日蓮宗妙厳山信隆寺(茅ヶ崎市) | トップへ |

ひとこと

霊魂を感じて

自然には魂(霊魂)が存在します。
霊魂と言ってもそれは幽霊のことではありません。
木々が呼吸をし、風が様々なものを運び、水が恵みをもたらす。
土はあらゆるものを育て、そして浄化する。
生き物はその自然に抱かれて生命を保つ・・・

我々人類はその魂(霊魂)をことごとく消しさってきました。
環境に合わせて進化するのでなく、己に合わせて環境を変えてしまったのです。
本当は生かされているのに、あたかも自分で生きているかのように・・・

地面を覆うアスファルト、我々を囲むコンクリートのジャングル、
無機質な物でかこまれた、生活・・・
知らぬうちに心も冷める私たち。
「仕方ないよ」と言いながら、分かっていても何も変えられない。

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昔、一つの物を大事に大事に扱う時代がありました。手入れと修理を繰り返し、永く永く大事にしました。
名前を付けたくなるほどの愛着がわく・・・そのとき、無機質であった物に魂が宿ります。
そして、いよいよ処分しなければならぬとき、さみしさと共に感謝の気持ちで別れをつげる。
今の世は使い捨ての時代です。「修理するより、新しいものを買ったほうが安いよ」 と・・・
また、ひとつの魂が消しさられました。

やがて私達の心も無機質な物へと変化し、捨て去られてしまう。
使い捨て・・・新しく取り替える心なんてどこにも売ってない。
行き場を失った魂はどこへ行くのだろう。

風を感じ、土に触れ、空を仰ぎ、大地の恵み、海の幸に感謝したい・・・
霊魂を感じて生きていたい。
こんな時代だからこそ、もう一度人の心というものを見つめ、大切に扱いたい。
大事に大事に、修理をしながら、永く永く・・・

魂が、行き場を無くさないように。