個人ページの公開法|組織の中の研究者・技術者|アクセス解析|アクセスログと個人情報|こまごました疑問|その他
私のページの内容を実際の化学分析や情報集め等の参考にされる方に、若干の注意事項をお伝えします。また、「こんなホームページなら自分も作ってみたい」との声をいただいていますので(私と同様、仕事で論文を書いている方から)、このようなスタイルのページを公開する場合に参考になりそうなことをまとめておきます。
個人ページの公開法について
このホームページの運用方針(2003/6/1)
私が個人ページを公開した経緯(2003/6/1)
「津村ゆかりの個人ページ」から「津村ゆかりの分析化学のページ」へ(2003/10/1)
ウェブページ作成法の勉強(2003/6/1)
参考にしたページ(2003/7/19)
実名で専門知識を公開するための工夫(2003/7/26)
組織の中の研究者・技術者がウェブで語るとき
組織の中の研究者・技術者がウェブで語るとき(2003/12/20)
組織の中の研究者・技術者の個人ページ(2003/12/20)
学術情報の発信(主に個人として行うもの)に関するリンク集(2003/12/20)
@ニフティでの発言(2003/12/20)
アクセス解析など
手間をかけずに自分のページの読まれ方を知るには(2003/8/8)
アクセス解析利用レポート(2003/9/6)
アクセスログと個人情報
インターネットのページを読むだけで残る足跡(2003/9/13)
アクセスログが取られているページを見分ける(2003/9/20)
アクセスログに捕捉されないようにする(2003/10/5)
アクセス解析:私見のまとめ(2003/11/1)
アクセスログと個人情報:続編(2004/3/28) New
このページは個人(津村ゆかり、一名)で運用しています。次のような方針で作成していますので御了承ください。
自分自身が書いた論文・報告書の要約や、他の人が書いた文章の引用、公開サイトへのリンク等のみで構成する。
経験に基づく私見はときどき入れているが、「〜すべき」「〜であるべき」の形では書かない。ただし、社会通念上広く認められている規範(人命尊重・勤勉など)は述べる場合がある。
インターネットの特徴として、「相互批判をしやすい」という点がある。これは学問や思想の発展に必要なことではあるが、また、非常に大きな精神的エネルギーを消耗する活動でもある。そのようなエネルギーを使う余裕が無いという理由により、私のページでは批判はしない。(万一批判に相当する表現があると考えられた方は、メールでお知らせください。訂正いたします。)
政治的・制度的な話には(かなり必要があっても)言及しない
私のページを教材のように考えられた方は御注意。教科書のように網羅的ではなく、書きやすいことを書きやすい順に書いているだけなので。どの項目についても、もっと基礎的でもっと重要なことがあるのに書いていない可能性がある。専門用語も、説明抜きで使っている。
網羅的でない代わりに、「私はこの分野をこのように理解している」と自分の言葉で表現している。何かを学習していく時、自分と同レベルや少し上のレベルの学習者の理解の仕方を間近で見ることで一気に理解が深まる場合がある。また、解説書の文章やメーカーのPRとは違う、よもやま話的な文脈から、知識がスッと頭に入る場合もある。そんな読まれ方をすれば、私のページは役に立つかもしれない。
あまりにも古くて現実に合わなくなった記述は修正するつもりだが、すべての記事を常に最新状態に維持するのは不可能。各記事の執筆時点を示すことで、情報の経時的劣化についての判断は読者に任せる。
内容はすべて他で公開されているものなので、できる限り文献名等を併記する。
私生活に関することは書かない。個人名は「さん」「氏」付けとし、「先生」は使わない。バランスよく儀礼を尽くすのは、実質的なメリットの割に労力が多く掛かりすぎるというのが理由だ。また、研究発表をする場合には共同研究者・協力研究者への謝意を示すのが礼儀ではあるが、私のページでは意識的にいっさい行っていない。もちろん、私が単独で行った研究は一つもなく、すべての研究は所属部内外の研究者と共同の成果である。氏名は論文リストのページに著者名として挙げている。この場で皆さんに深謝申し上げます。
