第6回 親切な配達のお兄さんの巻
郵便事情 フランスの郵便事情はよく、日本からの郵便物もだいたい5、6日でこちらに届いています。郵便集配係の人には女性もよくみかけます。 わたしはフラット(集合住宅)に住んでいますが、こちらの住所には部屋番号がありません(便宜上、ポストに番号が振られているところはありますが)。住所は「番地・通りの名前・郵便番号(5桁)・町の名前」という表示の仕方になっています。そのため郵便集配係の人は、フラットに郵便を届けるとき、エントランスに並んでいるポストの名前と郵便の宛名とを照合しながら投入しています。このため、もしポストに名前を書いておかなかったら、郵便が届かない可能性もあります。 住所にまつわる失敗談 洗濯機を配達してもらったときのことです。インターホンが鳴り応対に出ると、配達の人がエントランスのインターホンごしに、フランス語で「なんとかかんとかぺ〜ラペラ」とまくしたてました。何を言っているのかさっぱりわからないので、フランス語で「わたしはフランス語がわかりません」と言ってから、あとは勝手に英語に切り替えました。でもこれではお互い意思の疎通が図れるはずもなく、しばしあれこれ言い合っていました。すると相手が「number?」と言ってきました。な〜んだ、うちの番号を聞いていたのか、そう思って「fifteen」(うちのポストとインターホンはN0.15となっている)と答え、エントランスのロックを解除しました。すると、わたしの横で聞いていた夫が「インターホンが鳴ったんだから、15ってことはわかってるんじゃないの?」と言いました。なるほど、たしかにそうだ・・・ってことは「numberって?」と考えることしばし。そしてはっと気づきました。配達の人は何階かと聞いていたのでした。住所に部屋番号はないし、ポストを見ても何階かはわからないのです。うちのフラットにはもちろん15階なんてなく、6階建てで、うちは2階(日本の3階にあたります)です。配達の人は待てど暮らせどやってきません。5分以上待ったでしょうか、非常階段から配達の男性がゼイゼイいいながら現れました。どうやら彼は6階まで行って、一軒一軒わたしのうちをさがしてきたようです。本当に申し訳ないことをしてしまいました。 |
(文・撮影:99年4月)
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