日蓮宗妙厳山信隆寺(茅ヶ崎市) | トップへ |
合掌。今年も無事に、そして盛大にお会式を奉行することができました。今年は七三三遠忌です。つまりは日蓮聖人の第七三三回忌ということですね。この法要は最も大事な年間行事のうちの一つです。お寺としては一大行事で、お手伝いして頂いた皆様には感謝しています。
前々日~前日~当日~翌日と四日間本当にお疲れ様でした・・・皆様のご奉仕はきっと日蓮聖人やご先祖様にも伝わっております。年間を通して、行事の参加者やお参りの方々、法事の有無などの帳簿をずっとつけていますが、参拝者が増えていくのは嬉しいものです。
信隆寺は参加型のお寺です。毎月十日のお題目や、十九日の唱題行で一緒にお経を読む。法事でもみんなでお経本を手に、なるべく一緒にお経を読む。お経が読めなくとも、お題目「南無妙法蓮華経」を自ら唱える。ご先祖様は嬉しいことでしょう。正月のお年始参りだって、節分の祈祷祭だって、春のお彼岸だって、お釈迦様の降誕会(花祭り)だって、お施餓鬼だって、お盆だって、秋の彼岸だって、お会式だって、写経会だって、星祭祈祷・大国祭だって、暮れのお礼参りだって、自らお題目を唱え、心を磨き、菩薩行の実践をすることが大切だと思います。今の日本は多くの人が幸せに暮らせていますから、中々に手を合わせることが難しいかもしれません・・・だけどやっぱり自分から行動することは大切だと思います。祈祷を受けにくる人もただ、祈祷を受けるのでなく、お題目を唱えて、自分の守護神を強くすること、自分の中にある仏を磨くことで、より祈祷の力を強く受けることが出来るのではないでしょうか?
当山では地鎮祭をするときには、施主に「地鎮祭の心得」を理解していただくようにしています。地鎮祭は土地にいる悪いものを払うイメージの方が多いようですが、そうではありません。供養と思っていただきたいのです。払うイメージを持っていた方・・・ 「俺(私)が今度からここに住むんだからお前ら何処かへ行け」みたいに思っていませんか? もし自分が払われるほうだったらどうですか? 「何を~このやろう!!!」 って怒りますよね? 悪さをしてやろうと思いませんか? 逆に供養すると・・・ 「今度から縁あって、ここに住まわせてもらいますよ。供物を捧げて供養しますから。これから宜しくお願いしますね」・・・ どうですか? 「あ~ こちらこそ宜しくね~ これだけ供養してくれてお経もあげてくれたら、逆に護りたくなるよ~」って気持ちになりませんか・・・ 自ら供物をたくさんあげて、お題目を唱え、五穀を地に捲く。感謝の心で地鎮祭に臨むのです。
お供物は全部埋めてしまいますから、たくさんはもったいない。良いものはもったいない。と言う方の気持ちも少しは解りますが、一生に一度の地鎮祭です。頑張りましょう。 記念日には美味しいものを食べる人、自分へのご褒美はたくさんの人が、神仏に捧げる供物をケチったら残念な人になってしまいますね。ならないように、ならないように・・・
さて、自ら行う・・・ 菩薩行・・・ と言いましたが、法華経の精神がまさしく実践行のそれなのです。
お釈迦様の入滅後、その教えは、大陸を伝わった北伝(大乗)仏教と海を渡った南伝(小乗・・・今では上座部という)仏教とに大きく分類されますが、日本に伝わったのは北伝の大乗仏教です。難しいことは抜きにして、自分さえ良ければ・・・ではなくて、他が救われてこそ自分が救われると考える・・・そして誰もが仏になれる可能性をもっているのだと説く教えです。誰もが救われる教えを、大きな乗り物と例えて大乗としたのでしょう。インドネパールから大陸を伝わる間、鳩摩羅什や玄奘三蔵らによって翻訳され、更に天台大師智顗らが教判として分類します。(五時八教 タイムス15号参照)
飛鳥時代に日本へ伝えられた仏教はこの国の風土に馴染み、人々の心に融けこみました。それまで自然崇拝や鎮護国家的な宗教はあったものの、確固たる教えが存在しなかったであろう所に初めて教えなるものが伝わったのです。飛鳥から鎌倉時代にかけて仏教は隆盛を極めます。中でも比叡山を中心として名立たる僧侶が輩出されました。日蓮聖人も比叡山で一切経を学びましたが、お釈迦様の教えの中で法華経こそが最第一の教えであると確信したのです。
お釈迦様は教えを説いてゆく中で、その場、その時、その人の機根に応じて順を追いました。言わば最初に真実を説かず、方便を以って導き、最後に真実の教えを説かれたのです。日蓮聖人は此処に着目し法華経以前の教えは方便であって法華経こそが真実であると確信されたのです。お釈迦様が法華経をお説きになられる前に、「無量義経」という教えを説かれていますがその中で、「法華経こそが万民救済の最上の教え」であることを語られます。「四十余年未顕真実」 「今までの四十数年の説法では、いまだ真実を顕していない」と言うのです。それでは本当の教えはいかなるものなのか? 次回から法華経の世界を見ていきましょう・・・
*お年寄りから「お塔婆が大きくて持ち帰るのに大変だから小さくして下さい・・・」という声を頂きました。今までは五尺のお塔婆でしたが、希望により四尺のお塔婆を用意できるように致しました。但しお塔婆供養料は同じく三千円となります。申し込み時に (小) とお書き下さい。
*どうして??? あちこちゴミを捨てないで・・・ お墓参りのゴミは持ち帰るか、決められた場所に置いて下さい。
南無妙法蓮華経