1 夕方っていふのは寂しいんじあなくて豊かなものなんですね    「航海」
 2 我々が望んでもとても適えられないものと思って自分に対して  「甘酸っぱい味」
吉田健一
 海保青陵は武術の外書画ほど腹こなるるなしとぞ教えけり
石川淳
*海保青陵:江戸後期の儒者・経済学者。諸国を遊歴し、諸侯財政の商業化,武士の町人化,商売繁盛の秘策を説いた。広辞苑より
中勘助
ほほづき提灯みたやうにまっかいけな実がさがるなんてこたないけれど
すべて何も皆ことととのほりたるはあしきことなり しのこしたりを (徒然草八十二段)
吉田兼好
高橋新吉
何もないのだ分かったか わかるといふこともないのだ
金子みすず
すずと小鳥とそれからわたし みんなちがってみんないい
春風を得て花ひらく
盤珪和尚
過去も未来も只今ばかり心とめるより只歌うたへ
一茶
目出度さは今年の蚊にも喰はれけり
上田秋成
悪をきらふを善じゃとおしやるきらふ心が悪じゃもの
高橋元吉
みずのたたへのふかければおもてにさはぐなみもなし ひともなげきのふかければいよよおもてぞしづかなる
青砥左衛門ある夜十文の銭を滑川に落としつるに銭五十文で松明を買いてこれを燃やして
太平記
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蕪村
春雨や人住みて煙壁を洩る
学問は尻からぬけるほたるかな
宗鑑
月に柄をさしたらばよきうちはかな
沢庵
この袋あけてみたれば何もなし 何もないこそ何も有けれ
山田風太郎
バルザックの「人間喜劇」は一つの小説に脇役がおるでしょう。それが次には主人公になるんだよ。次から次へとこの世では脇役なんていないんだからどの人も自分が主役だと思って生きているんだから。
チェーホフ
わたしたちはみんな神さまの居候じゃないか
人磨呂
淡海の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのに古へ思ほゆ
白居易・道信少将
松樹千年終にこれ朽ちぬ 槿花一日自ら栄をなす 白居易
あさがほをなにはかなしと思ひけむ 人をも花はいかが見るらむ 道信少将
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