このページ内では、私の所属は明かさない。ただしこれは秘匿するためではなく、このページの内容がすべて私の個人的な立場によっており所属先とは無関係であることを明確にするため。私の所属は、2003年4月以降に刊行される書籍・論文(国立衛研で行った研究の論文は除く)・所属学会名簿等に掲載されるので、分析化学・薬学の関係者にとっては、私の所属を調べることはさほど難しいことではない。
しかし、上記のような情報に簡単にアクセスできない読者にとっては、私が名乗っているのが実名なのか、このページ内の情報だけで確認することはできない。確認したい方は、京都大学博士学位論文データベース参照。または、検索エンジンを使えば、厚生労働省はじめいくつかの公式サイトで私の氏名が見つかる。
国立研究所に在職中の1997年頃、研究所サイトの各部紹介の中に、自分の略歴・研究内容・論文目録等をまとめたページを作成した。ネット上での情報提供としては、この個人ページの食品中のフタル酸エステル類と塩ビ手袋及びガスクロマトグラフィーにおけるマトリックス効果とほぼ同内容のページを公開した。仕事上の自己紹介に使うのが主目的だったので更新にはあまり熱心でなく、6年間ほとんど放置状態だった。
研究所を去るに先立ち、自分の作成したページをすべて削除したところ、某地方衛生研究所勤務のUさんから、「GCにおけるマトリックス効果のページは今後も参照したいので、自分の個人ページで引き続き掲載させてほしい」という光栄な申し出をいただいた。たいして読まれているとは思っていなかったので、削除に気づいてくれた人がいるだけで感激だった。
Uさんの申し出をきっかけにあれこれ考えた。実は、自分としてはフタル酸エステルの仕事のほうに思い入れが深く、マトリックス効果のページだけ残してフタル酸エステルのページを削除するのはしのびなかった。それに、化学分析にはGCの問題以外にも面白いことが色々あり、それらについての内輪向けの小論をいくつか書きためていた。この際、私が研究所時代にやってきたことをまとめておこうかと思い至った。
それから2週間ほどでHTMLファイルの書き方を勉強し、研究所のサイトで掲載していた内容を個人ページ用に編集し、ホストサーバーを選んで契約し、4月2日の開設にこぎつけた。最初は研究所で公開していたコンテンツからあまり膨らますつもりはなかったのだが、個人ページの自由度の高さから、書きたい内容が広がってきて、今もちびちび製作を続けている。
このページがあるのは、ひとえにUさんのおかげ、Uさんが私の旧ページ削除に気づいて声をかけてくださらなかったら、このページを公開することはなかった。私のページが世の中の役に立つ程度は微々たるものでしかないが、こうして自己表現すること自体が、自分にとって大きな充実感がある。そういうことに気づかせてくれたUさんにたいへん感謝している。
公開から半年を経て、サイト名称を少し変更することにした。最初は仕事で関係する方がたに自己紹介することを主目的にしていたけれど、検索やネットサーフィンで訪問される見知らぬ読者の方が圧倒的に多いことがわかってきて、情報提供を中心にするようになった。それならテーマが明確なほうがいいと考え始めた。「分析化学」や「衛生化学」をサイト名に入れたい気持ちは当初からあったのだが、それでは書ける内容が限定されてしまって不都合かもしれないと思いとどまっていた。しかし半年続けてみたら、やっぱり自分には分析化学のことしか書けないと自覚されてきた。「分析化学」に絞るのは、他に芸がないと悟ったということでもある。
一方、国立医薬品食品衛生研究所で公開していたページと区別するため、また、あくまで個人の立場でやっていることを明確にするために、今後も「津村ゆかりの個人ページ」を副題として併記する。リンクしてくださっている方がたに名称変更の御連絡はしません。そのままにしていただいても、変更していただいても、どちらでも結構です。
私のページ程度のものを作るにはどのくらい知識が必要か、参考のために。
