日蓮宗妙厳山信隆寺(茅ヶ崎市) | トップへ |

ひとこと

寺報第2号より

合掌 愈々秋らしくなってきましたね。虫たちが盛んに鳴いてます。

虫たちといえば・・・

先日 裏庭の草刈をしていたら、住む場所を追われた虫たちが塀をよじ登って逃げ惑っていました。人間にしてみたら草がボウボウと生えているのは如何なものかと思うのですが、虫たちにしてみればそれが天国、刈り取られた草原はなんとも住みにくい場所となってしまうわけです。その夜は虫たちの声があまり聞こえなかったのを覚えています。何につけても人間は他のものと共存し得ぬ生き物なのかもしれません。

連鎖の中に組み込まれない人間は、自然環境の中で浮いた存在です。自分の首を絞めながら生きている私たちにはやはり教えが必要なのでしょう。

さて、秋と言えば本宗はお会式の時期です。「お会式とは何ぞや?」とお思いの方、お会式について少しお話いたしましょう。

日蓮大聖人は弘安五年(一二八二)十月十三日辰の刻(午前八時)、六十一歳をもって池上の地にて安らかにご入滅されました。その折、時ならぬ桜の花(お会式桜)が咲き、天地も大聖人のご入滅を悲しまれたと伝えられています。

このような故事から、夕刻には桜の花(造花)で飾った万灯をかかげ、江戸の火消し衆が参拝する折りに始めた纏(まとい)をふり、うちわ太鼓と鐘と笛の音色と共にお題目を唱えながら詣で、大聖人にお参りします。つまりお会式とは日蓮大聖人の年回法要なのです。時は流れ、今ではお祭りみたいな雰囲気になっていますが、本来の意味を知り、日蓮大聖人にお会いできる喜びと考えれば、賑やかなお逮夜行事もまたよしなのでしょう。各お寺で日にちのずれはありますが、昼間には厳かに遠忌法要が厳修されています。