日蓮宗妙厳山信隆寺(茅ヶ崎市) | トップへ |

ひとこと

寺報第61号より

合掌。梅雨の候。皆さま如何お過ごしでしょうか? アジサイが綺麗に咲いていますが皆様の心に花は咲いていますか? ところでワクチンは打てましたか? まだまだ安心して暮らすことができませんね、困ったものです。そんな中でもお仕事はきちんとやらせて頂いておりますが、何せ外出しないものですから刺激が少なすぎます。ずうっと家にいるので私の頭の中にはお花が咲いているようです。ぼーっとすることが多く、物忘れ激しく、ボケボケです。

「こんにちは 思い出せずに さようなら・・・」と、こんな俳句をどこかで聞いたような気がしますが、まさしく私もその通りになってきました・・・なんとか一日の仕事を終えて夕食を済ませ、大好きな本を読もうとしても老眼がひどくて目がシバシバしてしまい、いつの間にか寝てしまう・・・テレビをつけてもくだらない番組ばかりで退屈で、最近は九時頃には寝てしまっています。

それにしてもテレビはひどいと思いませんか? 視聴者を無視して芸能人だけが楽しいクイズ番組。芸能人だけが美味しい試食タイムや食リポ。あんなもの見ても私は何も美味しくありません。絶対に「不味い」とは言いませんしね・・・どのチャンネルを回しても同じようなタイトル・内容の番組ばかりで、頼りのニュースもなんとなくテレビ会社の思惑が入っているようで事実とかけ離れた報道が堂々とされているような・・・情報操作といっても過言ではないような・・・気もします。よくある「政治家Aの言葉」や「政治家Bは次のように言っています」などは本当に政治家AやBが言った言葉なのでしょうか? 確かめようもありませんが・・・ただ、マスメディアの責任はとても重いことを知って頂きたい。良くも悪くも国民の思考に大きく影響を与えますからね。「テレビで言ってたよ」とか「新聞に書いてあった」などはよく聞く言葉です。悲しいことに例えばそれが事実でなくともそれが正しいと思ってしまう人はまだまだ多いのです。安心して見てられるのは「サザエさん」だけです。ところで私・・・先ほどチャンネルを回す・・・と表現しましたが大丈夫ですか? 今時はチャンネル回しませんね、ガチャガチャと・・・お檀家さんもだいぶ世代が変わり、お年寄りばかりではありませんからいつまでも自分が一番若いと思っていてはダメですね。今はチャンネルピッピッですから。

世代が若いといえば最近、屋号や部落という区分が通じなくなってきました。今宿・中島・柳島などは良いのですが、南湖の上町・中町・下町 そして困るのが十間坂です。東町・高山町・仲の町・西原町・・・通じません。お寺としては古き良き時代の風習慣習などは残しておきたいのですが実務に支障が出始めましたのも事実です。お施餓鬼のお塔婆をお渡しするときに部落別に区分けしているのですが新しいお檀家さんは部落が分からないのです。そもそも部落に取り組めておらず「市内」という区分になってしまってます。例えば十間坂に住んでいても「市内」。今宿ですら新しい檀家さんは「市内」という区分の方もたくさんいます。そこで今年から試験的にお檀家さんの各家にそれぞれID番号を持っていただこうと試みを致します。家の「マイナンバー」みたいなものでしょうか・・・イヤイヤそこまで大したものではございません。取り敢えず今年のお施餓鬼のお塔婆は部落別でなくID番号別に分けてお渡ししますのでご理解下さい。皆様のID番号はこのタイムスが送られた封筒の宛名に記載された4桁の番号(皆さまの住所 氏名が書かれたタックシール右下記載番号)です。0001から始まる4桁数字が皆さまのID番号ですから、その数字を覚えて、もしくは封筒を持参して番号別でお塔婆を受け取って下さい。予定としては法要後、茅ヶ崎市内の人は外に番号ごとに分けてお塔婆を置きますのでそこから自分の番号を確かめて持って行って頂くようになります。お世話人様に本堂内から外まで運んで頂きますので少々のお時間、お待ち頂きたいと思います。市外の方は本堂内に置く予定ですがやはりID番号での確認になりますのでご注意下さい。当日の天候にもよりますが、住職から説明がございますのでよく聞いて間違えのないように受けとって下さい。ID番号さえ分かっていれば簡単に受け取れるようにしますが、今回が初めての試みなので多少の混乱もあると思われます。寛大なお心でご容赦願いたいと存じます。詳しくは別途、別紙にてご案内します。

さて、日蓮聖人のご生涯ですが、前回は蒙古から威嚇の国書が送り付けられたところ、そして幕府が聖人の諫言を聞き入れないところまでをお話し、今回は龍口法難の前あたりからのお話です。

この頃の鎌倉の様子はというと日々旱魃が続き、幕府は極楽寺良観に祈雨のご祈祷を命じるほどでした。しかしその効果なく、炎天が続いたと言われます。これを機に、聖人はますます諸宗破折、幕府批判の語気を強めたのです。聖人への怨嫉深い良観をはじめ、批判されていた諸宗の僧俗たちは、嘘の罪科をでっちあげ幕府に讒言しました。よって聖人は、貞永式目に定める「悪口之咎」にあたるとして、九月十二日の夜、幕府の実権者平頼綱に捕えられたのです。表向きには佐渡流罪となっていましたが、当時の刑場「龍ノ口」で斬首する画策でした。裸馬に乗せられた聖人は鎌倉中を引き回されましたが、八幡宮の前に差し掛かった時に「八幡大菩薩よ、このまま法華の行者を守らぬとは何たることよ。そなたは真の神か・・・」と諫言し、警護の武士を狼狽させたと言います。やがて、首の座に着かされた聖人は不惜身命、一心にお題目を唱え続けました。すると江ノ島の彼方より光の玉が飛来し、斬りかかった武士の太刀は折れ、周りの武者たちも恐れおののいて逃げ出したと伝えられています。この時の様子は以下の『妙法比丘尼御返事 』というご遺文に残されています。

「外には遠流と聞えしかども内には頸を切べしとて、鎌倉龍の口と申す処に九月十二日の丑の時に頸の座に引きすえられて候き。いかがして候けん、月の如くにおわせし物、江の島より飛び出でて使の頭へかかり候しかば、使恐れてきらず。とこうせし程に、子細どもあまたありて、其夜の頸は逃れぬ。」

聖人は斬首を免れましたが、この法難の後、聖人が佐渡に流されると、門下には弾圧が及び、退転する者が続出することになります。
次回は現在の厚木付近、星降りの逸話から・・・


お知らせ

コロナ禍の中で各行事をどうしたものか思案中ですが方向性としては以下の様にします。

七月二十七日
施餓鬼法要 昨年同様 自由参拝にて実施
新盆供養は別途ご案内します。食事の類いは無しとします
七月お盆棚経
昨年同様 実施 別途案内します
八月お盆棚経
昨年同様 実施 別途案内します
「歌舞伎 日蓮」 絶賛公演中 歌舞伎座 主演「市川猿之助」
 初めて歌舞伎を観に行きました。感激しました。日本の文化を改めて凄いと感じた次第です。伝統を残しつつも新しいものを取り入れてゆく勇気にも感動しました。このような時期なので無理にお勧めはできませんが、もしよければ感染対策をしっかりとした上で是非とも観劇して下さい。左甚五郎の物語「京人形」も素晴らしかったです。嗚呼もう一度観に行きたい・・・

南無妙法蓮華経