山人骨折日記8


第8週


6月13日(日) 51日目 さくらんぼデー

いつもの通り散歩ポイントでモコモコさんを待つ。定時にズンドコやってきた。今日もうれしい一日の始まりだ。
食堂ではモコモコさんはパズル(イラストロジック)に夢中になってしまい目が点になっている。
Mさんから食べきれないほどのさくらんぼをいただいた。とりたてでおいしかった。モコモコさんにパズルの手ほどきを受ける。すると、日曜日でリハビリが休みにもかかわらずKさんがさくらんぼを持ってきてくれた。ありがたくいただく。 
 今日は、まさにさくらんぼデーとなった。



6月14日(月) 52日目 階段登り下り

今日はとても良い天気。月山、朝日がばっちり見える。さらにシャワーを浴びて気分爽快になる。
リハビリでは、階段の上り下りの練習をした。両足が着けるので楽である。片足ギブス状態や、まだ片足が地に着かない状態だとかなり厳しいと思った。実際、仕事の都合などで帰らなければならないひとは、この階段訓練を片足の状態から行う。
 梅雨の中休みでとても快適な一日だった。



6月15日(火) 53日目 松葉杖散歩OK

梅雨の中休みは今日も続いた。回診のときに松葉杖で外にでてももいいかと聞いたところOKがでた。これで堂々と松葉杖で散歩に出られる。お昼に同室の方からたくさんのさくらんぼをいただいた。昼食後、病棟を歩行訓練して部屋に戻るとYさんがお見舞いに来てくれていた、なんとさくらんぼを私にプレゼントしてくれた。
さすが寒河江、さくらんぼ王国だ。



6月16日(水) 54日目 おしっこする喜び!

午前中に先日湯殿まで連れて行ってくれたKさんが訪れて、今週の土曜日にクアパークへいかないかと誘ってくれた。花咲かフェアというのをやっており、花がたくさん植えられていて綺麗な公園ということだ。お言葉に甘えることにした。
 午後のリハビリは部分荷重1/2をかけた。足に痛い部分は特にない。気をつけの姿勢ができてうれしいー。立ち○○○も完璧な体勢でできるので快感である。今までは左側にやや傾いていた。
 病院の敷地内をビシバシ歩いた。



6月17日(木) 55日目 キジ夫妻現る

四日連続快晴。乾いた空気で気持ちがいい。午前中は「人力地球縦断」(九里徳泰著)を読んで南米に想いを馳せる。お昼に同室の方からさくらんぼをいただいた。まさしく寒河江はさくらんぼ王国だ。
リハビリ後は外へ散歩に出て足の感触を確かめる。足を着けると少し痛むがこんなものだろうとそのまま歩いた。
夕方は、日中外来患者がいっぱいで行けない外来病棟まで足を伸ばす。今日一日トータルで1時間は歩いた。
 そういえば外を散歩しているときにキジ夫妻を見かけた。2、3日前に雑草をすべて刈ってしまったので、丸見え状態だ。そばの道路をバイクが通ったらかけ足でにげるところがかわいい。

山人プチ絵日記

カナブンがぶつかりそうになった。



6月18日(金) 56日目 再び外出

土曜日の外出許可がおりた。
松葉杖で外出できるので身も心も軽い。車椅子での移動は人の手を借りて車に出し入れする作業を伴う。松葉杖なら、ゲタ感覚で気分的に楽である。しかし、移動速度が遅い(※1)、腕が疲れる等のデメリットもある。

モコモコメモ
車イスでの山人の移動速度は、早歩きではおいていかれ、小走りでないとついていかれないほど速い。ときどき勢いあまって壁に衝突するのではと不安になるくらいだった。




6月19日(土) 57日目 「花咲かフェア in さがえ」

今日は楽しいモコモコデー&Kさんとの外出の日である。
天気は曇りで暑くもなく寒くもなくいい天気だ。
予定していた時間より早く迎えに来てくれたので、急いで出発の準備をする。目的地は、最上川総合公園で開かれている「花咲かフェア in さがえ」を見に行くことだ。”花咲か”の名の通りさまざまな花が植えられており、心を和ませてくれる。地域で取り組んでいて、町内会ごとに花壇を出していたりする。公園の花はすべてボランティアの手で手入れされて整えられている。入場料無料というのが素晴らしい。
お茶会コーナーのお茶を楽しんだり、八代亜紀さんのそっくりさん鮎川ゆきさんの歌を聞いて面白かった。
また、公園のそばを流れる最上川でカヌーをしている親子連れが川を下っていったのを見て、久しぶりにカヌーをやりたくなってしまった。名物のアイスクリームを食べて会場を後にした。
 次に向かったのは寒河江公園。病院からいつも公園となっているこの山を見ていたので気になっていた。つつじが斜面一杯に植えられていて、夏はこの斜面を利用して流しソーメンをするらしい。結構な傾斜があるので、ソーメンを捕らえるのが難しそうだ。
最後に訪れたのは、慈恩寺だ。ここでは、およそ500年前に建てられた木造三重の塔を見ることができる。そんな昔に良く作ったものだと感心した。名物の延命ところ天を食べた。Kさんはつるつる入るから大丈夫だといっていたが、なかなかのボリュームと歯ごたえがあり、言った本人も驚いていた。

山人プチ絵日記

三重塔
最上川をカヌーで下る親子

ここの店にはボタンで押す旧式のテレビがあった。1986年製造の年代物だ。店のおばさんによるとまだ現役でみられるということだ。
楽しい一日もあっという間に過ぎて病院へ戻るときが来た。
Kさんのお陰で楽しくすごすことができた。モコモコさんも大喜びだ。本当にありがとうございました。



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