山人骨折日記
〜退院への道〜
はじめに
2004年4月24日、月山スキー場にてテレマークスキー滑走中、転倒・骨折してから回復するまでの山人の記録を日記形式で記載していこうと思います。
尚、現在山人は入院中のためモコモコが代理入力していますが、記録は山人のものです。
また、山人が記録をとれなかったときやモコモコからみた様子も途中モコモコメモとして記載してあります。
骨折の状況は事故顛末をご参照ください。

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4月25日(日) 2日目 父母びっくり・・・ 

昨晩は足が痛むので、座薬を入れてもらい、安定剤を飲んだ。
朝、体拭きと足の汚れを落としてもらう。診察を受ける。
モコモコさんが登場。モコモコさんには引き続き身の回りのものを揃えてもらいながら、応援を頼んだ両親の到着を待つ。

 両親が到着し、話し合った結果、転院するのは大変(転院先の病院や搬送の問題)なので引き続きここで治療を受けることが決定する。
 担当医から改めて詳しい説明を受ける。
 骨折の状況は事故顛末をご参照ください。事故顛末に記載しなかったこと、手術のことなど追加で受けた説明は下記の通り。
大事になってしまった。
その後両親とモコモコさんに荷物の回収にいってもらった。

手術のことなど追加で受けた説明 ・脛骨のような太い骨を折ると骨髄の脂肪が血管に入り込み、エコノミー症候群のような症状を起こす脂肪塞栓が起きる危険があるが、現在その様子はみられない
 ・足の腫れがひどく、水泡ができている。今は足の腫れを引かせるためにとにかく冷やしている。
 ・退院は手術後2ヶ月くらいで、"杖をついていて骨折したほうの足を不意についてしまっても大丈夫"という状態になってから
 ・手術後3ヶ月までは自宅療養が必要。
手術について
 ・麻酔は下半身麻酔で行うが、人によっては効きにくかったり耐えられなくなったりすることもある。その場合は全身麻酔に切り替えることがある。
 ・手術所要時間は1.5〜2時間で、準備、術後処理で前後に1時間くらい加算。
 ・手術内容は、ずれを戻してプレート、ボルトで固定する。
 ・麻酔の副作用で頭痛や吐き気がでることがある。これは若い人ほどでやすい傾向があるが、2〜3日くらいで治まる。
 ・感染症は残念ながら0%にできないが、十分注意するとともに万が一の場合には全力で対処する。
 ・固定に使った金属は抜いたほうが良い。
4月26日(月) 3日目 冷却機械導入

朝、5時頃目が覚める。
同室の人の計らいで、漫画を持ってきてもらい午前中の時間を潰せた。
体を拭いてもらいパジャマとシャツを着替える。(パンツはまだそのまま)
15:30頃診察。水泡を潰して消毒してもらう。これから利尿剤を飲むようになるとのこと。
また、足を冷やすのに機械をいれてもらう(これまでは氷枕やアイスノン)。ぐんぐん冷える。
手術が4/28に決まった。
とにかく冷やすのだ 冷却装置。ぐんぐん冷える
4月27日(火) 4日目 手術前日

昨夜も安定剤を飲んでねた。
隣に一人入院してきた。
今日は違う先生が診察に来る。また水泡ができている。500円玉3つの面積をあわせたくらいの大きさ。
15:00前に薬の反応を見る注射をする。そのあと手術に備えシャワーを浴びる。久しぶりにすっきりした。
夕食の途中、担当看護士のHさんがきて手術当日の流れを説明してくれた。
4月28日(水) 5日目 手術当日・・・まな板の上の鯉

今日は手術。
昨日あった熱は下がっているようだ。
朝7:00から水も飲めなくなる(水を絶つのは腫れをひかせるため)。
浣腸をすることになる。結構でかいのでびっくり。それをさりげなくポケットに入れているのが怖い。
ベッドに戻ると担当の先生がきて、手術は午後からと告げられる。
8:30頃モコモコさんと両親がきた。
10:00頃手術担当の看護師さんが自己紹介しにきてくれた。
尿検査のあと11:00頃点滴が開始され、11:30頃患部の毛を剃る。

  モコモコメモ
  足はパンパンに腫れていた。また内出血のため、ひざから下が全部黄色くなっていた。ふくらはぎのひざ裏直下の部分が青を取り越して青黒くなっていた。

指輪をとって(電気メスを使うため貴金属はすべて外す)ひげを剃った。
13:00頃、前日説明を受けた部屋まで車椅子で移動しストレッチャーに乗る。
麻酔を効きやすくするための筋肉注射が打たれた。
14:00頃出発

