日蓮宗妙厳山信隆寺(茅ヶ崎市) | トップへ |

ひとこと

寺報第57号より

合掌。立冬の候。とは言え肌に感じる雰囲気は晩秋乃至涼秋くらいでしょうか? 夏が暑すぎ咲かなかった花たちが気持ちよさげに咲き誇り、木の葉は色づき、秋の味覚も揃い始めています。柿の実の橙色がとても綺麗です。今年は台風の影響が少なかったから銀杏も綺麗な黄色に染まるかも知れません。庭掃きはたいそう大変ですが銀杏の葉は黄色く染まるととても綺麗です。信隆寺は昔、柿寺と呼ばれていて、一号線沿いや裏手には柿の木がたくさんあったそうです。本堂の周りも銀杏の木が何本も植わっていて秋にはとても綺麗に色づいたようです。そう言えば子供の頃に柿をとって食べていた記憶があります。一番美味しいのはいつも先に鳥に食べられました。昔はそこいら中に柿の木がありましたよね? いつの間に無くなってしまったのでしょうか? 最近はあまり見かけませんね。「桃栗三年柿八年」も今では身近な諺ではなくなりかけています。「何事も何かを成し遂げるためには、時間がかかる」という意味で「石の上にも三年・・・」と同様に日本人に適した諺でしたが今のスピード時代には通用しません。時代の変化が早すぎて三年も待てないのです。もしかしたら桃や栗も三年待たずに実をつけるかも知れません。

私は「桃栗三年柿八年 柚子の大バカ十八年」と覚えていましたが他にもいろいろあるようです。「桃栗三年柿八年 梅は酸い酸い十三年 梨はゆるゆる十五年 柚子の大バカ十八年 みかんのマヌケは二十年 ぎんなんバカヤロ三十年」だそうです。実際は桃栗三年柿八年までが大凡合っていて、あとはあまりあてにならないみたいですが色々とあって面白いです。こんなのもあります。

「桃栗三年柿八年 女房の不作は六十年」恐ろしいですね。

女房があるなら亭主もあるだろうと思ったらやっぱりありました「桃栗三年柿八年 亭主の不作は一生もん」だそうです。誰が考えたのでしょうか? きっと亭主たちは夜な夜な酒でも飲みながら女房の悪口を言い、女房たちはおてんとうさまの下で井戸端会議、亭主の悪口をまくしたてていたのでしょう。お互い様ですね。私の周囲の方々はみ~んな豊作です・・・

さて、柿は八年ですが間もなく日蓮聖人がお生まれになってから八百年です。タイムス49号で少し紹介しましたが、聖人は貞応元年(1222)二月十六日に千葉県安房郡小湊に誕生します。幼名を「善日麿(ぜんにちまろ)」と言い、両親(父 貫名重忠 母 梅菊)は漁師だったと伝えられます。「貫名」という性をもっていて遠江の武家出身とも言われています。日蓮宗の紋標は井桁に橘ですがこれは井伊家との繋がりを連想させます。但し時系列が少々異なりますので裏付けが必要です。聖人自身は出自を漁師(旃陀羅)の子としています。誕生時の伝説や逸話として、庭先から突如として綺麗な泉が湧き出し、咲くはずのない青蓮華が咲き誇り、直ぐ近くの海辺では鯛の群れが海面に集まったなど、どれも未だに語り継がれています。お生まれになった場所は今では海の中であろうとされていますが、すぐ近くに誕生寺という日蓮宗の大本山がありますので是非この機会にお参り下さい。お土産は鯛せんべいが人気です。帰りには鴨川シーワールドでイルカと戯れて下さい。「GO TO 誕生寺」

幼少期から聡明だった聖人は十二歳の時に父母の元を離れ、近くの天台宗清澄寺(現在は日蓮宗)で四年間、寝食を忘れて学問や修行に打ち込みました。修行の中で聖人はお堂に数日間籠もり、虚空蔵菩薩に「日本一の智者となしたまへ」と祈願されたそうです。そのお陰なのか聖人の記憶力はずば抜けて凄いのです。いつか紹介しますがその頭脳は天才的だと言われています。やがて十六歳になると、師匠・道善房のもとで正式に得度、名を「是聖房蓮長(ぜしょうぼうれんちょう)」と改めます。十七歳で鎌倉へ遊学、二十一歳には比叡山へ勉学の旅にでます。(この後のことは次回以降のタイムスにて・・・)

令和三年二月の十六日 日蓮聖人降誕八百年に向けて慶讃事業が色々と企画されています。今年の三月に予定していた誕生寺団参は残念ながらコロナ禍で中止を余儀なくされました。申込をされていた皆さま、すみません。お許し下さい。その代わりと言っては何ですが、宗務所で企画をし、皆さまの代わりに我々僧侶が誕生寺にお参りをする計画が立てられました。ご案内を別紙にてお知らせしますので希望者は申し込んで下さい。それともうひとつ、お寺の玄関に掲示させて頂いている歌舞伎のご案内です。来年六月に澤瀉屋 市川猿之助さんが演ずる「歌舞伎 日蓮」が上演されます。是非、観に行って下さい。普通の歌舞伎とは少々違った形で演じられます。前回上演されたスーパー歌舞伎「ワンピース」は大人気アニメ「ワンピース」を歌舞伎で演じました。今回はどのようになるのか楽しみです。私は六月四日に行く予定です。既に十一名の観覧希望者がおり、その分のチケットは押さえました。公演数が未だ決まってませんので値段も決まりませんが先行割引で買うことができます。一緒に楽しみましょう。ご希望の方は別紙にてご案内を同封しますのでご覧下さい。問い合わせはお寺まで!


ご報告

お会式参拝ご苦労様でした。この時期のお参り、有り難うございます。副住職も初めての法話で緊張はしたものの良い経験をしたようです。次回に向けて勉学に励んでおります。

お知らせ

今年はコロナ禍で全ての行事が縮小でした。仕方の無いことですがさみしい一年でした。冬至近辺で行われている「星祭り・年間祈祷会・大黒祭・餅つき大会」も例年通りとはいきません。餅つきは完全に中止。法要は規模を縮小して自由参拝の形で開催します。お札の申込みは例年通りして頂いて結構です。皆さまにお渡しするお札・お守りにはしっかりとお経をあげさせて頂きます。

十二月十九日 (土) 自由参拝
十一時 大黒祭 守護神幣束取り替え繁栄祈願
十四時 星祭り 令和三年度年間祈祷会 各種お札開眼
令和三年一月元旦 自由参拝
0時00分 元旦祝祷会

例年は0時丁度に本堂にてご本尊様へ年明けのご挨拶 その後、地下ホールにて鏡割り 乾杯 お年玉くじ引き大会となっておりますが、今回は密にならないようにしなければなりません。本堂の鐘が鳴って皆さまとともに「あけましておめでとう」とご挨拶することが楽しみであり、子供の頃からこの体にずうっと染みついている習慣です・・・なんとか方法を考えたいと思い、考えましたが今回は本堂にての参拝のみとします。地下ホールに集まるのは止めにします。何卒ご理解下さい。尚、扉や窓も開け放しますので暖かい格好でご来寺下さい。くじ引きに関しては思案中ですが何か方法を考えます。お正月一発目の楽しみですものね!何としても皆さまに福を届けたいと思います。

南無妙法蓮華経