日蓮宗妙厳山信隆寺(茅ヶ崎市) | トップへ |

ひとこと

寺報第23号より

合掌。師走・・・早いです。時が過ぎるのが早すぎるのです。今年一年で何ができたのでしょう? ただただ時が過ぎた気がします。人は一生のうちにいったい何が出来るのでしょうか? 歴史に名を残したいとは言いませんが、いつか歳をとった時に「嗚呼良い人生だった!」と言いたいですね・・・

最近、「古い位牌や墓石を処分したいのでお経をあげて下さい。」という依頼が多くなりました。仕方のないことと思いますので、お受けしますが、なんとなく淋しい思いが致します。何百年も前に生きた人たちの証が、またひとつ消えたんだなあ・・・という思いです。昔は過去帳がその家の一番大事なもので、過去帳さえあれば先祖が全て分かり、先祖の生きた証が過去帳に詰め込まれていました。今は過去帳のある家のほうが少なくなりました。とても残念です。墓石がなくなり、位牌がなくなり、過去帳がなくなり、お骨もなくなってゆく・・・ 死んだらどんどん忘れさられていく。

ん~ やっぱり淋しい。 あの世はあの世として、生きてる人にも覚えておいて欲しいと思うのは欲張りすぎなのでしょうか? 皆さんはどう思いますか? お寺には室町や江戸の頃の墓石が残っていますが、その石をずっと見ていると、この人はどんな生き方をしたのだろうかと、想いに耽ったりすることがあります。古い仏具などに刻まれた奉納主やその時に供養をしたご先祖様の戒名(法号)を見たときも同じです。檀家さんの家庭にもたまに至極古いものがあります。お盆のお経に行った時にはその家のご先祖様から代々伝わっている「お曼荼羅」などがあったり、すごい家は江戸初期からの位牌が全部残されている所もあります。数百年の時を超えた魂の交流を感じます。残せる限り残したいですね。そう言えば、平成十年に開催した写経会で皆さんに写経していただいた「お自我偈」は仏像の中に大事に保管されていますから数百年後に皆さんの子孫が、見るかも知れませんね。これって嬉しくないですか?ちょっとしたロマンですよね! 他にも本堂建立の寄付額や天水鉢やその他色々と残るものがあります。「ご先祖さんがこんなに昔から懸命に生きてきたんだな~ ありがたいな~ だから僕たち、私たちが、今こうしていられるんだな~」なんて未来の子孫たちが会話してるのを想像したらワクワクします。

その人の名前には親の願いが込められ、戒名(法号)にはその人の人生が見え隠れします。いつか、子孫が私たちの生きざまを垣間見ることがあるやもしれませんね。時には仏壇の前で、皆さんがご先祖様の生き方を覗いてみたら如何ですか? 蝋燭とお線香をつけたら過去帳や位牌を眺めて想像してみて下さい。何か見えてくるかも知れませんよ。 あっ・・・ 蝋燭は必ずつけて下さいね。お線香をつける道具ではなく、闇を照らす灯明ですから。蝋燭つけないとご先祖様は真っ暗で何も見えないそうです。照らされた私たちの顔を見て喜んでくれますよ。会ったことのないご先祖様にも顔を覚えてもらいましょうね。「私が子孫です」って・・・

子孫と言えば、子を叱れない親が多すぎませんか?

先日共同浴場で大騒ぎしている子供がいました。近くで浸かっている方の顔にバシャバシャお湯がかかっているのですが、親が叱らないのです。全くほったらかしの親も以前に見たことありますが、その人は注意しないわけではないのです。何○○くんやめてください。と、やさしく言います。子供は聞きません。バシャバシャと・・・かけられた人も苦笑いです。よっぽど注意しようかと思いましたが、もう少し、もう少しと、様子を見ていました。子供はバシャバシャをやめない。お父さんは呆れて「言うこと聞かないならお父さんはあがるよ・・・」と出ていきました。一度も叱らないまま・・・ うちならけつバットです!