手術室に収容されるとさすがに心臓がドキドキしてくる。
麻酔を打つため怪我したほうの足を下側にして横向きになって背中を丸める。下半身の麻酔はおそらく背中の真ん中あたりの背骨の隙間に針をさすのである。痛い。
麻酔の効きを確かめるため、アルコールで湿らせた脱脂綿をつけられ冷たいかどうかきかれる。触られているのは分かるが、冷たさはわからない。そのうち麻酔をかけている方の足がポカポカするような感じがしてきた。
足を消毒。消毒中に水泡がはじけとんだ。あまりに勢いがあったので一同「あっ!はじけた。」と声をだした。
右足の太ももには圧迫する帯をまかれる。
カーテンみたいので手術しているところから視界をさえぎられているのでなにをしているのかは全く分からないが、足を思い切り引っ張られる感覚があり、ドリルで穴を開ける音がした。
手術中は、手術時の担当の看護師さんがそばについていてくれて、どこまで進んだかとか今どういう処置をしているのかなどを質問できるのでとても心強かった。のどの渇きを訴えると脱脂綿を水に浸したのを持ってきてくれ、それで口や舌を拭いたりして渇き癒すことができた。
 手術が進むにつれて出血を抑えるための圧迫帯(正確な名称は不明)のせいで足の付け根が痛く、早く終わらないかとずーっと思っていた。

やっと終わり16:45に手術室から脱出。長かった。
病室に戻ってから消毒用の窓をつけるためにギブスの1部をカット。利尿剤を点滴に追加。

18:00頃、X線写真をみせてもらい手術の説明を受ける。
 「・脛骨;プレートと8本のボルトで固定
  ・腓骨は当初は釘を入れるかもと話していたが、骨折面が広いのでいじらないでおいた。
   (断面積が大きいのでくっつき始めやすい)
  ・腫れがひいてギブスにゆるみが出てくるので巻きなおすかもしれない。
  ・3週間くらいでギブスカットし、足首関節を動かすリハビリを開始する。」

そのあと看護師さんからトイレにいかなくて済むように管を入れたらどうかという提案があったが、尿瓶で頑張ると丁重に断った。
 今日は食事もできないし、麻酔の副作用が出ないようにするため頭を持ち上げることもできないので、モコモコさんと両親にも早めにひきあげてもらう。
足が痛い。氷枕で足を冷やしてもらう。20:00に化膿止めも薬が追加される。足が相変わらず痛いので、座薬を入れてもらい、さらに21:00に安定剤を飲む。
4月29日(木) 6日目 身動きできず・・・

朝起きて座薬入れてもらう。氷枕も換えてもらう。
今日は1日化膿止めの点滴につながれる。
モコモコさん、両親だけでなく、モコモコさんの両親までも見舞いに来てくれた。
夕食後テレビを見て寝るが、痛さのため眠れない。安定剤を飲んで23:40頃にようやく眠る。
4月30日(金) 7日目 初めての車椅子

車椅子でトイレへ行けるようになった。
診察で消毒をしてもらい、今日からリハビリを始めて松葉杖で歩く練習をするといわれる。
向かいのベッドの方が退院する。お世話になりました。
14:10頃、検温、血圧測定のついでに下着類を取り替えてもらう。パンツがくさかったのできれいになってうれしー。(事故当時にはいていたのは手術まえに取り替えてますよ。)
15:30 点滴に化膿止め追加。
16:00 リハビリの許しがでてうれしい。20分間くらい平行棒を使って片足で歩く練習。血が一気に下がってくる感じがあり(鬱血して)足が重くなる。
19:00 足が少し張ってきた。リハビリ頑張りすぎたか?
5月1日(土) 8日目 副作用で苦しむ

昨日は足が腫れてしまい、あまりよく眠れなかった。痛みもあるので座薬を入れてもらう。(さてこれで座薬は何回目でしょう。)
朝から頭が痛くて朝食は半分しか食べられなかった。
麻酔の副作用が出てきたのかな?
着替えが自分でできるようになった。消毒を受ける。
14:00 点滴。
今日はモコモコさんはやってくるのかな?漫画をよんですごす。
どうやら今日はモコモコさんは出没しないらしい。

 モコモコメモ
  その日寒河江には来ていましたが、GWの混雑のため着くのが遅くなったので、病院にはよらなかったのです。しかし、GW後半初日に新幹線に乗ってでかけるのは初めて。

※治療プランのほうは手術後から数えての週になっています!
骨折から退院までの流れ(日付けはすべて2004年)
日付又は入院からの数え週 主な出来事(その週の日記)
4月24日(土) 月山スキー場にて右足の脛を骨折し、入院。
事故顛末及び事故検証についてはこちら
第1週
 4月25日(日)
 4月28日(水)
 4月30日(金)

骨折後に搬送された病院で、治療を受けることに決めた。
骨接合の手術を受けた。
リハビリ開始。
第2週 手術後、麻酔の副作用で苦しめられた。
第3週
 5月12日

抜糸をしたあと、ギプスを巻きなおした。
第4週
 5月19日

ギプスカット。足の感覚が鈍い。右足の着地はまだ不可。
第5週
 5月27日(木)

リハビリメニュー追加。
第6週
 5月30日(日)
 6月 5日(土) 

手術後1ヶ月経過。
外出という冒険をしてみた。
第7週
 6月 8日(火)
 6月11日(金)

リハビリで骨折した足へ体重の1/4だけ加重をした。
さらに1/3まで加重UP。
第8週
 6月16日(水)
1/2まで加重UP(杖なしで起立できるようになった)。
第9週
 6月23日(水)

加重2/3までUP(1本松葉杖になる)。
第10週
 6月30日(水)
やっと全加重(これで片足でたてる→歩くときには松葉杖不要)。
第11週
 7月 6日(火)
そして退院。
第2週へ