基本的には、ワープロソフト(Wordや一太郎)が使えればウェブページは作れる。私が研究所サイトで公開していたページも、Wordで作成していた。しかし、ワープロソフトは勝手に色々と余分な情報を盛り込んでしまう。(ソフトの登録者名や、ややこしいフォント指定など。)その結果、自分で知らないうちに思わぬ情報を公開してしまったり、掲載のための容量を使うことになる。
現在のページを作成するに当たり、村井知生・相原哲哉「ひとりでつくれるホームページHTML入門」成美堂出版(1400円)という本を購入した。近所の小さな書店で、たまたまあった本を選んだ。こういう本の前半だけ読めば十分。「スタイルシート」「フレーム」などは私のページ程度なら不用。作成ソフトはノートパッド(メモ帳)。大きなファイルはワードパッドを使っている。私の場合、Wordで作っていたページを書き換えたら、ファイルのサイズは5分の1くらいになった。
ページを作成した後のFTPの使い方は、ホストのプロバイダが詳しく解説しているので、そのとおりにしただけ。
以上、ファイルの作り方とアップの仕方の勉強自体に使った時間は、合計3〜4時間程度。
2003/6/29 追記 ごく簡単なスタイルシートを使うことにした。目的は、行間を少し空けるため。ついでに、上下左右のマージンも、ほんの少し取ることにした。そのために、上記の参考書を読み足し、CSSという1行だけのファイルを作り、各ファイルにも1行ずつ書き加えた。読み足しと作業にかかった時間は約1時間。
2004/3/1 追記 もう少し手の込んだスタイルシートを作ってサイトデザインを変更した。新しいスタイルシートはインデックスページ用とその他ページ用に分けてあって、それぞれ10行程度。スタイルシートの勉強自体にはたいして苦労しなかったし、書き換え作業も時間はかからなかったが、どんなデザインにするかについてはそれなりに工夫した。 blog版の関連記事へ
2016/6/19 追記 モバイルフレンドリー化(スマホ対応)を実施。方法の調査から書き換えまで10時間程度かかった。 ブログ記事「本館サイトをスマホ対応に」
私のページの内容や構成や形式を考えるに当って参考にした個人ページを御紹介。
私がめざしていることと一番近い形のページ。丹羽さんは日本化薬株式会社の研究者で、対象分野は「薬物動態研究の基礎技術である分離分析化学と統計学、及びそれらの境界領域」。サイトの冒頭には
目的 企業研究者の個人HPです。 研究・実務上有用と思われる情報のうち、実は公知でありながら意外と知られていないものを中心に紹介し、インターネットリソースの充実を図ることを目的としています。
とある。私の運用方針「1.公開されている情報または周知のことがらのみで構成する」は、丹羽さんの姿勢を真似したもの。また、文章全般の品がよく、格調高くて心地よい点を見習いたいと思っている。(実行はあまりできていない。)情報内容は、丹羽さんの方がずっとレベルが高い。
東北大学大学院理学研究科数学専攻の助手、黒木玄さんのページ。扱われている内容は幅広く、学問の基礎になるものが多いので、数学の専門家に限らずほとんどあらゆる人が読者になりうる人気サイト。
私が特に参考にしたのは、テキストベースのシンプルなページ構成。一見してわかるように、背景は白で画像はほとんど皆無だ。画像に凝ったページが多い中、これだけシンプルでもこんなに豊かな内容を作れるという実例を見て、HTMLファイルの書き方すら知らなかった私も個人ページを作る気になれた。(黒木さん自身はコンピュータの専門家でもあるから、掲示板システムなど、素人のわからないところでちゃんと凝っておられる。念のため。)
実は私のページは、形式だけでなく内容に関しても黒木さんの基本姿勢に学んだ点が多い。詳しくは、いずれあらためて書くかもしれない。
大久保さんは所属をはじめとしたプロフィールを一切明かしておられないし、ページ内容は漫画やアニメの話題が多いので、私がこのページをどう参考にしたのか、わかりにくいかもしれない。
