日蓮宗妙厳山信隆寺(茅ヶ崎市) | トップへ |
合掌。初冬の候。早いものでもう冬です。ところで覚えてますか?今年の猛暑を・・・私は危うく忘れかけていました。去年の冬がどうだったのかもよく思い出せません・・・すぐに忘れてしまうのですね、困ったものです。「人は忘却の生き物」だとか「忘却はよりよき前進をうむ」だとかいう言葉がありますが、覚えておかなければいけないことも忘れてしまうのはマズイ・・・頷いている人が多いのでは? 見えますよ、皆さんが頷いているのが(笑) どうでも良いことや悲しいこと、嫌なことは早く忘れたいですが、素晴らしい景色や感動したものはいつまでも記憶に残したいものです。
先日「茅ヶ崎サザン芸術花火2018」に行って参りました。凄い人の出でした。茅ヶ崎にこんなに人が集まって大丈夫なのか? ちょっと酸素が足りなくなってないか? くらいな人だかりでした。サザンオールスターズの曲に合わせて花火が上がる仕組みだそうですが見事でした。結論から言いますと今まで見た花火で一番良かったです。記憶に残したい景色と感動です。欲を言えばもう少し長くやって欲しかったのと、終わり方が尻つぼみでなんとなくスッキリしなかったことです。 曲は素晴らしかったのに段取りミスとも思える感じでした。あくまで個人的な感想です。大きな花火が左右から打ち上げられて真ん中で交差して反対側でドーン! 低い位置なので半分ほど海に消えて半円の花火に見えたりします。これが綺麗なのです。文章では伝えきれないのが残念です。機会があったら是非見て下さい。日本人は花火が好きですよね・・・
翌朝六時半からお寺で日曜参拝がありましたが、それが終わって直ぐに海岸へ行き「世界一楽しいゴミ拾い」とやらにも参加してきました。その後に法事がまた控えていたので一時間ちょっとしか参加出来ませんでしたが有意義な時間を過ごすことが出来ました。海岸のゴミは少なかったと思います。素晴らしい!
ただ・・・気になることがあります。波打ち際に小さなプラスチックゴミが沢山打ち上げられているのです。花火大会で出たゴミではないようです。今、問題になっているマイクロプラスチック。その元種です。皆さん知っていますか? その辺に捨てられたプラスチックゴミがやがて川に流れ、海に漂い、細かく細かく粉砕され粒状になって海に漂い続ける。これが油分や有害物質を絡めて海の生き物の体内に入ってしまうのです。最近の調査では世界の海に推計五兆個以上のマイクロプラスチックが存在すると言われています。日本の沿岸には世界の平均のおよそ三十倍の密度で存在します。食物連鎖を考えると私たちの生命にも直結する問題です。そして私たち自身がそれを生み出してしまっていることに気がつかなければなりません。私が生きている間は大丈夫とか、私はその辺にゴミを捨てたりなんかしないとか・・・そういうことではないのです。知らず知らずうちに原因を作ってしまっているかも知れません。
この写真はインターネットからのコピーですが石けんの泡の中に青い粒々が見えますか?汚れを取るため洗顔剤などに含まれている青い粒、マイクロビーズです。大きさは僅か0.1ミリ。似たようなものを使ったことないですか? 一人一人が意識を持つことが大切です。
意識と言えば、自分の心の中に仏さまが居ると感じながら・・・意識しながら普段の生活をおくっていますか? これ・・・お釈迦様の最も重要な教えの一つです。私たちの中には仏さまが居るのです。必ず!
「いいえ 私の中には鬼が住んでるの・・・意地悪なもう一人の私が・・・」「そのもう一人の私が意地悪するのよ。今日はどうやって嫁をイジメテやろうかと・・・」と言う方は多いかも知れません。でも、そんな方でも仏心があるでしょう。分りやすく言えばアレですよ・・・白い天使と黒い悪魔が両耳に交代交代でささやくやつ。アレと同じです。地獄界から仏界まで己の中に様々な世界の自分が居るのです。その仏を如何に引き出すか。これは普段の生活や行いによります。簡単に言えば「世のため人のため」に生きてるか? 難しく言えば「菩薩行の実践」です。自分のためだけでなく如何に他のためになるかを考えることが大事なんです。皆が心の中の仏を感じて、お互いを思いやり、他の為に行動できたらこの世はパラダイス。仏教的に言うと「娑婆即寂光土」「即身成仏」です。簡単なことですよね。でも、そうならない。何故か? 欲があるからです。欲が苦しみを呼び起こし、自分を仏界以外の様々な世界に引きずり込むのです。この負のスパイラルに陥らないように信仰があるのです。
既にタイムスで紹介しましたが「妙法蓮華経常不軽菩薩品第二十」に人を敬う心を説いている部分があります。
我れ深く汝等を敬う 敢えて軽慢せず 所以は何ん
汝等皆菩薩の道を行じて 当に作仏することを得べし
人は皆が仏に成り得るのだから軽んじることなくあなたを敬います。
私たちもお互いがお互いの仏を見いだし、敬いの心をもって合掌しましょう。合掌しているあなたの姿はまさに仏さまです。
「妙法蓮華経如来寿量品第十六」
我が此の土は安穏にして 天人 常に充満せり
南無妙法蓮華経