最後の手紙

烏兎の庭 - jardin dans le coeur

第五部

葉山港から逗子、披露山公園を見る

6/20/2016/SAT

飯田橋から、横浜、そして、葉山へ

甲武鉄道 飯田町駅跡

先週は盛りだくさんの週末だった。

金曜日、朝。飯田橋、しごとセンターで就職活動の相談。

九段下まで歩く途中で担々麺のランチ。ふだんは弁当を食べているので、昼に外食は珍しい。最近、ちょっと体重が減ったのは、この手の食事をほとんどしなくなったおかげだろう。


横浜歴史博物館、横浜市都筑区(センター北)

大塚古墳の竹林 復元された竪穴式住居

九段下から半蔵門線で南下。そのまま路線は田園都市線になり、あざみ野で下車。横浜市営地下鉄に乗り換えて、センター北駅そばにある横浜歴史博物館へ。

横浜歴史博物館が、なぜ集客が見込めるみなとみらい地区に作らなかったのか、行ってみてわかった。ここで2000年前の集落と墳墓が発掘された。博物館は発掘された集落を公園にした大塚遺跡に隣接している。ちょうど日差しが厳しい時間だったので、復元された集落だけ見て、墳墓のある歳勝土遺跡まで歩くことは断念した。

横浜の港の歴史を知りたければ、山下公園近くに県立博物館と開港資料館がある。


国吉康雄展、そごう美術館、横浜市西区

国吉康雄展 再現された仕事場

市営地下鉄で横浜へ。そごう美術館で国吉康雄展。約束の時間が近づいていたので、早足でふた回り。

国吉の名前は、1930年代にアメリカにいた野田英夫や清水登之と一緒に知った。

独自のデフォルメができるのは、しっかりした素描力があるからと今さらに思う。何事も基本が大切。濃い色使いもいい。

国吉の描く女性の肌色は、白、黒、黄が混じっているという。大戦前、彼にはコスモポリタンの夢があったのかもしれない。

展示は、“Little Girl Run for your Life”と題された作品を出発点にして、瀬戸内の少女が国吉の世界を案内するという構成。最後は「瀬戸内国際芸術祭」への招待に導かれる。

“Litle Girl”とほかの作品との関連が解説されているわけでもなく、やや前のめりの感も否めない。岡山県とそこに本社を置くベネッセ・グループにとっては地域振興のための貴重な財産であることはよくわかる。


京急上大岡へ。駅の上にある百貨店で両親と落ち合い、いつもの店で夕宴。気取らない南欧料理の店。

84歳の父は、ついに酒を止められた。去年、腹に粉瘤ができてかなり狼狽したので、今回は医師の指示におとなしく従っているらしい。この夜はワインを少し呑んでいた。


葉山しおさい公園、三浦郡葉山町

金曜の夜、それほど呑み過ぎたつもりはなかったのに、朝食のあと横になったら、昼過ぎまで眠ってしまった。

どこへ行くかは決めず、とりあえず鎌倉行きのバスに乗った。太刀洗までは空いていたのに、浄妙寺からは満員になるほど乗車してきた。

八幡宮前を通ると、修理を終えた若宮大路にも大勢の人、人、人。鎌倉駅、江ノ電の改札では「乗車できるまで約40分」とアナウンスしている。毎度のことだが、連休には鎌倉へ行くものではない

鎌倉はあきらめて、横須賀線で一駅、逗子へ。山周りのバスに乗り、葉山で下車。御用邸の一部を下賜した「しおさい公園」を散策。

しおさい博物館では、逗子・葉山の古写真展があった。

大正天皇が崩御し、昭和天皇が即位した場所が葉山御用邸だったとは知らなかった。皇室の誰かが静養しているときには警官も多いに違いない。それでも、海岸と屋敷のあいだは皇居の東御苑と吹上御所との距離に比べればずっと近い。しかも、昭和天皇はここから船を出して、海中生物の採集もしていた。ここでは、肌で感じる皇室との距離がかなり違う。

鎌倉の喧騒と違い、誰もいない。紫陽花と菖蒲がきれいだった。


葉山港、三浦郡葉山町

江ノ島とウィンドサーフィン 江ノ島遠景

海周りのバスに乗り、葉山マリーナで下車。葉山港の突堤を先まで歩いた。風は穏やかで、日差しも地面から照り返すほどではない。5月に来たときは、風が強く、海も荒れていた

しばらく、突堤の先で遠くの江ノ島やウインドサーフィンを眺めていた。

ここには2008年8月に来ている。その後、父は免許を返上し、私もクルマを捨てたので、来る機会がなかった。今回、バスで来てみると、それほど不便ではなかった。

高校生の頃は、50ccのスクーターを持っていたので、週末や、ときには授業をサボって海を見に来ていた。その頃からだろうか。海を見ることが好きになったのは。

釣りをするでもなく、サーフィンをするでもない。ただ、ぼんやりと眺めているだけ。それだけで気持ちがいい。

テレビで、うつ病の予防のためにストレス解消になる方法をできるだけ多く考えておくとよい、と言っていた。出演していた臨床心理士は、「多ければ多いほどよいので、まず100個」と言っていた。

それを聴いて、まず、思い浮かんだことが、「海を見ること」。

それから、こんな風に「思いついたことを文章にすること」。書くことは辛い気持ちになることもないけれど、週末の夕方、お気に入りの音楽を聴きながら、ビールを片手にとりとめのないことを書いていると、不思議と穏やかな気持ちになる。