まず、基本的なページ構成を真似している。テーマごとにインデックスページを作り、表紙に目次を作り、更新履歴のページを別途作って新しい記事へリンクを張っていくやり方。それから、冒頭に「今回のお言葉」というコーナーを作って、有名人・無名人の様々な言葉を引用しておられる。これは、あまり手間をかけずに「ちゃんとメンテナンスされている」ことを示せるし、ホームページの主題と関係のない側面も演出できて効率の良いやり方だと思う。これを真似したのが私の「ふとした言葉」。大久保さんは過去のお言葉というページに引用歴をまとめている。私は、これも真似した。
余談だが、大久保さんにはさる事情から、個人的にたいへんお世話になったことがあり、以来、ときどきホームページを訪問させていただいている。
追記 2004/6/1 大久保さんのサイトは移転されました。リンクを修正しました。
畝山さんは、国立医薬品食品衛生研究所安全情報部の主任研究官。つまり、かつての私の同僚だ。このページの開設は1998年7月2日だそうだから、かなり歴史のあるページと言える。
畝山さんのページの目玉は
論文を書こう。化学系の雑誌で紹介されたことがあり、あちこちからリンクもされている。私が愛読しているのはつぶやき。ストレートな表現が特徴で、どの文章も、わかりやすいことこの上ない。
私が畝山さんのページから学んだのは、ひとえにその大胆さと明快さ。大学の研究者以外で、所属も実名も明らかにしてこれだけのことを書ける人は滅多にいない。
なお、畝山さんが私の作成したページにリンクを張ってくださったところが一ヶ所ある。環境ホルモン騒動その2の追記から、このページへリンクされている。畝山さんは生物系の研究者(2003年3月までは病理部所属)であり、環境ホルモン問題に関して色々と教えていただいた。
ウェブページの形式や構成や基本姿勢に関しては、私のオリジナルな部分は全く無いと言ってもよい。私のページの目的の一つが「ネット上で個人が専門知識を広く提供する負担の少ないやり方について、若干の試行錯誤をすること」なので、大枠については人まねで手間を省いても堂々としていればいいことを示してみた。
インターネット上にあふれる匿名の情報の中に、ときどき極めて高い専門性に裏打ちされたと思われるものがあるけれど、発信元を明示した情報より見極めに手間がかかるし、情報の利用にも制約が生じる。これは残念なことで、できれば匿名よりは実名による書き手が増えたらいいと思う。一方、発信元が明らかとはいえ、所属機関の方針により義務的に最小限のことだけ並べたみたいなページを見かけると(それはそれで、無いよりはいいのだが)、やや寂しい気がする。
私は、専門性に基づく情報を提供しながら製作者の思い入れが感じられる個人ページが好きで、リンク集に挙げているようなサイトを日ごろ楽しみに訪問している。しかし、実名でこういうページを公開することは、大学の研究者や、公的機関でも比較的基礎的な分野の研究者以外には敷居が高いようだ。行政に関わる研究機関や企業に所属する専門家は、実戦的な価値ある情報をたくさん持っているけれど、それを公開してくれる人は非常に少なくてもったいない。また、自由な立場にあるはずの研究者でも、義務的なページ以上のものを作る人は多くない。
ネットを通じて自分の知識を広く提供したいと考える専門家は潜在的に多数存在すると思うが、どんなことが障壁になって、実行する人が少ないのだろう。もし、ちょっとしたことでその障壁が取り除けるなら、そういう方法論は大いに広めたらいいのではないか。このように考えて、以下の文章では、実名で専門知識を公開するために私自身が実行している工夫をまとめてみた。
研究者なら誰でも実名で論文を書いているはずで、自分の論文や引用文献の 内容は著作権に触れない範囲で公開してもかまわないはずだ。また、多くの研究者は、研究対象への愛着を強く持っているだろう。つまり、@既に公開されている情報とA自分自身の研究対象への愛着だけを表現するなら、実名個人ページはあまり抵抗なく公開できるはずだ。研究者に限らず、自分の論文がない人でも、特定の分野に非常に詳しいなら、引用だけで有用な情報提供が可能だろう。このように考えて、公開範囲を明らかにし、公開の障害になりそうなことを一つ一つ排除していったのが、私の「運用方針」だ。
