同じ飛行機に乗るという珍しい計画を立てたのは、彼ら自身か政府の担当者である。暗殺の作者がそのシナリオを書いた。

               

 

Last Updated: Thursday, 11 March, 2004, 22:19 GMT BBC NEWS

UN probes Rwanda 'crash' recorder

 

Génocide rwandais : Kofi Annan admet les failles de l'ONU

LEMONDE.FR | 26.03.04 | 20h51  Avec AFP et Reuters

Rwanda : la polémique relancée sur le massacre des Tutsis en 1994

Thierry Oberlé  [23 mars 2004]  Le Figqro

 

Rwanda tribunal in turmoil

By Noel Mwakugu  BBC News Online

 

 

 

 

 

 


Updated 2004.4.1

 

  フランス外交の現実的な語り方           D

 

 

31日、フランスのド・ヴィルパン(Dominique de Villepin)外相は福岡の九州大学で講演した1。熱心に聞くのは学生よりも右翼なので、日本についてはお世辞ばかりバーゲン・セールのように並べた。

九州は長い間、交流と混合の地でありました。…()…アジアや西洋の文化、宗教、芸術や技術に、日本が出会う窓口でありました。今日、グローバル化は新たな段階を迎え、アジア経済は原動力的な役割を担っていますが、福岡と周辺地域は、今でも外に開かれた地であり続けています。

福岡は日本の大陸侵略を裏で支えた謀略組織玄洋社の本拠地だった。今でも裏金と工作員の出入口として自由に大きく開かれている地域である。そう思うと、〈本日は私も皆様方と同じように、伝統的な対話の精神で、私の確信を申し上げたい〉と同じく、これは皮肉に聞こえる。しかし、次の一言は歴史的な真実である。

フランスと日本との出会いはまさに、外に開かれることの豊かさと、想像を尊重する大切さを示しています。

 

日本の伝統的な文化を礼賛するが、余計なことである。それを作った人間たちが政治権力に迫害されたという事実を想い出させなければ、日本の自己閉鎖的な権力階層は自分が芸術作品を作ったかのような錯誤に陥ってのぼせるだけである。外相は自分の知識と分析だけに頼って話しているのだろうか?そうでないとしたら、フランスの影響力を慎重に計算するべきである。文化の中心にいる知識人による評価が日本では思考の必要性と対話の習慣を消してしまうおそれが多いから。

 

批判的な色合いが出るのは、次の箇所である。

私たちは、多様な文化や異なるアイデンティティーを尊重する、多極的な世界という考え方を大切にしています。ただ一つのモデルを受け入れることなどできましょうか。私たちが生きる社会は、人々が生き生きとするためにも、必要な部分では他者を受け入れつつも、根っこの部分は大切に維持する必要があるのです。その点、フランスと日本ほど遠く離れ、異なる社会を持ち、対照的な道を歩んできた国があるでしょうか。

テロとの戦いという状況について、外相は、テロリスムは新しい段階に入ったことを認識して言う。

今では憎悪と狂信の名の下に、世界中いたるところで破壊と恐怖を引き起こしたいという意志の中核をなしています。テロリズムは世界で戦争を引き起こすことを狙った野蛮なイデオロギーを企て、不安定と混乱を広めるために地域の緊張を悪用しています。

 

それと戦うためにはやはり意志の力が重要であることを強調する。しかし、行動においては各国共通のルールと原則に導かれなければならない。

 

第一のルールは「法の遵守」です。法は拘束である前に、普遍と個々、グローバルとローカルとの均衡を保証してくれます。法に守られた自由空間の中では、誰もが生き生きとしていられます。個人に言えることは国家にも然りで、ルールから逃れる誘惑は危険だということは、日本でも欧州でも認識しています。「正義」の原則も十分考慮に入れなければなりません。

 

残念ながら日本は、政治家と公務員とジャーナリストさえもが民主主義などという《抽象的な理念》のためには戦わない国である。それを生活の中で生きようとしないので、いつまでも抽象的なのである。

D

 

1 フランス大使館HP

 

    

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