毎朝眺める風景 冬の朝陽

夜早く寝ているので朝は早く目覚める。4時から4時半のあいだ。再就職して以来、目覚し時計に起こされたことはほとんどない。5時までは布団のなかでじっとしている。

5時過ぎに下へ降りて洗濯機を動かす。6時までは布団に戻り本を読んだり文章を書いたりしている。この文章も早朝に書いている。

朝食前の洗髪は変わらない。髭は夜、風呂場で剃るようになった。口まで湯船に浸かり、十分に湿らせると乾いた肌にカミソリを当てる朝よりもずっとよく剃れる。

朝食を食べ、洗濯物を2階のベランダに干してから家を出る。バス停が離れているので自転車に乗る。駅までバスに乗る。始発地点の次の停留所で乗るので雨や雪の日でもバスに乗れないことはない。

7時14分の電車に乗ると8時過ぎに会社に着く。オフィスが高層にあるので冬の晴れた日は富士山が良く見える。

朝のルーチンが二つある。一つは、ウェットティッシュで課内のデスクを拭くこと。もう一つはコーヒーを一杯飲むこと。まだまだ新入社員だし、業務でほとんど貢献できていないので、せめて自分でもできることをしている。

コーヒーはインスタントコーヒー。節約のため家にあるインスタントコーヒーを小びんに入れて持参している。昼食はもちろん、飲み物の出費は馬鹿にならない。一日1本でも20日経てば2,000円、午前と午後に飲んでいたら一月で4,000円の出費になる。

社員の少ない会社にいた頃はウォーターサーバーやコーヒーメーカーが置いてあった。人数が多くなると要望も多様になるからそういう福利厚生はないのだろう。

昼食は持参した弁当かワンコインで済ませる。箱根、小諸、吉野、富士を巡回している。弁当を買って食べることはまずない


最近、一つの業務を任されるようになった。他部門の人と連携する機会も増えた。仕事をしているあいだは緊張と不安がまだある。ミスしないか、人への依頼の仕方が相手の気分を損ねていないか、小さな心配が大きな不安に膨れ上がることがある。頓服の抗不安薬を飲むことも少なくない。

内勤の仕事で一日中パソコンを見ていると目が疲れ肩も凝る。日に二、三度、ビルの外に出て外気を吸う。オフィスが入るビルをひとまわり歩く。健康と節約のため間食はやめた。


朝、余裕を持って出勤しているので夕方は17時ぴったりに仕事の手を止める。派遣社員や育児のために時短労働している人や定年間近の人など、定時に退社する人は意外に多い

間食はやめたと言いつつ、最近、悪い癖がついてきた。それは買い食い。

下車駅の前にあるコンビニ。店の前が広くベンチもある。ここで行き交う電車を見ながらフランクフルトを片手にビールを吞む。やってることは、うまい棒を片手に色付炭酸飲料、チェリオを飲んでいた高校時代と変わらない。厨二病ならぬ高二病。

月火は我慢できる。 水曜は寄り道してしまうことが多い。金曜は家で呑んでいい日にしているのでまっすぐ帰る。

家族の中では私が一番早く帰宅する。洗濯物を取り込み、風呂を洗い、夕刊に目を通す。『忍たま乱太郎」を見る日もある。


夕食のあとは夕刊を読んだり図書館で借りた雑誌を眺めたりして漫然と過ごす。テレビは点いていてもほとんど見ていない。風呂に入る前に「入浴の音楽」のプレイリストを作り、風呂に入る。前の会社を辞める前ーーうつの症状が重かった頃ーーは何もかもに焦っていて風呂ですらゆっくり入っていなかった。何がしなければならないわけではない。ただただ「早く寝て早く起きて会社に行かなきゃ」という気持ちがいっぱいで、風呂でも食事もすぐすませていた。

そうして会社に行く前から、帰った後も絶えずメールを見ては返信をしていた。要するに24時間体制で働いていた。いわゆる裁量労働制。

よく眠れていて朝も自力で起きているのに「早く寝ないと明日の朝起きられない」という不安はまだ残っている。


風呂から出たら薬を飲んで床に就く。クリスマスにサンタクロースがクリスタルグラスを持って来てくれた。このグラスを薬専用にして炭酸水を夜に半分、気の抜けた半分を翌朝に薬と一緒に飲む。

今服用している薬は朝に抗うつ薬と安定剤で3種類、夜は入眠剤が足されて6種類。

”Sleep Cycle"というアプリで毎晩、快眠度を記録している。平均睡眠時間は7時間14分。平均快眠度は70%。薬を飲み忘れた日は眠りが浅い。まだまだ薬の力を借りて寝ている。

最近『神曲』を読みはじめたので2、3章読んでから電灯を消す。遅くても22時には部屋を暗くして目を閉じる。ときどき音楽を流しながら眠る。聴くのは"Nightmoods", "Bedtime Beats", 「夜の音楽」、「眠りのクラシック」と題したコンピレーション・アルバム。なかでもバッハ作品から眠りを誘う音楽を集めた"Nightmoods: Solo Journey"はよく聴く。

うつが重かった頃は、目を閉じた途端に朝が来るように感じるときがあった。頭も身体も疲れがまったく取れない。そういう睡眠障害はほとんどなくなった。布団に潜り込んでいるときが一番幸せを感じる。

夢は見ない。見ても覚えていない。


全体としてみれば現在は、4年前に比べると、とても穏やかな暮らしを送っている。

今の暮らしには波風も立たない代わりに張り合いや楽しみもない、働く場所があることはありがたいとはいえ、それだけで働きがいにつながるわけではない。

気分の上がり下がりが激しいより、低調でも安定している方がいい

S先生のこの言葉が曇り空の続く日常の慰めにもなっている。


写真は冬のあいだ、家を出るときに見ていた風景。同じ時間でも今はもう陽は高く昇っている。


日常生活:

入社後7ヶ月の日常生活  8.4.17

今月の日常  10.31.16

最近の日常生活  3.6.16

最近の日常生活  7.4.15