この運用方針では、いかにも堅苦しい自己規制をしているように見えるかもしれないが、こういうことを宣言しておくのは、自分自身と周囲の人々のストレスを減らすのに役立つと思う。実名で専門的なことを述べる以上、自分の書いた内容が所属先と何らかの関係があるように受け取られる可能性は常に否定できない。また、公開すべきでない情報がホームページで公開されてしまうのではないかと、陰ながら気に病む関係者が存在するかもしれない。
私の方針「特殊な主張はしない」「特定の個人・団体を批判しない」は、インターネットらしくない態度だし、主張も批判もないページのどこに面白味があるのかと思われるかもしれない。けれども、これらのことをするには並大抵でないエネルギーが必要だ。私の経験上、大ざっぱに言って、単に情報提供をするだけの場合の10倍は労力がかかると思う。まあ、主張や批判こそが自分の原動力になるのだという人は、そういうページを作ればいい。でも、情報提供のみでも十分に幸せになれる人が、個人ページでは独自の主張や批判をすべきであるという先入観によって公開をためらっているなら、そんな先入観は捨てたほうがよい。
「『網羅的』をめざさない」「各記事の執筆時点を明確にして、情報の経時的劣化についての判断は読者に任せる」は免責事項に当る注意書きで、ひとえに書き手の負担を減らすのが目的。水も漏らさぬリンク集などを作っている個人ページには敬服するし活用させてもらっているが、自分がそういうことをめざしたら、重荷に感じておっくうになるだろう。「情報源を明らかにする」も、引用の仕方が不十分かもしれないから元の情報を読んでねという意味で、免責が目的だ。
「私的なことに言及しない」も、案外重要なことだと思っている。個人情報は、いったん流出したら元に戻せない。今の時点で差し支えないと考えた情報も、将来にわたって差し支えないという保証はない。私は「パソコン通信」の時代から15年以上、ネットを介した実名・匿名のコミュニケーションを楽しんできたが、ハンドルネームをリセットしたことが何回かある。その主な理由は常に「公開しすぎた個人情報」だった。だから、ネット上では別の自分を演じるくらいのつもりで、無色透明・生活臭なしの人格を表現してもかまわないと思う。そうしようと努力しても結局、根本的な価値観や世界観のようなものは隠しようがなく表れてしまうものだし、それだけでも十分に個性は表現できる。
私的なことを書かず、技術的・学術的な話題に絞っているのには、もう一つ理由がある。仕事ばかりの人間はダメだとか言われるようになった割に、相変わらず給与の支払い者や納税者(公務員の場合)は、被雇用者がどれだけ仕事に打ち込んでいるかに対して厳しいものだ。余暇時間をネットに使うのもその他の趣味に使うのも違いはないはずだが、ネットで実名でやっていると、日ごろ顔を合わさない範囲にまで活動状況があからさまになる。自分はそれでかまわなくても、気にする関係者がいるかもしれない。
実名個人ページを公開しやすくする工夫について私見をまとめてみたが、上記のようなことは自分にとってはちっとも障害にならないという人も多いだろう。陰ながら気に病む関係者まで想定して自己規制を表明するのは、要するに小心さの表れであり、そんな小心者は私だけかもしれない。
小心者ができることは純粋な情報提供のみで、遊びの部分を加える余地はないのかといえば、そういうわけではない。冒頭で述べたとおり、自分が対象分野に対してどんなに愛着を持っているかを語ることだけは、誰にはばかる必要もない。インターネットの世界では、実社会以上に悪意や嫌悪の感情が幅をきかせている。そういう中でひたすら愛を説くのは、けっこう創造的で面白いことかもしれない。
なお、この記事は、 生態学が専門の竹中明夫さんが、研究者向けに「勉強になる楽しい文章」を公開することを勧めた論説「研究者がウェブで語れば皆が楽しい」の最後の部分からこのページに対して、思いがけないリンクを張ってくださったのをきっかけにして書いた。竹中さんのページは、広範囲の人に役立つ情報内容もさることながら、デザインの美しさに感銘を受ける。テキストベースでシンプル、かつ機能的で心地よい。先週から背景色を真似させていただいている。(人真似で労力を省くのも私の方法の一つ。)
管理者:津村ゆかり yukari.tsumura@nifty.com