平安時代にはそれなりに繁華の地であった西の京も蕪村の頃には辺鄙な場に変じていたのでしょう。かの地の化け物が住むと噂されていた家の壁の隙間から、飯を炊ぐ煙が漏れでている。人が住むようになったのだ。あの家にも春が戻ってきたのだ。