今の時代は「子供は褒めて育てろ」だそうですが、叱らなくて良いのですかね? 子育てや教育は難しい。何が正解で、何が間違っているのか判りません。 環境や性格もそれぞれありますからね。一概には言えませんね。ですがテレビなどのメディアで取り上げられるとすぐに飛びつくのは考え物ですよね。情報が多すぎて自分で考えることが出来なくなっているのではないでしょうか? 褒めることは確かに良いことで、そこは大事にしたい。しかし叱ることも大切と思います。親に叱られたことがなく、挫折も知らない人が大人になるとどうなるのでしょう? お尻も洗わないでお風呂に入るような人になってしまうのだろうか・・・(冗談) 子供のころに叱られたり、怒られたり、友達とケンカして、負けて、悔しくて、傷ついて・・・自然に人の中で生きていく術を学ぶのではないでしょうか? 運動会で競争に順位がつかなくなったのはいつからですか・・・ 学力テストにも順位がつかなくなりましたね。 大人になったら何らかの形で順序付けされるのに・・・ あ・・・すみません。教育問題に口を出すつもりはないのです。ただ、教育は本当に大事だとは思います。先日「学問のすすめ」を何十年ぶりに読んでみました。時代の違い等ありますから、諸々差異ありますが為になることが書いてあります。刺激的です。この話はいずれまた・・・

ところでさっきの冗談ですが・・・皆さんに質問があります。お風呂に入るときにお尻やその近辺を洗ってから入ります? ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 洗いますよね~ それでは、洗わないでお風呂に浸かった人を見たらどうしますか? 注意します? どのように注意しますか? 教えて下さい。その人が納得して聞き入れてくれるような・・・誰もが嫌な思いをしないで、その人が人として立ち直れるような言い方を・・・

なぜかというと、その人とは、子供や青年ではないからで、ほとんどが「おじさん以降ご老人まで」の人たちだからです。困ったものですよ・・・大人です。まあ生きていく上でそんなに大したことではないと言われればそれまでですが(笑) 教えてくれる人がいなかった・・・かな。こんなこといっぱいありますね。タバコのポイ捨て、ゴミの置き捨て、トイレを流さない・・・ どれも小さいことですが、これが捨て猫や子供の置き去りに繋がり、大げさに言えば人の倫理に繋がることや、やがては一人の命、そして公害、地球温暖化、放射能、食糧危機と、人類全般に繋がってしまうのだと思うのです。お釈迦様は人類がこうなることをきっと解っていたのです。だから生きていく上での指針を示されたのではないでしょうか・・・現代の私たちはガラスのように脆い物質で築き上げられた幸せに囲まれて、モノが見えなくなってしまい、その大事な教えに耳を貸さなくなってしまっているのではないでしょうか・・・

あれれ、脈絡のないことを言っている間に原稿スペースが無くなってきました。この辺までにします。こんなこと一晩中語れますね。でも、やめときましょう。今回は法華経の話が全然出来ませんでした。(謝)「法華経の世界」はまた今度・・・

行事案内

十二月二十三日 大黒祭 守護神祭 星祭祈祷会 餅つき大会 暦の説明
朝からやります「お餅つき」是非とも皆さんに来て頂きたい。お寺にはなんとなく来にくいのは解ります。でも結構楽しいですよ。檀家さんどうし横の繋がりも増えますし、お餅は美味しいし・・・(カラムーチョ餅)
暦の説明~今年は四緑木星の年で流行病に要注意と言ってありましたが、果たしていくつかありましたね。今もインフルエンザが過去最早で流行っているそうです。気をつけましょう。
来年は三碧木星。電気障害、落雷、流言、水害、その他、詳しいことは二十三日にお話しします。方位は東西が大凶方。転居は絶対にダメです。北東も凶方です。子供の凶方位は毎月変わりますので当日説明します。
十二月二十八日 大掃除奉仕修行
参加者募集中!

お知らせとお願い

大晦日~年明け 元旦初参り
鏡開き乾杯 開運お年玉
三宝荒神様のお札は「尊神堂」にあります。
三宝荒神様は台所、殊に火と竈を司る火伏の神様で、その御札は台所に貼ります。昔は竈〆と言って暮れに竈の荒神様にお経をあげて感謝の気持ちで一年間の御礼を申し述べ、正月あけまで火を焚かずに竈を休ませました。おせち料理の意味が分かりますね。このような風習も段々と忘れさられてゆきます。万物に魂の存在を感じ感謝の心を忘れずにいたいものです。

御札は一年に一回、貼り換えましょう。南無妙法蓮華経