日蓮宗妙厳山信隆寺(茅ヶ崎市) | トップへ |

ひとこと

お盆によせて

本格的な夏になり、いよいよお盆の季節がやってまいりますが、この頃になりますと各地で色々な行事が行われます。花火大会、夏祭り、盆踊り、精霊流し等、 日頃の忙しさを忘れ、子供の頃を思い出します。

お盆は私たちがあらゆるものの縁によって生かされていることを思い出させてくれるのです。私達には誰でも(どんな事情があろうとも)必ず二人の親がいま す。その二人に二人ずつの親、その四人にまた親がいます。敢えて示すならこのようです。一代(2人)+二代(4人)+三代(8人)+四代(16人)+五代 (32人)+六代(64人)+七代(128人)+八代(256人)+九代 (512人)+十代(1024人)=十代の合計は2046人です。(まだまだ 続きますがきりがないので十代までにします。)

これだけの親たちが私を、私たちを造ってくれたのです。そして、その一人が欠けただけでも私たちは今、存在し得ないのです。先祖である親たちがその時代、その時代を一生懸命に生きてくださったからこそ私たちが今を生きられるのです。感謝を致しましょう。

上七代、下七代という言葉がありますが、良い行い、悪い行い共に因縁として七代まで影響します。今のあなたの行いは子へ、孫へ、因縁として伝ります。

自分の持っている仏性に気づきましょう。

現代を生きる私たちは、つい本当の心(仏性)を忘れ、自分中心に過ごしてしまいがちです。最先進国にありながら、「心の時代」といわれて久しくなりますが、心は貧しくなるいっぽうではないでしょうか。誰もが己の胸中に、仏の心を持っているのです… 

そのことに気づかずに…

一人でも多くの人が、自分の中にも仏が存在することに気がつけば世の中は次第に安穏になっていくことでしょう。このお盆、お施餓鬼を機会に他人を思いやり、先祖をはじめ、一切の命に感謝する豊かな心を育みたいものです。そして、未来を担う子供たちに、大切な何かを教えてあげて下さい。

八月七日、当山に於いて、盂蘭盆・施餓鬼供養を行います。皆様もご先祖様、亡き父母、夫、妻等の霊位をはじめ、有縁、無縁の亡き方々の為に卒塔婆をたて、 手を合わせ、供養の心を捧げましょう。

手を合わせることにより私たちの仏性も目覚め、その功徳は巡りめぐっていつの日か必ず、私たちの元にやって来ることでしょう。