日蓮宗妙厳山信隆寺(茅ヶ崎市) | トップへ |
合掌。七年ぶりにエルニーニョがやってきて暑すぎる夏の候。
先ずは全国各地の水害、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。東北や西日本、特に九州などでは局所的な豪雨で大変な目に遭われているのに関東近辺では全然雨が降らず、水源のダムでは貯水率が下がり、水不足が噂されたりもしています。殊に湘南地区は今年の夏、特に七月は全く雨が降らず、カラカラの猛暑日が続きました。庭に水を捲いても一瞬で乾いてしまう状態、植物たちは辛かったと思いますし、お百姓さんも大変だったと思います。作物も干からびてしまったことでしょう。そんなこんなで一ヶ月近く降らなかった雨が突然、八月一日の午後三時 にわかに空が曇り始め、ゴロゴロと雷さまが聞えたかと思ったらいきなりのゲリラ豪雨!申し訳ないのですが凄まじい雷雨に感動してしまいました。カラッカラでどんなに水を捲いても地面が干からびてしまっていたのに一瞬で大地が潤いました。それどころか庭や道路が川です。自然界はどんだけ空に水を蓄えているのでしょうか? 自然の力はやっぱりすごい。太陽熱で海や大地から水蒸気が空中に吸い上げられ、雲の塊になって絶えきれなくなって雨として舞い戻る・・・その理論は分かりますが、あれだけの水が空に漂っていると思うと五十代のオジサンも改めて、うなってしまいます。自然界の力に畏敬の念を抱かずにはいられません。文頭に記しましたがエルニーニョ現象が発生したそうで、これは猛暑、豪雨、干ばつと極端な災害をもたらします。日本各地で発生する線状降水帯もその一部です。晴れも雨もバランスの良い状態で繰り返してくれれば、こんなに有り難いことはないのですが、干ばつや豪雨では、どちらも私達の生活には害となります。日本の食料自給率はカロリーベースで四割を切っていますので世界で自然災害が起こって、作物が不作となれば輸入は止まり、我々は食糧不足で枯渇します。あっという間ですよ・・・人は飢えれば殺気立ちます。あちこちで暴動や争いが起こり、人の物を奪ってまで自分が生きようとするのです。まさに餓鬼道・・・先日、行いました施餓鬼供養でお話しした世界です。餓鬼界にいる者の気持ちが分かるかも知れません。
もう少し、この国に田んぼと畑が増えて、多くの人(特に子供達)がアスファルトではなく地面を踏みしめて、自然と触れ合う時間が多ければ良いのに・・・お百姓さんも増えて、農業だけで生活が満たされるなら素晴らしい。農業立国!若者は農業に就職! 米も小麦も大豆もトウモロコシも輸入に頼らず国内で生産しよう・・・外交の為に国の将来を売るべからず・・・コオロギは食べたくない・・・という政治家が、いてくれたなら良かったのに・・・
さて、皆さんはどう思われますか?少し極論を申し上げましたがやっぱり私は変ですか?「お上人は最近、政治的な話が多いですね」と言われることがありますが、おじいさんが議員だったので仕方ありません。どうしてもそういう目線でものを考えがちです。でも気をつけます。人の意見はよく聞いて、お坊さん目線で、ものを見るように心がけなくてはいけませんね。
「こども食堂」もお陰様で一年が経過しましたが、お寺に来ることで、こどもたちの心に仏さまの種が芽生えるきっかけになれば良いなあと、思いながら続けています。近隣の方々にも野菜やおやつの寄付を頂いて本当に感謝しています。こどもたちは美味しそうに、そして楽しそうにカレーを食べてくれます。大人数で食事をすることが少なくなった昨今、大勢で食べるこの場所が癒しの場になってくれれば幸いです。先般、開催された「音と書」のコラボレーション『響』もギターの音色と書の美しさが私たちを癒しの世界に導いてくれました。人には癒しが必要です。本来、宗教は人々の癒しであるはずですからお寺は率先して癒しの場を作りたいと思います。 クラシックギタリスト「大沢美月」さん。ウィーンで会いましょう。書道家「稲村瑞穂」さん。ニューヨークで会いましょう。スタッフの皆様。茅ヶ崎で会いましょう。皆々様、感動をありがとうございました。聴衆の皆様もよく来て下さいました。この良き縁が広がることをお祈り申し上げます。
因みに、写真の言葉はネイティブアメリカン チェロキー族の言葉ですが仏教にも通じるところがあります。
「生まれた時、きみは泣き、世界が笑った。だから死ぬときは、きみは笑い、世界が泣く人生を生きなさい。」斯くありたいものです。
命への感謝と、他の為に生きることの大切さを教えてくれます。自然と共に生きる人々は、大切なことが何なのかを理解していたのです。そして言い伝えとして子々孫々に残しました。経典も同じです。この世の苦しさの中で、どのように生きたら良いのかを、お釈迦様は語りました。それを聞いた者達が後に経典として伝え残したのです。「我、是の如く聞けり・・・」と。お釈迦様の言葉は、言い伝えとして各地へ弘まり、後の世に語られていきます。その土地土地の気候、文化、風土にあった教えに変わって、人々を救い続けたのです。諺などにも仏さまの教えはたくさん盛り込まれています。お経は、仏さまの愛情たっぷりの言葉であるわけです。私は黙っていると顔が怖いと言われますが、愛情はたっぷりです(笑)
※令和6年に信隆寺は開創四百年を迎えます。就きましては「四百年祭慶讃法要」を執り行い、慶讃事業として本堂畳替え、庫裡雨漏り改修(屋根替え)、歴代廟・境内寺観整備を計画しています。
南無妙法蓮華経